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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  トラック野郎 御意見無用 《ネタバレ》 
「仁義なき戦い」と並ぶ菅原文太の代表作となるシリーズの1作目。今回シリーズ自体を初めて見たが、得体の知れない勢いとパワー、そして全体からほとばしる熱さにひたすら圧倒されまくりの約1時間40分だった。桃さんが単純バカなのだが、とにかく熱い男で、演じている菅原文太にもヤクザ役とは一味違う良さがあり、賛否は分かれるかもしれないが、個人的にはこういう菅原文太もいいなあと思うし、見事にはまっている。(むしろ「仁義なき戦い」の広能よりも個人的には桃さんのほうが好きかもしれない。)それに愛川欽也演じるやもめのジョナサンとのコンビぶりも1作目というのに既に出来上がっているのがすごい。桃さんとジョナサンの二人を見ていると元気が出るというだけでなく、もう「惚れる」の一言で一気に映画に引き込まれた。脚本の筋書きとしては「男はつらいよ」シリーズのパターンを踏襲しているが、寅さんシリーズにはない派手な大立ち回りが見どころになっているのが東映らしいし、中でもドライブインの食堂を舞台にした関門のドラゴン(佐藤允)と桃さんのバトルはコントのように店が無茶苦茶になるという凄まじさでとくに印象に残る。それに今回のマドンナ 洋子(中島ゆたか)の初登場シーンが汚いトイレから出てくるというのも強烈だった。(この汚いトイレから美人が出てくるというのがギャップがものすごくあって笑える。)ラストは洋子に好きな男(夏夕介)がいることが分かって二人を会わせるために11㌧トラックを爆走させる桃さん。惚れた女のためならばたとえ自分の気持ちがどうであれ、その人のことを考えて行動する姿に男気を感じずにはいられないし、そんな桃さんがとてもカッコ良かった。はっきり言って映画としての完成度は低いのだが、そんなことは関係ない。久しぶりに心底惚れられる映画を見た、もうそれだけでこの映画を見て良かったと思えたし、このシリーズにもはまれそうだ。
[DVD(邦画)] 8点(2015-05-28 23:57:30)
42.  シルクハットの大親分 ちょび髭の熊 《ネタバレ》 
熊寅こと熊坂寅吉(若山富三郎)を主人公に据えた「緋牡丹博徒」シリーズ番外編第2作。今回も前作と同じ鈴木則文監督が手がけているだけあって任侠映画定番の展開の中でも喜劇色が強くなっており、熊寅のキャラクターの良さも出ていて面白かった。とくに熊寅が運転している自動車が止まらなくなるシーンはサイレントの手法が取り入れられていて本作の笑いどころとしては特に印象に残る。前作でお竜さんの舎弟を演じていた伊吹吾郎が違う役で登場していて東映の映画ではよくあるパターンだが、前作で演じていた役柄の弟という設定で少しの強引さは感じるものの「悪名」シリーズでもあったパターンなのでとくに違和感は感じなかった。(ひょっとしたらこの設定は若山富三郎が勝新のシリーズである「悪名」を意識した上でのことかもしれない。)前作同様熊寅のピンチにどこからともなく現れるお竜さんは今回も主役の熊寅を食うことなくあくまで引き立て役に徹している(登場シーンはさすがにハデだが。)のが潔く、これもこのシリーズはあくまで熊寅が主人公というのを実感させてくれる。このシリーズは本家のシリーズに比べてあまりヒットしなかったのか、熊寅を主人公にしたシリーズはここで終了。個人的にも前作のほうが好みだが、せめてもう一本くらい熊寅主役の作品を見たかった気はする。
[DVD(邦画)] 7点(2015-05-15 21:24:00)
43.  シルクハットの大親分
「緋牡丹博徒」シリーズのコメディリリーフ的存在である若山富三郎演じる熊寅を主人公にした今でいうスピンオフ作品。「緋牡丹博徒」の登場人物の中でも熊寅というキャラクターは好きなので、こういう外伝的映画の存在は正直嬉しい。緋牡丹シリーズの脚本をずっと手がけ、生みの親でもある鈴木則文監督が演出を手がけている(ちなみに脚本はのちに緋牡丹シリーズ完結編「仁義通します」を手がける高田宏治。)だけあって熊寅の良さはじゅうぶんに出ているし、ハチャメチャな喜劇要素が強く、何より熊寅を演じる若山富三郎も主役で演じているからか脇役の時よりも演技がイキイキとしているように感じる。後半登場するお竜さんも熊寅を食ってしまうのではなく、あくまで脇役として熊寅を引き立てる役回りに描かれているのが逆に良かったし、これによって本来の主役と脇役を入れ替えたような構図になっているのが新鮮。緋牡丹シリーズはすべて見ていて東映のヤクザ映画のシリーズものの中でも好きなシリーズなのだが、そんな自分にとっては本作もやはりじゅうぶんに楽しむことができる映画だった。
[DVD(邦画)] 7点(2015-04-16 23:36:01)
44.  ゴルゴ13(1973)
原作者 さいとう・たかをの出した条件(主演は高倉健、全編海外ロケなど。)を東映がすべて呑み、製作された作品で、主演の健さん以外はすべてロケ先であるイランの俳優が出演している。原作もアニメも知らないで見たのだが、話自体はそこそこ面白いと思うものの、この状況が強烈な違和感を生み出している。脇がすべて外国人ばかりというのもあってか、主演の高倉健がすごく浮いて見える(健さんが出演したハリウッド映画である「ザ・ヤクザ」や「ブラック・レイン」ではまったく感じなかったことだ。)し、その現地の俳優たちのセリフがすべて日本語吹き替えになっているというのも洋画の日本語吹き替え版のような雰囲気だが、これが却って本作をカルト映画のような印象にしてしまっているように思う。高倉健の魅力も出ているとは言い難いし、原作のモデルにもなっているみたいだが、ちょっとミスキャストだった気がする。舞台となるテヘランの街並みなどロケ地の風景は印象に残るのだが、そこにかぶる木下忠司の音楽がどうにもミスマッチに感じた。でも、メインの登場人物の一人である刑事の吹き替えを山田康雄が演じていて、これだけでなにか高倉健とクリント・イーストウッドが共演しているような錯覚を覚えたのでそこはある意味では良かったかなと。
[DVD(邦画)] 5点(2015-04-03 21:56:51)(良:1票)
45.  大脱獄(1975) 《ネタバレ》 
昨年立て続けに亡くなった東映を代表する二人のスター俳優 高倉健と菅原文太が本格的に共演を果たした石井輝男監督によるアクション映画。高倉健はこの後間もなくして東映を退社してフリーに転身する時期なのでこのタイミングでのこの二人の共演はけっこう貴重かもしれない。(ちなみに未見だがこの年はもう一本、「神戸国際ギャング」でも二人は共演している。)タイトルのごとく囚人たちの脱獄作戦をメインに据えたストーリー・・・ではなく、嵌められて無実の罪で死刑判決を受けた健さん扮する主人公が脱獄し、復讐を開始するという「網走番外地」シリーズにもありそうな展開。菅原文太は主人公と共に脱獄し、いつまでも主人公に付きまとう男の役で、存在感もあり文太らしい味も出ているのだが、両者並び立つというよりは健さんの引き立て役に終わってしまっているような気もする。それでもこの二人が機関車の中で復讐を遂げるために戦うクライマックスは見ごたえじゅうぶんで、このコンビも新鮮に感じる。主人公を嵌める男を演じるのが「網走番外地」シリーズなどでは健さんの仲間を演じることの多い田中邦衛(見る前は本作でも脱獄仲間の一人を演じていると思い込んでた。)というのが意外に感じる。それにしても、下の方も書かれているが、高倉健という俳優は雪景色を前にすると本当に絵になる俳優だとあらためて思う。なお、本作が石井監督と健さんの最後のコンビ作とのこと。
[DVD(邦画)] 7点(2015-02-20 21:01:18)
46.  刑事コロンボ/悪の温室<TVM> 《ネタバレ》 
今回はいつものパターンを外し、まだ殺人事件が起きていない狂言誘拐の時点でコロンボが登場し、さらにマンネリを避けるためかコロンボの相棒的存在の若手刑事ウイルソンが登場するというのが新鮮。ウイルソン刑事のキャラはよく、科学に頼らない捜査方法のコロンボに対して、科学捜査で被害者の妻の家を捜索するはりきりぶりが面白く、ユニークで印象的だった。ただ、本筋のほうはイマイチで、犯人(レイ・ミランド)の人物像がかなり適当に描かれている気がするし、温室で蘭を育てていて一見裕福そうなのに甥の財産を狙って手の込んだ狂言誘拐と殺人を犯す動機もよく分からなかった。せめてもう少し犯人の人物像を丁寧に描いていればと思う。それにコロンボと犯人の対決もたいして盛り上がらずに終わってしまった感じ。見終わってみればコロンボとウイルソン刑事のやりとりくらいしか印象に残らないのだが、これに時間を割かれて事件部分が短くなってしまったような感もある。本作は一時間半枠で作られているが、もし、二時間枠で作られていたらもうちょっと説得力のある作品になっていたかもとつい思ってしまった。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2015-01-06 15:31:01)
47.  真田幸村の謀略 《ネタバレ》 
「柳生一族の陰謀」に始まる東映大型時代劇の3作目。冒頭、宇宙空間を移動する隕石で始まるというのが意表を突きまくっていて、ここだけ見ると東宝の特撮映画のようだが、それをバックにナレーターの小松方正が関ヶ原の合戦や徳川家康について説明しているというのがなんともシュールだ。ストーリーはその家康(萬屋錦之介)の首を真田幸村(松方弘樹)率いる真田十勇士が狙うというものだが、十勇士の一人である猿飛佐助(あおい輝彦)が実は宇宙人であったというオチや、他人の心を読むことができる能力を持つ三好清海入道(秋野揚子)など「柳生一族の陰謀」よりも荒唐無稽さがアップしていて、どちらかと言えば同じ真田十勇士を題材にした東映時代劇「真田風雲録」に影響されているのかなとも思う。本作はそれまでこの路線の時代劇2本を手がけた深作欣二監督に代わって中島貞夫監督が手がけているが、「柳生一族の陰謀」に比べてテンポがゆっくりとしていて、合戦シーンもなにか物足りなさを感じ、もう少し勢いが欲しかったところか。ラストの家康の首が宙に舞うシーンは思っていたよりも意外にあっさりしているように感じた。出演者の中ではなんといっても悪役である家康を演じる錦之介の存在感が圧倒的で、老けメイクも含めてインパクトのある熱演を見せていて印象的だ。JACの面々が出演しているが、千葉真一がいないなと思ったら後半に松方弘樹演じる幸村の片目に矢が直撃して失明する描写があったのは驚いた。それにしてもこの映画、もし「真田風雲録」と同じ加藤泰監督が手がけていたらどんな映画になっていただろう。ちょっと見てみたかった気もする。
[DVD(邦画)] 6点(2014-12-31 18:03:35)
48.  実録三億円事件 時効成立 《ネタバレ》 
三億円事件を題材にした犯罪サスペンス映画。実際に時効が迫っていた時期に公開されていて、(東映らしいなあ。)冒頭に実際に三億円事件の捜査に携わった刑事ふたりのインタビューが挿入されるところは生々しくてリアルで、この頃のほかの東映実録映画(あんまり見たわけではないのだが。)とは一線を画した印象で、本筋が始まっても石井輝男監督は犯行までをドキュメントタッチかつサスペンスフルに描いている。中でも犯行を再現したシーンは実際の事件にけっこう忠実に描かれており、緊迫感もじゅうぶん。しかしその後、金子信雄演じる刑事が登場してからは普通のサスペンス映画のようになってしまったのはちょっと残念だったかな。でも、東映ヤクザ映画で悪役を演じることの多い金子信雄が善良な刑事役を演じるというのは見る前はかなり意外に感じていたのだが、演技を見た印象としてはヤクザ役のときとあんまり変わらなかったので、後半はほとんどこの金子信雄のキャラを楽しみながら見ていた感じだった。
[DVD(邦画)] 6点(2014-11-20 17:03:09)
49.  刑事コロンボ/死の方程式<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人は化学エンジニアで、冒頭暗室で爆弾を作るシーンはなかなか期待させられるものがあるのだが、ロディ・マクドウォール扮する犯人の性格が子供じみていて犯行後も挙動不審な態度や行動をとるので、倒叙形式でなくても犯人は見ていてすぐに分かるような感じなのがちょっと残念。でも、頭のいい化学エンジニアの犯人の性格が子供じみているという設定は面白かった。「猿の惑星」で彼が演じたコーネリアスの吹き替えといえば山田康雄というイメージがあるのだが、本作では野沢那智が吹き替えを演じている。その吹き替えもテンションが高く、「汚れた超能力」でも犯人の吹き替えを演じていたが、それ以上にハマっていて、それが今回の犯人 ロジャーのキャラクターをより強烈なものにしていて(本人は少々やりすぎたと言ってたみたいだけど。)、話としては正直それほど面白いものではないのだが、このおかげでロジャーはとても個性的で印象に残る犯人になっていて、彼を見ているだけでも楽しい。(原語版だと印象がまた違うのだろうけどどんな感じなんだろう?)このシリーズ多くの作品でコロンボは高所恐怖症というのが強調されているが、ラストで動いているロープウェイの中で犯人を罠にはめていたのがそれだけに印象的だ。すべてを看破されたあとのロジャーの高笑いも余韻を残す終わり方でけっこう好きなエンディングだった。しかし、コロンボとロジャーの対決はだいぶ物足りず、もう少し見どころが欲しかった。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-10-25 15:28:24)
50.  刑事コロンボ/意識の下の映像<TVM> 《ネタバレ》 
ロバート・カルプが「指輪の爪あと」、「アリバイのダイヤル」に続いて三度目の犯人役を演じるエピソード。犯行に気づいた映写技師までも射殺してしまうという非情さもあり、彼が演じた犯人の中ではいちばん残虐性を感じさせる。最初の殺人はサブリミナル効果を用いて被害者を外に出させ、射殺するという手の込んだものだが、ラストにコロンボがそれと同じ方法で犯人を外に出させるという解決シーンは、鮮やかかつ皮肉が利いていて見事なこのシリーズでも印象に残る結末で、辛いキャビアやフィルムに挟んだコインなど細かいところに目をつけるコロンボや、犯人とコロンボの対決も見ごたえじゅうぶんでこのシリーズらしさがよく出た作品になっていて面白かった。今回、コロンボは犯行に使われた口径の銃を探すのだが、口径変換機というのはやや現実離れしている反則技と思うものの、同じく銃の隠し場所がポイントとなる「ホリスター将軍のコレクション」と比べると説得力があり、強引さも感じつつも納得させられる。ただ、ほかの人も書かれているが、細かいことを言えば犯人はあんなところで殺人をやってもし誰かに見られたらどうする気だったのだろうとか、証拠をいつまでも同じ場所に隠しっぱなしというのはちょっと違和感を覚えた。頭がキレるインテリ犯人だっただけにそこはどうしても気になってしまい残念。でも、出来としてはじゅうぶんに満足できる作品だった。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2014-10-13 16:56:10)
51.  刑事コロンボ/ロンドンの傘<TVM> 《ネタバレ》 
今回はコロンボが出張先のロンドンで殺人事件に遭遇する海外ロケ編で、いつもとは雰囲気の違う作品になっているが、もうこの頃にはこのシリーズは世界的に人気が出ていたのかな。犯人夫婦の殺人が故意ではなく過失によるものだが、あれだけで死ぬか?とついつっこんでしまったし、ラストの解決シーンもやっぱり強引。今回は舞台のロンドンをコロンボが観光するシーンが長く、犯人夫婦との対決よりもこちらがメインのようにうつってしまっているのもちょっと残念で、約100分のノーカット版を見たのだが、やや冗長に感じ、もう少し短くてもいいのではと思った。でも、コロンボと地元のダーク刑事部長とのやりとりは面白かったし、異国で捜査をするコロンボというのも新鮮だった。(でも、けっこうそこが本作のつっこみどころだったりするわけだけど。)ボンドガールを演じたことのある女優が犯人役に起用されているのもロンドンが舞台ということでそれを意識してるところがあるのかもしれないなあと思わずにはいられなかった。その吹き替えの岸田今日子の声もインパクトがあり、印象に残る。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2014-10-09 16:23:43)
52.  悪魔が来りて笛を吹く(1979) 《ネタバレ》 
金田一ものらしいドロドロしたストーリーなのだが、明るすぎる画面からはおどろおどろしさを感じることができず、また、同時期に「西遊記」で八戒を演じていた西田敏行が演じる金田一は彼の持ち味を生かしたコミカルなキャラクター造型がされていて、どちらかといえば金田一というよりはイメージはのちに「釣りバカ日誌」シリーズで演じる浜ちゃんに近く、これはこれでアリだとは思うが、やはり金田一のイメージでは無い。(「八つ墓村」の渥美清の金田一はもし寅さんが旅先で殺人事件に遭遇したらという想定で見ていくと違和感はそれほど感じないのだが、西田敏行(浜ちゃん)の場合はそれは難しい。)映画としてもこの二つの要因のせいか、雰囲気が出ていないし、「悪魔が来りて笛を吹く」という怖いタイトルに内容が負けてしまっている。それに本作だけでは重要な部分が理解できないような構成は原作を未読でありテレビドラマ版も未見である身にはつらいものがある。金田一を先生と慕うヒロインを演じる斉藤とも子も「女王蜂」の中井貴恵ほどではないがあまり魅力を感じなかった。彼女の足を強調するようなカットが何回か出てくるが、少しあざとい。(単に監督が彼女のファンなだけ?)宮内淳が重要な役柄で出演しているが昔に再放送で見ていた「太陽にほえろ!」のボンが懐かしい。全体的に見てなんか横溝ブームの中で東映が急いで作った感のある映画だったが、同じ監督の「戦国自衛隊」よりはマシだったかな。でも、出来れば市川崑監督と石坂浩二のコンビで見てみたかった気がする。
[DVD(邦画)] 4点(2014-09-18 16:41:57)
53.  血染の代紋 《ネタバレ》 
深作欣二監督が「仁義なき戦い」以前に菅原文太と梅宮辰夫を主演に起用して手がけたヤクザ映画。冒頭のナレーション(小松方正)とテロップは「仁義なき戦い」を思わせていて、いよいよ実録ものの前夜という雰囲気。でも印象としてはやっぱりまだ義理人情の世界を描いた任侠映画で、菅原文太も梅宮辰夫も「仁義なき戦い」ほどの凄みはなく、インパクトも感じなかった。でも、映画はなかなか面白く、スラムをつぶしてのコンビナート建設をめぐる二つの組織の利権争いが描かれるが、本作は主人公ふたりをそのスラム出身としているところが新鮮で、これがよく利いていてドラマ性を出すのに成功していると思う。スラムの描写もリアルでうまく、メッセージ性も社会性も時代性もあり、ただのヤクザ映画にしたくないという深作監督の思いも感じられる映画になっている。ラストは東映任侠映画ではお決まりの殴り込みなのだが、このシーンが激しく、敵である渡辺文雄だけでなく、主人公ふたりも死んでしまうという壮絶な結末が深作監督らしい。いちばん最後に出るナレーションとテロップは東映任侠映画にしては異質な感じがして、後味はあまりよくないように思うのだが、こういうのも新鮮で良かった。「仁義なき戦い」シリーズに比べれば物足りないのも事実なのだが、深作監督の権力に対する怒りというものも感じられ、彼の作風はちゃんと出ている。ところで菅原文太の兄貴分役で鶴田浩二が出演しているが、ちょっと本作では浮き気味だし、それにやはり鶴田浩二は東映任侠映画では菅原文太より高倉健の兄貴分を演じているほうがしっくりしている気がする。少し甘めだが7点を。
[DVD(邦画)] 7点(2014-08-30 21:41:01)
54.  刑事コロンボ/黒のエチュード<TVM> 《ネタバレ》 
犯人が犯行時に落としたタキシードにつけていた花(しっかりおおうつしになる。)が決め手になるという結末が弱い。今回の犯人は交響楽団の指揮者という設定なのだが、その指揮ぶりは素人目に見てもあまりにも下手くそとしか言いようがなく、これで高名な指揮者なのかという疑問を感じてしまうのも致命的だった。映画監督としても有名なジョン・カサベテスが犯人役を演じていることで知られるエピソードだが、正直出来はイマイチなように思う。しかし、このエピソードでは疑いを持ちながらも夫を信じようとする妻の描き方や、被害者の友人である少女が目撃証言をするシーンのドキドキ感、ラストで犯人が妻の耳元で愛を囁くシーンなど印象に残る部分もなくはなく、それによってだいぶ救われているような気もする。コロンボの名無しの愛犬が初登場するエピソードでもあり、この時点ではコロンボはあれこれ犬の名前を考えているが、結局後々のエピソードでもちゃんとした名前はつけてもらえていないのがなんかかわいそう。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-04-26 17:02:05)
55.  刑事コロンボ/死者の身代金<TVM> 《ネタバレ》 
本格的なシリーズ化を前に単発ドラマとして作られた第2話である今回はシリーズ初の女性犯人となるが、上のあらすじにもあるように自分の成功のためだけに結婚した夫を殺害し、その後誘拐を偽装して身代金まで用意するなどかなり周到でいやらしい犯人像が描かれている。でも、こういういやらしい犯人だとコロンボとの対決は盛り上がるので面白い。わずかな証拠から疑いをかけ、犯人を追いつめるコロンボだが、その追及を余裕でかわしていく犯人との対決は見ごたえじゅうぶんで、解決シーンにもさほど強引さはなく、犯人がその性格があだとなって逮捕されるというオチも皮肉めいていて印象的。それに既にこのシリーズらしいユーモアがよく出ていて、中でもコロンボの高所恐怖症。犯人と一緒にヘリに乗っていて操縦桿を握らされてあたふたするコロンボには思わず爆笑させられたし、ラストの空港の喫茶店で札束を前にして支払いのために財布を探すシーンも笑えた。しかし、今回はやや間延びした部分があり、この後の作品に比べて本格的にコロンボと犯人が絡みだすのが遅く、そこが残念といえば残念。とはいえ、このシリーズの魅力はこれ一本でじゅうぶん伝わってくる、本格的なシリーズ化を前提とした単発作品としてはかなり上出来な作品だと思う。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-04-15 10:27:17)
56.  刑事コロンボ/ホリスター将軍のコレクション<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人は朝鮮戦争で活躍した軍人 ホリスター将軍。殺しを第三者の女性に目撃されてしまうという展開がこのシリーズでは珍しく、当然この女性は今回のキーになるわけだが、今回の犯人は自分の年齢も考えずこの女性を食事に誘ったり、ましてや家にまでのこのこやってきて今夜のニュースを見てくれと言ったりと行動が理解不能な部分が多く、目撃者の女性もそんな年齢の離れた将軍に惹かれていく理由がよく分からないし、将軍の凶器である拳銃の隠し場所が肝なのかと思って見ていると、自分のコレクションの展示会に堂々と展示してあるというギャグのようなお粗末さに呆れる。はっきり言って今回は脚本がおかしいとしか言いようのない出来で面白くないし、犯人にも魅力が感じられず、コロンボと犯人の対決らしい対決もなくラストが非常にあっさりとしているのもつまらない。ただこの作品はやはり犯行を目撃した第三者の人物が話に絡むという点は印象に残る。犯人の目撃者に対する接し方をもっとなんとかしていればひょっとしたら面白くなったかもしれない。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2014-04-11 01:57:32)
57.  衝動殺人 息子よ 《ネタバレ》 
木下恵介監督が「香華」以来15年ぶりに松竹に凱旋して手がけた社会派映画。一人息子を通り魔に殺されたことをきっかけに犯罪被害者遺族に対する補償制度の実現に向けて動き出す父親を実話をもとに描いたストーリーで、見る前はちょっと硬すぎないかと思っていたが、いざ見てみるとすごく見ごたえのある骨太な力作映画になっていて最後まで見入ってしまった。今でこそ被害者遺族に対する補償制度は存在するのだが、この映画が製作された当時は無かったわけだから、木下監督はそこに疑問を持って本作を手がけたことが分かるし、実際に本作公開の二年後に補償制度が運用開始しているのは本作の影響もあるのではないかと思える。誰でもよかったという理不尽な殺人事件で家族を奪われた登場人物たちの悲しみがリアルにこちらに伝わってくるような心理描写はいかにも木下監督らしいし、きっと実際にこういう事件で家族や友人を亡くした人たちも同じ思いなのだろうと思わずにはいられなくなる。しかし、ドラマとしてはやや物足りない部分もあり、とくに主人公が自分と同じような境遇の人たちに会うために全国を渡り歩く部分が思ったよりもあっさりしていて、ここをもう少しじっくりと描いていればもっとストーリーに厚みが出たはずでそこが残念。本作で映画賞を総なめしたという主演の若山富三郎は東映ヤクザ映画での印象が強くなりかけていたが、本作ではそれをあまり感じさせることはなく、評判どおりの素晴らしい演技を見せていて間違いなく本作は「悪魔の手毬唄」と並ぶ若山富三郎の演技派としての代表作だと思う。そしてもう一人、そんな若山富三郎演じる夫を支える妻役の高峰秀子はこの頃はもう女優業は散発的になっていて、本作が最後の出演作とのことだが、衰えというものをまったく感じさせておらず、その存在感と演技はやはり別格だ。全国各地にいる被害者遺族を演じる出演者も豪華なのだが、大阪のシーンで登場する夫を殺された中年の女性を中村玉緒が演じているのは、同じシーンに若山富三郎がいるだけに「殺された夫=勝新」というリアルな想像をついしてしまい、この中村玉緒の登場シーンだけなんだか妙な気分になってしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2014-04-10 18:25:42)
58.  刑事コロンボ/溶ける糸<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人はレナード・ニモイ扮する野心家で冷静沈着な心臓外科医で、犯行は意見が対立した心臓治療の新技術を共同研究している自らの患者でもある博士の手術中に細工を施し、それだけでなくそれに気づいた看護婦までも殺してしまうという残忍なもの。それで涼しい顔をしているのだから相当にいけ好かない犯人である。もちろん頭も切れ、コロンボになかなか証拠を掴まさせない。この犯人とコロンボの対決も見どころなのだが、今回は犯人と被害者である博士や看護婦のドラマがしっかりと描かれ、物語的にも面白いエピソードになっていたのが良かったし、この犯人が最後の最後までコロンボの追及をうまくかわしていく(コロンボが犯人に対して怒るのも珍しいが、敗北宣言をするのはもっと珍しい。)ので本当にこの事件は解決するのかというドキドキ感がエンド直前まであるのも○。しかし、このシリーズには邦題でネタバレしているものがいくつかあり、この「溶ける糸」もそれに当てはまっているのがちょっと残念。それにしても今回の犯人は劇中で合計三人も手にかけており、このシリーズの犯人の中ではやはり残忍さが際立っている。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2014-03-25 14:08:39)
59.  刑事コロンボ/二つの顔<TVM> 《ネタバレ》 
冒頭に犯行シーンが描かれ、コロンボが容疑者と睨んだ男(マーティン・ランドー)に追及を始める。ここまではいつも通りの展開なのだが、このエピソードでは容疑者の双子の兄が登場することによってどちらが犯人なのか分からなくなるというミスリードがあり、倒叙ものでありながら視聴者もコロンボと一緒に犯人を推理していくという構成になっているのが面白い。しかし、結局はその双子の共犯というやや反則ぎみの結末だったのはせっかく犯人は双子のうちどちらかというミスリードで最後まで引っ張っていただけに非常に勿体ない気がした。仲の悪い双子という設定だったのでこのエピソードに影響を受けたであろう「古畑任三郎」の「ラストダンス」のような展開でも良かったような気がする。とはいえ今回は笑えるシーンが多く、飛び入りで料理番組に出演するコロンボのあたふたする姿もコミカルだが、やはり本作のいちばんの笑いどころはコロンボと家政婦のやり取り。コロンボがことあるごとに家政婦に怒られるシーンが最高に面白く、双子とのやり取りよりも印象に残り、ひょっとしたら今回のコロンボは双子の犯人よりもこの家政婦のほうが手強かったのではないかと思えるほどだ。既に書かれている方もおられるが、中でもようやく機嫌を直した家政婦の前でテレビを修理しようとして失敗し、それが原因でまた怒られるシーンはコントのようで楽しい。家政婦の吹き替えを演じる文野朋子(神山繁の奥さん)の声もヒステリーな家政婦のキャラにピッタリとはまっていた。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-03-22 13:03:36)
60.  刑事コロンボ/毒のある花<TVM> 《ネタバレ》 
今回は新製品のしわ取りクリームをめぐる化粧品会社女社長による殺人事件が描かれているが、被害者(マーチン・シーン)と言い争っているうちに衝動的に撲殺するという展開はちょっといただけず、せめてもう少し犯行に計画性が欲しかったところだし、この犯人の行動も胆略的なところがあり、化粧品会社の女社長という立場の人間にしてはさして美人というわけでもなく、あまり設定に説得力が感じられない。吹き替えの声もはっきり言って微妙で違和感を感じるし、このシリーズの犯人としてもあまり魅力を感じることができず、コロンボと犯人の対決もたいして盛り上がらないまま終わってしまった感じ。冒頭のシーンがいかにも意味ありげに描かれていたが、そこは今回のストーリーにはほとんど関係がなく、そこに登場する博士(ビンセント・プライス)もあまり絡んではいないのでなんでこんな思わせぶりなオープニングにしたのかがよく分からない。全体的に構成が雑で旧作シリーズの中ではイマイチのエピソードだと思うのだが、事件のきっかけとなった新製品のクリームが事件の証拠だと思い込んだ犯人がそれを海に投げ捨てた直後に別の証拠によってコロンボに逮捕されるラストシーンだけは皮肉が利いていて印象に残る。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2014-03-11 17:20:49)(良:1票)
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