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wunderlichさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 284
性別 男性
ホームページ http://ameblo.jp/wunderlich/
年齢 42歳
自己紹介 気になった映画をつまみ食い的に見ています。
うだうだと考えるのが趣味です。

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41.  陸軍中野学校
この映画はスパイ映画的ではあるが、主眼は諜報戦によるサスペンスではない。人を欺くことを生業とするスパイが、そのうちに必然的にはらむ狂気を描いた作品ではないか。市川雷蔵のもつ陰影が、内に秘めた狂気にマッチしていて雰囲気のある作品になっている。したがって、痛快なスパイ映画を期待すると肩透かしを食らう。市川雷蔵演じるは、大佐の人格に魅せられ、その心意気にうたれたがために、自らの社会的人生を捨てて冷酷なスパイになることを決心する若者。日本が戦争をしていたころに、どれだけたくさんの「立派な人格」が、迷える若者を戦争に駆り立てたのだろうか。考えさせられる作品である。
[DVD(邦画)] 6点(2008-07-27 18:51:41)(良:1票)
42.  太陽(2005)
戦争で引き裂かれた愛はたくさんあるだろう。でも、本当の愛は、そんな劇的なものではなく、むしろ何の変哲も抑揚もない毎日に耐えるところで静かに紡がれるものではないだろうか。この映画の統治者の姿は、いつも通りの日常に身をおくという、人間にとって実は最も困難な生き方を表現しているように思われた。統治者だけが、戦時下の日本において、一人だけ「変わり映えのしない日常」を生きていた。だから、彼だけが、敗れゆく日本の姿を、唯一の仕方で感じ取っていたはずなのだ。それゆえに、ソクーロフ監督の映像の中の日本は、日本人にとって誰も見たことのない雰囲気と色彩に満ちている。この映画はドキュメンタリーではないのだから、歴史的な考証が正しいとか正しくないとか、昭和天皇は本当にこの映画に描かれるキャラクターみたいな人だったのかとか、なるべくそういう考え方から離れて観てみるとより楽しく見れる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-07-25 23:25:55)
43.  トランスフォーマー
やっぱりアニメよりも、変形のところがリアルだ…。心躍ります。ストーリーは短時間でいろんな説明をしなくてはならないので安直ですが、日本が生んだメタモルフォーゼロボットヒーローがCGで活躍するのを観れるだけで、好きな人にはたまらない映画だと思う。続編にも期待!!
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-25 22:59:52)
44.  となり町戦争
原田知世がすごくきれいだ。すごくきれいに撮られている。それだけで十分に見る価値がある。また、市町村同士が戦争するなんてシニカルな題材だけど、実際の戦争も、国と国がやっているという意味では同じ行政のお仕事なんだと気づかされる。大真面目で人を殺す政策について議論が交わされているという点では、市町村でも国でもたいした違いがないのかもしれない。おそろしい。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-25 22:53:24)
45.  やさしくキスをして 《ネタバレ》 
価値観や文化を宗教抜きにしては語れないということなんでしょうか。日本では外国人と出会う機会があまりないので実感が湧きづらいですが、あえて例えてみれば、日本人がザンビアの人と結婚するとかそんなイメージですかね。僕は、人間の愛なんて、そんなしっかりしたものではないと思うので、許嫁がいるのであれば、そちらを選びますけどね。人は一番大切な人と一緒でなくてもいきていけるものだと思うので。ちょっとこの映画の二人は、強引過ぎると僕自身は感じてしまい、美しいラブ・ストーリーですが共感できませんでした。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-20 10:11:46)
46.  ハメット
ヴェンダースのハードボイルドってことで飛びついてみたのですが、画面はいいけど、台詞がもう少し切れてくれないと、ハードボイルドとしては可どまりです。ハードボイルとといった瞬間にボガードと比較される運命にあるのは、どのハードボイルド映画にとっても不幸でしょうけれど。この作品は、探偵役が人間臭く描かれているので、ハードボイルドとして見ないほうがいいのかもしれません。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-20 10:03:15)
47.  バベル 《ネタバレ》 
消化不良な一本である。この映画は混乱を描いているが、その混乱は、「そこに存在すべきでないものが、存在してしまった」という過剰感によって引き起こされている。モロッコ人の家庭には猟銃があり、アメリカ人夫妻は異境モロッコに滞在しており、その夫妻の子供たちはベビーシッターのメキシコ人の車に乗っている。その視点から考えると、日本はこの映画のなかで特殊な位置を占める。まず、日本では混乱とよべる状況がおきていない。また、妻を自殺で亡くした役所広司とその娘で聾ある菊池凛子の親子が、苦しみつつも、苦しみをどう受け入れるかを模索するという、モロッコパートやアメリカパートでは見られない葛藤が描かれている。その意味で、日本バートの苦しみは「そこに存在すべきものが存在していない」という欠如感に裏打ちされているといってもいいだろう。過剰なものは削ればよいが、欠如をどう埋めるかは難しい。埋められない欠如に対する日本パートの答えは、「欠如を常態としてみなす」という痛々しいものだが、抱き合った役所、菊池親子の美しい姿をしても猶、救いあるいは希望は訪れていないように思える。みていて辛い作品である。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-20 09:57:22)
48.  シン・シティ
殺し屋ジョシュ・ハートネットのシーンが2つとも格別にいい。あとは、グロテスクなアメリカの感性まるだしに思えて、全然面白いとは感じませんでした。年をとったせいでしょうか。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-20 09:39:14)
49.  コンフィデンス 《ネタバレ》 
レイチェル・ワイズの怪しい魅力を堪能するにはうってつけの作品。ストーリーとしては、冒頭のシーンはあんまりいらなかったと思う。そのシーンで、うすうす最後のオチが予測できてしまう。それと、エドワード・バーンズがいつのまにかアメリカ人ぽいマッチョになっていたのでそれが、なんか変な感じした。『彼女は最高』のころはもっとスマートだったのに…。残念。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-20 09:33:51)
50.  インサイド・マン 《ネタバレ》 
銀行強盗の手法のアイデアとしては、いままでになかったオリジナリティーを評価できる。で、監督がスパイク・リーなので、ついつい裏の意図まで読んでしまうのだけど、結局、だれがインサイドなのだろうか?もちろん銀行の中の強盗たちもそうだけど、ほかならぬすべての登場人間が、金銭で動く社会のインサイドにいて、そのなかで役割を演じるしかないということを言っているのではないだろうか。最後にデンゼル・ワシントンが昇進したのは、かれが取引を受け入れたのではないとおもう。たとえ銀行の会長がナチとつるんでいたとしても、その銀行を行政としてつぶすわけにいかないから結局だれもその会長を裁けないという事情による。それが今のアメリカの現状であるということを、リー監督は言っているような気がして、その辺の風刺の効き具合も考慮して6点献上。絶対外せない名作ではないけど、見たら結構楽しめる映画だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-20 09:29:00)
51.  新幹線大爆破(1975)
サスペンスの要素はよくできているが、人間の背景描写が濃すぎる。「人間の真の姿を描く」ということが、唯物論に席巻された日本の抱え込んでいたテーゼだとしたら、この映画は、そのテーゼの具体化において、やりすぎたゆえに失敗作になってしまっている。ただ、当時の人からみるとおおいにうなずける作品だった可能性もある。なにはともあれ、悪いことするにも理由がないと納得できない。説明せずにはいられない。そういう時代の日本を知る意味でも貴重な作品。
[DVD(邦画)] 6点(2008-05-23 20:50:15)(良:2票)
52.  殺人狂時代(1967)
おもしろい。全編通して人をくったテンションを維持する脚本と演出。ファンキーなオープニングアニメともども、今見ても十分に楽しめる快作である。あるいみ観客をコケにしてるともいえなくはないが…ここまでドンデンがえされつづけると、まぁ兜を脱ぐのもしょうがない気がしてくる。
[DVD(邦画)] 8点(2008-05-23 20:39:42)
53.  図鑑に載ってない虫 《ネタバレ》 
この作品は、この映画のなかの印象的な台詞になぞっていえば、「いなくなるといなくなっちゃうタイプ」を目指すことで、逆説的に「いなくなってもいるタイプ」になっている。忘れがたい傑作である。菊池凛子がめっちゃうまい。自殺願望あるけど、ボケキャラ、かつたまにいいことをいう元SMクラブ嬢という難しいキャラクターを、十二分に演じている。
[DVD(邦画)] 9点(2008-05-17 14:04:37)(良:1票)
54.  スパイダーマン3 《ネタバレ》 
スパイダーマンにサンドマンを「許す」権限はないと思う。そこは、「許す」ではなくて、「もう、いいよ」といってほしかった。「ハリーはベストの道を選んだと思う」だと?それを判断する権限もスパイダーマンにはないと思う。そんなんじゃ、世界警察を自認するアメリカとなんにも変わんない。割と背筋が凍るぜ。それと、前半の空中アクションのキレはいい。でも、ラストのアクションでは、スパイダーマンの能力では勝てない敵キャラを出してしまったため、収拾がつかなくなってるし。また、このシリーズの特徴だった「人間の内面」の描写も、特に恋愛面では無理にドラマチックにしようとしすぎて、一貫性がない。もともとこのシリーズは、一つの人格が、普通の人とヒーローという二つのキャラクターの演じ分けに悩むところがよかったのに、今作ではスパイダーマン(善)とブラックスパイダーマン(悪)という2つ人格の対決になってるから、悩みのレベルが浅くなってる気がする。
[DVD(字幕)] 4点(2008-05-15 16:24:02)(良:1票)
55.  大帝の剣
久々に「くだらない!!」と笑いながら胸を張っていえる作品であったわけで、その意味では「よくやった!!」と拍手を献じてもいい気がする。最後のオチもよかったので+2点。ところどころ内的なストーリーの整合性が崩れてさえなければ、語り草のC級映画になっていたかもしれないところが惜しい。
[DVD(邦画)] 6点(2008-05-15 16:04:03)
56.  カプリコン・1
火星への有人飛行がウソだったらというアイデアに+2点、NASAの陰謀とジャーナリストの攻防がうまくできてるから+2点、余韻を残したラスト(というか、ラストのその後を描いたら結構悲しい話になる…)に+2点、こんなフィクションがあってもおかしくないと思わせるアメリカという国のイメージに+2点。
[DVD(字幕)] 8点(2008-05-12 19:45:03)
57.  1980(イチキューハチマル)
この作品が本当に1980年当時のことを描ききれているかどうかは知らない。でも映画部が切羽詰って踊りはじめまくったり、やたら「そうだよね??」ってみんなに確認しながら場を仕切ってるやつがいたりとか、なんか無責任な時代だな~って印象が強い。時代的な制約とは別に、ライトなコメディとみればそこそこ面白い作品になってると思うので+5点。そして3姉妹のキャスティングに+2点。
[DVD(邦画)] 7点(2008-05-12 19:35:50)
58.  うた魂♪
「俺、これから永遠に語り継がれることしか言わねえから。」という前フリ自体が、実際に映画の中でその後に続いた台詞よりも永遠に語り継がれるに値するだろう。しかし個人的には、この作品の真の価値は、加勢大周(女子高生にキャーキャー言われる生物教師役)と石黒英雄(女子高生にキャーキャー言われる生徒会長役)が『中身スカスカな二枚目』というキャラクターをバトンリレーした作品として、そして、間寛平が夏帆の祖父役だったというすばらしいキャスティングを実現した作品として記憶されるのではないかとにらんでいるが、いかに??
[映画館(邦画)] 8点(2008-05-12 19:18:29)(良:1票)
59.  せかいのおわり 《ネタバレ》 
主人公の女の子は、素敵な人と出会った瞬間に、別れの瞬間が来ることを想像してしまうタイプの子。感覚はすごいよくわかる。幸せであるがゆえの不安。その不安がぬぐいきれないために、本当に大事な人とは一線を越えられない。本当に大事な人とは、絶対に終わりたくないがゆえに、始まりたくはない。そういう切なさ。これを「傷つくことがこわいんでしょ」とか、片付けないでほしい。本当に大事な人とは、自分の世界の根底を構成している人のことである。本当に大事な人と「終わる」とは、「傷つく」ことでは済まされない。世界の崩壊を意味する。ラストで落とし穴に落ちたふたりが見つめる「落とし穴の形に切り取られた空」は、通常の地面からひとつ落ち込むことによって、世界の景色を変えるという高等なテクニックをうまく説明できている稀有な例だろう。「もし、世界がおわって、ふたりだけになっても、一緒にこうやって空を見てくれる?」やけに沁みるではないですか。劇中に登場する植木屋さんの名前『苔MOSS』もMossは英語で苔だから、「苔苔」だみたいなところもいちいち素敵。全面降伏です。 
[DVD(邦画)] 10点(2008-05-08 15:21:34)(良:1票)
60.  アヒルと鴨のコインロッカー
「人を傷つけてはならない」という信念の勝利は、人を傷つけることによってしか達成されないということ、この映画の抱える切なさの源はここにある。このある意味で重たいテーマをこの映画は、軽快に扱って見せる。大切なことほど、軽く表現される。その意味で、非常によくできている作品だと思う。脚本の出来と、編集の手腕だけでなく、キャストも含めてすべてがミステリーに関わっている。すくなくともあまり予備知識は持たずに鑑賞すべきである。個人的には、大塚寧々の演技をみて、真面目な役だけれど非常に楽しそうだと感じられて嬉しかった。
[DVD(邦画)] 9点(2008-05-06 20:14:53)
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