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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2305
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 53歳
自己紹介 お世話になっております。
今年もよろしくお願いします。


※映画とは関係ない個人メモ
2025年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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41.  Pearl パール 《ネタバレ》 
牧歌的な“古き良き”田舎暮らしにそぐわない鮮烈かつ容赦のない殺戮描写。A24ブランドの名に恥じぬハイセンスなサイコホラーが展開されます。聞けば3部作の2作目とのこと。1作目『X』より出来が良いと思いました。何といっても主演のミア・ゴスが素晴らしい。鬱屈した心情、爆発する狂気。圧巻だったのはエンドクレジット越しの「長すぎる笑顔」でしょう。もはや「顔芸」ですが、これを見せたいが為の映画だったとさえ思えます。絶品でした。だからこそ一瞬といえども予告編でこのシーンを使うのは悪手では。必殺技は出し惜しみしてください。 やはり気になるのはパールの「幼さ」「未熟さ」でした。夢を見るのは構いませんが、夢の中から出てこないのは困ります。相川七瀬(織田哲郎)の言う通り。彼女の犯した「殺戮」は「現実逃避」と同義。だから事後、必死に「いつもの生活」を演じたのでしょう。でも自分で自分を騙している自覚はあるから前述した「長すぎる“苦しみの”笑顔」になったと。恐ろしくも哀れです。『X』をみるに彼女はこの精神のまま年老いた様子。それは彼女の現実逃避を容認した者がいることを意味しました。夫=ハワードの罪は、パールの犯した罪と同等です。 得てして「若さ=正義」とされる風潮がありますが、精神が未成熟であることはむしろ悪です。ソクラテスの『無知は罪』ならぬ『未熟は罪』。パールの残虐性は幼さの裏返しでもありました。子どもが戯れに虫を殺すのと同じ。もちろん、同じ生き物を殺すにしてもグラデーションはあります。虫は殺せても小動物は殺せません。これが一般的に共有されている「越えられない一線」でしょう。そういう意味でタイトルバックにもなった「ガチョウ殺し」は、彼女が「こちら側」ではなく「あちら側」の人間であることを示唆しています。あるいはクロコダイルダンディもびっくり無類のワニ好きかもしれませんけど。 ところで今頃気づいたのですが『X』の年老いたパールもミア・ゴスなのですね。主役のマキシーンもミアですし二役でしたか。つまり本シリーズはミア・ゴス祭り。大したものです。でも大嫌いだった上司に似ているのでミア・ゴスは嫌いです。
[インターネット(吹替)] 7点(2024-07-19 18:22:46)(笑:1票) (良:1票)
42.  ルックバック 《ネタバレ》 
ネタバレ厳禁映画です。「評判良さそう、どんな感じかな」で本サイトを開いた方は速やかに閉じることを強くおすすめします(管理人様勝手なことを言ってすみません)。すぐに劇場でご覧ください。劇場公開が終了している場合は、DVDでもサブスクでも構いません。観てください。観終えてから再度ご訪問いただければ幸いです。  ※劇場鑑賞後すぐに勢いで「推敲なし」で投稿しましたが、文才皆無のため「何を言いたいのか分からない」状態でした。申し訳ございません。『嫌われ松子の一生』で懲りたはずなのに同じ過ちを犯すとは。面目ない限り。鑑賞後数日経ち、少し落ち着き思考も整理されてきたので改めて投稿し直します。  本作で激しく心を揺さぶられたポイントは3つです。ひとつ目は「努力が報われたこと」そしてふたつ目は「理解者を得たこと」。この二つは同時にやってきました。藤野と京本が初めて顔を合わせた場面。まさに盆と正月が一緒に来たとはこのこと。そっけない態度とは裏腹に藤野の心は狂喜乱舞しました。この時の「表現」は日本アニメ史上に残る名シーンであります。生涯忘れえぬ感動は、漫画連載が決まった時より、アニメ化が決定した時よりずっと大きなものだったでしょう。この「思い出」だけで生きていけるほどに。恥ずかしながらもらい泣きです。何故これほど感動的なのか。それはこの二つを得るのが至難の業だからです。一度も手にせぬまま人生を終える人も多いはず。残念ながら今の私もその一人であります。勿論この感動は京本にも当てはまりました。あるいは彼女の場合は藤野以上かもしれません。「人生の転機」となる出会い。固く閉じていた未来への扉が開いた瞬間でした。陳腐な表現ですが「魂の片割れを見つける」とはこういう事かもしれません。 3つ目に心揺さぶられたのは言わずもがな。京本を襲った悲劇です。私はかねてより「人が死ぬから悲しい物語」は嫌いでした。その思いは基本今でも変わりません。しかし年を重ねて少し心境が変化した気がします。それは「死」が決して「特別なもの」ではない事を知ったからです。今日と同じ明日が来る保証など誰にもありません。死は唐突に訪れるものであり、往々にして理不尽なもの。これが世の道理です。物語だから死を避けるのも不合理では。 藤野は当初京本を外に連れ出した自分を責めましたが、彼女に非が無いのは言うまでもありません。もちろん彼女も頭では理解しているでしょう。でも心が追い付かない。そんな彼女に見せた幻が「ifの未来」でした。藤野が漫画を諦め、空手に勤しんだ未来。京本を襲った悲劇を回避できた未来。もしかしたら本当に「別の未来」が存在するのかもしれません。それは誰にも分からないし、知る術もありません。「死期」と同じ。だから私たちに出来るのは、真摯に自分の生と向き合うことのみ。自分がやれること、やりたいこと、やるべきことをする。それだけ。京本もそうして生きてきたのです。 良き人との出会いは「幸運」であり、別れは悲しいですが「必然」です。断言できるのは「努力が報われ」「理解者を得た」人生が「この上なく素晴らしい」こと。これだけは、絶対に、間違いありません。
[映画館(邦画)] 10点(2024-07-15 13:01:06)(良:5票)
43.  スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 《ネタバレ》 
『スマホを落としただけなのに』のその後を描く続編。前作主演の二人が冒頭顔見せしてくれた時点でシリーズものとして誠実ですし、キーマンだった加賀谷刑事(千葉雄大)が本作の主人公を務める点も違和感がありません。投獄中の殺人鬼・浦野(成田凌)を軸に物語は進行しました。比較されて勝ち目などない『羊たちの沈黙』パターンに一抹の不安を覚えたものの、前述したキャスティング含め極めて正攻法の続編であり、期待こそしていませんでしたが(前作は5点)、概ね好感を持って鑑賞出来たと思います。ただ「思っていたのとは違う」いや「全然違う」でした。これは多くの観客が抱いた感想と思われ、平均点低下にも繋がっている気がします。ただしこれは"勝手に期待して裏切られた気分になった"とも言えます。サスペンスと決めつけた私の早とちり。本作は『羊たちの沈黙』パロディであり、悪ふざけ系コメディという認識が正しいかと。アルピー平子のあり得ない死に方、アキラ100%の「逆に不安にさせましたか。履いてますよ」等きちんとヒントは出ていました。奈緒、江口のりこといった主演級俳優の無駄遣い。車が多数駐車されているPAに人っ子1人居ない不自然さ。彼氏の親子関係に無神経にも口出しする彼女(白石麻衣)のお花畑ぶり。そして何よりラスト。唐突に提供された「スマホを落としただけなのに」エピソードに震撼しました。シリーズタイトルは屋号と同じ。今回はスマホを落としてないじゃんなんて誰も言いませんよ。和菓子の名店『虎屋』が肉食動物を売ってないのは詐欺だなんて思わないでしょ。どれもこれもサスペンスだと思うから脱力する訳で、コメディならば成立するのです。その観点で評価し直すなら、割と良く出来ていると思えなくもありません。全ては浦野の掌の上。という訳で前作同様5点を進呈いたします。どうやらシリーズ3作目の公開も控えている様子。奈緒、江口のりこが続投でまた端役だったらコメディ濃厚でしょう。いやいや決めつけはいけませんね。シリーズ映画でもフラットな鑑賞姿勢で臨まなければならない事を本作は教えてくれています。
[インターネット(邦画)] 5点(2024-07-14 23:49:19)
44.  ゾンビランド:ダブルタップ 《ネタバレ》 
主要キャスト勢揃いで10年ぶりに制作されたシリーズ2作目。劇中でも10年経過しているため配役に関する違和感はゼロです。普通10年もあれば誰か不祥事を起こしていたり、事務所と揉めていたり、あるいはギャラが高騰していたり、様々な理由で再登板に支障がありそうなものですが、主役4人がちゃんと『ゾンビランド』に戻ってきてくれました。ほぼ「奇跡」と言っていい完璧な続編の在り方だと思います。更に嬉しい事にあのビル・マーレイ(本人役)まで再登場ですよ。つくづく天晴れであります。 変わらないのはキャストだけではありません。世界観も演出も脚本も、何から何までお馴染みの味。続編にありがちなリニューアルやパワーアップなど一切無し。それだけフォーマットが完成されているということでしょう。帰結についても前作踏襲。大切なのは「場所」ではなく「人」。「どこに住むか」ではなく「誰と暮らすか」。勤め人にとっては「勤務地」「業務内容」より「上司」「同僚」「部下」の方が遥かに重要であることに異論は無いでしょう。この主張に基づき明確に存在を否定されたのが「バビロン」でした。モチーフは横山光輝『バビル2世』でお馴染み「バベルの塔」であります(違う?)。バベルの塔=実現不可な絵空事=非武装のユートピア=共産主義の理想郷って感じでしょうか。そりゃアメリカ映画なら完全否定しますわな。どんな理屈でゾンビ蔓延る世界で武器を捨てられるのか理解に苦しみますが、きっと常人では計り知れない崇高な理念があるのでしょう。あるいは単なる現実逃避でしょうか。ただ「安全安心の引き籠り」という指針が非常に危ういのは間違いありません。「籠城」は非常時では有効な戦術ですが、平時に採用する戦法ではありません。ゾンビがいる世界が10年も続けば、残念ながらもう平時です。避難している場合ではありません。おそらく命の次に大切なのは健全な精神を保つこと。生ける屍にならずとも、死せる生き人になっては元も子もありません。そういう意味ではゾンビ狩りをアミューズメントとしてエンジョイしていた4人は「ゾンビ世界の歩き方」を会得していたと言えるでしょう。 実は本作を観て思い起こされたのは、某借りぐらしアニメ。文科省推奨?優良アニメと不謹慎ゾンビコメディを比べるのは筋違いかもしれませんが、案外テーマは似通っているのでは。安全安心は生きていくために欠かせませんが、固執したり、妄信したりするのはいけません。危険を冒しても新天地を目指すのは、人として正しい、健全な精神の在り方という気がします。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-07-10 18:20:11)
45.  みなに幸あれ 《ネタバレ》 
以下私なりの解釈です。誤読ご容赦ください。また未見の方はご注意ください。  「生命を脅かすもの」や「理解できないもの」に対して私たちは恐怖を覚えます。本作は後者のタイプ。徹底して意味不明な展開に終始しており所謂「不条理系ホラー」に該当しました。ただ解釈は可能です。テーマはおそらく「年金制度」かと。「納税」や「国民皆保険」でもおおよそ当てはまりそうですが「老婆の出産」が判断の決め手となりました。 年金は世代間扶助。高齢者を現役世代が支える社会保障制度です。この観点で解釈を試みると物語は実にクリアとなります。横断歩道を渡る老婆への若者の気遣いは「年金制度」の理念を示していますし、生贄が中年男性から若者へ変わったのも昨今の社会情勢を反映したもの。そして前述した「老婆の出産」。ご丁寧にも分娩する老婆を大人2人が馬となって支えています。もちろん老婆が出産できるはずもなく『いくら高齢者を手厚く支援したところで喫緊の課題「少子化問題」など解決しませんよ』という強烈な皮肉が見て取れます。ちなみに世捨て人となった伯母さんは国民年金未払い者。社会不適合者の末路は哀れでした。主人公を「制度の主旨を理解せず批判だけする者」と捉えると、家族を含めた彼女の周りの冷ややかな反応も腑に落ちます。お気持ちで現状を否定するだけならば、彼女は確かに「お花畑」かもしれません。 年金制度を「誰かの不幸の元に成り立つ幸せ」と断じてしまうのは流石に暴論です。しかしそう言いたくなる気持ちも分からないでもありません。制度が破綻して血を流すのは受益者も負担者も同じ。それなのに皆他人事。危機感の欠如こそ最上級のホラーであります。目と口を塞がれ搾取される現状は、やはり正常とは言えません。たぶん年金制度自体は崩壊しないでしょうが、大きく様変わりし割を食う世代が出るのは必定です。それでも社会保障を維持する恩恵は一般大衆にとって絶大であり、ドロップアウトした伯母に比べれば「圧倒的にマシ」という現実は動きません。釈然としなくとも、これが「最大幸約数」なのです。この事実を受け入れることが「大人になる」なのでしょう。そんな大人になりたかったか?と問われると口籠ってしまいますが。幸いにも私たちに「最大幸約数」を増やす手立ては残されています。行きましょう。選挙。 解釈しない素の状態では「不条理ホラー」。解釈を加えると「風刺コメディ」に変化する二面性を持った作品(「パンケーキ食べたい」はコメディ宣言でよろしいのですよね)。まるで食べている途中で味変できるラーメンのよう。なかなか凝った意欲作だと思いますが、味変したラーメンが元に戻らないように解釈を試みた後はホラーには戻れません。そういう意味ではホラー直球勝負でも良かった気がします。画作りや演出のセンスを見るに監督に「ホラー適正あり」と判断しました。何より古川琴音さんのホラー適正が◎ですし(偉そうですみません)。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-07-02 18:22:47)(良:1票)
46.  鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 《ネタバレ》 
『ゲゲゲの鬼太郎』は言わずと知れた国民的アニメ(漫画)ですが、『ドラえもん』や『サザエさん』のように長年に渡り継続してTV放送されてはいません。1968年に初めてTVアニメ化されて以降、1970年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代とコンスタントにアニメシリーズが制作されてきた珍しいタイプの作品であります。日本で育った人なら誰もがどれかのシリーズに見覚えがあるのでは。先日『ブラッシュアップライフ』でお馴染み、子役の長尾柚乃ちゃんが鬼太郎のべとべとさんが好きだと言っていて驚きました。なんと幅広い年代から愛されているのでしょう。そんな大人気アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』は年代固定制を採用していないため、シリーズごとに社会背景が異なり世界観やキャラ設定も変化している気がします。思い描く「鬼太郎像」は世代によって違うでしょう。更に摩訶不思議なのは、鬼太郎や目玉の親父、ねずみ男等のキャラクターは有名でも、鬼太郎が何者なのか、彼の目的は何なのかはあまり知られていないような。かく言う私もごにょごにょしてしまいます。有名人なのに実は何者か分からない、そう鬼太郎はまさにアニメ界の「金太郎」なのです(あるいは某ファビュラス姉妹。こちらの方が妖怪っぽいか。コラ。いや美しさが異次元という意味です)。そこで本作。鬼太郎誕生の前日譚とのこと。鬼太郎ファン積年の謎(あるいは単なる勉強不足)が解消される待望のエピソードゼロでありました。時は昭和31年。敗戦の傷跡癒えぬ日本。とある田舎が舞台の妖怪奇譚。設定だけならトトロと大差ありませんが、纏う空気は真逆でした。荒廃したのは社会だけでなく人の心も同じか。終始切なく息苦しく、私が知る「ゲゲゲの鬼太郎」とはまるで別物でした。完全に大人向け仕様。でもこれが鬼太郎の本質なのでしょう。喩えるなら〇露丸の如し。私が処方されてきたのはさしずめ正〇丸糖衣Aというわけ。とはいえ、本作も糖衣が全て除去されたガチ正露〇ではなく十分オブラートに包まれていました。だからシリアスな内容に反して観易かったのでしょう。個人的には市川崑監督に本エピソードを実写映画化して欲しいですが、無理なので堤幸彦監督にお願いしたい。悪ふざけが過ぎますか?
[インターネット(邦画)] 8点(2024-06-13 18:55:05)(笑:1票)
47.  あの頃。 《ネタバレ》 
「心穏やかに満足して死ぬこと」が人生の目的とするなら、彼の死に様はひとつの理想形だと思います。あれだけ多くの仲間に囲まれ、笑って送り出して貰えるなんて幸せなこと。人生の最期が好きなアイドルの曲と一緒なら尚更でしょう。良くもないが悪くもない。充分です。上等です。私はそう思います。 因みに本作は『恋ING』の為の映画。いや『恋ING』を皆さんに知ってもらう為の映画でもありました。素晴らしい楽曲は歌う人を選びません。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-06-09 17:54:02)
48.  Ms.ベビーシッター 《ネタバレ》 
冴えないベビーシッターがボーイスカウト(ガールスカウト?)で身につけたスキルを武器に家に押し入って来た狂信者と対決するお話。一昔前のホラーサスペンスでありがちな「何でそこでアドバンテージを放棄するの」「優先順位が違うがな」など、主人公の行動にフラストレーションが溜まり爽快感に欠けるのが辛いです。また前述のスキル紹介が状況にそぐわぬ軽めな(ポップな)演出のため緊張感も削がれがち。敵も強敵とは言い難く、どうにもこうにも締まりません。まさにB級サスペンスでありました。それでもキャラクターが魅力的ならA評価に覆える現金な私ですが、ヒロインが好みのタイプではなく残念(上から目線失礼)。ただしビジュアルイメージ(DVDパッケージ)より実物は美人です。活躍仕出してからはより一層魅力が増しました。多分ギャップ狙いで芋っぽさを強調したかったのでしょうが、単純に老けてみえます。基本的に残念な仕上がりの本作ですが、ボスとの対決シーンだけは素晴らしかったです。致命傷を負わせてもなお絶命するまで。僅か10秒ほどの攻防ですがスリリングで楽しめました。 ところでエンドクレジット後の一件(10ヶ月後の出来事)は一体何なんでしょう。悪魔?が娘に取り憑き、狂信者が望んでいたように世界の秩序が作り変えられたということでしょうか。正直分かり難いですし、そもそもそんな展開誰も欲していない気がするのですが。因みに原題は『ベビーシッター・マスト・ダイ』。こちらの方が圧倒的にキャッチーだと思いますが、何故に当たり障りのない邦題が付いたのか本気で謎です。
[インターネット(吹替)] 5点(2024-06-06 18:16:28)
49.  三茶のポルターガイスト 《ネタバレ》 
CGやらせ一切無し。ガチのドキュメンタリーだそう。つまり本作に収録されているポルターガイスト現象ほか所謂「霊障」は全て実際に起きた出来事とアナウンスされています。はてさて困りました。本当に信じてよいのでしょうか。私の感覚は以下のとおり。 ①騙すつもりの完全フェイク。確率10%。川口浩探検隊やミスターマリックの超魔術が堂々と放送されていた昭和ならいざ知らず、コンプライアンス至上主義の令和にフェイクをホンモノと偽るのはリスクが高そう。洒落が通じる時代は終ったと感じます。注:例示の番組で大人は騙されていないでしょうが、子どもは普通に騙されていました(私だけ?!) ②片八百長。確率30%。出演者(あるいは制作陣も含め)真実を知らされていないが、実はトリックありのパターン。 ③まじでホンモノ。確率30%。浪漫、期待値も込めてやや高めの設定。でも信じるに値するものが無いのが辛い。本作の現象をトリック(CGやマジックなど)で再現するのは容易いですから。 ④騙すつもりのない完全フェイク。またの名を街裏ぴんく方式。確率30%。ぴんく氏が漫談冒頭で放つ「女芸人としてやらせてもらってます」と、はっきり映る白い「人間の手」は同義なのでは。この場合ぴんく氏が「うそうそ本当は男芸人ですよ」と言わないのと同じ理屈で劇中タネ明かしはありません。さじ加減を間違えたモキュメンタリーとも言えます。 結局のところ何を、いや「誰を」信じるかに尽きるかと。骨董の目利きに同じ。素人は専門家の意見を聴き、信用に値するか判断するのみ。そういう意味では「心霊現象の目利き」が不在だったのが残念でした。本作に関わっているのはオカルト畑の人たちばかり。公正な目を持っているとは言い難い。この人たちにとっては通常のビジネス案件ですから。流石に胡散臭いと感じるのが一般的な感覚では。なお一部専門家(マジシャン、内装業など)の意見聴取がありましたが、彼らがお金で転ばぬ人である確証はありませんし、何なら本物の専門家かどうかさえ疑わしい(ごめんね)。反オカルト派による科学的検証が必須と考えます。それでもなお「ホンモノ」と主張されるのであれば、それはもう映画で小金を儲けている場合ではなく、ちゃんと学問として研究しましょうという話。幽霊なのか、妖怪なのか、はたまた異次元の人間なのか。これまでの常識が覆ったら興奮しますよね。もうすぐ続編が公開されるそうですし、科学的検証もなされる模様。両者リングアウトのような有耶無耶な形でお茶を濁すことなく、完全決着を期待いたします。なお上記④の場合は種明かしをお願いします。 ちなみに全く怖くありませんので、ホラーが苦手な方でも大丈夫だと思います(無責任発言失礼)。
[インターネット(邦画)] 5点(2024-05-28 20:05:10)(良:1票)
50.  戦慄怪奇ワールド コワすぎ! 《ネタバレ》 
邦画モキュメンタリーホラーの第一人者、白石晃士監督作品。聞けばOVシリーズの劇場版だそうで。白石監督といえば、個人的にはZが付く前のももクロちゃんが『シロメ』でお世話になっており大変感謝しておりますが、作品の評価はまた別の話。積極的に探して観る程ファンではなくずっとナチュラルにスルーし続けてきました。今回鑑賞したのはたまたま。観終えてから監督名を確認した次第です。 率直な感想は予想以上に面白い。いや一周して面白い!でしょうか。 POVモキュメンタリーなのにしっかりオカルトSF。劇場版プリキュア要素までぶち込む悪ふざけ。胡散臭いのにドラマは熱いという謎仕様。さらにツッコミ待ちのボケなのか奇妙な描写がちらほらと。 例えば赤い女。手に持つ武器は何処で手に入れたのですか?ナタや包丁ならいざ知らず、ククリナイフってマニアックな。黒い男の所持品を奪ったのでしょうか。ちなみにアップで刃があるようには見えず、毎度事件でお馴染み「バールのようなもの」ならぬ「ククリナイフのようなもの」の可能性あり。服を切ってたから刃があるって?刃があっても、あれで服が切れるわけないですやん。ウソですやん。むしろ赤い女の超能力ですやん。「ククリナイ フ」ではなく「ククリナイフのようなもの」だとするとコスプレのプロップか何か。このあたりはフェイクとはいえドキュメンタリーなら拘って欲しい細部かと。でも武器にならない武器を持っていると思えば、赤い女がより不憫に見えるかもしれません。極めつけは宙に浮かぶ異型の者。おそらく赤い女が宿したものの、産まれ落ちる事なくこの世を去り物の怪に転生した子。赤い女と共に次元の狭間を彷徨う内に世界を破滅させるほどの力を身に着けたのでしょう。うーん。何だそりゃ。ここで問題なのはビジュアル面のクオリティです。ディープフェイクで本物と見紛う偽動画が出回る昨今、あまりと言えばあまりな出来栄え。単に低予算だからでは済まされぬ監督の明確な意思を感じずにはいられません。かつて『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』がガチ過ぎて本物か偽物か物議を醸した事を反面教師に、一見して偽物と判別できる低品質なCGをあえて採用しているのだとしたら・・・。監督の高いコンプライアンス意識に脱帽するより他ありません。要するにエンターテイメント万歳ってことです。ストレートにホラーとして楽しむ(怖がる)のではなく、斜に構えて面白がる作品なのは間違いなさそう。それがモキュメンタリーホラーの正しい鑑賞作法であります。
[インターネット(吹替)] 7点(2024-05-25 19:27:42)(良:2票)
51.  宮松と山下 《ネタバレ》 
香川照之が記憶喪失の役者というとまるっきり『鍵泥棒のメソッド』ですが、本作の場合コメディ要素は皆無です。淡々と綴られる日常。その全てが映画の中のよう。なぜ男は記憶を失ったのか。というより、なぜ記憶を失う必要があったのか。不意に、いやいや、訪れるべくして訪れた「宮松が山下を取り戻す瞬間」をどうぞ見逃さないでください。さすが名優香川照之の演技力。必見です。 ところで主人公の犯した「罪」の重さとは如何ほどでしょうか。法律というより倫理の領分。状況がいまいち不明ゆえ観客が審判を下すことは出来かねますが、少なくとも男にとってはリセットボタンを押したくなる程に罪の意識があったのは間違いないでしょう。記憶を失っていた12年はいわば懲役刑のようなものか。いや現状から逃げ出し自身の罪と向き合っていない以上罪を贖ったとは言えませんし、そもそも罪は消えません。そういう意味では12年の歳月は懲役ではなく執行猶予期間が正しいかもしれません。ただ、そうであったとしても12年は長い。誰かが「大抵の問題は時間が解決する」と言っていた気がしますが本当にそう。究極的には寿命が来ればご破算ですし。山下が言う「家族の問題」は兄が不在の間に自然と解決したように見えます。実際のところは分かりませんけども。ただ傍目からみる分にはこれで正解だと思いますし、宮松も納得している気がします。 それにしても記憶喪失で役者を志す思考回路が興味深い。消えたアイデンティティを探す感覚でしょうか。あるいは自分が無いから何者にでもなれる理屈でしょうか。正直宮松は役者としては三流ですが、過去を取り戻した今、一皮も二皮も剥ける可能性大かと。やはり土台があってこそ人は跳べるのです。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-21 20:15:05)
52.  ザ・プレデター 《ネタバレ》 
男女混合のパーティ編成やオマージュ溢れる台詞まわし、耳慣れたBGM、そしてプレーンなタイトル。シリーズを踏襲した脚本で特に第一作目を強く意識していると思しき本作ですが、オリジナル『プレデター』の魅力が感じられたかと問われれば答えはノーです。よくあるアメリカ製"大味"SFアクションでした。もっとも本作に限らず続編に『プレデター』の優れたホラー要素やサスペンス性を求めるのも酷な話。すでに手品のタネは明かされています。その上でなおプレデターという素材を活かそうとするなら『AVP』や『プレデターズ』あるいは本作のように上位互換種を登場させるアプローチになるのは理屈としては理解できます。ただやはり無理矢理感は否めません。個人的にはそこまでシリーズ化に固執するのは如何なものかと。「第一作目は面白かったよね。でも続編向きの題材ではないから大事に触らないでおこうよ」とはならないのですよね。「旨味があるうちは骨までしゃぶる。いや骨のかたちがあるまでは」な映画業界の体質は洋の東西を問わないようで。でも「シリーズの向こう側」に到達した『ゴジラ』のような特異な成功例もあるので一概に続編を否定するのも違うのかもしれません。個人的にはプレデター◯ラーを(一応ネタバレ配慮で)をアベンジャーズなりジャスティスリーグに入れてはどうかと思います。味方にしたらこれほど頼もしいキャラクターも居ないですし。
[インターネット(吹替)] 5点(2024-05-19 22:36:44)
53.  最強殺し屋伝説国岡 完全版 《ネタバレ》 
これまた『ベイビーわるきゅーれ』ファン必見!と言いたいところですが、あまり関係ないかも。本作の主人公、最強の殺し屋こと国岡が『ベイビーわるきゅーれ』で瞬殺された殺し屋と同一人物という確証もないですし。 それにしても阪元裕吾監督作品を観ていくと、伊能昌幸さんが如何に重用されているかよく分かります。勿論それも納得。格闘アクションのキレは絶品です。さらに凄いのは喧嘩の強さが全身から滲み出ているところ。顔つきと身体がもう狩猟民族のそれ。グラップラー刃牙が実写化されたらキャスティングされること間違いなしでしょう。そんな阪元監督にとって重要な手駒である伊能さんを『ベイビーわるきゅーれ』では端役で使っているのが何とも贅沢な話であります。 ちなみに本作はモキュメンタリー。作品ジャンルは、クライムでもなければサスペンスでもなく「コメディ」となりますのでお気をつけください。クライマックスの格闘シーンも北斗百裂拳のパロディと捉えて問題ないでしょう。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-08 00:15:36)
54.  ある用務員 《ネタバレ》 
これは『ベイビーわるきゅーれ』ファン必見。そう、ちさと・まひろの殺し屋JKコンビは本作の登場キャラクターだったんですね。つまり『ベイビーわるきゅーれ』はもともとスピンオフに当たる作品であったと。いや役名が違う別の世界線ならスピンオフにはならないのかな。でも殺し屋の名前なんて有って無いようなものですし。このあたりの判断は観客に委ねられている気がしますが。少なくとも本作の二人は単なる殺され役に留まらぬ見せ場が用意されていましたし、何より監督が彼女らにスターの可能性を見出しているのがよく分かります。扱いが丁寧。ボス戦よりも中ボス戦の方が見応えありという『キル・ビル』の栗山千明的スタンスの二人でありました。ちさと・まひろ(本作の役名はリカ・シホ)の登場だけで十分価値のある作品ですが、それを差し引くと今ひとつという感じがしないでもありません。全体的にもう少しアクションシーンのボリュームが欲しかった気がします。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-05-04 07:26:03)
55.  黄龍の村 《ネタバレ》 
前半は堤幸彦監督風エセ民俗ホラーの笑い無しバージョン。後半は『ベイビーわるきゅーれ』の瞬殺モブキャラ男が実質主役のハイパーアクション。まるで『フロム・ダスク・ティル・ドーン』ばりの前後半別物映画でした。主要キャラクターまで交代制というのが面白い。前半で溜まったフラストレーションを後半でスッキリ解消。『ベイビーわるきゅーれ』のアクションが好きな方なら本作を問題なく楽しめると思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-04-22 23:51:35)
56.  ある閉ざされた雪の山荘で 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ミステリー作品です。未見の方はご注意ください。  「何だ雪山が舞台じゃないのか」から始まり「ビデオカメラで犯人探すミステリーとかありなの?」と終始訝しんだものの観終えてみれば納得。物語の構造も凝っていますし決して悪くありません。ただ釈然としない部分も。ネタバレ厳禁なので詳細は伏せますが、そもそも設定に無理があるような。 例えば本作では久我(重岡大毅さん)が探偵役をしています。でも初期設定上、仕込み以外の人は全員探偵役を買って出なくてはいけないのでは。そういう趣向のオーディション。でも彼以外誰も探偵らしい動きなどせずモヤモヤ。てっきり『名探偵登場』(懐かしい!)みたいな名(迷)推理合戦が見られると思ったのに。それにそもそも久我をこの場に呼ぶ必要ありましたか?一般的にミステリーで探偵が登場するパターンは「偶然」か「犯人があえて呼んだ」のいずれか。わざわざ探偵(部外者)を犯行現場に呼ぶなら当然目的があって然るべし。「目撃者、証人として」あるいは「本心では犯行を暴いて欲しかった」など。本作の久我はどれにも当てはまりま・・・と、ここまで書いて私は思い違いをしている事に気付きました。そう、久我こそがこの計画に最も必要な人物、キーパーソンではなかったのかと。もし犯人の思惑通りコトが運んだとして誰が得をするのかという話。一時的にあの人を満足させたたとしても、騙し通せるはずありません。いずれ嘘はばれるでしょう。あの人の「心」を救えなければ意味がないのです。それにはむしろ久我のような第三者の力が必要だったのではないか。水滸の中の人ではなく、外の人だから出来ること。彼に真相を解き明かしてもらい、いやあの人の心を解きほぐしてもらい、初めて目的が達成される仕掛け。そういう意味では久我にガチで推理力を発揮して貰う必要はなく、彼も仕込みの一員で良かったかもしれません。しかし、この説は否定しておきましょう。何故なら久我にはそこまでの演技力が無いから(失礼)。今まで彼は水滸のオーディションに受かっていません。彼が今回キャスティングされたのは、演技力ではなく人間性を買われたから。久我には初期設定どおり本気で探偵役(オーディション)を引き受けて貰ったのだと思います。もし期待通りに探偵役が出来なければ「アドリブ」で種明かしすれば良い訳で。みんなその辺は得意でしょう。久我とあの人を除く全員がグル(演技者)の可能性さえあると考えます。となるとやっぱり本作は「ミステリーではない」が正しいのかもしれません。 さて最後に結末について。綺麗に纏まった、そして驚きもある感動的なフィナーレで文句はありません。そうきたかという感じ。ただ私だったら全員を立たせてカーテンコールを受けさせたと思います。性格悪いですか。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-04-16 17:19:55)
57.  大河への道 《ネタバレ》 
通常の時代劇ではなく「もし伊能忠敬を大河ドラマにするならこんなプロットにしてみては如何ですか」と提案形式にしたところがミソ。目先を変えることが目的ではなく「ね、伊能忠敬を主人公にしなかったら大河ドラマにならないでしょ」が言いたい訳で。そう、本作は伊能忠敬没後にその意思を継ぎ日本地図を完成させた者たちが主役でした。なんと伊能忠敬はキャスティングさえ無し。思い切ったものです。歴史に名が残らぬ「庶民」にスポットを当てた物語は確かに大河ドラマ的ではないものの、むしろ私たち「庶民」の胸を打つ感動の逸話でした。遂に日本地図が完成しお披露目の時。大広間に敷かれた「大日本沿海輿地全図」に圧倒されます。まさに百聞は一見にしかず。地図を一目見れば、地図製作に費やされた膨大な時間や途方もない労力が瞬時に分かるというもの。この偉業に敬意を評さぬ者など居るはずもなく。しかもお上を欺き命を賭してまで大業をやり遂げたのは偏にこの国の民の為。その理念、いや意地と執念に自然と頭が下がり目頭が熱くなりました。これは掛け値なしに良いお話。本当に劇中劇そのままで大河ドラマにして欲しいくらい。タイトルは『日本地図』あるいは『伊能忠敬』で何の問題もありません。 それにしてもこの手の人情喜劇をやらせたら中井貴一は本当に上手い。安心して観ていられます。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-04-12 21:37:19)
58.  隣人X 疑惑の彼女 《ネタバレ》 
「人種差別」と「週刊誌報道の是非」をテーマとしてたSFサスペンス。その主張やメッセージを否定する気はありませんが、この物語でそれを言うのは流石に無理筋かと。だって宇宙人Xを移民や外国人、あるいは被差別民に見立てるのは飛躍し過ぎで逆に失礼ですし、利益優先主義の週刊誌への批判も本件にあってはむしろ公益性が認められるケースかと。差別は憎むべき愚かな行為で間違いありませんが、未知なるものを怖れる感覚は生き物の自衛本能として当然です。宇宙人Xが、人間と見分けがつかないばかりでなく価値観を共有でき生殖も問題ないなんて、そんな都合の良い話を誰が信じるというのでしょう。仮にそれが真実だとしても、人間と異星人の交配を是とするのは種の尊厳に関わる重大案件であり当人が「知らなかった」はあってはならないこと。外国人との結婚や所謂「多様性を認める社会」等と同次元で語れる話ではありません。つまり主張が正しくとも、例示が適切でないため説得力を失ってしまうケースと感じました。喩えるならカレーライスを便器型の皿で提供するような。どんなに美味しくても台無しです。おっと、この喩えは下品かつ頓珍漢でしたか。 ところで日本政府のX容認政策は、某国のマリファナ合法化と同類であり「もうXを排除できないほど人類に溶け込み同化している」を意味していると考えられます。となれば前述の「種の尊厳」を問う段階はとうに過ぎており、好むと好まざるとに関わらずXを容認するより他に道がない状況と推測されます。労働力不足解消のため外国人技能実習生を受け入れまくっている何処かの国の現状と大差ないような。いやはやファンタジーにしては問題が切実過ぎて滅入ります。もっとも同種で殺し合いばかりしている地球人より、Xの性質を受け入れ平和に暮らせるならその方が幸せかもしれません。地球人として凄く負けた気がしますけども。 最後にキャスティングについて。久々に上野樹里さんを観た気がしますが大変素晴らしい。三十路半ばの独身女性の何処か寂しげな憂いの表現が絶品でした。一躍人気者となった「のだめ」当時も輝いていましたが、さらにステージが上がったようで大変好感が持てました。正直本作の上野さんであればXであろうとなかろうと関係なく、同じ「生き物」として一生を添い遂げたいと思えるほど魅力的だったと思います。おっと、妻帯者の不適切発言失礼いたしました。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-04-07 22:25:08)
59.  アンブレイカブル 《ネタバレ》 
最初の一口だけでなく最後までずっと美味しい料理があります。料理人がきちんと仕事をしている一皿。喩えるなら基本に忠実な和食のような。本作はそんな映画でした。最初から最後までずっと面白かったです。洋画に和食の喩えは流石に頓珍漢ではありますけども。 脚本重視派の私ですが、本作についてはカメラワークの巧みさに唸らされました。はっとさせられる印象的なシーンや構図には意図が込められており見終えてテーマが補強される仕掛け。奇を衒った目眩ましの演出とは根本的に違うのです。いやー旨い、いや上手い。もともと職人気質の監督だと思っていましたが、本作を観て改めてその想いを強くしました。シャマラン監督というと「どんでん返し」のイメージが強く本作も例外ではありませんが、それ以上に丁寧な映画作りに関心した次第です。いやはや本当に面白い。そして大好きです。 「アメコミヒーローもの」ジャンルに対する「シン・ゴジラ」的アプローチと解釈したくなりますが、庵野監督のようなアクの強さもなければお馴染みの演出技法もありません。でもシャマラン監督作品と一目で分かるのは何故でしょう。ブルース・ウィリスが最高に渋く格好良く撮られているから?よく分かりませんが映像に「浪漫と品格」があるのは確かかと。子どもがバーベルの重りを増やしていくシーンや、新聞記事を差し出し小さく頷く場面など、父子の繋がりの強さや深さが感じられる箇所が特にお気に入りです。 個人的にはシャマラン監督の最高傑作で間違いなし。代表作『シックスセンス』は未見という注釈付きですが(どういう了見だ?)。それではこれから続編『ミスターガラス』を観てみようと思います。真の主人公、自分探しの途中「哀れな天才」のその後が大変気になります。(以下追記)『ミスターガラス』を見終えてから続編が『スプリット』と知る痛恨のミステイク!皆さん、お気をつけくださいませ!!
[インターネット(吹替)] 9点(2024-03-10 09:59:28)
60.  マダム・ウェブ 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ご注意ください。 『スパイダーマン』についてはサム・ライミ監督3部作は鑑賞済みですが、その後のリブートや他のマーベル関連登場作品は未見です。ちなみに日本版巨大ロボに乗り込むTV特撮は子どもの頃観ていました。そんなスパイダーマン年長者だけど初級者な私にとっては、マダム・ウェブって誰やねん。パワーパフガールズみたいな3人って何者?スパイダーマンにそんな設定あったの?状態。あの人気キャラクターの若き日の活躍を描くと言われても、全く持ってピンと来ない訳です。じゃあ何で観たのかと問われれば、時間調整にシネコンを使ったからであります。という訳で、門外漢の頓珍漢な感想という前提でお願いします。 劇中で描かれるマダム・ウェブの能力は、予知と思念体操作の2つでした。予知は一般的に「デジャヴ」と呼ばれるもの。未来の出来事をあらかじめ体験しているから、悲劇を回避できるというワケ。そこで疑問。主人公は何故視力や運動機能を失う結末を避けられなかったのでしょうか。考えられる可能性は2つ。一つは確定未来は変えられないとするもの。いわゆる「運命」です。もう一つは複数ある未来予想図から一つを選んでいる場合。前者だとすれば全ての苦労の意味が失われるので却下。必然的に後者の推論を採用したいですが、この場合マダム・ウェブは自ら望んでこの未来を選択したことになります。何と言う献身でしょう。敵からも忠告されたように、3人娘など放っておけばこれまで通り充実した人生が送れていたはずですから。でも彼女はそれを良しとしなかった。これは『スパイダーマン』に流れる基本理念「大いなる力には大いなる責任が伴う」の精神に他なりません。なるほど確かに本作は『スパイダーマン』の流れを汲む一作ということが分かりました。ただし騙されて(!)呼び出された救助ヘリの皆さんはあまりに可哀想。この惨事は回避出来なかったのでしょうか。何かしら言い訳を聞きたい気がしますが。 とはいえ、好き好んで得た特殊能力でもないのに責任云々言われるのは可哀想な話ではあります。でもその一方、一握りの天才や発明家の偉業のおかげで私たちが豊かな生活を享受できているのも事実なわけで。この世の成り立ち(システム)として「大いなる力には大いなる責任が伴う」のは理不尽とまでは言えないのでしょう。せめて「力なき者は力ある者からの恩恵に感謝を」でしょうか。往々にして我々は恩恵を当然の権利と錯覚しがちですから。 テーマ論に終始してしまいましたが、映画全体の感想はマーベルコミックらしい大らか(大雑把)な作品であり、基本的には「子ども向け」という気がします。少なくとも「マーベル初の本格ミステリーサスペンス」という触れ込みは、やや盛り過ぎと感じました。因みに吹き替え版では、空条徐倫VSディオの夢の対決が見られます。
[映画館(吹替)] 6点(2024-02-28 09:48:43)
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