41. 新選組始末記
《ネタバレ》 出だしの主人公と恋人との会話を前半は恋人のアップだけ、後半は主人公のアップだけで済ませる撮り方は面白く、これは結構期待できそうだと思ったが、進むにつれてどうにもつまらなくなる。平凡な時代劇。近藤だ土方だ沖田だと有名面子がイメージに合わないのは仕方ないとしても、所々に見られる目を引く演出がまったく物語に影響を与えるものとして機能せず、ただあるだけの使い捨てな扱いで残念。これでは寧ろ目障りにも感じてしまう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-07-23 19:24:39) |
42. 座頭市血笑旅
《ネタバレ》 シリーズ8作目。赤ん坊をかばいながらの旅路はなかなか面白みがあるし、殺陣も見せ所が十分。女スリと道を共にしはじめて若干ダレた感じのする部分はある。元力士との勝負から追っ手が付け込んでの切り合い。それを見た女スリが突然改心するというのは少々無理やり。その前の賭場のシーンでも座頭市の殺陣は目の当たりにしているわけで、何がそこまで女に衝撃を与えたのか疑問なのです。序盤にいくつか構図的にも美しい絵がありました。 [DVD(邦画)] 6点(2007-07-11 23:10:33) |
43. マクリントック
《ネタバレ》 西部劇かと思いきや、西部を舞台にしたラブコメ。拳銃でドンパチの代わりに殴り合い。坂を滑り落ちては一同揃って泥水溜まりに落ちたりするあたりはコメディというよりコントに近い。何度も落ちる階段落ちやら、いやいや色々コントチック。2時間強と意外に長尺だが、お気楽ラブコメとして楽しく観ていられる。しかし終盤が戴けない。娘と牧童がロマンスも急激な進展で強引にまとめてるし、インディアンは武器を奪って逃走しめでたしめでたしという感じでほったらかし、下着姿で逃げ惑う妻を村人の野次馬を引き連れて追い掛け回すというのはどういうことなんだろう。しかも突然、殆ど脈絡なく追いかけっこが始まる。うーん。結局これでわだかまりが解けてめでたしめでたしということになるのだが、これは上手いと言うには程遠い。ちなみに牧童役の男がジョン・ウェインの次男だそうな。へ~。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-07-11 22:51:16) |
44. 座頭市あばれ凧
《ネタバレ》 シリーズ7作目。水中での戦闘など妙な凝り具合が見られるが、良い方向の凝り方ではないなぁと。助太刀料をふっかけてみせるなど、久しぶりに座頭市の商売っ気も見られてその点は楽しかった。若干座頭市に飽きた頃に見たこともあってか、ちょっと印象に薄い作品。 [DVD(邦画)] 5点(2007-07-05 22:25:39) |
45. 座頭市千両首
《ネタバレ》 シリーズ6作目。冒頭のクレジットバックなど濃淡の効いた映像が美しい。山を背景にしてその下の道を提灯が埋めていくシーンなど芸術性を感じる画もちらちら。結構色彩が印象に残ります。ストーリーはまあ普通に楽しめるレベル。しかし最期の決闘シーンで敵が座頭市に馬の上から縄をかけて引き摺り回すという呆れた展開はいただけない。普通に剣で勝負しましょうよ。忠治親分も自分を逃がすために手下が戦い斬られている最中、ずっとその光景を見ているというのはどうなんだ。さっさと逃げなさい。逃げないなら一緒に戦いなさい。子役に大人がアテレコをするというのは時代性なのだろうか。にしても要らんですなぁ。違和感ありすぎ。別に喋らんでもいいものを。 [DVD(邦画)] 6点(2007-07-05 22:18:43) |
46. 飛べ!フェニックス
《ネタバレ》 リメイク版を先に見たが、こちらの方が遥かに面白い。キャラの個性付けも上々だし、人間ドラマがちゃんと描けている。皆が最初の気楽さからどんどん疲弊していく感じも良く出ています。設計士は嫌な奴だがリメイク版ほどの嫌味は無い。人物破綻がない分、最後の操縦士との和解も素直に受け入れられます。一番の嫌なキャラは寧ろ軍曹。本当に姑息で嫌な奴。リメイク版はやりすぎて無理が目立つものになってしまっていたが、こちらは無理はあってもそれほど目立たない。その他の部分がしっかりしているからでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-02 20:49:44) |
47. 草を刈る娘
《ネタバレ》 キャラクターもそれぞれ生き生きと描かれているし、爽やかでなかなか楽しめる青春コメディ映画。ライターをうんこの匂いを頼りに探すというのは凄い話だ。「外国の女はうんこの匂いを頼りにライターをさがしてなどくれないぞ」という台詞はまさにそりゃそうだが、日本人でもそうそう探してはくれません。狼だ豚だとそこらじゅうで喧嘩が始まる展開も面白かった。殺人事件はちょっとやりすぎの気もするし、そこから急展開過ぎるという感じは受ける。二人が初めから好意を持ちすぎているので恋愛の展開としての面白さにも欠ける。しかし成り行きを楽しむのではなくそのやり取りを楽しもうとして観ればこれはこれで面白い。前述の「糞の匂いを頼りにライター探し」とか湯中りして倒れたばあ様をテントまで運んでる最中に実はばあさましょんべん漏らしていたりして、ちょっと下品なネタもあるがこれもこれで楽しい。妙な歌が何度も流れたり、多角経営だとか子供の数を管理するとかそんな話などに時代性を感じます。それでも馬草刈りといういつの時代だかよくわからんような設定の話と相まって、その違和感もかえって楽しい。なんだか良く判らない。それが楽しい。こういったものを始めてみたので、日本的なのどかさが新鮮だった。老後はタバコを吸うんだというヒロインの夢も凄い夢ですな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-17 22:37:12) |
48. 眠狂四郎 勝負
《ネタバレ》 構図に優れた美しい映像が素晴らしい。狂四郎が唯一心を許す少女の存在や、適度なコミカルさ、殺陣の見せ方の工夫など、それぞれのポイントの抑え方が程よく、バランスのいい映画になっています。ただその反発で狂四郎が他の作品に比べてまともなこともあり、ニヒルで格好良い台詞が控え目なのは多少残念ではある。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-09 21:45:38) |
49. 眠狂四郎 無頼剣
《ネタバレ》 驚いたことに狂四郎がまとも。いたって真っ当です。女に非道を働く奴は許せんとか言うし。他の作品では自分が一番非道なんですが。殺陣もそこそこ見所があり、最後の天知茂との円月殺法同士の戦いはシチュエーションとしても面白い。ただ、作ったおもちゃを油屋の子供に渡す約束だったと悔いるのは取って付けた感満載。その子の家の油蔵を爆破しといてそれはなかろう。他にも説明台詞が多く、しかも連続するなどあまり上手くない部分もあるが、中々楽しめる作品だった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-09 21:21:12) |
50. 眠狂四郎 炎情剣
狂四郎の何気ない台詞が妙に格好良い。殺陣も前に観た2作(1作目、4作目)に比べるとかなり見られるものになって好印象。ただ作品としてはいまひとつ。狂四郎の行動もふら付き過ぎに思える。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-09 21:04:23) |
51. 眠狂四郎 女妖剣
《ネタバレ》 出来の悪い中途半端な官能小説のような部分がちらちら。これでもかという程のエロの無駄使い。これがシリーズ最大のヒット作とは、公開当時の人はそんなにエロに飢えていたのだろうか。ストーリーの流れは支離滅裂気味。再登場の陳孫。髪型が現代的過ぎだったりするのが、このキャラクターの適当さの象徴。今回も何度かやりあって意味不明に海に飛び込んで逃げていく。一体お前は何がしたいんだ。最後の尼さんの回想シーンとか何となく初期のウルトラマン作品っぽく見える。そういえば全体にそれ系の匂いがする。円月殺法で剣の残像が残るという演出もその影響か。まあ必殺技っぽく見えるようになってていいんですが。尼僧を斬って捨て「俺は無頼漢、簡単に斬れるのさ」と言い捨てる狂四郎は実に格好よくて良い。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2007-06-09 20:43:12) |
52. 眠狂四郎 殺法帖
《ネタバレ》 所々これはギャグでやってるんだろうかと思えるような、かなり間の抜けた演出が見られる。足早というか、各要素が挿入感やあっさり感も強い。円月殺法の描き方も含めて、全体に殺陣もアクションも見所なし。この手の時代劇でこれは問題でしょう。唯一、中村玉緒が印象的。やはり着物を着るとこの方は映えます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-06-09 20:13:18) |
53. ラインの仮橋
《ネタバレ》 捕虜生活が随分のんびりとしていて自由なことに驚く。実際にもこんな監視の緩い捕虜生活なんてあったんだろうか。ましてや捕虜の身でありながら村長になってしまうなんて、そんなことありえるんでしょうか。うーん。やっぱり現実離れしているようにしか見えず、違和感ありまくりです。二人の話の結末はどちらも納得のいくものだったものの、パン職人が村に帰る理由に残してきた女への未練が多分に感じられてしまうのが難点。妻が居ながらそれはあんまりだ。「生まれて初めて人の役に立てたから」という理由だけを純粋に感じられれば、良い話で終わるところなのだがね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-04 22:28:57) |
54. オーシャンと十一人の仲間
《ネタバレ》 全体にふざけた感じが漂う内輪で楽しむような会話やシーンなどが、リメイク版に通じるものを感じる。随分と簡単に盗めてしまうので拍子抜け。尺も長めで、観ていてだらけてしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-05-09 22:35:40) |
55. 女は女である
《ネタバレ》 喧嘩しながらもなんだかんだ言って楽しそうな二人。わざわざ本を持ち出して表紙の文字で会話するとかは面白くはあったが、全体に奇を衒ったような演出が、これっておしゃれでしょう、面白いでしょうといわれているようで、なんだか嫌だ。時代の映像技術が監督の発想に追いつけていない感じもする。ヒロインのアンナ・カリーナがとてもキュートにも見えるが、アップのシーンを見ると化粧がケバ過ぎていまひとつ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-04-08 21:35:30) |
56. じゃじゃ馬ならし(1967)
《ネタバレ》 やたらキャーキャー叫ぶ女の悲鳴が耳障り。それを抜きにしても、とにかく無駄に騒々しい。演出過多と感じるところもしばしば。じゃじゃ馬とまで言われた娘が従順になるというのも過程の説得力弱め。別の「じゃじゃ馬ならし」を前に観たときは面白かった印象があるけど、これはあまり出来が良いとは言えなません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-03-06 23:23:38) |
57. カトマンズの男
《ネタバレ》 金持ちの満たされた退屈さから自殺願望のある富豪の男が、どうせ死ぬなら保険金をかけて誰かに殺されてくれと頼まれる。男は引き受けたものの、いざ殺し屋に狙われると怖くなって必死で逃げ回ることになるというコメディ。テンポも良く、ギミックの使い方など子供の頃に見ていた外国アニメを実写で取ったような演出が多く、これがとても楽しい。なかなか拾い物の映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-31 21:05:43) |
58. ドリトル先生不思議な旅
《ネタバレ》 動物語がわかることで、動物たちが協力してドリトル先生を助け出すのは面白いし、ドリトル先生の裁判での演説も良いです。しかしミュージカル仕立ての割りに、結構中途半端で、曲自体もあまり魅力的を感じません。色恋話が安直適当なのもちょっと。そもそもロマンス要素はこの映画にそれほど必要じゃないような気がするんですが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-01-31 18:06:46) |
59. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 とにかくデザインが非常に洗練されていて圧倒されます。今ならCG合成でいくらでも出来るんでしょうが、40年前に撮られたとは思えないような驚く映像も多々あります。2001年という当時としては遥か彼方の未来でも、現実的に考えればそこまで科学が急激に進化するわけはないんですが、SFとしての夢を描けばこうなるんでしょう。クラシック音楽をバックにした、まるでイメージ映像のようなシーンが多く、それ以外のシーンでは対照的に音楽は無く、その音楽の無さっぷりが実に宇宙空間を感じさせてくれます。最後の展開は確信犯的に訳が判らなくしてあるので、そこを論理的に正確に理解しようとする必要はなさげ。感じるがままに解釈すればいいんでしょう。HALの暴走などサスペンス的展開もあるものの、全体に見て「宇宙の旅」という邦題はまさにこの映画を良く言い表しているものでした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-27 22:14:55) |
60. 熊座の淡き星影
《ネタバレ》 ヒロインはなんとも妖艶で、そりゃあ関係も疑われるだろうし、何があっても不思議じゃありません。結局のところ色々な謎は謎のままで、どれが真実なのかはぼかしまくり。これだけひとつとしてはっきり解明されないままなのに、そういったところに妙に不満が残らないのは、やはり映画として優れているからなんでしょう。オープニング付近の婚約者と二人で実家を訪れるまでの道のりを車の後ろからずっとフォローする長回しは見ごたえがありました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-25 21:49:47) |