41. RETURNER リターナー
パクリだらけと酷評されてますが、ハリウッドとは比べ物にならない予算の中でなかなかうまく作っていると思う。あれもこれも表現したいという監督の情熱が溢れる感じで、しょぼい感動をむりやり二時間に引き伸ばしたような他の日本映画よりはよほどいい。パクリをつなげても二時間の作品を面白く見せるなら、パクリなしでつまらないよりよほどいい。敢えて書くならあのMI2まがいのバイクのターンは、同じキメポーズをとってぶっ放すと思いきや、キリンさんに爆破されて金城の方がびっくりするのを、MI2を視ていることを前提にして笑うところなのです。プレデターの中身がETだったのを笑うところなのです。映画大好きの監督が映画好きに楽しんでもらおうとサービスしているのです。日本語に文句を言う前に金城武でしか表現できない日本人にはないかっこよさを堪能または研究するところなのです。リターナーの時間を越えた伏線もうまいし、ラストもさわやか。岸谷五郎の悪役も決まった。DVDでは監督の撮影メイキング談話が全編に渡っていて、ここはどこで撮影されたとか日本映画ならではの楽しさもありプラス一点。 [DVD(邦画)] 7点(2007-02-23 20:31:54)(良:4票) |
42. インサイド・マン
《ネタバレ》 60年も前のナチス戦犯の銀行家の悪を追求するのが正義みたいな落ちが映画と関係なくすごく気に入らない。世界唯一の原爆使用国家であり、現在進行形で世界中の紛争地域で双方に武器を売って大もうけし、大量破壊兵器所持のガセネタで戦争を仕掛けている国の悪をどう考えているのか、と思わざるを得ない。結局世界中を金融支配するユダヤ資本の、われわれは被害者でござい、というプロハガンダ臭を感じるのだが。 [DVD(字幕)] 4点(2007-02-23 16:16:08) |
43. グエムル/漢江の怪物
《ネタバレ》 普通の人達がローテクで怪物と戦い、パニックを描きながらユーモラス、怪獣と戦う人間達の絆にポイントを置く、という等身大モンスター映画の設定は、怪獣の口の開き方といいトレマーズの影響を感じる。結局ハイテク武器を使うと簡単に退治できてしまうので、いかにハイテク武器を出さないで、ローテクで戦かわせるかという設定に説得力を持たせることが、脚本の工夫のメインになると思うが、この映画はその点を役に立たない政府と駐韓米軍という安易な設定で逃げていると思う。それを社会派監督の批判精神のせいにするのは違うのではないかという気がする。一事が万事で、意味のわからない脳手術、一家にだけ全然効かないウィルス駆除剤、怪獣に何人も殺された危険な川原で平気でデモするデモ隊など、ご都合主義ばかりなんだから、女の子も助けてもっと娯楽に徹すればトレマーズくらいに後味の爽やかな、傑作モンスター映画になったかもしれない。冒頭の襲撃シーンと少女が健気に脱出しようとするシーンにプラス1点。中盤のグタグタにマイナス1点。 [DVD(字幕)] 5点(2007-02-12 22:00:06)(良:1票) |
44. ハンニバル(2001)
この映画知らなかったのですが、投稿数が多いので視てみました。 映像派の一流監督が本気でグロシーンをとると、低予算スプラッターがはるかに及ばないものを作るなあ、というのが正直な感想。冒頭から驚異のラストまでそれなりに山あり谷ありで面白く見せるし、レクター博士のカリスマも優雅さもなかなか、イタリアの魅力もあり驚愕のラストがなくても十分に面白いと思った。ラストは今まで見た中で一二を争う強烈なショッキング映像でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-28 23:58:54) |
45. X-MEN:ファイナル ディシジョン
見せ場のダイジェスト総集編映画って感じですか。ラッシュアワー2の監督が、ラッシュアワー2で評判良かった怒涛のラストの展開を全編に渡って繰り広げたような。だから微妙なデテールは全部すっ飛んじゃって、ひたすらよりすごい見せ場を次から次へ展開して、それでも破綻せずに最後にピークを持ってきたので成功ではあります。楽しめますが、デテールが豊富でそれを堪能するゆとりがあり、独特の魅力があった1と2の方が好きです。 [DVD(邦画)] 7点(2007-01-18 13:37:18)(良:1票) |
46. 火山高
ストーリーの辻褄よりもとにかくそれぞれのシーンごとのマンガ的勢いを重視して突っ走った快作。好き嫌いはあると思うが、韓流黎明期の韓国映画界の熱さ、勢いを感じさせるパワーは文句なし。少林サッカーよりもこちらの方がCGも体を張ったアクションもセットもしっかりつくってある。日本向けオリジナルの音楽も良い。ラストのこれでもかという超能力アクション対決は、このために大幅に撮影期間を超過したこだわりの力作。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-05 12:38:55) |
47. 幻の湖
北京原人やシベ超と並び称せられますが音楽も撮影も遥かに本格的です。 まず包丁を持って着物をはだけて太ももあらわに追いかけてくる美女という映像イメージが映画的にわくわくさせる。 走れる新人女優をオーディションで選び、さらに数ヶ月の走りの特訓をしたという南條玲子の走りを捉えた 東京、琵琶湖の延々と続くマラソンシーンは、それだけで十分に魅力的で、ここまでやるのは史上初の試み。 でもテレビのマラソン中継を面白いと感じない人にはつまらないかも。 常人に理解できない主人公の行動の飛躍は大昔の女の怨念が宇宙パルサーとなって影響しているためです。 お金も安定した結婚相手も体力も総て手に入れたら、後は宇宙パルサーの示す純粋にやるべきと感じたことをやりとげるしかないのです。そして ついに時代を超えた怨念は解消されたのでした。 宇宙空間に笛をおくことで、怨念パルサーを解消しようとした飛行士は間一髪間に合いませんでした。 いきなり観ると振り落とされるので、ぐぐって色々知識を蓄えてから観るほうが楽しめるかも。 ゼロ点というのもわかりますが、風景がきれいで予想外に面白かったのと、多くの偶然がなければ作れなかったであろうネット時代に蘇ったと奇跡の映画、いう所で満点にしときます。 [DVD(邦画)] 10点(2006-12-24 22:10:37)(良:2票) |
48. リンダ リンダ リンダ
《ネタバレ》 冒頭ぼそぼそ散漫な感じですが、ソンがバンドに入ってから焦点が定まり面白くなっていきます。特別ドラマチックなことが起きるわけでない、徹底的にリアルな女子高生の"間"のセンス、リアルなリアクション、普通の生活が妙に面白い。ストレートなブルーハーツに共鳴する、感じたことを正確に言葉にする率直な韓国人留学生と何かと秘密主義の日本人女子高生の比較文化論としても見れるほどリアル。ソンの日本人と微妙に違う表情、立ち姿、ストレートな歌声。ラストの演奏、タイトルバックのオリジナルのブルーハーツ、見事に決まりました。特に彼女たちの演奏に、雨の学園風景を被せるシーンに自分の高校時代の思い出が蘇ります。 ときおり挿入される学校の静止画カット、空のカットが小津の絵のように素晴らしい出来。また、ラストのいかにも善人の女教師が考えそうな日韓交流教室に、ソンが演奏を観に来いと大きく殴り書きして、そのシーンにかぶせて始まる、終わらない歌、最高でした。・・・・・歌を歌おう、すべてのクソったれのため、・・・・・歌を歌おう、総てのくずどものために。( ブルーハーツ作詞作曲 ) [DVD(邦画)] 8点(2006-12-24 21:58:20) |
49. イノセンス
《ネタバレ》 人身売買された少女のゴーストを注入したリアル系セクサロイドで大儲けしようとしたロボット会社だったが、少女に同情した出荷検査師が問題を起こすようよプログラムを書き換え、サンプル出荷されたセクサロイドは相手を殺して自壊する。検査師はヤクザに処刑され、事件を追うバトー達は黒幕をあぶりだすためにヤクザを殲滅する。しかしその帰りにバトーは電脳ハッキングされ間一髪で同僚に救出される。これだけのハッキング技術を持つのは少佐以外にキムしか考えられず、バトー達は本社のある北端択捉へ飛びキムを探す。キムはさらなる電脳ハッキングトラップをしかけてきたが、バトーは少佐のメッセージでそれを見破り、キムの電脳を使って海上のロボット工場に侵入する。ロボット達が襲い掛かるが、その中の一体に少佐がDLされてバトーと共に戦い、工場は制圧されて少女が救出される・・・というようなストーリー(たぶん)を、HDで検索しながら会話するという設定のバトー達が、焦点の定まらない引用句で会話しあい、さらに登場人物が独自のロボット論をやたら展開するため、一度ではすっきりストーリーが理解できない作りになっている。理解するためには二度三度劇場で観て、DVDを買い上げ、さらに前作のDVDも、という難解マーケティングにあなたはついて行くか?でもついていっても大した感動が得られない、つまらない、徒労感がせきのやま。絵だけみるならいいけど眠いぜ。ろくな脚本かけないなら脚本には手をだすな、とこの監督にいいたい。 [DVD(邦画)] 1点(2006-12-23 19:12:13)(良:3票) |
50. 夜叉
健さん渋い、かっこいい。ビートたけしの存在感さすが。いしだあゆみもいいが中でも田中裕子の妖しさは圧倒的。さらにこの映画で魅かれるのは海の景色です。若狭湾の漁村から見える海、砂浜ごしに見える荒波、風に舞う赤い唐かさ。音楽、景色、役者、個人的に大好きな映画。 [DVD(邦画)] 10点(2006-12-19 23:10:26) |
51. ALWAYS 三丁目の夕日
《ネタバレ》 観ているときはそのまま流されてしまうのですが、後で考えると矛盾ありすぎ、粗がありすぎの気もします。 人生の一大事の就職に会社の規模も調べずに決めるか? いくらなんでもテレビ注文してから三ヶ月もまたされるか? 友達というだけで残された子供を預けられるか? 冒頭は街並みなのにラストはいきなり周りが川原になる上野駅。 でも泣けてしまいます。音楽が秀逸です。 この時代を最新のCGで再現するという設定の勝利です。 ラストの川原も考えるとおかしいけど映画的に爽快で見事です。 うーん。 [DVD(邦画)] 7点(2006-12-19 19:47:13)(良:1票) |
52. M:i:III
《ネタバレ》 ラストまで大掛かりなアクションの連続です。 手に汗握る救出シーン、バチカンの痛快な誘拐シーン、迫力の海上橋の襲撃シーン、荒唐無稽の上海ビル侵入シーン、、、、。 さすがハリウッド超大作と十分過ぎるほど楽しめます。 ところがラストのエピソードは、トムの全力疾走シーンはいいとして急にスケールダウンします。大掛かりなセットから急に室内の肉体的ハラハラシーンにダウンしてしまいます。悪役の最後のあっけなさは、さらに肩透かし感が強い。 途中で大金をかけすぎてしまって最後にお金が足らなくなったでしょうか。 ラストが尻すぼみの分全体の印象が損してます。 [DVD(字幕)] 6点(2006-12-19 19:09:59)(良:1票) |