581. タイムトラベラー/きのうから来た恋人
《ネタバレ》 前置きの部分が少し長いのだが、それが全部裏返って動き出してからは、ラブコメのお約束をきちんと踏まえた好作品。ラブロマンスの部分以外でも、いろんな小ネタや伏線をちりばめているところに好感が持てる。ダンスのところでアリシアが段々不機嫌になっていくシーンが、何度見ても笑えます。あと、オチの親子の会話も、最初は意味がよく分からなかったが、あれはやはり、35年間核戦争を信じ続けた親父の落としどころとして必要な着地だったのですね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-12 03:11:15) |
582. 失楽園
《ネタバレ》 徹底して不倫を描いてやろうという心意気はよいのですが、その描き方が、単なる濃厚ラブシーンの繰り返しだけでは意味がありません。「それ以外」の部分がむしろ重要なはずなのに、かなり抜けています。それに、同じ不倫のベッドシーンでも、最初の無邪気な時点と、中盤の破綻を予感させる時点と、最後の死を覚悟した時点では、描写が異なってくるはずですが、そんな配慮もされてません。一応、偏執狂的に主演の2人を脱がせまくった根性は嫌いではないので、点数は甘め。 [DVD(邦画)] 6点(2009-05-07 03:10:21) |
583. フレンチ・キス
《ネタバレ》 ラブコメの王道ともいえる設定なのだが、登場人物が変に先回りしていろいろ考えすぎているため、見ていて何となく疲れる。カナダ国籍がどうのこうのという部分も、いらなかったんではないでしょうか?2回のダンスシーンのロマンチックさはなかなかでした。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-06 13:56:12) |
584. シングルス(1992)
キャメロン・クロウの作品って、どうにも人物造形が観念的というか、頭の中で考えただけという感じがして、ただ「描かれているだけ」にしか見えないのです。この作品でもそれは同じ。なので、何か新しい雰囲気を狙っている風でありながら、終わり方も含めてすべて予定調和にしか感じられません。それと、小汚さとか粗雑さがウリのグランジ・オルタナの世界には、ブリジット・フォンダはまるで合わないのでは? [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-04-28 03:39:03) |
585. 奇人たちの晩餐会
《ネタバレ》 最初に見たときは終始イライラさせられただけだったのだが、オチを知ってから見た方が楽しめる。脇役の自然な登場と自然な退場、そしてわずかな登場でもきちんと個性があるのが見事。また、適度に外の光景が挿入されるのも上手いアクセントになっている。作品としては、脚本上のひねりが巧くできているだけで、それ以外の拡がりはないといえばないのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-13 02:21:21) |
586. インサイダー
せっかく面白そうな対象を選択しているのに、とにかく長すぎ。作る側がポイントを絞り切れていません。実話を頑張って裏付け取材したから、全部映像化しないと気が済まなかったのでしょうか。主人公2人の造形も平坦で、人格の裏側や奥行きが感じられません。映画というよりも、壮大な再現フィルムを見てるだけのような感じ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-04-10 01:03:16) |
587. エンパイア・レコード
《ネタバレ》 基本的に、レコード店というものをなめてるんじゃないのかという内容。何よりも頭に来るのは、店員がこれだけいながら、音楽に対する愛情とかレコードに対するこだわりとかいうものを誰1人感じさせないこと。要するに、何にも考えていないのです。むしろこういう店はさっさと消え去って下さいとしか言いようがありません。ハイ・フィデリティとかスクール・オブ・ロックとかを見た後でこれを見ると、さらにレベルの低さが分かります。レネー・ゼルウィガーがミニスカで歌って踊るシーンの貴重度に3点、実は1日のお話でしたという構成のまとまりに+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2009-04-06 23:47:53) |
588. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 単にひっくり返しがあるというだけではなくて、それが誰の心にも根ざしている単純な心理に基づいているという点が、作品に普遍性を生み、他の類作から際立たせていると思います。ただ、2時間以内で収められたと思うけど。 [DVD(字幕)] 6点(2009-03-27 01:13:30) |
589. セブン
《ネタバレ》 改めてこの作品で一番凄いと思うのは、犯人があっさり自首していること。しかも、その展開に必然性があるということ。これを可能ならしめたという一点において、本作は他の幾多の類作と明らかな一線を画している。その後、刑事自身も当事者の地位に無理矢理置かれることによって、この作品は、サスペンスの約束事をごく自然に破壊し、大げさに言えば、世界を終焉へと導くのである。そして、真相(らしきもの)を一応提示した後も、陳腐な動機とか何とかを一切説明しない姿勢も潔い。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-23 04:39:51) |
590. 夢(1990)
《ネタバレ》 「乱」と並んで、モノクロ時代の代表作よりも好きな作品。第2話の、段々の斜面で全員が勢揃いしている構図など、実に強烈である。いかにも「夢」でしか見られない場面という感じ。この辺の鮮烈で幻想的な描写に比べ、後半は登場人物が喋りすぎなのが気になる。夢なんだからそんなに人は喋らないと思うし、映像だけで十分語れるほどのものがあると思うけど。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-03-11 01:14:13)(良:1票) |
591. グレイスランド
《ネタバレ》 エルビス云々を除けば、出先で起こる出来事やその描写のパターンはとてもありがちです。つまり、設定によりかかりすぎているということです。それによって主人公がどのように成長して変化していったのかという着眼点こそがほしいところでした。ブリジット・フォンダ様のナイスなステージに5点。モンローメイクでの登場にはこりゃしまったと思いましたが、やはり可愛らしいですね。 [DVD(字幕)] 5点(2009-03-05 02:42:10) |
592. プリシラ(1994)
ロード・ムービーの一番悪い部分がそのまま出てしまった感じ。途中で起こる出来事が、単にその場をつないでいるだけであって、あってもなくても結論を左右しない、つまり必然性がないのです。3人のオカマとという設定と、やたら派手なだけの衣装に寄りかかってしまった感じ。選曲も有名曲ばかりで面白みがない。 [DVD(字幕)] 4点(2009-03-04 02:06:38) |
593. ザ・インターネット
《ネタバレ》 非力な女性がネット技術を利用して巨大な敵に挑む頭脳戦!・・・かと思っていたのですが、ネットでどうこうするシーンは案外少ないですね。むしろ、追いかけっこで引っ張っている部分がやたら多いです。遊園地のシークエンスなんて全部いらないんじゃない?最後が結局定跡通りの銃弾&肉弾戦というのも、こだわりが感じられません。 [DVD(字幕)] 5点(2009-02-17 02:39:50)(良:1票) |
594. マイ・ライフ(1993)
もっと感動できる作品になり得たと思いますが・・・。全体的に、同じようなトーンの同じようなシーンが多く、主人公が人生についてどのように迷い、どのように決断していったのかという点があまり表れていません。ビデオという一本で最後まで引っ張るのではなく、それを通じて主人公の心理の何を表したいのかという視点こそが必要だったのではないでしょうか。なお、「可憐で控えめで慎み深いニコール・キッドマン」というものが見られるという点については、貴重かもしれません。 [DVD(字幕)] 5点(2009-02-14 00:34:46) |
595. マイ・ガール
《ネタバレ》 内容的にはあらすじからほとんど予想できる範囲内のものなのですが、やりすぎない落ち着いた描写の積み重ねで、少女の日常をきちんと作り出しています。みんながいい人たちばかりで、あまりにも破綻がなさすぎなのが少々物足りないかな。定番っぽい演出とはいえキスシーンのところがやはり良いです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-02-12 00:29:19) |
596. あなたに降る夢
《ネタバレ》 実話ベースといいながら途中からはほとんど創作っぽいとか、登場人物の造形がステレオタイプだとかいうところが前は気に入らなかったのですが、これって50年くらい前の映画の作風を下敷きにしていたんですね。ただし、その単純な世界観の中で演出は変に現代風にしっかりしているので、ロージー・ペレスの役柄が凄くきつく見えてしまいます。しかし、すべてを帳消しにするのはブリジット・フォンダの清楚で可憐な魅力であり、ウェイトレスとして働くシーンもダンスのシーンもぞくぞくしてしまいます。さりげなくいろんなファッションが楽しめるのもポイント。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-08 02:41:57) |
597. ロザンナのために
《ネタバレ》 問題提起の部分がしっかりと固定されておらず、いきなり主人公が行動に走ってしまうので、出発の時点で設定のための設定という印象を受けてしまいます。肝心なシーンが割とさらっと流れてしまうのももったいない(ロザンナとカペストロの対峙のシーンとか)。筋立てはなかなか興味をそそるだけに、もう少し何とかしてほしかったです。あと、人の死をそのまんまネタにしている部分が頻発するのは、やはりどうしてもマイナス。 [DVD(字幕)] 4点(2009-02-03 02:18:47)(良:1票) |
598. ハモンハモン
《ネタバレ》 想像したほどエロくないじゃん。ただし、各登場人物の、前後のことも考えてなければ空気も読んでいない適当すぎる直情型思考回路はまことによろしい。人間はこんな行動様式でも十分生きていけるんだという変な勇気が湧いてきます。大の男が骨付き肉で真剣に殴り合うというシュールな構図を堂々と撮ってしまう図太い神経にも好感。 [DVD(字幕)] 6点(2009-01-30 00:22:12) |
599. 春にして君を想う
《ネタバレ》 人工物からして見当たらないアイスランドの茫漠とした風景、その中を頼りなく、しかし決して止まらずに、走らずに、確実に歩き続ける主人公2人、必要最低限の凝縮された会話、そこから醸し出される年季の入った信頼感。細かいことをいう前に、この作品はその珠玉のような世界を提示できた時点で成功です。重要な場面でもさらっと流れているので見ているときには注意が必要ですが、ラストの埋葬の場面にはすべてを結実させて昇華させる強力なインパクトがあります。陰影を強調した撮り方も作品世界に適合しており、印象的です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-09 01:06:19) |
600. 激流(1994)
見ているときは単純にハラハラドキドキしながら楽しめたが、ポイントとなるべき部分がほとんど予想通りの結論に着地しているので、見終わった後はありがち作品との印象を拭えず、インパクトは薄い。ただし、山間部を流れる河の光景の美しさや、自然なままの荒波の激しさを撮りきった撮影に関しては評価したい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-07 01:25:47) |