621. her 世界でひとつの彼女
《ネタバレ》 うわー、これはえらいものを観せられた。OSの彼女なんてものを道具立てしていますが、つまるところ、赤裸々かつ、あからさまに「オトコの更年期障害」を描いた作品だと思う。中身は物心ついた頃からほとんど変わらないのに、入れ物(身体)だけはどんどん衰えている。すぐ転ぶところがイヤだ。寛容にみえて、心グズグズなところがイヤだ。ウクレレや手紙集が卑猥だ。子供に見せたくないくらい。ワタシはこの映画の主人公がとてつもなくイヤだ。だから、とことん良くできていると48才のおっさんは思う。そうです、ワタシも更年期です。10点でも5点でも良いような気がしますが、ここは5点で。いや、すごい5点だよ。 [DVD(字幕)] 5点(2015-02-06 22:57:08) |
622. GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊
面白かった、ような気がするってヤツでしょうか。しかし、見終わった今、なにか上手な作り話に丸め込まれたようなクヤシイ気分でいます。いや、ほらでも、映画ってみんな「上手な作り話」なわけでしょう。 にもかかわらず、本作については何故かことさら。だから、スゴいことなのかもしれないとも思いつつ。…いや、半分以上はわかったつもりなんですけど。 [DVD(邦画)] 7点(2015-01-17 15:19:07) |
623. 秋刀魚の味(1962)
《ネタバレ》 激しく感情を高ぶらせるようなことはなく、正確な間合いで会話する登場人物たち。ひとの暮らしをモチーフにしつつ、生活臭さがない。まるでアンドロイドたちが昭和30年代を演じているようだ。その違和感がイヤかというと、そういうわけでもない。不思議な映画。 [DVD(邦画)] 5点(2015-01-11 10:06:17) |
624. シティ・オブ・ゴッド
《ネタバレ》 「心優しき三人組」の物語が終わりリトル・ゼのの物語になってからは、欲しいモノがあれば銃で奪う、撃たれたら撃ち返す。撃たれなくても撃つ。それだけ。登場人物の個別な事情はおいといて。ブラジルのスラム街のことはわからないワタシですが、こんなにもプリミティブな世界だったの。ワタシは社会派ドラマを装った単なるギャング映画とみました。満を持して最後に明かされる、物語の語り手であるウイルソン・ロドリゲス(写真家)って誰。 [DVD(字幕)] 3点(2015-01-10 07:51:32) |
625. かぐや姫の物語
《ネタバレ》 うーん。とっても美しくて才能にあふれているけれども、結婚しない女性がいます。いやあの、ワタシはそういう女性はとても生きづらくて大変なのだと思っています。「美人」という額縁で常に飾られて、一挙手一投足を見守られて。少し冷たくあしらえば、高嶺の花なんて呼ばれるし。動きづらいったらありゃしない。本当の私のことなど知らないくせに。思うがままに生きていたあのころに戻りたい…。ワタシは、昔話「竹取物語」をモチーフにそんな女性を描いた作品とみました。ただなあ。そんな物語を観たいかというとそんなことはなく、観ながら「う、メンドクサイ奴。かぐや姫」とか思ってしまいました。画の質感は好きでした。 [DVD(邦画)] 4点(2015-01-04 13:12:47)(良:1票) |
626. 超高速!参勤交代
《ネタバレ》 あ~、なんだか気持ちいい映画ですね。信頼し合うこととか、誠実であることの美しさをみせてもらいました。作中の湯長谷藩がそうであったように、作った皆さんもいたってマジメに作っています。まるで奇をてらわないハッピーエンド。正月休みにちょうどいい一作です。 [DVD(邦画)] 8点(2015-01-03 17:15:23) |
627. イントゥ・ザ・ストーム
確かに家のテレビで観ちゃうと、アメリカの人が2時間ドラマで十分、とか言ってるんじゃないかと思っちゃいますね。 [DVD(字幕)] 3点(2014-12-29 21:15:55) |
628. オール・ユー・ニード・イズ・キル
《ネタバレ》 面白い。観る前のイヤな予感は杞憂でした。先が気になって、グイグイ映画の世界に引き込まれます。こんなの久しぶり。ワタシの好きなシーンは、おんぼろヘリコプターを発見してから、リタにコンタクトを取らない決断をしたくだりです。トム・クルーズって、どうしてこんな不思議な味のある役者なんだろう。大満足。まさか本作につけるとは思わなかったけど満点です。【2020.5.19】事情(10点は30作品以内にしたい)により、9点にしました。 [DVD(字幕)] 9点(2014-12-29 09:14:38) |
629. ハート・ロッカー
《ネタバレ》 これでいいの?と思ったクチです。大義なき戦争のあと、誰のためなのか分からない彼の国の状況がリアルに伝わって来たのでなおさら。大きなインチキのツケを払わされてる切実な人たち。明らかにワタシの考え過ぎだと思いますが、この人たちをクローズアップすることで、何かが目くらましされている気がします。世の中のマッチポンプを描くのに、これで本当にいいの? [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-12-27 19:58:24) |
630. 渇き。(2014)
《ネタバレ》 やり過ぎ。しかし過剰な演出も、惜しみなくA級俳優を使ったB級映画と思えば悪くない。最後の藤島昭和のセリフがイカれてる(むしろ、イカしてる?)。 [DVD(邦画)] 7点(2014-12-21 14:37:58) |
631. 反逆次郎の恋<OV>
今をときめく監督の才能の片鱗のそのかけらさえも、オレには見いだせない。意図したものだと思うが、主人公次郎くんの考えていることが最後まで全くわからず、行動に共感できない。不快だ。こういうのは大阪芸術大学映画研究部のOB会だけでやって欲しい。若気のいたりは誰にでもあると思うが、そういうのはちゃんと金庫にカギ掛けてしまっておいてください。 [DVD(邦画)] 1点(2014-12-14 15:58:05) |
632. ザ・レッジ -12時の死刑台-
《ネタバレ》 うー。宗教がらみのかなり飲み込みにくいやりとりが続くのですが、その実、とっても下世話な話。手前勝手な原則を背骨にしてどうにか体を持ち上げている弱いオトコ、ジョーの有り様(よう)というのは、キリスト教原理主義者でなくとも、我々の身近にもありますよね(あ、ないですか?)。だから視聴後、とっても胸クソ悪い映画なのですが、見応えありです。やっぱ、オンナ怖いよ。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-06 01:51:26) |
633. タワー・ブロック
《ネタバレ》 麻薬の売人、児童虐待、アルコール依存、ネトゲのひきこもり?の人がいました。そんな人間力に問題のある人々が、じっと助けを待つよりほかない状況にも関わらず、持ち前の考え違いを駆使して事態を様々にこじらせつつ、救いようのない結末へと突き進むソリッドシチュエーション・ホラーコメディってのではどうだったのでしょうか(意地悪?)。しかし本作では、ごく当たり前の人が物語の中心に入ってしまったので、一言、つまらなかったです。 [DVD(字幕)] 2点(2014-11-27 06:53:14) |
634. なんちゃって家族
《ネタバレ》 フリから始まって、ひょうたんから駒っていうロードムービー。こういうのは嫌いじゃないよ、王道だと思う。でも、本作は平板なんだ。ストリッパーと麻薬密売人が心を寄せていくのに決定的なエピソードはあったのだろうか?麻薬捜査官のベンがミラー一家を見逃す気持ちになったのは何故なんだろう。未消化なまま、鑑賞後、何が印象に残っていたかと言えば、ワタシもアケビのように腫れたアレなんだ。 [DVD(字幕)] 3点(2014-11-24 00:20:00) |
635. ひゃくはち
《ネタバレ》 いい。まず、これどうやって撮ったんだろうと思うのは、野球のシーンがさりげなく、強いチームのそれらしく見えること。野球の上手い児を役者にしたのか、役者を徹底的にしごいたのか。1年立花のフルスイングしたあと手応えを確認する様。夜中のトスバッティング。ノブを迎えにいくシーンでの雅人の芯ブレのない走り、などなど。手抜きなし。森監督はサンダーのような人か。すごいぞ。こういうのが面白くないわけがないんだ。本筋について。常勝校の野球部員の生活は、修行僧のよう。煩悩に振り回されつつも、目の前の精進にひた走る。「最後の夏までやり遂げてからだったら、答えられるかも知れない」。眩しすぎる。最後のアレは、全国高校野球部そこかしこで、ささやかれているネタのような気がする。伝令ギャグ。練習が裏切らなかったことに、ワタシは血圧が上がってポーッとなる。オレもがんばろう、と一人ごちる。 [DVD(邦画)] 10点(2014-11-15 07:37:03)(良:1票) |
636. 白い馬(1952)
うーん。風船ほどには感情移入できませんでした、馬に。無機物に気持ち寄せられて、生き物にはなんで、と思いましたけど。 [DVD(字幕)] 3点(2014-11-03 09:32:46) |
637. 赤い風船
《ネタバレ》 とにかく、いたいけでたまらない。我が子の小さい頃を思い重ねて、心かきむしられるよう。 [DVD(字幕)] 9点(2014-11-02 14:36:04) |
638. 最強のふたり
《ネタバレ》 自称「口が悪いけど、根はいい人」が出てくる映画とばっかり思っていました。その実、単に無神経なだけってヤツです。しかしドリスの生活の有様が丁寧に描かれているので、悪いことが起こる気がまるでしない。いい子なんだもん、前科はあるけどね。だから、心安らかに観ることができました。「彼は、わたしのに同情しない」。ドリスの差し手はトリッキーなのですが、堺雅人風の受け口の笑顔がチャーミングなフィリップの上品さがそれを受け倒してできた物語だと思います。よかった。 [DVD(字幕)] 8点(2014-11-01 00:19:23) |
639. ノッティングヒルの恋人
《ネタバレ》 うーん。前半、妹の誕生日パーティに何のてらいもなくアンが溶け込んでしまうくだりとか、ウィリアムが状況を理解し、躊躇なくホテルマンになりすまし身を引くシーンとか好きでした。しかし、一度別れてからのダラダラ感。彼女のいるはずのリッツへ駆けつけるカーシーンの、これはホントに映画かと見まごうばかりのダラダラ感。「ローマの休日」を期待したら、昭和のラブコメだったという拍子抜け。なんか「うわさの姫子(芸能界編)」?ジュリア・ロバーツ、綺麗でした。 [DVD(字幕)] 5点(2014-10-25 07:09:48) |
640. 戦場でワルツを
《ネタバレ》 ドキュメンタリーをアニメーションでやる。しかも、かつてない手触りの画風。モチーフは中東紛争、サブラー・シャティーラ事件。ワタシには新味たっぷりの本作。観終わった今、正直、創作多国籍料理を食べたあとの納得して良いのか分からない、あの割り切れない気持ちでいっぱいです。なんか、いろいろと残念なオレですみません。 [DVD(字幕)] 5点(2014-10-20 11:56:18) |