621. リーサル・ウェポン2/炎の約束
《ネタバレ》 前作であれだけ苦悩していたリッグスが、オープニングからハイテンションに飛ばしまくる。エピソード的には、亡き妻の仇やトイレ爆弾、レオ・ゲッツ初登場など面白い要素が見られるが、肝心のアクションシーンがかなり雑になっており、派手なカーチェイスと銃撃戦をただ詰め込んだだけ。前作のように、シーンのひとつひとつが「カッコイイ!」と思える戦いがあまりない。いたって普通のポリスアクションになってしまった感じ。とは言え、最後のシーンで、「外交官特権」と言って撃たれるジイさんには爆笑してしまったが…。パッツィ・ケンジットの裸身にプラス1点。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2009-01-10 07:10:59) |
622. リーサル・ウェポン
《ネタバレ》 シリーズの原点は、コメディ色が薄く、『ダーティハリー』の系譜に位置するハードボイルド・ポリス・アクションといった趣き。メル・ギブソンが発狂寸前の人間兵器というアブない役柄で、ベトナム戦争時代は特殊部隊に籍を置いていた(その設定が活きているのは第1作のみ)。砂漠での狙撃や拷問からの反撃など、カタルシスたっぷりのアクションシーンを用意しており、娯楽映画を多く手がけたリチャード・ドナー監督の職人的な演出が楽しめる。ベレッタを本格的に導入した映画であり、翌年の『ダイ・ハード』ではブルース・ウィリスも使っていた。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2009-01-10 07:05:40) |
623. 九龍の眼/クーロンズ・アイ
《ネタバレ》 前作に比べると落ちるという印象は拭えないが、それでも充分面白い。中盤の追跡チームでの捜査が刑事映画っぽくて良かった(それがかえってこの作品を地味にしているのだが)。もっと彼らには活躍してほしかったが、やはり最後はジャッキーのワンマンショー。しかし、あのアパアパは強いね。ジャッキーが手も足も出ない相手なんて今までいなかったんじゃないかな?それに対して、「アパアパ」言いながら火薬玉で応戦するジャッキーが笑えた。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-06 10:06:36) |
624. ファースト・ミッション
《ネタバレ》 サモハンはヒューマンドラマを撮りたかったようで、アクション大好きな日本人のために、日本公開時にはアクションシーンを追加したんだとか。そのせいか、ストーリー上あまり意味があるとは思えないアクションもたびたび見られる。また、クライマックスシーンは、ジャッキーにしては随分エグイ方法で敵を殺す(ナタやツルハシでぶっ刺したり、スコップしか持ってない敵を撃ち殺したり)。後味もあまり良いとは言えず、ジャッキー映画でスカッとしたい人にはあまりオススメしない。 [DVD(吹替)] 6点(2009-01-06 09:57:20) |
625. ●REC/レック(2007)
《ネタバレ》 初見時はご都合主義の展開とストーリー性の無さに辟易したものだが、そういうものだと思って観てみたら案外面白かった。要するにこれはお化け屋敷の怖さを体験するものであって、脚本の巧さだの役者の演技だのを見るものではない。キュートな(だけどウザい)アンヘラちゃんがキャーキャー騒ぎながらアパート内を右往左往し、血まみれのゾンビが「ぶべらぅあぁぁぁっ!!!」と襲い掛かる様を観て、にやにやしながら怖がる、というのが正しい鑑賞方法なのでしょう。ラストは別パターンもあるようだが、胸の谷間を強調したバージョンにして正解。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-12 09:04:45) |
626. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 『ショーン・オブ・ザ・デッド』でゾンビ映画ファンの心を鷲づかみにしたエドガー・ライト&サイモン・ペッグのコンビが放つポリス・アクション!前半はやや丹念に作りすぎて「ちょっとハズレかな…」と心配したのだが、後半、怒涛の銃撃戦には目が飛び出るほど興奮した。敵はほとんど老人ばかり(しかも医者や神父さん)、そんな彼らが『デスペラード』ばりに2挺拳銃で襲い掛かってくるから、こちらもフル装備で応戦。婆さんに跳び蹴りを食らわすところが良かった(笑)タランティーノやピーター・ジャクソンが絶賛!というのも頷ける、近年稀に見るアクション・コメディの傑作。 [DVD(吹替)] 8点(2008-12-12 08:56:53) |
627. アメリカン・ヒストリーX
《ネタバレ》 とにかくエドワード・ノートンの演技が圧巻。デ・ニーロの後継は彼しかいないと思った。服役前と出所後ではまるで別人。撫で肩でひ弱なイメージのノートンが、筋肉ムキムキの白人至上主義者になり切っているところが凄い。暴力が暴力を生むという終わりのない憎しみの連鎖に、「アメリカの悲劇」が垣間見える。弟役のエドワード・ファーロングが、女の子みたいに綺麗な睫毛をしているのが印象的。あのラストは確かに衝撃的だ。 [DVD(吹替)] 8点(2008-11-30 00:31:33) |
628. ファミリービジネス
あれ?評価が低い…。結構好きな映画なんですが。ショーン・コネリーとダスティン・ホフマンの共演ってだけで満足。粋なサントラも最高。どう見てもユダヤ人顔のホフマンが、イタリア系で名前が「ビトー」っていうのが笑える。シドニー・ルメットは社会派であると同時にNY派の監督だが、そんな彼がハリウッドメイドな娯楽作を撮ったからと言って、ここまで評価を下げなくてもいいと思う。NYへの愛着を感じられる素晴らしい作品です。 [DVD(吹替)] 7点(2008-11-30 00:18:45) |
629. ヒルズ・ハブ・アイズ
《ネタバレ》 こんなことを言ったら皆さんから白い目で見られそうだけど、オリジナル版の『サランドラ』って結構好きなんです。そんなわけでこのリメイクも期待してました。『ハイテンション』は前評判が高すぎて肩透かしを食った感じですが、こちらは良質のリメイク。アレクサンドル・アジャ監督特有のヒリヒリした空気感が良かったです。ジャック・ケッチャムの「オフシーズン」を映画化するなら、是非この監督にお願いしたい。ちなみに、日本で公開が危ぶまれたのは、核実験による放射能汚染で突然変異が生まれる(そして人を殺して食う)という所がマズかったようです。また、「映画秘宝」などで本作をベタ褒めしている人は、日本公開前にアメリカで発表されたアンレイテッド版を観ているからだと思います。確かにちょっと物足りない感があったので、是非そちらも日本で発売してほしいもの。 [DVD(吹替)] 6点(2008-11-27 20:30:32) |
630. スピード・レーサー
映画館で予告編を観た時は、「安っぽいCGの超つまらなさそうな映画」とスルーしていたのだが、ここでの高評価にレンタルDVDで鑑賞。凄い、の一言に尽きる。『マトリックス』でスーパークールな映像世界を見せてくれたウォシャウスキー兄弟が、またやってくれた。しかも、今回は『マトリックス』のように変にストーリーに凝ることなく、真のオタクっぷりを発揮。レースシーンでの独創的な映像美は勿論、クリスティーナ・リッチとチンパンジーの愛らしさに完全にノックアウトされました。 [DVD(吹替)] 9点(2008-11-19 21:59:05) |
631. ハッピーフライト(2008)
矢口監督なのでもっとハチャメチャなコメディを作ることも勿論できたのだろうが、かなりの情報量を詰め込んだリアリティ重視の群像劇に仕上げている。例えば三谷幸喜の『The有頂天ホテル』などは、役者の存在がうるさすぎて逆に焦点がぼやけた感じがしたが、こちらは程よい薄味で、大空港でのプロフェッショナルな人々の仕事振りを実に手際よく見せている。整備士や管制官やバードさん(!)など、普段知ることのできない「裏方さん」のプロフェッショナルな姿勢に、自分も同じ「働く人」として勇気を貰えました。 [映画館(邦画)] 8点(2008-11-18 10:20:52) |
632. イースタン・プロミス
《ネタバレ》 まるでボディブローのように効いてくる映画。観ている間はそれほどでもなかったが、鑑賞後、ヴィゴ・モーテンセンの一挙一動が思い出されてならない。潜入捜査官としてロシアンマフィアの仲間入りを果たしたヴィゴだが、最後には、捜査の枠を超え、暗黒街のトップを目指していることが仄めかされる。ヴィゴにホモセクシャルな感情を抱くヴァンサン・カッセルの複雑な役柄も良い。クローネンバーグはまた凄い映画を撮ったものだ。ギャング映画の新たなる名作が生まれた。 [DVD(字幕)] 9点(2008-11-18 10:07:40) |
633. ザ・コミットメンツ
《ネタバレ》 てんでバラバラな連中がソウルバンドを始め、レコード会社との契約を結べそうになったところで喧嘩別れをしてしまう。それでも彼らの心にはソウルが残っていた。単なるハッピーエンドではない、このほろ苦い終わり方が印象的。楽屋では喧嘩ばかりしているのに、アンコールがかかれば何食わぬ顔でステージに戻っていき、ソウルフルな演奏をするところがナイス。サントラ最高!大好きな映画です。ちなみに、「ザ・コミットメンツ」解散後、ストリートに戻ったアウトスパンは、15年後、『Once/ダブリンの街角で』で素敵な出会いを果たします。 [DVD(字幕)] 9点(2008-11-18 09:57:33) |
634. レッドクリフ Part I
《ネタバレ》 いつの頃からかタイトルが『レッドクリフPartⅠ』になっており、2部作ということで、肝心の「赤壁の戦い」は後編に回されるのだろうと思っていたら、案の定。しかし、オープニングからまるでクライマックスのような激しい戦闘が繰り広げられ、ジョン・ウー節は健在。関羽、張飛、趙雲といった豪傑たちの戦いは鳥肌ものの迫力。中盤は中だるみを感じないでもないが、トニー・レオンと金城武の演技合戦は一見の価値あり(特に孔明役の金城は予想以上の好演だった)。まさか「三国志」を本気で映像化するとは思ってもみなかったので、これは『ロード・オブ・ザ・リング』に匹敵する超大作として、後世まで語り継がれることだろう。必見! [DVD(字幕)] 8点(2008-11-03 01:20:15) |
635. バーフライ
《ネタバレ》 ミッキー・ロークもチャールズ・ブコウスキーも好きなんですが、これはどうも…。『ロッキー』を数倍ダサくしたような路上ファイトに、演技派を目指したであろうロークのクサイ演技(実際ブコウスキーの仕草をかなり研究して真似ているようだが、これでは演技というよりただのモノマネ)。なぜだか記憶に残るのは、最後のフェイ・ダナウェイのキャットファイトのみ…。DVDの特典映像でブコウスキーの生きた姿を拝めるのが唯一の救いか(彼はロークのこと褒めてましたね)。 [DVD(字幕)] 4点(2008-10-26 00:03:22) |
636. 酔いどれ詩人になるまえに
《ネタバレ》 こんなことを言っては身も蓋もないが、この映画って、チャールズ・ブコウスキーのファン以外には全く面白くないのではないか?まともな人の目からすれば、ただのダメ人間でしかない酔っ払いの日常をただダラダラと見せられているだけなのだから。しかし、ブコウスキーの小説を一度でも読んだことのある人ならば、これこそが本当に観たかったブコウスキー映画ではなかろうか?実際、『バーフライ』でのミッキー・ロークのあのみっともないモノマネ演技に比べたら、マット・ディロンのチナスキー像は実にもう本物のブコウスキーらしい。あの歩き方、あの喋り方。ブコウスキー爺さんが生きてたら喜んだだろうか?とにかく、本作を観てチャールズ・ブコウスキーの存在を知ったならば、是非彼の小説や詩を読んでみることをオススメする。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-25 23:56:55) |
637. 明日に向って撃て!
《ネタバレ》 「次はオーストラリアだ」なんて言って、前向きに死んでいくブッチとサンダンス。セピア色に変わるあのラストが全て。ポール・ニューマンは本当に端整で格好良い。彼がはじめての「殺人」を犯した時の苦渋の表情がまた良い。憎めない悪党の憎めない映画。 [DVD(字幕)] 8点(2008-10-25 23:36:28) |
638. スティング
オチが分かってしまえばどうってことのない映画だが、面白いことに変わりはない。軽快なラグタイムにニューマンとレッドフォードの息の合った演技。とりわけ、中盤のポーカー対決でロバート・ショーを負かす時のニューマンの演技は出色。ただ、現実問題として詐欺師を擁護する気持ちにはなれません。映画だから許せる。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-25 23:28:13) |
639. 暴力脱獄
《ネタバレ》 この邦題で敬遠していたが、今回ポール・ニューマンの追悼の意を込めて鑑賞しました。この手の映画としては、やはり『ショーシャンクの空に』とか『カッコーの巣の上で』の方が好きだな…。そもそもなぜルークがパーキングメーターを壊したのかさっぱり分からないし(しかもそんな罪で2年も実刑を受けるのもすごい)、その後の行動も、反権力とか自由への渇望とかいうよりも、ただの無謀な博打行為に見えてしまう。ニューマンも若くてハンサムで格好良いが、個人的には80年代以降の渋みを増してからが好み。とは言え、硬派な漢の映画として観て損はなし。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-25 23:20:48) |
640. アメリカン・グラフィティ
《ネタバレ》 何でもない一夜の物語だが、そのたった数時間で登場人物たちがそれぞれ成長を遂げる。全編を彩るオールディーズとアメ車の数々が素晴らしい。ラストに登場人物の「その後」が字幕で描かれるという心憎い演出。これぞ青春映画の名作と言えよう。 [DVD(字幕)] 8点(2008-10-25 23:02:43) |