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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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661.  モーターサイクル・ダイアリーズ
旅をするために旅に出発した二人、詳細なプランは特別にはない、目的地はハンセン病施設。 そんなあてどもない旅を通して、ゲバラが何を見つけ、何を学んだのかという視点が上手く描かれていた。 学んだものは、ぶつける事が出来ないどうしようもない怒り、やりきれない想い、人々の貧しさと、人のために役に立ちたいという漠然とした気持ちが強い想いに変わったこと。 旅を通して自分が何をなすべきかを探し得たのではないだろうか。 嘘をつくことが出来ない、わけ隔てなく人に対して向き合い、人に対しての愚直なまでの率直さが、ガエルガルシアの真っ直ぐな眼差しとあいまって、人々を惹きつける魅力となっている。 旅をしているうちに様々な人々と触れ合い、大きく変わっていく自分。 そしてもう戻ることが出来ない自分もいた。 旅もそうであろうが、自分に対しても郷愁と興奮があるように感じる。 もう戻ることが出来ないなつかしい思いのする自分と、どういう人生を歩んでいくか興奮を感じさせる自分。 そのような目的を見つけ、皆にスピーチするゲバラを見つめるアルベルトはどことなく羨ましそうだった。
7点(2004-11-20 22:40:12)
662.  砂と霧の家 《ネタバレ》 
映画を見終った後の観客のそれぞれの足取りが重かったことがこの映画を言い表している。 映画を見た後なのに近くにいたカップルなんて一言もしゃべらずただだまって歩いていただけだし。 陳腐な言い方だが、後味のワルさと何とも言い切れない憂鬱感だけはアカデミー賞級の映画。 一体何を感じ取れば良いのかちょっと整理はつかないけど、骨太で重厚な創りと、俳優陣の演技、映像の綺麗さは誉めることができる。特にラヴシーンの綺麗さは良かった。 あんな警官とのラブシーンにあそこまで綺麗に取る必要があるかはよく分からないが。 個人的に思ったことであるが、ファーストカットとファイナルカットがかぶっている創りにする意味が良く分からん。 あんなファーストカットはほとんど意味がなく、むしろ撮るものは他にあったと思われる。 キングスレーとジェニファーの二人が取り戻したかったモノは何か? そう考えれば、キングスレーにとっては家族の幸せであり、父親としての威厳とプライドだろう。 一方、ジェニファーにとっては父と兄と暮らした幸せが詰まった想い出である。 その結果からすると、冒頭にはジェニファーの幼少期、父と遊ぶ、幸せな想い出を入れ、キングスレーには訳が分からん木を倒すシーンよりも、イラン時代の家族が幸せで自分の威厳があったシーンを入れるべきではないだろうか。その際はあの家と少し雰囲気が似ている家の必要はあるが。 その方が何故あの二人が必死になる必要があるのかがより明確になると思う。 家族への偽りの人生が招いた悲劇、その結果失ったものは、キングスレーと警官の二つの家族と一つの家…。 家族の幸せは、砂のようにもろく、霧のように掴みづらいものなんだろうか。
7点(2004-11-14 22:23:31)(良:1票)
663.  イレイザーヘッド
観ている間、まるで鈍器でアタマを殴られ続けるような感じにさせてくれる映画。 ヘンリーだけでなく観客にとっても正に悪夢と言ってもよいかもしれない。 あまりに耐えられない悪夢なので、自分の妄想のなかで自分のアタマを消しゴムにして粉々に吹き飛ばしてみたくなる衝動もなんとか分からんでもな。 悲惨なオトコの現実逃避を描いた作品なのかもしれない。 そして途中でラジエーターの女性が歌った歌がこの映画を言い表したようなものでしょうか。 頭が変になることもなく、全て上手くいき、悩みなんてない世界、それが天国。 子どもを殺して、最後は自分を天国に行かせてしまったような感じがする。 リンチ以外に作ることは出来ない正にある意味では傑作と言って良い世界観をもった映画。モノクロもいい効果が出ている 個人的には「工場で何してるんだ?」「ただの工員です。」の後に全く動かなくなったオヤジとベッド脇に盛られた土に刺さった草のようなモノが特に気に入りました。 それにしてもあの赤ん坊は作り物としてもリアル過ぎる、特にあの眼の動きは説明することは難しい。 そしてあの口や舌の動き方はなんなんだろう、切ろうとしたチキンが足をばたつかせることの比ではなく説明困難だ。
7点(2004-11-14 04:31:48)
664.  ディープ・ブルー(2003) 《ネタバレ》 
「弱肉強食」「食物連鎖」を中心に圧倒的な映像によって綴られている。後半部分のような海洋での神秘的な映像を前面に押し出すとよりも、前半部分の「食うか、食われるか」という“過酷な世界”を中心に描いているのが特徴だ。たとえ、小魚であっても生き残るために、仲間とともに必死に防御している姿が印象的だ。「生きる」ことに対して必死の生物たちの活動をみれば、我々人類が欠けている何かを感じることができるのではないか。 ただ、「シャチ」だけはどこか異質のような気がした。海上における食物連鎖の長ともいえる存在のためだろうか。食うか、食われるかという世界において、“狩り”を純粋に楽しんでいるように思われる。子クジラを数時間も掛かって襲っておきながら、舌と下顎しか食べないというのはこの世界のルールにどこか反しているのではないか。そのため、シャチにはどこか“人間”的な部分を感じられる。シャチを上手く利用して、生態系を無視している“人類”への警告のようなものをチラつかせれば、ただのドキュメンタリーとは異なる奥深い映画に仕上がったのではないか。 そう考えれば、本作は単なる記録映画に留まっているように思われる。 単なる記録映画を作りたいのならばよいが、奥の深い映画を目指すのならば、ドキュメント映画であってもストーリーをきちんと構成するなり、強いメッセージなりを映像に込めるべきである。 「人は今日も海を傷つけている」と単に最後でナレーションするのはあまり好ましくない手法だ。映像でその想いを伝えないと映画としてのレベルの高さを感じさせない。 最高の映像を撮ることに関しての技術や情熱は素晴らしいと驚嘆させられが、クリエイターとしては評価しにくい。メッセージなどなく、貴重な映像だけを繋げたフィルムを作ろうとするのならば、最後の締めのセリフはややズレているのではないか。本編と関係ないセリフで締められてはせっかくの映像も台無しになってしまう。 そのような趣旨を込めたいのならば、人間の海に与えている影響や悪行をラストに少しは映してもよかったのではないか。彼らも取材中に目の当たりにしているだろう。 油まみれになった海鳥、海に大量放棄された排水・ゴミなど、ラストに1分ほどでもまとめれば、少々受け取り方が異なったものになるのではないか。 美しい海と、汚れた海を対比的に描けば、人類へのメッセージに繋がったと思われる。
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-14 00:52:24)
665.  ブルーベルベット 《ネタバレ》 
観た直後に「なんて美しい映画なんだ」と思わずつぶやかざるを得なかった。 まるで絵画のように美しい構図が印象的(リンチは画家でもある)であり、ベルベットの青、ドロシーの部屋の赤といった色彩の見事さに心を奪われ、この世の知られざる「闇」をジェフリーと観客が一体となって覗き見させるような素晴らしい演出に驚愕し、甘美で誘惑的な世界に我々までもが誘(いざな)われる感覚を覚える。 冒頭のシーンも見事な暗示になっている。ジェフリーの父親がぶっ倒れた後に、どんどんとカメラは奥に進み、無数の虫が蠢く姿が映し出されている。一見、穏やかにみえるこの世界のみえない部分では、このような虫が蠢くような世界がある。そんな世界へ今からあなたを連れて行きますよというリンチの招待状のようにみえる。 アメリカのど田舎の街という舞台設定がさらに映画を深めている。木を切り倒すことが街の挨拶のようなのどかな街。このようなのどかで静かな街でさえ、闇の世界へと通じていることを言いたいのだろう。これがロスアンゼルスやニューヨークのような街だったら、当たり前すぎて誰も驚かない。 そして、田舎で暮らしていて世の中のことが何も分かっておらず、全く汚れていない、おぼっちゃまのジェフリーがよい味を出している。好奇心によって、この世の中の裏側、まさに「闇」を覗き見ることから始まり、徐々に「暴力」と「欲望」にまみれた闇のディープな部分まで入り込んでしまう様が克明に描きこまれている。ジェフリーが味わった「暴力的な衝動」に囚われている姿も印象的だ。殴られたドロシーが微かに微笑む唇のドアップをみればジェフリーだけでなく、観ている者でさえも快感と快楽を抱き、「闇」に対する魅力を感じるだろう。 ラストも意味深だ。「愛」の象徴のハチドリは、「闇」の象徴である虫をついばんでいるシーンが描かれている。一見すると「愛」の力が「闇」の世界を打ち破ったようにもみえる明るいラストである。しかし、このハチドリはどことなく機械的というか、偽者っぽくみえる。勝ち取ったようにみえるこの明るい幸せな世界は、実は作り物に過ぎないのではないか。「闇」の世界は引き続きどこかに存在していることを暗示しているようにもみえる。 初見では何が良いのか分からなかった本作であったが、二度、三度とみていくうちに引き込まれていく。媚薬にも似た作品ではないだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2004-11-07 15:55:52)(良:1票)
666.  ロスト・ハイウェイ
この映画に答えなんてないし、どのような解釈もアリだと思います。 時間軸のズレなど観客だけでなく監督すら迷宮に入りこんだような作品、しかし好きなジャンルの映画です。 たぶん合ってないと思いますが、自分なりの解釈を試みたいと思います。 妻を殺したのは、フレッド自身、しかし彼にはその自覚はない。 何故彼女を殺したかというと、妻の不倫を疑い、あまりにも妻を愛しすぎていたため、猜疑心によって気が狂ってしまった。 それに耐えられなくなってもう一人の自分であるミステリーマンという人格を作りだし、もう一人の自分が妻を殺したため本人には自覚がない。 テープにより証拠が固い為、死刑になり独房に入れられる。 ピートの話は大部分が妄想の世界と考えられる。 根拠はアリスという女性が写真から消えることと、ミステリーマンが「あの女はレネエだぞ」というセリフから推測できる。 自分を正当化し、自分の願望を達成するために創り出したフレッド自身の世界であり、現実ではないと思われる。 ピートはフレッド自身であり、アリスはレネエを投影した妄想で問題はないはず。 ピート編を全て妄想と片付けることが一番手っ取り早い解釈だが、ちょっと味気ない気がする。 ディックロラントとアンディを殺したことはなんとなく現実化したいので、自分のなかでは現実にフレッドが殺したことにしました。 アリスが「あなたが殺したのよ」と語ったセリフからそんな気がした。 二人を殺すことであたかも妻が死んだのはオマエラのせいだとだから復讐をしたかのように自分を正当化してるのではないだろうか。 そして警察に追われ続ける。 しかし、この解釈ではロラントが死んだ夜はロラントがレネエと別れてすぐの晩のはずだし、その翌日に「ロラントは死んだ」と自分に語ってるんで解釈不能であり時間軸のズレが気になる。 しかもビデオに自分が映っているのはもはや説明の仕様がなく、アンディが死んだ部屋にピートの指紋がいっぱいあると警察が言っていたり、ピート編での謎である誰もが口をつぐんだ「あの晩」について答えがないのが困りモノ。 そもそもフレッド自身がどうやって刑務所から出れたのか説明が出来ない。 謎だらけ、自分も迷宮に陥ったようだ。 「記憶は常に自分なりにする、起きたとおりには記憶したくない」とフレッドが言っているのがタチが悪すぎる。
7点(2004-11-07 04:30:00)(良:1票)
667.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 
映画を見ている時って、たまに別のことがアタマによぎったり、別のことを考えたりすることってないでしょうか。 どんなに良い映画でもそんなことはたまにあります。 しかし、この映画を見ている時は完全に映像に引きずり込まれた自分がいました。 余計なことを考えたり、よぎったりすることはまずなく、チカラのある映像、矛盾や破綻のなく魅力のあるストーリーに引きこまれ、役者の演技に魅了される。 特にラスト付近のオ・デスの懇願には参った。ウジンでなくてもあれには誰でも参るだろう。 あそこで一つの復讐が終わり、そしてウジンが一言吐いた「何を生きがいにすればいいのか」にテーマは尽きる。 復讐って一体何なんだろうと感じさせたり、復讐への想いに対するパワーを感じさせる。 復讐のキッカケに少し違和感を覚える人もいるだろうが、あれはあれで良い。 キッカケの弱さと復讐の壮大さの違いが一つの面白さでもある。逆恨みとも言えるがそれほどまでも姉への愛や自分への怒りがあるという証拠だろう。 オ・デスが失った15年、ウジンが復讐にかけた15年以上の年月、ミドが家族を失い一人で生きた15年…映像にはされていないが、どの15年にも重い年月を感じずにはいられない。 ただ単に殺し合うだけでは終わらない復讐のカタチ。 愛し合うことさえも復讐なのか、ウジンが仕掛けた復讐に終わりはないだろう、愛が終わらない限り。
8点(2004-11-06 23:42:47)
668.  JSA
大の大人たちが子供のようにはしゃぎながら遊ぶ姿に深い意義がある、見る人によってはあの場面に複雑な想いを感じるのではないか。 そんな些細なことすら出来ない越えられない一線が二国にはあるのだろう。 日本に暮らしている我々には少し理解できないモノがあるが、南北分断のことを考える手助けになる本作はなかなか意義深い作品である。 人間として育むことが出来る彼らの友情も、南北分断という歴史に翻弄され一瞬のうちに敵となってしまう悲劇がある。 双方が銃を容易に降ろすことが出来ないのも、二国の関係をそのまま表している気がする。 ソンガンホのように冷静に中に割って銃を降ろすように仲裁してくれる国があれば良いのだが。 そして4人のうち3人が死んでしまう結果が心に痛い、現場で死んでしまった絵が好きな彼はやむを得なかったとしても、親友を死なせてしまった他の二人は離れていてもそれぞれが幸せに暮らすことはできなかったものかと感じる。 訳の分からないうちに親友を撃ち殺してしまった結果だけは過程がどうであれ変えられない現実として自分に残る、その後悔のなかで生き続けることは出来なかったのだろう。 あの緊迫した場面の中で一人だけ冷静に行動できたソンガンホは一人、孤独の中で何を想うだろうか。 事実が公にならないよう皆が揃った部屋で暴れた彼の行動が優しい。
8点(2004-11-03 23:56:43)
669.  マルホランド・ドライブ
一切の予備知識なしでチャレンジした若かりし頃、見終った後の愕然とした気持ちを覚えています。「何もかも分からねぇ~、こんなん映画じゃねえゃ!」と吐き捨てた。見終った後に画面に出たキーワードを元に公式HPで映画のカラクリを理解し再チャレンジ。そしてストーリーや仕組みを理解はしたものの「映画としてのアイディアは凄いけど、内容はそれほど大したことはないね。」というのが2回目の感想。そして今日何年かぶりに観ました、これで3回目の鑑賞。「何もかも素晴らしいとしか言いようがない。」人間変わるものですね。DVDにはリンチのインタヴューがあり「映画のなかで全てが語り尽くされている」というのが本当に身に感じた。 前半の妄想には、本当はカミーラを殺したくない、殺しが失敗して欲しいそして自分とやり直してほしい想いが強く込められている。ハリウッドで失敗した憎しみや皮肉、アダム監督への恨みも強く感じられる。観ていてとても辛かった。ダイアンの想いが様々なカタチとなって、一見すると訳が分からないところにも複雑な意味が込められているのを知ると。そして妄想と現実との分岐点シレンシオで聴いた歌と前説で語ったセリフは意義深い。「オーケストラはいない、すべてまやかし。」前半はこの一言に尽きる。オーケストラは前半の登場人物達だろう。「あなたを忘れられずに一人で泣いている。自分に何ができるだろう、あなたを慕って泣きつづける以外には。」という込められた想いが重すぎる。はっきり言って、この映画はミステリーでもなんでもない、一人の女の切ないラヴストーリーと言っていい。青いカギを見付け殺しが成功したことを知ると精神を保てなくなり妄想に乗っ取られたようなカタチで自殺する。妄想に襲われなくても彼女は生きていけなかっただろう、カミーラがいなくては。冒頭のジルバ大会の明るい雰囲気と異なり、夢や希望とともにロスへ来て、夢が破れ、最愛な人に捨てられた絶望と恨み…。最愛の人を殺して自殺するというラスト…。それにしてもナオミワッツの演技は凄すぎる。彼女なしで本作はこれほど素晴らしい作品にはなり得ない、カミーラを見つめる眼の奥に愛情、憎しみが交じり合った複雑な想いが込められていた。点数は9点に留めておくが、まだ自分が完全に理解していないような気がするため。もっともリンチは理解するのではなく、音楽のように感じて欲しいと言っていたけど。
9点(2004-11-03 19:09:07)
670.  ソウ 《ネタバレ》 
本作の凄さはゴードンが脚を切ることではなく、ゴードンに脚を切らせたことではないか。ジグソウは、ここに至るまでにほぼ完全にゴードンの思考能力を奪い、精神を錯乱するまでに追い込んでいる。ラストの混乱で携帯は手の届かないところに放り出されてしまうが、携帯は鳴り続けている。この時点で、この着信音はゴードンにとってはただの着信音ではなく、家族の「悲鳴」や助けを求める「声」にしか聞こえなかったはずだ。本来の精神状態ならば自分のシャツやノコギリを使えば余裕で携帯を手にすることができたはずである(序盤にアダムにシャツを使えとアドバイスを送れたのは精神状態がまだノーマルだったため)が、ノコギリを手渡され、家族を助かるためには自分の脚を切らなければいけないという「刷り込み」をされ、精神的に追い込めば、周囲の状況を冷静に分析することができず、そういう行動を取ってしまうという心理をジグソウは利用したのではないか。ジグソウのゲームには一応助かるための「鍵」のようなものが用意されている。冷静でいられないから、この「鍵」を失ってしまうのだろう(アダムにもちゃんと鍵を渡している)。あのとき、携帯が取れそうで取れない位置(何かを使えば取れる位置)に製作者が置いたのは演出家のミスではなく、「作為」だったと思う。 ただ、どうしても引っかかってしなうのは、何故ゴードンとアダム(ゼップも含む)がこのゲームに参加しなくてはならなかったかが不明瞭だ。彼らの罪は、不倫や覗き等であって、「命」を粗末に扱ったり、「生」の喜びを享受していないわけでない。娘を心から愛し、不倫にも躊躇してしまうゴードン医師がなぜジグソウのゲームの対象となり得るのか。ジグソウの動機や理屈とは合わないような気がする。ゴードンの無実の家族をゼップに殺させようとしたが、あの家族にも「命」を粗末にするという「非」はないはずである。例えば、医者の場合には不倫をしたために緊急の患者の命を救えなかったとか、覗きによる強迫で誰かを自殺に追い込んだというようなエピソードがあってもよかったのではないか。ただ、製作者サイドとしては、ジグソウという人物を本当のヒューマニストではなくて、末期状態のために善悪の見境がなくなった狂信者として描きたかったかもしれない(観客がジグソウに過度に同情させないために、論理的に矛盾した行動をとらせたとも考えられる)。
[映画館(字幕)] 7点(2004-10-31 03:31:25)(良:1票)
671.  サタデー・ナイト・フィーバー
六本木にてデジタルリマスター版を見ました、画質はそれほど良くはなかった印象、音は確かに良いけど。 トラボルタはダンスがカッコいいだけではなく、今の一瞬一瞬を生きている若々しさ、髪型や服装をイチイチ気にするようなダサさ、ダンスや女性に対する真面目さ、相手を素直に誉める潔さ、将来に対する漠然とした不安、仲間と一緒にいてもどこかつまらなそうな感じを出していたように中々の好演。 ダンスシーンでは皆で同じダンスをするところは、見ているこちらも体が自然と動く。 アニキを連れて来た際に見せたソロのダンスも中々見せつけられた。 ただコンテスト中にキスしているようではちょっとマズイだろう、ダンス自体も二人の人生に対する甘さが出ているような甘い踊りで、プエルトリコの熱っぽさとは好対照だった。 全体を通してユーモアたっぷりに描かれていながらも、若者特有の人生に対する不安、焦り、夢への思い、現実の厳しさがちゃんと描かれていたと思う。 自分が本当にやりたかったことを見出せずに過度な期待を持たれ不本意な人生を歩んだアニキや自殺とはいえない自殺をした友人などがいい素材が多くあった割には、ラストはまとまりきれなくなった感を受けた。 ステファニーに対して友人でいようとか、男女の友情はあるの?とかはちょっと逃げた感じがする。 やはりダンスへの思いというか、夢に対する姿勢で最後は締めて欲しかった気がするんだけどね。 ステファニーも都会に憧れ夢が大きく背伸びはするけど、愛人として自分を売ることしか出来なかった現実の厳しさを感じさせてくれた。 エンディングロール中に外人さんとその彼女さんが画面の前で二人で踊ってくれました、ラストも右手を上げたあのポーズで決めて。 本当は迷惑なんだけど、サタデーナイトフィーバーだから許せるかな、ちょっと微笑ましかったし。
7点(2004-10-31 03:28:13)
672.  ヴィンセント
日比谷にて「ナイトメアービフォアクリスマス」のデジタルリマスター版を見た際に、まず本作、次にフランケンウィニー、そしてナイトメアーという順番で上映された。 バートン映画が大好きな人ならたまらない作品なんでしょうが、あまりバートンにはまってないので正直引いてしまった7歳の坊やに。 観れば確かにバートンの原点であり、バートン自身の少年時代なんだろうなと思わせる。 点数はやむを得ず低くしてしまったが、バートン好きの人なら是非何らかの手段で観て欲しい作品。
3点(2004-10-24 23:17:40)
673.  フランケンウィニー(1984)
日比谷にて「ナイトメアービフォアクリスマス」のデジタルリマスター版を見た際に、まずヴィンセント、次に本作、そしてナイトメアーという順番で上映された。 バートン流の「フランケンシュタイン」のニューバージョンで「シザーハンズ」の原点ですね。 でもイヌが可愛くてしかたなかったので、ご近所の人達の困惑感がオーバー過ぎて、全くの嫌みにしか感じられない。 再びイヌを生き返らせるところは中々良かった。 子どもの夢を大人が一度はつぶしてしまったとしても、大人でも子どものような世界に入る込むことは可能だと言っているような気がした。 おばちゃんが現実の人間っぽくなくて、アニメ的なのがちょっと怖い。
4点(2004-10-24 23:16:51)
674.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
日比谷にて「ナイトメアービフォアクリスマス」のデジタルリマスター版を鑑賞。 ヴィンセントやフランケンウィニーも上映されて中々の満足感が得られた。 このダークでファンタジックな世界観はやはり凄いと言わざるを得ない。 それに加えて、この設定でミュージカルをやってしまうという発想も凄い。 そして更に、日常の繰り返しにあきて、新しい世界や出会いに憧れるのが、普通の人ではなくてハロウィンのキングであるジャックというのがまたまた面白い。 ジャック達の勘違いクリスマス、化け物達が皆楽しそうに準備しているのがなんとも微笑ましい、一方で本気で怖がる実際の子ども達のギャップが良い。 そして、失敗に終わってもあっけなく、「あ~あ、やっぱりオレはオレなんだよな」と自分自身に素直に向きあうジャックの男らしさにサリーでなくても惹かれる。 市長のクルクル回る顔とかもなんとも言えずいいキャラで、サンディクローズもラストにおいしい所を持っていくのはさすがだな。
8点(2004-10-24 23:15:42)
675.  シークレット ウインドウ 《ネタバレ》 
まあキングの原作の映画化ということで、だいたい予定通りで予想通りの作品に仕上がったといった感じ。 デビッドコープの初監督ということで期待していたが、良くも悪くも無難な仕上がり。万人向けの映画になってしまっている。 脚本家として高い地位があるんだから、もう少し個性を出したり、冒険をしてもいいんじゃないか。せっかく監督やるんだから。 一方、デップは相変わらず小技を多用しながら、いい演技をしていたと思われる。 彼が演じてなければ、どんなにつまらん映画になっていたことか。 しかし、多重人格のネタばらしのシーンはもっとうまく演出して欲しかった。 デップ本人がもっとコンフューズしてくれないと、観客もコンフューズできないだろう。 その一歩手前でいきなりネタをばらされてしまった印象、デップもすんなり受け入れているのがやはり問題。 一体何が起きているのか誰も分からないというようにしないといけない、他のレヴューを見る限り丸分かりだったようなのでそれはマズイだろう。 順序を変えた方が良かったんじゃないか。 自分が多重人格と気づいた後に、妻を殺しているが。 妻が殺された後に、自分が多重と気づいた方がもう少し衝撃が強いと思う。 肝心の小説ももう少し丁寧に扱った方が良いだろう。観ていてもどういう内容の小説がイマイチ伝わりづらい。 渋谷で映画を観たのだが、観ている最中にでかい地震が二発ほど来て、結構観客がざわついていた。 ちょうどクライマックスに差しかかっている所に地震が来たので、思いっきり揺れながらも必死に映画を見るという体験だった。 たぶん、この映画は自分にとっては内容よりも地震があったという印象しか将来残らないだろう。
6点(2004-10-24 04:02:39)(良:1票)
676.  コラテラル 《ネタバレ》 
ストーリーにサプライズがあることは全く期待せず、マイケルマンらしい質の高い熱い男の世界の映画を期待していた。 本作は嫌いではないが期待したほどの映画ではなかったと思われる。 トムクルーズの殺し屋役ではあるが、カッコイイのは中国系の男を殺すところだけ。 本来なら、人間をゴミとしか思っていなく他人を拒絶するような冷酷な非情な殺し屋であるべきだったはずだ。 マックスが言っていた「本来人間が持っているはずの大切な感情」を失っている人間には徹し切れてないという印象を受ける。 まだ軽い気がする、ジャズマンやマックスの母親とのやり取りは演技だとしても、ファニングとエレベーターを乗り合わせた時に「何階か?」や「今夜はどうだ?」とか聞くのには違和感を覚えた。 「人間なんて宇宙の中の小さな砂」と言っていたには、殺し屋としての哲学が伝わらない。自分も含めて人間なんて皆変わらんようなことを言っていたが、なんのために殺し屋やっているのか分からん。 ラストの死に様もイマイチだろう。人間をゴミだと言って、人間関係なんて無意味だと言っていた男が死ぬときは、もっと憐れで惨めな感じを出したほうが良い。 そうしないと何も伝わらない、本作の隠れたテーマは都会の人間関係の希薄さだろう。 かなりベタかもしれないが、親父から暴力を受けて感情を失い、地下鉄で人が死んでも6時間誰も気づかないような世界に嫌気をさしていたが、実は誰よりも温かい人間関係を欲していたというような設定でも良かったかなと思われた。マックスとの交わりで何かが変わっても良かった気がする。 アカデミーはよっぽど相手に恵まれないとノミネートすら厳しい、しかもこの映画の主演はジェイミーフォックスだし。 ジェイミー演じるマックスは良かった。 夢を抱きながらそれを実現できずに、時々一人島に逃げ込みながら、プロのタクシードライバーという現実に甘んじている男。 もう少し、自分が実は逃げているだけの男だと気づいて行動に移すシーンを丁寧に描いて欲しかった。 少し不思議に思った点があるので書きたいが、空港でカバンのすり替えをしているがこの男はヴィンセントの特徴が分かっているのにそれがフィリックスには伝わっていないのはおかしい。 そしてマックスの母親にリムジン会社の嘘をついているが、タクシー会社に何度も電話するというのは整合性がつかず、イマイチ分からん。
7点(2004-10-24 03:30:11)(良:2票)
677.  ALI アリ
映画として面白いかと問われれば、それほど面白くはないと答えるだろう。 さすがにロッキーのような面白さはないだろう、現実のボクサーのありのまま姿を追い求めたものだから。 ただ、映画の質は高かったと思う。 つまらないと言っている人、同様楽しめない理由としては、アリのことをよくは分かっていないので、その辺の背景や宗教、徴兵制を含めたボクサーアリの知識を知っている人は楽しめたと思う。 そして2時間30分は観る者には長いようでも、アリの人生を語るには短すぎた。 本来なら10時間位かけてやるべき内容をこの短い時間に詰め込みすぎた感は否定できない。 それでも「民衆の王者」として人から愛され、自らは人が望む姿を追わずに自分の生き様を貫いた男としての生き方には感銘を受けた。 徴兵訴訟中の戦いたくても戦えない苛立ちやもどかしさのようなものも充分伝わってきた。 自信満々に語っているのは、他人を言い聞かせるのと同時に自分にも言い聞かせているような感じも受けた。 ジェイミーフォックスやジョンボイトの脇役も光り、アリとの関係もなかなか良かったと思われるがもう少し掘り下げても良い感じがする、特にフォックスとの関係は。 女性関係の甘さなどは描かれてはいたが、人間らしい弱さも少し加味できれば人間としてアリがもう少し近くに感じられたかもしれない。
7点(2004-10-17 23:26:11)
678.  セントラル・ステーション
ブラジルの苦しい現実は随所に垣間見れたが、何かに感動するような部分はなかったというのが感想。 でも、好きな人には好きな映画なんでしょうね。 あのおばちゃんと少年の心の変化というか成長が上手く伝われば良かったんですが。 二人にとってお互いがかけがえのない存在になっていくようなシーンがもっとあれば良かったんだけど。 お金もなくなりどうしようもない時にジョズエが代書を提案して、儲けたお金で写真を取り、ホテルのベッドでたわいもない会話をするような所は二人の関係がぐっと近づいた気はした。 おばちゃんもかつては捨て去っていた手紙を道中ではちゃんと出していたような気持ちの変化は感じ取れた。 果たしておやっさんの手紙には本当にジョズエのことが書かれていたんだろうかとか、おやっさんはどこに行ったのか(いつからいなくなったのか忘れたけどジョズエ母の訃報を聞いていなくなったのかと思ったが)とか、そういうあやふやにしている部分は逆に良く思われた。
5点(2004-10-17 02:05:29)
679.  インサイダー
科学者とジャーナリスト、二人の巨大な力に立ち向かう戦いには見応えがあった。 自分の行動が世界を変える力を持つと信じた二人の男達。 タバコ業界のプレッシャーだけでなく、買収問題を巡る会社内部における対立や守秘契約、第三者賠償責任等の法律関係、報道関係者、ジャーナリスト間の駆け引き、FBIを巻きこんだかなり大掛かりでスケールの大きな作品になっている。 そのような渦に飲みこまれ、家族の将来という人質を取られながらも、様々な重圧の中、自分の行動が正しいかどうか悩み苦しむ姿を演じたラッセルは良かった。 結局、家族を失いはしたが、娘達に自分の行動をテレビで見せる姿には、自分の行動が間違っていないことを娘達に知ってもらいたかったと感じられる。 あまり多くは描かれてはなかったが、教師としての新たな道を見つけ、生きがいを取り戻していった姿も感動的だった。 そしてアルパチーノ演じるジャーナリストの信念は熱い。 ジャーナリストの信念とも言える信頼性と客観性を保つこと…信頼があるからこそ通報者が自分に真実を話すという信念。 一度失われた信頼の代償は大きかったか。 マイクのような偉大なジャーナリストでありながら、自らの保身を考えてしまったという一言が、ジャーナリストの在り方を考える上でとても重くそして大きく感じられた。 他に良かったと思われたのが、タバコ会社側と思われる謀略が実際目に見える形で多くは出てこない点だ。 目に見えない敵、目に見えない暴力、目に見えない力が、ストーリーによりリアル感を与え、何とも言い知れぬ恐怖を見るものにも与え、目に見えないからこその戦うべき相手の大きさを知ることにもなる。 タバコに害があることは誰でも分かっているかもしれないが、内部の科学者が証言し企業がそれを認めることが大事だろう。 日本でも一応「公益通報者保護法」という法律が出来たが果たして機能するかどうかは疑問だな。
8点(2004-10-16 19:57:00)
680.  ドリームキャッチャー
この監督は実は「笑い」というモノを理解しているんじゃないかという気がする。 笑いの基本である「やるなと言われたことを必ずする」という姿勢が特によろしい。 自分の命がかかっているのに、あそこまで必死に楊枝を取ろうとする姿にはマジで心打たれた。 この世の中には自分の命よりも守るべき大切なモノがあるんだなあと。 その他にも宇宙人の全貌が映ったときのあの衝撃はモノ凄かったよ。 あのデザインは常人には描けんよ。 銃をイキナリ電話代わりに使用するといった小技も使いながら、運転席に座っている人が何も突っ込まないのもクール。 そして映画史上に残るであろう名言「アイ、ダディッツ!」を産むことになるのである。 あまりにも斬新な映画ため、ちょっとこの時代には高尚すぎたのかもしれない。 欲を言えば、最後幼虫みたいなのがマンホールに落ちようとするのを何も知らずに踏んで終わりの方が面白かったと思う。 知らないうちになんとなく世界が救われてるという方がこの映画らしいだろう。 それにしてもあのウナギはどうやったらグレイタイプの宇宙人になるのだろうか。 グレイタイプが赤い粉末をばらまく、それが人間等の体内に入り成長して、お尻からウナギが出てくる。 そしてウナギは何故か一人で卵を産む。その後はどうなるんだ。 卵からかえった幼虫は結局ウナギになるだろうから、ウナギと幼虫のエンドレスだろう。 ウナギがしばらくして大きくなればグレイになるとしても、やっぱあの段階でいきなり卵はやりすぎじゃないのか。
2点(2004-10-11 19:13:45)(笑:6票)
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