681. いつも心に太陽を
初めて見たのが、私が教員を目指していた頃だったので感激は一入。日本と外国では随分違う(英米はとても自由)と感じたものだ。その後日本でも熱血先生もののドラマが流行ったが、このシドニー・ポワチエの先生は少々違う。元々エンジニアだし、下町の学校にやって来たのも適当な就職先がなかったからなのだ。それが生徒たちとふれあっていくうちに先生らしくなっていくし、生徒たちも成長していく。何といってもこの過程がいいのだ。良いと言えばルルの歌う主題歌、心に残るメロディーだった。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-22 06:31:50) |
682. 天井桟敷の人々
だいぶん前にDVDを買ったのだけど、見るのを途中で止めていた映画。今回ようやく最後まで見た。中断していた理由は、主役女性が好きでなかったこと。映画の中では、美しいと何人もの男から言い寄られるが、私から見れば年配のおばさん、美人という概念は千差万別だからとかく言えないが、もっと若い女性が演ずるべきではないだろうか。ま、それは置いといて、パントマイムはすばらしい。前半のスリの濡れ衣シーンでの演技は拍手喝采もの。ところでまったくの余談なのだが、映画の中で使われていた曲は挿入曲としてスタッフ・キャストに書き込むことができ、皆に紹介できる。映画の中で使われていた劇(いわゆる劇中劇)も、挿入曲と同様に紹介できないものだろうか。誰々原作の何々と原作者で書いても、本来の映画の原作と間違えてしまう恐れがあるし・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-21 21:20:26) |
683. マダムと女房
作家先生とおだてられれば押し売りの薬を買い、隣の家の音楽がうるさいと苦情に行けば・・・。何ともおもしろいホームドラマだ。多少台詞が聞き取りにくいが、これが日本初のトーキー映画となればそれも許されよう。チンドン屋の音楽に始まり、猫の鳴き声、赤ん坊、めざましなど音の展覧会だ。そしてラストは「狭いながらも楽しい我が家」と歌われる「私の青空」おや、絹代さんは洋服を買ってもらったんじゃなかったの? [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-21 07:17:42) |
684. 白昼の決闘
殺し合いが大嫌いな私は、まさに西部劇中の西部劇というタイトルを持つこの映画を食わず嫌い(見らず嫌い)していた。だがこの映画はラブストーリー、憎んでも憎みきれない、殺しても殺したりないほどの愛に燃えた西部劇なのだ。悪役に扮したグレゴリー・ペックを見るのも初めてで驚いたが、インディアンとの混血娘に扮したジェニファー・ジョーンズも見事、この個性ある二人の白熱した演技に拍手。荒馬を乗りこなす技もすばらしい。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-20 21:36:06)(良:1票) |
685. 双頭の鷲
いくら愛する国王とうり二つと言ってもねえ・・・。古臭さだけが残る好きになれない映画だった。 [DVD(字幕)] 4点(2013-05-19 21:54:17) |
686. 戦争と平和(1965-1967)
美しく作り上げられたヘプバーンの「戦争と平和」に対し、こちらはより原作に忠実、よりロシア的、より壮大である。ロシア文学はロシアの手でという意気込みが感じられる。映画が製作された50年代から60年代は米ソ冷戦というか、二大強国の対立が激しく、どちらかの国が何かをなせばもう一つの国もそれ以上のものをめざすという競争も激しかった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-19 05:55:59) |
687. ショコラ(2000)
心温まる名作、「北風と太陽」ならぬ「北風とチョコレート」だった。シザーハンズのような雰囲気も良いし、音楽も好き。いかにも古いメルヘンチックな幻想を抱かせる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-18 21:31:29) |
688. 東ベルリンから来た女
ラブロマンスかと思いきや、サスペンスタッチのドラマだ。時代はベルリンが壁で仕切られ、ドイツが東と西の異なる政治体制と文化に分けられていた時代の話である。主役バルバラを演じるニーナ・ホスがひときわ光る。 [映画館(字幕)] 6点(2013-05-18 17:44:06) |
689. フライトプラン
スタートは静かでサスペンスの予感があり雰囲気が非常に良い。だが娘が突然いなくなり、誰も見てないというところからどうもヒッチコック映画に似てくる。展開も「バルカン超特急」にそっくりだ。だがそれよりもあまりにも無理な設定と無茶苦茶な行動でだんだん嫌になってくる。アラブ人に対して疑うだけ疑って、謝罪もない。機体の中を走り回るし、車のガラスは割るし、酸素マスクが降りてくる非常事態にする。よくぞ飛行機が墜落しなかったものとあきれるほどだ。そして結末はもっとお粗末、こういう酷い映画もめずらしい。 [地上波(字幕)] 2点(2013-05-16 22:08:08) |
690. ある秘密
ユダヤ人であることを隠すため偽造身分証明書を作ったのに、アンナはどうして本物の身分証明書を提示したのだろうか。ユダヤ人であることの誇りだろうか、それとも精神が不安定になっていただけなのだろうか。深く心に残るシーンである。映画はセシル・ド・フランスがまばゆいばかりに美しい。 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-16 07:17:33) |
691. 戦争と平和(1956)
「風と共に去りぬ」と並ぶトルストイの文芸大作「戦争と平和」ソ連版の7時間には及ばない(未見)が、ヘプバーンを初めとする3人の主役を中心にロマンスも交えほどよくまとまっていると思う。大スペクタクルにふさわしく、これこそ映画という感じで見応え十分。仏露両軍のエキストラの数にも驚くが、何よりもナポレオンのロシア遠征について知ることができるのが良い。 [映画館(字幕)] 9点(2013-05-14 17:11:48) |
692. 偽りなき者
《ネタバレ》 子どもは純粋だ。クララが大好きなルーカスに贈り物をしたのも、キスをしたのも純粋な気持ちの表れだろう。また嘘をついてしまったのも拒否されたからのちょっとした犯行で大意はないのである。しかし大人の世界は作為的だ。純粋な子どもが嘘をつくはずはないと信じ切ったことから大事件へ。もちろん純粋だからこそのたわいもない嘘があるわけなのだが・・・。しかしながら思い返してみると、特定の子どもから贈り物をもらうのが良くないというのも、唇へのキスも子どもとして早すぎるというのも大人の論理だ。やさしく拒否はしたものの子どもに通じるわけはないのだ。ラスト近くでルーカスの息子が一人前になったということで猟銃が与えられ狩りに出るシーンがあるが、息子もまた純粋の世界から作為の世界へと移ったのだろうか。原題の狩りが、鹿狩りと魔女狩りの両方の意味を持つ。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-14 14:31:35) |
693. アンナ・カレーニナ(2012)
舞台劇のような独特の演出はすばらしく、音楽も大変良い。原作や過去の映画を知らなくても、自然と引きつけられる。キーラ・ナイトレイを初めとする女優陣は美しく、衣装も華やかで申し分なし。惜しむべきはヴロンスキーを演ずる男優が若すぎて若干軽い感じがすることだろうか。 [映画館(字幕)] 8点(2013-05-13 16:30:24) |
694. アンナ・カレーニナ(1997)
トルストイの長編なのだが、映画はまるでダイジェスト版であるかのように細切れに進む。良く言えばテンポがいいと言うことなのだろうが、これで人物関係やストーリーがわかるのかしらと心配になる。ガルボやビビアン・リーの過去の映画、栗原小巻の舞台、そしてそもそもの小説、どれかひとつくらいは馴染んでないと・・・。だが後半はアンナとヴロンスキーの不倫に焦点が定まり、ようやく映画らしくなる。私はアンナ・カレーニナの映画は4本目だったが、まだこれこそという映画にぶつからない。5作目のキーラ・ナイトレイにも挑戦はしてみるが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2013-05-13 07:22:03) |
695. 海峡
同じトンネル工事の映画でも先に「黒部の太陽」を見ていたから、さほど感動はわかなかった。トンネルの距離やかかった年数など、黒部の関電トンネルとは比べようもないほど長いのに、インパクトでは負けてしまう。八甲田山の森谷司郎監督であればもっと壮絶なものにできただろうにと思うのだが残念。 [映画館(邦画)] 5点(2013-05-12 06:40:31) |
696. ミクロの決死圏
驚き桃の木山椒の木、どこからどうしてこのような発想ができるのだろう。そしてまた目から脱出というのも・・・。科学的な世界と幻想的なものとの融合が何とも言えない。小さくなるのは時間がかかるけど元に戻るのには時間がかからないのか。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-11 21:21:53)(良:1票) |
697. 黒部の太陽
若い頃見たときは、ダム建設だとばかり思っていたところがトンネル工事の映画だったので大変驚いた。この大変な難事業は映画の中でもわかりすぎるくらいわかるのだが、ただどうしてこうまでして掘るのかがピンときていなかった。その全貌がわかったのはプロジェクトXなどのテレビドラマのおかげだったし、DVD化によってようやく見直すことができたからだ。ただ辰巳柳太郎の職人気質は十分発揮されていたが、石原裕次郎の役は不自然(畑違いに進んだ者がなぜ現場の責任者になるのかなど)で好きでなかった。ところで声優麦人さんが寺田誠として演じている源三の長男(石原裕次郎の死んだ兄役)だが、ウィキペディアやallcinemaなどすべて与一郎となっているのだが、DVDで確かめてみると源三は「与一」と言っている。 [映画館(邦画)] 6点(2013-05-11 14:45:18) |
698. 最後の賭け(1997)
《ネタバレ》 前半は結構退屈、のんびりしていて少しもサスペンスらしくない。だがムッシューKの登場とともに急に引き締まる。バックに流れるプッチーニのオペラ「トスカ」も効果的。こそ泥のくせにマフィアから半額だまし取るとは大胆不敵だが、命だけ助かったのは幸運だと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2013-05-11 08:35:36) |
699. 黄金(1948)
人間の欲や猜疑心をよく表した名作だと思う。黄金は人間を変えてしまうとはよく言ったもの、そうした男をハンフリー・ボガートが巧みに演じている。それにまたストーリー(脚本)が良く、ラストは鮮やか。一見老年のショーン・コネリーかと見間違うほどのウォルター・ヒューストンがまた良い。助演賞文句なし。この映画はヒューストン親子で賞を取った作品だが、息子の映画に親父が出演、親孝行というか息子思いというか感動である。 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-10 06:10:15) |
700. 黄昏(1952)
自業自得と言ってしまえばそれまでだが、そうなる運命をたどったところに本物の愛があったのだろうか。好きになれない(共感できない)映画だけど、ラストのわびしさが妙に心に残る。ひとつわからないのは、キャリーの姓が解説その他でミーバーとなっているけど、映画の中ではマデンダとなっている。初めはわざと偽名を使っているのだと思っていたけど・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-08 23:33:35) |