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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2258
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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701.  インストール 《ネタバレ》 
もっと冷めた雰囲気の、シニカルな味わいの作品を想像していましたが、予想以上にポップなコメディでした。テーマはいたってオーソドックスで、誰もが通る成長過程の悩みについて。上戸彩が今どきの女子高生を等身大で表現していました。本作の主人公に上戸はカワイ過ぎると思います。普遍的なテーマを描くなら、ルックスも普通なほうがいいかなと思いました。…と真面目に書こうと思いましたが、もう限界です。本作の見所は何と言ってもS級アイドルのエロ!もうこれに尽きます。全編にわたって夏服の制服。序盤からパンチラ。押入れの秘め事というシチュエーション。上戸にあんな卑猥な言葉を喋らせたり、あんなヌルっとしたものを食べさせたり。極め付きは、神木くんとのB!何?AVですか?!…失礼しました。ちょっと取り乱しました。なお、これはあくまで私的な感覚のお話。良識ある大人の皆様が本作をご覧になられる場合、実際のエロさは「ドラえもんのしずかちゃんのバスタイム」程度とお考えください。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-01-07 18:19:48)(笑:1票)
702.  阿弥陀堂だより 《ネタバレ》 
美しい日本の農村風景と共に描かれるのは、人の「生き方」です。主人公夫妻が田舎で始めた生活は、象徴的に引用される宮沢賢治の詩『雨ニモ負ケズ』そのもの。田村高廣は天寿を全うするかのように静かに余生を送くる日々。北林谷栄の質素な暮らしぶりからも、テーマが伝わってきます。富と名声を望まない慎ましい生活の素晴らしさ。良く生きることは、良く死ぬことと同じ。理想とする“人のあり方”が本作では描かれています。共感できますし、穏やかな気持ちになれました。ただ気をつけたいのは、本作から学ぶべきは“生き方の姿勢”“心の持ち方”であるということ。“田舎暮らしのスローライフ”が素晴らしいのではありません。ここは注意が必要です。本作では、“意図的に”田舎暮らしの短所を描いていません。自然と共に生きることは、その厳しさをも受け入れること。それに田舎の人間がみんな素朴で温かだと思ったら大間違いです。生きることの厳しさは都会であろうと田舎であろうと同じ。その前提は変わりません。このことを承知している人に向けた作品なのだと思います。生きることに厳しさは付きもの。だからあえて描く必要は無い。田村高廣の病の苦しみ、小西真奈美の副作用の辛さを描いていないことからも、そのことが感じ取れます。監督の優しさだと思います。厳しさを知ってこそ響く優しさ。いいお話だと思います。しかしその反面、本作を素直に肯定できない自分もいます。やっぱりお金は欲しいし、人から尊敬もされたい。いろいろな事に執着して生きて行きたいと思うのです。それが生きる力でもあります。ですからいつの日か、穏やかな気持ちで本作を受け入れられる日が来るといいなと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-01-05 18:11:56)(良:1票)
703.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
ロボットのデザインがキャッチーでないこと、お遊びの要素が強すぎて緊張感が削がれた部分があったこと、不必要に凝ったカメラワークなど、やや不満な点もありますが、これは個人的な好みの範疇。全体的にみれば、巧みな展開、スピード感あふれるアクション、質の高いCG、テーマ性、どれをとっても良いと感じます。中でも特筆すべきは、自我を持った新型ロボット“サニー”のキャラクターの立ちっぷり。同じく自我に目覚めたロボティック社のマザーコンピュータ“ヴィキ”との対比が絶妙です。「君の理論は分かるけど、それではあまりに心が無い」とヴィキに言い放つサニーにシビレます。主役を食わんばかりの見事な芝居をみせるサミー(主人公とアイコンタクトをとるシーンでの“微妙な頷き”には脱帽!)に驚かされます。伏線の張り方もそつが無く、ラストの余韻は秀逸です。もともと期待していなかったせいもありますが、満足度の高い作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-04 18:20:50)
704.  蝋人形の館 《ネタバレ》 
本作の場合、タイトルでネタばれしているので、作品の魅力をオチに頼ることが出来ません。物語の展開で魅せるしかない。監督の力量が問われるところです。しかし残念ながら、粗さが目立ちました。ホラー作品の“典型的な悪いところ”と言ってもいいかもしれません。圧倒的に有利な状況から、いとも簡単に窮地に追い込まれる主人公たち。あまりに不自然です。言い方は変ですが、“納得できる流れで”窮地に追い込まれて欲しかったです。わずかな心配りで可能なことだと思います。また、犯人たちが思った以上に“普通”だったのも残念。それは見た目ではなく、精神的な部分の問題。行動は十分残虐なものでしたが、犯人たちのパーソナリティからその狂気性がイマイチ伝わってこず、常識人に見えてしまいました。常識人相手であれば、恐怖の底は知れてしまいます。“痛み”の描写は良かったと思いますが、“恐怖”という面では物足りなさを感じました。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-01-03 20:31:39)(良:1票)
705.  TAXI NY 《ネタバレ》 
リメイク作品の場合、違う切り口や、オリジナルにない新たな試みが見られないと、存在価値は薄いと思っています。そういう意味では、本作はかなり危なかった。自分の中で“なし”と判断するところでした。しかし結果的にそれは回避。そう判断した理由は、ひとえに運転音痴の刑事の成長を見せてくれたから。この一点において、オリジナルを上回っていたと思います。失礼しました。もう一点ありました。ナイスバディのお姉ちゃんが沢山出てきたのも嬉しかった(笑)。つまり都合2点において、本作の存在意義を感じます。ただし、オリジナル『TAXI』の方が個人的には好みです。サミー・ナセリの濃い顔が好きなのです。あとあの独特のノリも。本作は、より一般向けに味付けを変えた印象。そこが良くもあり、物足りなくもあり。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-02 21:39:35)
706.  輪廻(2005) 《ネタバレ》 
『呪怨』の清水監督ということで、視覚的恐怖、お化け屋敷的恐怖を描いた作品を予想していましたが、違いました。物語重視の作品。そのテイストは、講師役で出演の黒沢清氏の作品と似ていると思いました。もしかしたら、黒沢氏のキャスティングは、同監督作品への挑戦を意味しているのかもしれません。本作はミスリードの作品。それも結構上手いです。作中作『記憶』の犯人をあえてキャスティングしないことで、優香が誰の生まれ変わりかをカモフラージュしています。またキーワード「ずっと一緒だよ」の解釈についても。小さい子供が持っている人形の台詞ですから“子供と人形はずっと一緒だよ”という意味に観客をリードします。しかしこれもミスリード。“ずっと一緒”なのは魂のこと。魂の器である身体は死のうとも、器を換えて魂は存在し続けるという意味。教授(殺人犯)の実験は成功であったことになります。なかなか面白い。個人的には『呪怨』より圧倒的に本作のほうが好みです。ただ、“怖さ”という点では物足りないのも事実。本作の重点がそこに無かったにしても、恐怖の演出については今一歩であったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-01 01:50:36)(良:1票)
707.  奇談 キダン
ご指摘の方もおられるように、本作を観ると『トリック』と『ダヴィンチコード』が思い浮かびます。『トリック』をシリアスモードに、『ダヴィンチコード』の舞台を日本に移したような。テイストは似ていると思います。ただ大きな違いがあります。比較2作品は一般大衆向けの娯楽作品。間口が広いです。しかし本作は相当マニアック。宗教関係にある程度の造詣がないと意味が分からないと思います。かといって知識がありすぎると腹立たしい、アホらしいと感じるかもしれません。観る人を確実に選びます。本作を楽しむには、自分の知識では少し足りないようでした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2006-12-29 18:53:53)
708.  ツイステッド 《ネタバレ》 
ミスリードあり、どんでん返しありで、つくりは標準的なミステリーだと思います。ただ、あまり出来がいいとは思えませんでした。一番の問題点は皆さんご指摘のとおり、「主人公が犯人では?」と思わせることに失敗していること。“酒を飲んで意識を失う”という状況があまりに不自然でした。せめて極端にアルコールに弱い体質だという設定にする必要がありました。作品のキモとなる仕掛けだけに、もう少し気を配って欲しかったです。また真犯人の動機について。それなりに理解できましたが、何故主人公に正体をばらしたのかが謎。主人公に自分の気持ちを理解してもらえるとでも思ったのでしょうか?ネタばらしは作品のクライマックスです。サプライズが無いのはツライ。主人公のキャラクターも魅力的に感じませんでした。全体的に今一歩の印象です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2006-12-28 19:23:13)
709.  うつつ UTUTU 《ネタバレ》 
ちょっと豪華な2時間TVサスペンスといった趣です。ツッコミどころはありますし、全体的な軽さは否めません。でもそんなに悪くないと思いました。自分がそう感じたのは、“壁から流れる黒い液体”に意味を感じたからです。宮沢との最初の出会いで佐藤が見た幻。最初はB級ホラーにありがちな“雰囲気の演出”だと思いました。特別な意味は無いと。しかし、そうではないようなのです。本作のオチは、「佐藤の妻殺しは夢だったけど、宮沢夫婦の計画は本物だった」というもの。となれば、黒い液体シーンを含む、宮沢と佐藤の出会いは現実の出来事のはずです。しかし“この時点で”、佐藤が幻を見るのはおかしい。この時、彼はまだ情緒不安定ではありません。幻を見る理由がない。なら、このシーンは“佐藤の夢”と解釈出来ないでしょうか。幻の説明がつく。ではどの時点でみた夢なのか。黒い液体から連想されるもの。自分は直感的に血だと思いました。佐藤が妻に殴られた時に目にした、自身の血なのではないか。さらに夫婦の楽しい想い出“イカ墨パスタの色”。夫婦間の不審を黒色とイメージしたとも取れます。つまり黒い液体は夢におけるイメージの集合体。そしてこのことは、【死に際の主人公が、薄れゆく意識の中でみた夢から本作は始まっている】という事実を導きます。物語がループしているのです。(※このプロットは某有名難解作品を彷彿とさせます。ネタバレになるのでタイトルは伏せます。)ちょっと凝っているのでは。少なくともTVサスペンスのレベルではありません。もちろんこれは自分の勝手な解釈です。それに仮にそうだとしても「だから何なの?」と言われると困ってしまいます。凝ったつくりが、作品の魅力に繋がっていないのです。某作品との大きな違い。もっと幻想的に、もっとテクニカルに観客を惑わせて欲しかったと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2006-12-26 18:58:55)(良:1票)
710.  隠し剣 鬼の爪 《ネタバレ》 
本作を語るうえで『たそがれ清兵衛』は避けて通れません。少し比較してみます。まずは主役2人。松たか子については文句ありません。惚れました。ハート鷲づかみです。宮沢りえと甲乙つけがたいくらい素晴らしかった。永瀬は予想以上に良かったという印象。時代劇でも十分通用することが分かりました。ただ、真田と比較すると殺陣の部分でツライものがあるのも事実。そして物語。展開は似ているものの、印象はだいぶ違います。本作の方が軽いです。意図的に笑いを入れた描写が多かったことも原因ですが、主人公に悲壮感が感じられなかったのが大きい。失うものが無いこと、迷いが無いこと。主人公の人物造形がやや薄かった気がします。鬼の爪を使う経緯にしてもやや短絡的。人を斬る(殺す)ことの恐怖、重大さを知っている主人公ですから、もう少し強い理由付けが欲しいと感じました。“鬼の爪を物語上どうしても披露したかった”という風に見えます。やはり自分は『たそがれ』の方が好きです。言葉は悪いですが、二番煎じの感は否めません。ただ元々のお茶が上質なので、二番煎じでも十分美味しくいただけます。
[DVD(邦画)] 6点(2006-12-25 18:25:51)(良:1票)
711.  TAKESHIS’
本作は監督にとっての“遺作”だと思いました。あるいはファンに向けての“プレゼント”と言ってもいい。もちろん、北野監督は終わったという意味ではありません。これからも多くの作品を世に残すでしょう。しかし何作残せるかは分からない。“遺作”は結果的にそうなるもので、最初から“遺作”と分かって作るものではありません。でもいつか必ずその時がくる。そこで監督は、“遺作”にふさわしい作品、自身の集大成となるべき作品を、今のうちに撮ったのではないかと思うのです。金銭的にも、肉体的にも好きなことがやれる今のうちに。ファンに長く楽しんでもらうことを念頭において。本作は難解です。イメージの連鎖であり集合体。しかも題材は北野監督自身。正解があるのか無いのかも分からない。だから観客は答えを探す気になれば、いつでも、いつまでも北野ワールドをさまようことが出来ます。それは一部のファンのみに許された特権であると思いました。いつか自分がその域には達したならば、きっと本作は満点に変わるでしょう。今後いくら北野作品が世に出ようとも、本作が監督にとって最後の作品であるような気がしてなりません。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2006-12-22 18:25:18)(良:2票)
712.  エイリアンVSヴァネッサ・パラディ
初めて観た時は、あまりのぶっ飛びぶりにさじを投げました。思えば自分も若かった(ウソ)。ただB級以下の映画をある程度鑑賞してから本作を観直したところ、印象はかなり改善されました。これは「良い」部類に入るB級映画。カメラワークは悪くないし、何よりノリがいい。ツクリモノ感ありありの「歯抜け犬」の悲しみのハーモニーに大笑い。驚愕のエンディングに放心状態。2度観てもコンチャ分身の術の意味は分らなかったですが、細かい事はどうでもいいと思えました。本作を『ピンチランナー』とか『デビルマン』といった正真正銘のトホホ映画と同列にしておくのは忍びないので、評点を大幅変更することにします。(2010年1月1日再鑑賞につき書き直し 2点→5点に変更)
[DVD(字幕)] 5点(2006-12-20 18:51:11)
713.  銀河ヒッチハイク・ガイド(2005)
予備知識なく、何の期待もなく観ました。とても面白かったです。いい拾い物をした感覚。まず良いのが冒頭に流れる「イルカの歌」。もう大好き!歌詞も曲も楽しく、心を奪われました。物語の導入部分からインパクト大で、その見せ方も上手いです。いきなりとんでもない状況に追い込まれる主人公。後はもう“イっちゃってる”物語に身をまかせ、楽しめばいいです。“何が起きているの?”とか“何処に向かっているの?”とか、分からなくてもOKです。大筋の流れをつかんでいれば問題ありません。意外性のあるオチが待っています。本作のテーマは意外と深いと思いました。「無限不可能性ドライブ」「最高の銃」「究極の問い」…よく分からなかった事柄が、ひとつの答え(考え方)を導きます。答えは深くても難解とは限りません。というか、とっても単純。それが素晴らしい。こういう話、大好きです。(注)物語冒頭の「イルカの歌」はエンディングロールでも流れます。この曲終わりで、本作を理解するうえで助けとなるアナウンスがありますので、お見逃しなく。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-12-19 18:48:00)
714.  私の頭の中の消しゴム 《ネタバレ》 
韓国映画で、“難病もの”とくれば、相当アクの強い、「泣かせるぞこのやろう」的な作品を予想していたのですが、だいぶ様子が違いました。思った以上に薄味、というか上品な味付けでした。正直、あまり泣けませんでした。ただ、自分は泣ければOKとは思っていないので、そこは問題ではありません。問題なのは深みに欠けたことです。題材的にはもっと深く潜れるはず。潜って、潜って、潜って、答えらしきものを見つけて欲しかったと思いました。(もちろん正解はありませんが)。本作ではあまりに簡単に物語の指針を示してしまった気がします。清らかな部分は必要ですが、そうでない部分をしっかり描かないと、この手のお話は浅いもの(いわゆる「お涙頂戴」)になってしまうと思いました。(ちなみにTV吹替え版での鑑賞でしたが、小西真奈美は合っていませんでした。彼女は相当好きなんですけど…。やっぱり餅は餅屋でお願いしたい。)
[地上波(吹替)] 5点(2006-12-17 23:20:31)
715.  ザ・セル 《ネタバレ》 
世界観自体は好きです。予想通り非常に幻惑的で、映像的にも面白いものがあったと思います。ただちょっとちぐはぐな印象があります。テーマは深そうなのに、ストーリーはわりとアッサリとしていたような。監禁された人質救出という明確な目的を作ってしまったことで、普通のサスペンスになってしまった気がします。作品の間口は狭いのに、いざ入ってみたら意外に出口は広かったという感じ。もっと深い、難解な作品を想像していた者にとっては、食い足りなさが残りました。いっそカルトと呼ばれるくらい、思い切った作品にして欲しかったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-12-16 20:17:04)(良:1票)
716.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
ハリウッド超大作か、映像は凄いのかもしれないけど、大味なんでしょ。深みという点では今一歩なんじゃない。そう思っていました。でも見事なまでに、その予想は裏切られました。めちゃくちゃ面白い!というか、怖い!!身じろぎも出来ず物語に引き込まれました。それは徹底した主人公目線での描写によるところが大きい。大局が分からないため、観客は傍観者(第三者)にはなれません。常に主人公であり続けなければならない。さらに民間人であることも、感情移入を助けます。侵略者に襲われる恐怖、それ以上に子供の命を失うかもしれないという恐怖は、半端ではありませんでした。下手なホラーやサスペンスよりずっと怖い。オチも自分好みでした。武力で勝つのではなく、生命の歴史で勝つ。しゃれていたと思います。金に物を言わせた映像美だけではない、確かな演出力。さすがスピルバーグ。これぞ自分が求めていた大作のかたちでした。一級のパニック映画です。劇場で観られなかったことが悔やまれます。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2006-12-15 21:32:55)(良:4票)
717.  深呼吸の必要 《ネタバレ》 
『ALWAYS・三丁目の夕日』と同じ匂いを感じました。疲れた現代人に対する清涼剤。『ALWAYS』はノスタルジーという名の、本作は実生活から離れた“楽園”という形での癒しです。癒しそのものを否定する気はありません。必要なことだと思います。でも、ただ浸るのは違う気がします。キーとなるのは田所の存在。彼の生き方を西村が非難する場面があります。結局お前も人生から逃げているだけではないかという指摘。彼は黙ります。つまり多少なりとも心当たりがあるということ。でも結局これに対する回答はなく、彼は同じ生き方を続けます。でも自分は答えを聞きたかった。どんな答えでも納得します。そもそも生き方に正解なんてありません。しかし答えないのでは、問いかけを肯定したことになってしまう。つまり人生から逃げ込む場所が楽園であると。そこで安住することを“よし”とすることを。しかしそれは違うと思います。楽園はあくまで一時の休憩所のはず。自分の在るべき場所に戻らなくてはならない。それが楽園に行く条件だと思います。(おじいとおばあにとっては、島が在るべき場所。楽園ではありません。)深呼吸は確かに必要です。でも深呼吸ばかりもしていられない。そのことを忘れてはいけないと思いました。それより心に残ったのは、おじいの言葉でした。「ダメになったらまたやり直せばいい」よく聞くフレーズです。でもおじいの言葉には説得力がある。丹精込めて育てた農作物がひとつの台風でダメになることを常とする生活。でも投げ出さず、また作り直す。経験を積んだ人間、痛みを知っている人間の言葉は心に響きます。「なんくるないさー」もそう。なんでもないような言葉でも、本当は凄いことなんだと思います。おじいの言葉にちょっと泣けてしまいました。
[DVD(邦画)] 6点(2006-12-14 18:30:43)
718.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 
勝元たちが戦った理由付けが曖昧だと感じました。“それが武士道だから”で片付けられていたような。誇りを守るため。死に場所を見つけるため。それだけの戦いに見えました。(明治初頭の士族の反乱は、士族がその権益、すなわち生活の術を守るためのもの。いわば生きるための戦いです。死を前提とする本作のような戦いとは別物では。)そもそも武士道とは何でしょう。文字どおり士族階級独特の道徳、倫理観です。名を重んじ、主君への忠誠を誓うこと。日本人の大多数を占めた農民、工商人には関係のない思想です。(しかもこの思想は徳川の治世になって植え付けられたもの。その方が体制維持に便利であったから。)徳川以前の武士を含め、多くの日本人のベースとなる精神があるとすれば、それは“家”の観念です。個よりも血を優先する考え方。家を守る(子孫を絶やさぬ)ことが重要。そのためには、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ。地べたを這いつくばっても家族を守る。この精神のほうが尊く、美しいと感じます。ですから、現代の私たちが抱く“武士道”の概念とは、遺伝子に組み込まれたような元からある類のものではなく、近代文化の中で整理されたものだと思います。“礼節を重んじること”や“潔しを宗とすること”ではないかと。私たちが世界に誇れる“武士道”とは、そういうことだと思います。決して捕虜にツバを吐きかけたり、負け戦において一人でも多く道連れにするような戦いを肯定するものでは無いはずです。生きることを前提としない戦い、守るべき家族をないがしろにする戦いに、美しさはありません。ただの自己満足だと思います。例えば勝元が自らの首を差し出して事態が収束するのであれば、迷わずそうするべきです。否定的な意見を述べましたが、渡辺謙がハリウッド進出の足がかりを掴んだことについては、素直に嬉しいですし、一娯楽作品としての出来が悪いとは思いません。外国で賞賛されるのなら分かります。
[地上波(吹替)] 5点(2006-12-12 18:05:39)(良:1票)
719.  親切なクムジャさん 《ネタバレ》 
自分は復讐そのものを否定する気はありません。人間が持つ、至極当然の感情だと思います。しかし“復讐しても死んだ人間は生き返らない”“虚しいだけだ”という声もあります。この意見も正しいと思う。いずれにしても“人間だから”どうすべきか悩むのです。本作の重要ポイントは、主人公が遺族を復讐に巻き込んだこと。いや正確にいうなら、遺族を巻き込む際に、主人公が“悩まなかった”ことです。普通は悩むはず。遺族にとって良いことなのか?知らずにいた方が幸せではないか?そういうことを考えるのが人間です。しかし彼女がそのことで、悩んだようには見えません。これはどういうことか。彼女は、自分の指を切って詫びるほど、他人の痛みを感じることが出来る人間です。遺族を巻き込むことに、ためらいが無いはずがない。彼女が“悩まない”のは、“人間であることを止めたから”だと思いました。遺族にしてもそう。いつもと変わらぬ(ように見える)振る舞い、事務的に制裁を加える姿が、とても恐ろしいと感じました。一線を越えたのだと思います。人間であることを放棄しなければ復讐は出来ない。一方、復讐をするのは人間であるがゆえ。哀しい矛盾がそこにあります。復讐の先にあったのは、“やすらぎ”か“苦しみ”か。いずれにしても、残された者はこれからも生きて行かなくてはなりません。本作のスタンスはニュートラルです。復讐を肯定しているとも、否定しているともとれます。この姿勢は良いと感じました。惜しむらくは、展開がやや平坦であったこと。物語的な面白さに欠けたことです。こと作品の求心力という点においては、前作『オールドボーイ』に及ばないと感じました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-12-11 18:24:02)(良:1票)
720.  タイムマシン(2002) 《ネタバレ》 
59年版と比べて、かなりエンターテイメント性に優れています。タイムマシン制作の動機も分かりやすく、ラブストーリー要素やアクション性も強い。本作最大のウリは、やはりタイムトラベルシーン。移り変わる景色を使い時間経過を見せる手法は59年版と同じ。映像技術は格段に進歩しているので見ごたえUP。というか、これがやりたくてリメイクしたのだと思います。単純に面白いのはリメイク版の方かもしれません。ただ本作は、59年版が持っていた哲学的なテーマ部分が抜け落ちています。ですから、余韻や深みという点でオリジナルに及びません。自分は59年版の方が好きです。しかし本作を否定する気はありません。これはこれでアリだと思います。過去を変えることが不可能だと悟った主人公。だから未来に希望を見出した。彼の心情は理解できますし、メッセージもポジティブ。オリジナルを単に焼き直すだけなら、リメイクの意義は薄い。真っ当なリメイク作でありながら、別の角度からアプローチしたことを評価させていただきたい。
[DVD(字幕)] 7点(2006-12-08 19:55:47)
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