761. 007/スカイフォール
《ネタバレ》 メインストーリーは出たとこ勝負。でも、アクションとスケールの大きな綺麗な映像があれば007です。MI6や諜報活動自体が過去のモノでは?、という問題提起はよかった。ボンド出生の地を見せてくれたり、サービス精神は旺盛。しかし、異色作は異色作。今後、これがメインストリームになる予感はしませんでした。【追記】「ボンド」って本名だったのですね。ご両親のお墓を拝見してしまいました。意外。というか、ちょっとマズくないか。 [DVD(字幕)] 5点(2013-06-28 10:23:47) |
762. 311
《ネタバレ》 まず監督が4人ってはどうなのよ。そんなの初めて聞いたよ。鑑賞後ネットでみた撮影者インタビューで「とてつもない出来事に対したときのメディアの後ろめたさがテーマである」、と森達也氏がいう。確かにラストシーン。所在なく夕日に照らされる中年4人組に寒心絶えない。しかし、題材が題材なだけに、いまそんなテーマでこれを世に問う意味は何なのか、と憤りを感じる。やはり同じ撮影者インタビューで「この映画をみたお客さんは、私たち(監督たち)に怒りを感じるはず」、と安岡卓治氏がいう。まんまとその通りですよと思いながら、ワタシは正直、森氏、安岡氏ともなんかうまいこと言っちゃって、としか思えない。 [DVD(邦画)] 2点(2013-06-25 19:02:45) |
763. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
《ネタバレ》 「ビッグ・フィッシュ」を思い出しました。彼の作は「ウソのような本当の話」でしたが、本作は「信じられないような事実、のようなウソの話」でした。いえ、命を守るためについた、誰も傷つけることのないウソはウソじゃありません。比べるもんじゃないとも思いますが、ワタシは本作の方が好き。 [DVD(字幕)] 9点(2013-06-22 12:39:30) |
764. みなさん、さようなら(2012)
《ネタバレ》 あれー、思ったよりもそうでもなかったぞ。中村監督も濱田岳氏も好きなのに。手堅いコンビのはずなのに。団地で生きていくことを決めた理由はいらなかったんじゃないでしょうか。種明かしが重すぎて、その後の展開にうまく乗れない。ただの団地好きの変わり者で良かったのに。作中でケーキ屋の親父さんが語っていたとおり、ただ単に「団地の中で一生を終える。広い世の中、そんなヤツが一人くらいいても」よかったんじゃないでしょうか。悟がドキュメンタリーの題材として扱われるシーンなどは好きでした。あと大塚寧々さん。なんかいい感じでした。 [DVD(邦画)] 4点(2013-06-15 00:13:14) |
765. ディア・ドクター
《ネタバレ》 鶴瓶がニセ医者の役をする、と聞いてだいたい想像がついたような気になってたモノです。なめててすみませんでした。逃走中に実家に電話するシーンが印象的。もっと謝らなければならないことがあるはずなのに。最初のつまづきがペンライトだったんでしょう。机の上でころがるカナブン、シンクで溶けていくアイスなど。小さなエピソードを塗り重ねて重厚感を作り出す。西川監督作品はこれで全部見てしまいました。次回作が待ち遠しい。【追記】「家族編」に入れられなかった以上、「喜劇編」に入れざるを得なかったのでしょう、山田洋次監督は。確かに、日本の名作100本の一つには違いないと思いますので。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-06-13 08:31:07)(良:1票) |
766. アルゴ
《ネタバレ》 事実に誠実に作っている感じが好ましかったです。あざとい演出がなくて、薄味なんだけどコクのある料理のような映画でした。カナダ大使館のイラン人のお手伝いさん、グッジョブ。 [DVD(字幕)] 6点(2013-06-09 00:43:01) |
767. 終の信託
《ネタバレ》 好感持てない塚原検事ですが、たぶん彼のジャッジは正しい。観客は早く江木の願いを叶えてやってくれと思っていたはずだが、そこに至るまでの折井医師の行いがマズすぎてヒヤヒヤする。子守歌のシーンは、目も当てられないほど。職分を超える判断に迫られた時の蟻地獄を見たような気がしますが、いかんせん重すぎる。せめてここで竹中直人が出てくれれば、と思ったのは初めて。 [DVD(邦画)] 5点(2013-06-02 07:45:41)(笑:1票) |
768. あなたへ
《ネタバレ》 失礼ながら、なんとかわいげのある方なのだ、高倉健さんは。なんかしてあげたくなる。声をかけてみたくなる。老犬が、目的地目がけて真っ直ぐ進んでいくかのようなセンチメンタルな本作。そこに、健さんのたたずまいに引きつけられた人々のエピソードが挟み込まれています。見たあとに静かな気持ちになれる映画。やっぱりよかった。【追記】たけしとの2ショットシーンでくっきりする大物っぷりもすごい。 [DVD(邦画)] 9点(2013-05-26 08:09:44) |
769. 蛇イチゴ
《ネタバレ》 マスダ君のお母さんはたぶんホントに病気なのでしょう。倫子の信じていたものがことごとく崩れていく。父も母も、恋人も。うそつきなはずの兄も、蛇イチゴを採ってきてしまう。西川監督のデビュー作。物語後半、こなれた感じの関西芸人が映画の雰囲気を全部持っていっちゃって、ぼやけてしまった。いや、宮迫氏がどうということではないのですが、つみきさんが受けきれなかった感じ。 [DVD(邦画)] 5点(2013-05-18 07:51:44) |
770. アウトレイジ ビヨンド
《ネタバレ》 世界のキタノのもとに集い、本作に携わった皆さんは楽しそうじゃのう。黒塗りの車と拳銃に囲まれながら、男だけで和気あいあいと。そんな仕事場の雰囲気が伝わってきます。ただし(だから)、ワタシには金持ちが映画ごっこをしているようにしか見えないんだ。同様の印象を持った「エクスペンダブルズ」と同じ2点にさせてもらいます。監督は、本当にいまさらこんなの作りたかったのだろうか? [DVD(邦画)] 2点(2013-05-12 16:08:34) |
771. ゆれる
《ネタバレ》 あのとき、衝動的ではあったが殺意を持って突き倒していたのだと思う。そう思わないと、オダギリの豹変と最後の笑顔が咀嚼できないんだ。しかし、観客はもちろん、作中人物や制作者すらもそうではなかったような気にさせるほど、あまりにも香川照之の演技がすさまじかった。そして奇跡のように本作が生まれたんだと思う。香川照之の傑作。【追記】でも、ナイツの塙にそっくり。 [DVD(邦画)] 10点(2013-05-04 09:51:36) |
772. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 ワタシは、「ベンジャミン・バトン」を思い出しました。彼の作はだんだん若返っていくだけであるのに対して、本作もオオカミの血を引いているだけ。生きていること、親子としてあることに、そう大して違いはないといっているようです。親が思っている以上に、子供はどんどん大きくなってしまう。旅立ちの時は、躊躇なく行って欲しいと願っているワタシですが、雨のように少しだけこちらを振り向いてほしいとも思っています。 [DVD(邦画)] 8点(2013-05-03 08:52:55) |
773. 夢売るふたり
《ネタバレ》 たぶん本物もこんな手口なんだろうし、こんな性格のヤツなんだろうと思わせる阿部サダヲの結婚詐欺師っぷり、描きっぷりがすごい。最初の玲子との関係の意趣返しで始めた犯罪行為なんだろうけど、それは里子が貫也のことが好きだから、なんて甘いことを考えているワタシは、所詮オトコです。 [DVD(邦画)] 9点(2013-04-29 20:13:19) |
774. 崖っぷちの男
《ネタバレ》 第一感は「達者すぎる」。敵役のヘマにかなり助けられていますが、展開がうまくいきすぎ。してやったり、とでも言いたげなラストシーン。ちょっと鼻につく。安い感じのダイハードかミッション:インポッシブルといった感じの作風は好き。というか、ルパン三世? [DVD(邦画)] 7点(2013-04-27 08:25:39) |
775. バスケット・ケース
いやー、これは良くも悪しくも見世物小屋。貧乏くさいいかがわしさを堪能したかったらこれもありかもしれませんが、終幕後なんてモン見ちまったんだという気持ちにワタシはなりました。 [DVD(字幕)] 3点(2013-04-21 14:52:09) |
776. 選挙
《ネタバレ》 「党員」の皆さんのメンタリティっていまいちよく分かっていなかったのですが、つまりこの悲壮感漂いつつも滑稽なお祭り騒ぎが大好きな人たちだったのね、と合点がいきました。なんの主義・主張もない落下傘候補こそ、彼らにとっては格好の御輿。翻弄される主人公候補者が気の毒になり、開票結果に安堵してしまいましたが、同時にあの皆さんのしたり顔にゲンナリもする。昨年の衆院選での自民党の圧勝。皆さん、今もご健在のようでなによりです。 [DVD(邦画)] 8点(2013-04-20 05:44:33) |
777. 希望の国
《ネタバレ》 今日的な舞台設定で、市川森一か山田太一の書いたドラマを見たような気分です。こんなのも撮れるんですか。園子温、恐るべし。夏八木勲、よかった。この映画は、とても高い可能性で起きる日本の近未来です。いいから、原発をとめろ。 [DVD(邦画)] 8点(2013-04-14 21:50:28) |
778. ロジャー&ミー
《ネタバレ》 うーん、なんだかなぁ。GMを糾弾しているように見せかけて、むしろ生まれ故郷を売り物にしちゃってるようなんだ。「弱者救済」の美名の下では、何をやってもいいんだよってな不遜な感じもなぁ。ただし、エンドロールはさすがマイケル・ムーア。 [DVD(字幕)] 5点(2013-04-13 15:19:24) |
779. アトミック・カフェ
《ネタバレ》 見応えのある作品でした。DVDジャケからもう少しポップな感じなものと思っていましたが、そういうものではありません。展開する映像は今見ればコントかと思うようなモノなのですが、笑えません。当時、この映像は善意のもとによかれと思って流されていたわけですので。観続けていくうちに、なんか既視感のようなものが芽生えてきます。少なくとも、今、自分らのことを棚に上げて観ることができる作品ではないはずです。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-07 14:47:29) |
780. バス174
《ネタバレ》 ラリったキ○ガイが、バスに立て籠もったうえ、ヒト1人殺しているんですから、本当に同情の余地などないのですが。何を訴えようと、テレビカメラと警官隊、狙撃隊そして特殊部隊に遠巻きにされ、ただ「観られているだけ」のサンドロが切ないです。事件終幕の決め手になったのは、人質の女の子の一言。ラストはドキュメンタリーでしかあり得ない。フィクションなら、こんな不愉快はないというラスト。勧めないけど、観る価値あり。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-07 09:25:30) |