761. ペントハウス
《ネタバレ》 導入部分がやや苦手。仕事が出来る人間で、しかも仲間思い。そんな人が仲間のために熱くなっちゃったせいで不利益を被るってのが好きになれません。 ジョシュは仕事にプライドを持っていて、従業員、客、全員を大事にしています。そんなジョシュを簡単にクビにしてしまう経営者にも腹が立つが、簡単に犯罪に手を染めようとするジョシュにも共感できません。 もちろんそーゆー作品なわけですから、腹を立てても仕方がない。でも腹が立っちゃったものは仕方がない。それだけオープニングのジョシュという人物に魅力があったわけです。なんかちょっと幻滅しちゃった感じでしょうか。 正直ずっと気持ちがノリきれないまま、もやもや見ていたのですが、最後に皆で力を合わせるのはちょっと良かったです。こーゆーの好きです。で、あっという間にみんな捕まっていくエンディングも良い。護送車の中でショウがもちかけた取引に、『タワーでチップは禁止です。』なんて切り返すのもお洒落じゃないですか。 従業員たちに年金代わりに純金を送り、ショウは遂に刑務所へ。勧善懲悪なのでラストはすっきり。ですが、その過程において、どーしてもこの人たちを応援しようという気持ちになれなかったので、点数は厳しめです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-12-06 01:16:25)(良:2票) |
762. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 てっきりニューヨークだけの話かと思ったら、もう世界中どこもかしこもこんな感じなんですね。それがわかるのは物語も終盤になってから。それって、もうちょっと最初のほうでわかったほうが良いんじゃないかと思います。自ら使命感で残っただけで、ニューヨークの外に出ちゃえば人類はいくらでもいるもんだと思いながら見ていました。だからニュースが流れているのかと。誤解したまま見ていたので、主人公の孤独感がつたわってこないまま、物語の佳境を迎えちゃいました。 ガンの特効薬がとんでもない代物で、免疫がない人は死んじゃう、もしくはクリーチャーになっちゃう。ありがちだけど、好きですよ、そーゆーの。ただクリーチャーがねえ・・・。いっそゾンビみたいなもんにしてくれたほうが良かったです。知性はいらんでしょ、こーゆーのに。 ずーっとひとりぼっちでやられ役がいないっていうのも、こーゆー映画ではツラいところ。唯一のやられ役が犬ですからね。 で、マネキンに話しかけちゃうくらい人との会話を欲していたのに、やっと出会えた女性への対応の仕方があまりに不自然。ここはまず生きている人間に出会えたことの感動を前面に出すべき。この辺りからウィルスミスに感情移入するのが難しくなりました。 総評として、つまらなくはないのですが、『ウィルスミス』『無人のニューヨーク』『制作費』『好きなジャンル』という点を踏まえれば、もっともっと面白く出来たんじゃなかろーか。 はっきり言って、回想シーンのほうが興味をひかれてしまったので、『世界が終わった後』ではなく、『世界が終わるまで』を見てみたかった気がします。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-12-03 04:05:53) |
763. REC:レック/ザ・クアランティン
《ネタバレ》 オリジナルとほぼ同じストーリー、テイスト。RECのファンなので、ほぼ同じように作ってくれたのは逆に嬉しい。 建物内に簡単に入れちゃうのがミソですね。何の変哲もないアパートに、取材で入る。入るときには、もう二度と外に出られないなんて夢にも思わないことでしょう。『後の祭り』『一寸先は闇』って感じが良い塩梅です。 ゾンビものとしてはパーフェクトな仕上がり。ただこれはオリジナルの功績ですね。感染者が少しずつ増えていく恐怖感がたまりません。 外に脱出しようと出口を探すものの、紙一重で封鎖されてしまう。どんどん逃げ場がなくなっていく。『隔離』の恐怖演出も十分に堪能できます。 オリジナルは『1』~『4』まで鑑賞済み。女の子の父親が犬を病院に連れて行ったエピソードは『3』を思い出したし、地下から逃げ出せるという話は『2』を思い出して嬉しくなります。もう一回オリジナルを見てみたくなってきました。そーゆー気持ちにさせてくれる作品です。 主演女優だけがイマイチかな。ちょっとおばさん臭あるし。リメイクするならオリジナルよりかわいい女優さんを起用してほしいものです。 ただアンジェラって名前もそうですが、至る所にオリジナルへのリスペクトが感じられるのは嬉しいです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-12-02 10:05:04) |
764. アイアンマン2
《ネタバレ》 『1』と同じくらい好き。ラストバトルだけでいけば前作よりちょっとだけ好きです。 アイアンマンとウォーマシンのタッグがめいいっぱい闘ってくれるシーンが楽しい。ドローンたちもやられ役としてちょうど良い。ウィップラッシュはクールなボスキャラとして合格点。まだ『2』ですから。『強すぎない』というのが大事。特にモナコでの登場シーンは最高。ワクワクさせられます。 スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウも最高にかっこいい。良いですね。こうやってちょっとずつキャラが増えていき、その世界が少しずつ広がっていくのがシリーズものの醍醐味。普段は黒子に徹しながら、いざというときだけ本領を発揮するブラック・ウィドウ。こーゆーキャラが特に好きです。 ストーリーをジャマしないコメディが◎。監督が必死に一人倒している間に、警備員全員が倒されちゃうシーン。世紀の大発明、芸術作品ですらある『別れた妻』。この辺りは完全につぼ。 今作ではアイアンマンのヴァージョンアップも見られます。手から出るレーザーでドローンたちを一刀両断。あつい。 ヴァージョンアップまでのプロセスも良いですね。父親のメッセージっていうのが泣かせます。模型がヒントになるっていうマンガ的発想が楽しい。 マンガと言えば、ウィップラッシュはグフ、ウォーマシンはガンキャノン、ドローンたちはその他ザコMSを連想しちゃったのは僕だけですか? [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-11-30 11:45:09)(良:1票) |
765. ゴーン・ベイビー・ゴーン
《ネタバレ》 よくある幼児誘拐。ミステリーサスペンス。と思いきや、実は善悪の判断基準を問うドラマ性の強い作品。法律に照らし合わせればドイル警部達は加害者で母親は被害者。しかし法律という枠組みを取り、倫理やモラルといった人間的視点で考えてみると、確かにドイル警部たちはアマンダの救世主なのかもしれない。 職業柄、そしてその経験上、レミー、ドイル、ライオネルはネグレクトな母親の元にいるアマンダの末路が見えていたのでしょう。そして法の壁の前では救えないことも。ヘンリーの逃亡計画を知ったライオネル達が強行手段に出たのは仕方ないのかもしれません。 パトリックの活躍により事件は明るみに出てしまいます。アマンダのことを一番に考え心配していた人たちは、一人残らず不幸な結果となります。叔母のビーは追い出され、レミーは死に、ドイルとライオネルは逮捕されます。事件を解決したパトリックは探偵料をもらえないどころか、最愛の人を失ってしまいます。麻薬におぼれ、娘への愛情が一番薄い母親だけが幸せな結末を迎えるという皮肉。 こーゆー映画ならではの、すべての謎が明らかになったときのカタルシスは微塵も感じられません。 見ている間は引き込まれますが、見終わったあとには充足感より虚無感が圧倒的に勝ります。 映画としての完成度は高くとも、好きか嫌いかで問われれば間違いなく好きではない作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-11-29 03:32:52) |
766. ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船
《ネタバレ》 いやー、全然悪くないです。面白いです。みんなの才能が入れ替わっちゃうアイデア、ありきたりですが面白いですよね。それぞれ慣れない才能にあたふた。特にイリデッサは最高。どんどん植物が育っちゃう。安定感抜群のエンターテイメント。 なんですが、ただ、ただねえ。心の狭い私は、ザリーナの無罪放免にどうしても納得がいかんのです。それどころか、のうのうとピクシーホロウに戻ってきて、あまつさえショーの主役やって拍手喝采って、開いた口が塞がらんです。 だって、ザリーナのやったことって、不可抗力じゃないよ?故意だよ?犯罪だよ? 『粉の番人は粉に手を加えちゃいかん。危険すぎる。』ってあれだけ言われていたのに、手を加えて、大事故どっかん。でもそれくらいだったらティンクもやっているから別に良いです。不可抗力だし。 問題はその後だよ。逆恨みして全員眠らせて、青い妖精の粉を盗んで、そのままとんずら。いやいやいや、ティンク達がいなかったらピクシーホロウは壊滅していますよ?クランクがいなかったら冬の妖精たちは死んじゃっていたよ?それを故意にやったんですよ? せめて、クラリオン女王達がザリーナのやったことを全部承知のうえで、それでも許すっていうのであれば、まだわかります。でも実際は、命の危険にさらされていた事実を知らされないまま、ザリーナを受け入れてしまう。それって、ザリーナたちだけじゃなくて、ティンクたちも後ろめたくはないんですか? もちろん、そんな野暮なつっこみする作品ではないことは百も承知なんですが、・・・だって気になるんだもん! [ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-11-26 01:44:25) |
767. ラブ・アゲイン
《ネタバレ》 安定ラブコメ。突然妻から離婚をつきつけられるキャル。バーでぐちっていたら、イケメンジェイコブ登場。なんだかんだの師弟関係成立。『よーし、かっこよくなるぞー』ってなちょいサクセスストーリー的展開がまず面白い。ヴィジュアルの次はナンパ指導。そこはどーなのって思ったのですが、これが中盤のいざこざにうまくつながっていて面白い。 うん、よくできたラブコメです。脚本が良いのか、監督が良いのか。なんてことないストーリーが、凄く楽しく感じられるタイプの作品。登場人物が個性的で、みんな楽しそうなのが良いです。セリフのやりとりも面白い。 『みんな。ガンじゃなかった。ただの離婚だ。』と喜ぶ上司。湧き上がる拍手。ニューバラを捨てちゃうジェイコブ。ひっかけた女は息子の担任。コメディセンスが完全に自分好みなんですよね。大分笑っちゃいました。 基本的に悪人がいないので、刺激は少なめですが安心して見られる作品。その中でも、私は主人公のキャルがお気に入り。仕事もできるし家族思い。夜中にこっそり庭に忍び込んで庭の手入れをするシーンが超好き。まあ、はっきり言ってかなり良い父親なだけに、奥さんが離婚を望むはっきりとした理由は欲しかったかもしれませんね。いわゆる倦怠期、中年の危機ってやつなんでしょうが、それだけで離婚するかなぁ・・・。 基本はコメディなんですが、夜中に家の庭にキャルとエミリーが電話をするシーンが胸に染みます。実は用なんてないのに、電話をしてきたエミリーに感動するキャル。さりげない名シーンです。 最後の卒業式での演説。あれだけがちょっと苦手。大勢の前でプライベートな話題を堂々と話すっていうシチュエーションが昔から苦手なんですよね。急に作り物っぽく見えちゃって。それだったら、庭での全員集合で全部決着つけて、『はい、おわり。』ってしてもらったほうがすっきりです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-11-25 04:05:48)(良:1票) |
768. ミスト
《ネタバレ》 まずはパニック映画としての面白さ。台風の後、スーパーへ買出しに行く主人公一家。奥さんはお留守番。そこへやってくる霧。一人の男が『霧の中に何かがいる』と流血しながらスーパーへと駆け込んでくる。真っ白な霧の中から聞こえてくる悲鳴。地震のように揺れるスーパー。この一連の流れがパニックムービーとして最高。突然崩れる日常。これがパニックムービーの醍醐味。導入部だけだったら満点です。 次に訪れる恐怖が、閉鎖空間での人間心理の崩壊。変人扱いされる宗教狂いのカーモディ。ところが次第に状況が悪くなってくると、そのカーモディの崇拝者が一人、また一人と増えていく。徐々に変化してゆく勢力図。そしてここから描かれるのが群集心理、集団催眠、集団パニックの恐怖。今まで隣人であった人が隣人でなくなる恐怖。対等であった人間関係が対等でなくなる恐怖。 この映画で一番怖かったのは、若き軍人が糾弾されるシーン。軍人であるまえに地元の若者。レジの店員とは恋仲。にも関わらず、地元の人から刺され、生贄として放り出されてしまうシークエンスは凄惨すぎます。『人は優しいが、人々は残酷だ』というタゴールの言葉を思い出します。 この映画で犠牲になる人って、善人が多いです。『死』の前では『善人』も『悪人』も皆平等ということでしょうか。 そしてラスト。この絶望的なラストがなければ8点~9点くらいだったのですが。善き人たちの辛い死を乗り越えて、それでもこの人たちだけでも助かれば報われると思っていたのに、あんまりすぎるラストです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-11-22 14:03:45)(良:2票) |
769. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
《ネタバレ》 前半はちょっとつまらない。アクションやらギミックやらは面白いんですが、ストーリーがいまいち。空想アドベンチャーなのに説明不足で、何を目的に動いているかがわかりづらいのです。オックスなどの登場人物の説明もいまひとつではないでしょうか。状況が整理できないまま、物語だけがばんばん進んでいく感じが正直自分と合わないです。 中盤。マリオンと再会。この辺からちょっと面白くなってきます。 『車上でのイリーナVSマットのフェンシングバトル』『軍隊アリ』『お猿ターザン』この辺結構好きです。 ディズニーシーに行ったので、遺跡が出てきたときはテンション上がります。 ラストのオチは意味不明。そこにあったものを元に戻しただけなのに、なぜ宇宙に行っちゃうの?厳密に言うと『宇宙と宇宙の狭間』らしいけど・・・いや、そこどーでもいいしね。 なんかもっと、爽快な冒険活劇にふさわしいハデなハッピーエンド、夢のあるクライマックスが見たいものです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-11-19 01:06:04) |
770. REC/レック4 ワールドエンド
《ネタバレ》 船。軍。政府。隔離。そして海の上。非日常。からの、ゾンビパニック。そのきっかけは、まるで28日後・・・。 ゾンビパニックってね、日常の崩壊が醍醐味の一つだと思うんですよね。いきなり非日常からスタートされちゃうと、その面白さが半減しちゃうわけです。登場人物も、軍の関係者や政府の人間ばかり。あとは船乗り。これではちっとも面白くないんです。 『密室での恐怖』を感じられる良さはあります。船内が入り組んでいるため直線距離が短く、足音でゾンビたちの接近を知らせる演出は結構好き。ゾンビ映画として一定の迫力、クオリティは保っています。ですので飽きはしません。 ただ面白いかと問われれば、う~ん。 前半ダラダラしときながら、気付いたら船内に感染が広がっちゃっている始末。徐々に感染が広がっていく恐怖っていう、もう一つの醍醐味もないんですよね。 救命ボートを手に入れてからは、『助かるかも』という一縷の望みが感じられるため、ラストは結構ハラハラできます。だからくどいようですが、ゾンビものとしてはそこまで悪くないんですが、レックシリーズの中では一番いまいちだったかな・・・。これだったら少年少女が巻き込まれちゃう『2』のほうがまだまし。 どうやら私は、ゾンビパニックに軍関係者の割合が増えると、白けてしまうらしいです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-11-18 03:10:57) |
771. その土曜日、7時58分
《ネタバレ》 物語が悪い方向へしか進まないので気が滅入ります。 ハンクは真人間だけどダメ人間。アンディは多少頭がきれるみたいだけどクズ。このどーしようもない兄弟がにっちもさっちもいかなくなって犯罪にはしる。強盗するのは両親が経営する宝石店。『店は保険に入っている。損失分は保険がでる。』なるほど、個人的に好きなタイプのプロットです。 ただ、この映画、時間軸が行ったりきたり。その都度主観がアンディになったりハンクになったりチャールズになったり。それはそれで面白いのですが、あまりに多用するから全体のテンポを悪くしている気がする。 それに、主観が変われば『ああ、そーゆーことだったのかぁ』という種明かしを楽しむものなんでしょうが、この映画にはそれもないんです。映画のテンポを悪くしてまで時間軸をずらし主観をわざわざ切り替えるメリットがあまりないように感じます。 説明不足の部分が多いのも無視できません。 ハンクはともかく、アンデイはなぜお金が必要なのか。会社でいったいどんな不正をやらかしたのか。それにラスト、ハンクのその後はどうなっちゃったのか。どれもこれも教えてはくれません。結構知りたい部分なのに。父親への感情を車の中でぶちまけるシーンも説明不足のせいで唐突な印象を受けます。さらにはそれを理由に奥さんが出て行ってしまうのも意味わかりません。 父親チャールズがアンディを殺して終わりという救いようのないオチが素敵でした。バッドエンディングは好みではありませんが、この映画には合っていたと思います。アンディの人生における罪の帳消しはどちらにしろ『死』以外はありえなかったでしょうし。アンディを殺すときの父親の形相はこれまた最高でした。 とはいえ、ハンクのことがほったらかしである以上、やはり消化不良感は拭えないのです。 [DVD(字幕)] 5点(2019-11-16 00:43:35)(良:1票) |
772. マイティ・ソー
《ネタバレ》 CGや映像は派手できれいで迫力あって良い感じ。ただその質感、ヴィジュアルは、『映画』というより『ゲーム』の世界のよう。神話の話や映像は嫌いではないんですけど、なんかちょっとだけ、自分が見たいものとは違うものを見せられた感じがします。 ストーリーは、神様の世界でのごたごたがいまいち面白くないです。ソーが地球に追放されてからが、俄然面白くなりますね。 『このソーにそんなものが効くか。』⇒ビリビリビリ。『お前らなどにやられはせん。』⇒注射ブスっ。このあたりがかなり笑えます。バックした車にはねられるのも見所のひとつ。 アクションは、地球でのVSデストロイヤー戦がこの映画のクライマックス。面白かったのはそのあたりくらいまでかな・・・。 ソーの仲間たちは序盤では頑張っていたのに、後半は見せ場がほとんどなくて物足りない。 ロキはただのかまってちゃんで、巨人も神も人間も、ただそれに巻き込まれただけ。なんともスケールの小さい話で、巨悪というものが存在しないから、勝利で得られるカタルシスなんてあろうはずもない。 『氷の巨人たちが再び地球を侵略する。地球を守るため、ソーたちアスガルドの神々が立ち上がる。』なんてのを勝手に想像していただけに、なんとも期待はずれの内容でした。 そしてこの内容に対してこの時間、この尺。これをまさに『冗長』というのでしょう。 ちなみに、『ヘイムダル』と『デストロイヤー』はキャラとしてかなりお気に入りです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-11-12 04:07:39) |
773. ティンカー・ベルと輝く羽の秘密
《ネタバレ》 なるほど。悪くないですね。ただ、テイストは『3』のほうが好きです。 今作は、安定した面白さではありますが、ストーリーとオチが弱い。 『実は双子の姉妹がいました。』っていうおいしい設定が、エンターテイメントや感動にまで昇華されていない感じがします。なんかただの異文化交流で終わっちゃったのがもったいない。とは言え、その異文化交流でシルバーミストやフォーンたちがペリウィンクルをもてなすシーンはかなり良いです。 後半はうって変わって突然の災害パニック。ミロリが『雪製造マシーン』を川に叩き落したことで、まさかまさかの大寒波襲来でピクシーホロウ壊滅の危機。予想はできても急展開。『どーなんの、どーなんの、なるほど、そーなんの。霜で覆う。へえ~。ほんとかね~。そんでそんで、・・・お日様が照って・・終わり。』 う~ん、なんだかなあ。せっかくティンクとペリウィンクルの『羽コラボ』って必殺ギミックがあるんだから、それを使って季節のバランスが元に戻るとか、そーゆー奇跡が見たかったなあ。 コートを着て、羽を霜で保護すれば、ピクシーホロウの妖精たちは冬のエリアに行けるっていう幸せなオチは良かったですね。 終わりよければすべてよし。 ちなみに、ブルーレイディスクの特典おまけ映像に収録されている『ロゼッタ奮闘記』は本編よりお気に入り。ちょっとハリーポッターとマリオカートのパクリっぽい気がしないでもないですが、面白いです。おまけのくせに20分くらいあります。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-11-10 23:58:53) |
774. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 おそらく賛否両論あるであろうラスト。もしかすると『否』のほうが多いかもしれません。 ですがきれい事ばかりでラストをしめくくる作品より、私は人間の本音をあるがままに描くこーゆーラストにぐっときます。 重要なシーンがあります。注文していた結婚式の招待状が届くシーン。幸せだった頃の自分たちを思い出す重要なシーン。良くも悪くも、怒りは時とともに風化していくものです。このシーンはその風化をくいとめる重要なシーン。冒頭の結婚式の打ち合わせをする幸せそうなシーンが蘇り、犯人を許すなという気持ちに一気に引っ張られます。 この映画はエリカ・ベインの人物描写が凄く良い。ジョディ・フォスターという名優が演じているというのもあるでしょうが、脚本と監督が良いのだと思います。 警察署に行き捜査状況を確認。見事なまでのお役所対応。長時間待たされたエリカは意を決してガンショップへと行ってしまう。このときのエリカの気持ちが痛いほど伝わってきます。誰が彼女を責められるでしょうか。 1度目のコンビニ殺人⇒正当防衛。2度目の地下鉄殺人⇒過剰防衛。このあたりの、エリカの心境の変化の描き方が抜群に上手い。3度目も結果正当防衛ではありますが、そもそものきっかけが『巻き込まれ』ではないのが今までと違います。そして4度目とクライマックスは、遂に自分から狩に出ます。エリカの理性が少しずつ失われていく様子が、無理なく自然に描き出されています。 辛いストーリーなので満点はつけづらいですが、ドラマ仕立てのサスペンスとしてはほぼ満点の出来。 同じアパートのスーダン出身の女性の存在感が抜群に良い。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-11-06 12:16:55) |
775. REC/レック3 ジェネシス
《ネタバレ》 舞台は違う。アンヘラは出ない。でもこれを1本のゾンビ映画として見た場合、私はかなりよく出来た作品だと思いました。 無駄とも思える冒頭20分の結婚式のくだり。この20分と後半60分の惨劇の対比。日常が侵食される恐怖。これこそがゾンビ映画の醍醐味。 厨房。披露宴会場。中央管理室。中庭。教会。地下道。教会を除く全ての場所にゾンビが登場。すべての場所に惨劇とドラマを用意。短い尺の中、これだけの要素をテンポよく盛り込んでくれたことに拍手を送りたいです。 クララを助けに行ったコルドと、脱出するクララのニアミスは焦燥感を募らせます。再会を喜び合ってキスをするのは勘弁してって思います。どう考えたったそんな場合じゃないでしょ。 ラファやナタリー、スポンジ・ジョンや調査員、そしてアトゥンなど、モブキャラの存在感が良い。それぞれの壮絶な最期も良い。 監視カメラの映像で見るバス襲撃の惨劇、更にはその背後のTVに映る、『1』のアパートのニュース映像。これはシリーズの特性を活かした名シーン。ゾンビパニック映画としても屈指の名シーンだと思います。 ラストの切な過ぎるバッドエンドも申し分ない。 あえて意見を言うとしたら、叔父さんがゾンビになってからの展開が早すぎる気はします。1作目では、少しずつ感染者が増えていく恐怖というものが描かれていました。こちらでは、あっという間にサバイバルに突入し、あとは『戦う』『逃げる』の繰り返し。1作目にあった、マジョリティから徐々にマイノリティへと追い詰められていく恐怖は感じられなかったですね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-11-06 11:58:15) |
776. ウォーリアー
《ネタバレ》 久しぶりに映画を見て泣きました。しかもなぜ泣けるのかがよくわからない。『感動させよう』というあざとい演出もないし。ただ男達が殴り合っているだけなのに。ブレンダンがロシアの優勝候補の選手と戦っているあたりからもう涙がとまらんかった。 戦場で何かがあった、秘密を抱える天才格闘家トミー。娘の治療費で家のローンがピンチ!家族と家を守るため、決死の覚悟でリングに上がるトミーの兄ブレンダン。 圧倒的な強さで勝ち上がるトミーにはヒロイズムを感じ、奇跡の逆転劇を繰り返すブレンダンに感動する。 実況やニュースキャスターを利用した盛り上げ演出もすごく上手い。ブレンダンの教え子たち、校長、そして妻、みんながブレンダンを応援する様子がぐっときます。最初は携帯からの連絡を待ち、次はTVで応援し、最後は会場まで応援にいっちゃう奥さんが最高に良い。『賞金をもらう前にあなたの生命保険を受け取ることになるわ』と辛らつな言葉の中にあふれる愛情、名台詞です。 ノンフィクションでは描かれない人間ドラマ、戦いの背景、そこに至るまでのプロセスを映し出してくれるのが映画の最大の長所だと思います。長尺を感じさせない、充実した時間を過ごすことができました。 ・・・2人はその後どうなったのだろう。ナレーションでも良いので、トミーとブレンダン、そしてその家族がどうなったのかちょっと知りたかったですね。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2019-11-06 11:31:19) |
777. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
《ネタバレ》 3作の中では一番好き。アドベンチャーあり。サプライズあり。謎解きあり。それでいてコメディテイストが自分好み。古い映画だけあって、あんまり『ハラハラ』とか『ドキドキ』とかもはや出来ないんだけど、見ている間は面白いんです。 特にクライマックスの『3つの試練』。これは良い。1作目の冒頭を思い出します。これぞアドベンチャーでしょうって感じの遺跡がアツイ。 ナチスの隠れ家からの脱出は完全にコメディ。でもこれはこれで面白かった。壁がぐるぐる回るのは相変わらずドリフのコントみたいだし。ただこのシリーズはそーゆー能天気なテイストだと思いながら見ていたので、今回はドリフすぎる演出もさして気にはならずに楽しめました。 ただこの内容に対し、『最後の聖戦』ってサブタイトルは完全に名前負けのような気もします。原題の『ラストクルセイド=最後の十字軍』のまんまで良かったのに。 最後にストーリーですが、インディ・ジョーンズに依頼した人物が黒幕っていうのが、正直ちょっと意味がわかりません。そもそも依頼する意味がないと思うのですが。そこだけはどうしてもひっかかりました。 [DVD(字幕)] 6点(2019-11-05 04:58:08)(良:1票) |
778. ストレンジャーズ/戦慄の訪問者
《ネタバレ》 理不尽サスペンス。ファニーゲームに近いかも。 恐怖は深夜のノックから始まる。単純で、いつでも誰にでも起こり得るからこその恐怖がある。 最初、女が訪ねてきたとき、玄関の明かりが消えていて顔が見えない。その後は徹底してマスクで顔を隠し、まったくその正体を明かさない。そして声も出さない。徹底しています。 クリスティンとジェームズが捕まったとき、ついに3人はマスクを取ります。もう顔を見られても平気だから。顔を見せることで、これから二人の身に起こるであろう惨劇を示唆。この辺の演出が凄くうまい。まさに戦慄の訪問者です。 3人が、マスクを外さず、声も発さないので、その感情は全く見えません。3人が『得体の知れない何か』に記号化されることで、人でありながら『人ならざるもの』の恐怖を纏うことに成功しています。単純で小規模な設定ながら、大変見応えのあるサスペンススリラーに仕上がっています。 いくらでも逃げられそうな状況なのに、あえて家の中に戻ってくる不自然さ。リヴ・タイラー演じるクリスティンの行動に幾度と無くイライラ。ラストの子供の手をつかむサプライズも、せっかく作り上げたこの映画の完成度をぶち壊しているので蛇足。 『家から離れられない必然性』『二人の行動の整合性』これがもう少しあれば、より見応えのある作品になったかもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2019-11-02 01:27:08)(良:1票) |
779. REC/レック2
《ネタバレ》 これを単体で見た場合、そんなに悪い作品ではないと思います。 まず前半。SWATと神父の編成チーム。主観映像による体感型お化け屋敷。もしこれだけだったら物足りないことでしょう。そこで、後半は若者3人組と消防士、おっさんの編成チーム。混乱しない程度に時間軸を戻し、今度は若者3人組の視点で建物散策。こーゆーテイストは、個人的にかなり好きなんです。 ただし、前作の続編として見てしまった場合、この作品が周囲から叩かれちゃうのは無理なからぬこと。前作で作り上げた素晴らしきRECの世界観。ものの見事にぶち壊しています。そりゃみんな怒りますよ。 一番良くないのは、『悪魔憑き』にしちゃったうえ、『知能』をもたせ、『おしゃべり』までさせちゃったこと。これによって不特定多数が次々に感染するゾンビパニックから、『神父VS悪魔』っていうなんともチンケなタイマン方式に成り下がってしまったのです。多分みんながRECに求めるものって、『ゾンビパニック』と『アンヘラのタンクトップ』であって、エクソシストではないと思うんですよね。 最後に、個人的に好きな演出をひとつ。ビデオカメラが落ちた状態で、人々の怒声や叫び声だけが流れるシークエンス。『REC』というタイトルにふさわしい、設定を活かした演出。こーゆー恐怖感の煽り方って、なんだかすごく好きです。 [DVD(字幕)] 6点(2019-11-01 23:39:21) |
780. 処刑山 -デッド・スノウ-
《ネタバレ》 前半から中盤にかけての思わせぶりな雰囲気は、一昔前の正統派ホラーを思い起こさせます。意地の悪い見方をすれば『テンポが悪い』『だらだらしている』と捉えられちゃいますが、私はこの雰囲気が結構好き。 後半、ナチスゾンビが現れてからは一転。今までのことが無かったかのようなはっちゃけぶり。 ノルウェーホラーっていうのを初めて見たのですが、こんなB級バカホラーを撮れるなんて、親近感湧いちゃいます。 俳優さんも知らない人ばかり。最後まで誰がやられるのかわからないのが良いですね。主役顔のイケメン、かわいい女優さん。意外にも先にリタイアしちゃって、最後に残ったふたりは、まさかのおまえらかいっていうメンツ。予測できない展開。 話は変わりますが、B級バカホラーって全滅パターンが意外と多くないですか。確かに全員やられちゃったほうがすっきりするかもしれませんが、個人的には何人か助かってプチハッピーエンドみたいな終わりかたのほうが好きなんですよね。全滅パターンのやつを見るといつも思います。 また、この映画ってちょっと敵の数が多すぎです。無尽蔵できりがない。『助かるかも』っていう希望的観測が生まれない。だから諦めの雰囲気のほうが強くって、緊張感より脱力感のほうが勝ってしまう。そこがいまいち。 グログロは結構頑張っていると思います。スプラッタ好きであれば満足できるんじゃないかな。 [DVD(字幕)] 7点(2019-11-01 11:36:26) |