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コメント数 1966
性別 男性

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841.  アンリエットの巴里祭 《ネタバレ》 
なるほどね。オープニングと終わりが何とも洒落ていて良い。共同で一つの映画を書こうとする二人の男、この二人がまるで性格が違う上に互いが相手の描く理想とするシナリオに対して文句ばかり言ってる。そんな二人のやりとり、あの床屋さんでの会話とそれを見ていた二人の女が喧嘩に発展と何から何まで滅茶苦茶である。その滅茶苦茶さが面白い。アンリエットの巴里祭というタイトル、上手いですなあ!アンリエットの怪しげな女の魅力も感じられ、そうそう、みんなで夜空に打ち上げられた花火を眺めるシーンなども良い。話そのものは特に凄い面白さを感じる作品ではないが、良きフランス映画の香りが漂う映画作りを感じることが出来るという意味でなかなかの作品!
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-06-23 20:44:24)
842.  白い馬(1952) 《ネタバレ》 
白い馬、正にタイトルが示すように白い馬の美しさ、そして白い馬に引きずられる少年、それを映すカメラ、この美しさの前には話なんてどうでも良く思えてしまいます。とにかく何もかも本当に美しい。モノクロだからこそ引き立つ美しさ、それにしてもあの白い馬が海を走るシーン、白い馬同士の格闘シーンの躍動感、迫力、これは白い馬の名に相応しい生きた馬のドキュメントでも見ているような作品と言って良いぐらいとにかく馬の美しさ、それに負けないぐらい少年の美しさも圧倒的である。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-06-21 19:53:31)(良:1票)
843.  ひき逃げ 《ネタバレ》 
怖い。女の恐ろしさ、矛盾している社会に対する思い、その両方が何とも恐ろしく描かれている。成瀬映画としては異色の作品である。成瀬映画において、人が死ぬ場面をここまでリアルにそして、直接的に見せるのは私は初めて見たような気がする。高峰秀子の息子が自動車に跳ねられる場面、今までの成瀬監督ならばあの場面は描かずに省略しているはずが、今作はその場面を見せている。他の成瀬映画とは明らかに違う。そして、この映画、二人の女、被害者の高峰秀子と加害者の司葉子、この二人が一緒にいる場面の恐ろしさ、子供を殺された恨みを果すべく家政婦として忍び込む女、高峰秀子、何度と出てくる電話の場面、司葉子の怯える姿とそれを見ている高峰秀子の眼差しに、女の怖さ、男には出させない女だけにしか出せない怖さ、恐ろしい部分を全て見せつけるこの容赦なしの演出などは成瀬映画を見ていながら何だか増村映画でも見ているかのような錯覚に陥る。小沢栄太郎のあの憎たらしい奴ぶり、自分のことしか考えてないような奴ぶり、こういう憎い男の本性を演じると本当に憎たらしいほど上手さを感じてしまう俳優である。そんな小沢栄太郎に良いようにされる佐田豊の何とも哀れな男、何だか黒澤監督の「天国と地獄」のあのタクシー運転手と重なって見えてきます。加藤武の警官、これも「天国と地獄」を思わせるし、黒沢年男についてはかなり浮いてしまっているし、司葉子の子供との死に顔の美しさの中には罪の意識から死ぬことで罪を償おうとした女としての悲しさが伝わってきて見ていて本当に辛い。辛いと言えばあのラストの高峰秀子、女の子を自動車から守ろうと必死になっている姿もとにかく辛い。この映画はサスペンスとしてよりも殺された子を持つ親の辛さ、そこに重点が置かれているように私は思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-14 10:05:02)(良:1票)
844.  巴里のアメリカ人
う~ん?アカデミー賞ねえ!悪くはないと思うけど、それほど大絶賛出来る内容でもなかった気がするし、これにアカデミー賞挙げるぐらいなら同じジーン・ケリー主演なら「雨に唄えば」に挙げるべきではないかと思う。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-13 21:12:50)
845.  エグゼクティブ・デシジョン 《ネタバレ》 
いや~凄い!スティーブン・セガール!主役であるカート・ラッセルよりもある意味、インパクト大!あんなあっけなくいなくなってしまったのに、完全に脇役なのに、それなのに、それなのに、今までのどのスティーブン・セガールよりも良い。まあ、こう言っちゃ何だけど、間違いなくスティーブン・セガールの出ている映画の中で一番、面白いし、こんなに出番少ないのに、それが最高傑作であるこの俳優、ある意味、本当に凄い俳優だ!この映画、アクション映画としても、普通の映画としても十分に楽しめた。その要因はやはりスティーブン・セガールの退場劇!普通の俳優ならばここでなあ~んだ!となる所がそうならない。スティーブン・セガールのことだから絶対にまた戻って来て、俺は生きてるぜ!というふうになると思わずにはいられない緊張感、別の意味での緊張感、これ、私はDVDでの観賞だから良いけど、もし映画館で見てたら、タイトル言うだけで、舌を噛んでしまいそうだし、何しろやたらと点ばっかりのタイトルで、もう少し言い易い。誰にでも覚え易く、言い易いタイトルにして欲しい。色んな意味でハラハラする映画です。ところであの美しいスチュワーデス、ハル・ベリーだったのか!それにしても主役のカート・ラッセル、凄く可哀想です。だって、主役なのに、友情出演、直ぐにいなくなってしまうスティーブン・セガールばかりやたら語られるなんて、本当に可哀想です。と言いながらも私も何だかスティーブン・セガールのこときり書いてるなあ!まあ、色々と突っ込み所も満載だけど、一級の娯楽作品として楽しむことが出来たので8点ということでこの映画についての感想を終えたいと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2009-06-11 22:13:09)(笑:1票) (良:2票)
846.  中山七里(1962)
市川雷蔵主演の股旅物で原作は長谷川伸!股旅姿の市川雷蔵も悪くはない。しかし、何だか市川雷蔵という俳優の持っているニヒルさが足りない気がして物足りない感じがする。モノクロの映像の美しさ、市川雷蔵が想いを寄せる中村玉緒の可愛さなど見所であるが、やっぱり何か物足りない。殺陣のシーンの迫力もいまひとつなのと、それとあの橋幸夫の歌が突然、入ってくるのは違和感を覚える。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-06-07 16:05:24)
847.  大丈夫日記 《ネタバレ》 
笑った。笑った。チョウ・ユンファの大馬鹿ぶりとその親友のやりとり、あのデフ警官も面白いけど、何と言ってもチョウ・ユンファのアホ全開にはとにかく笑える。二人の美しい女性を口説いて奥さんにって、良いなあ!あんな美人二人相手なら少しぐらいの屈辱にも耐えられるかもしれない。病院でのやりとり、エレベーター内でのやりとり、ジョイとサリーの二人とのやりとりがとにかく面白い。二人の女優の本当に美しさ、可愛さを前にして重婚していることを何とか親友の手を借りて誤魔化そうとするそのアホぶりも微笑ましい。どっから見ても完全なB級映画なんだけど、馬鹿馬鹿しさ満載、それでいて、最後のオチもなかなか決まっている。チョウ・ユンファのアホぶりだけで見ていて楽しくて良い。Dr.スランプアラレちゃんの物真似など出てきたのにはびっくりさせられたが、それにしてもあの二人の女優、ジョイとサリーが結局はチョウ・ユンファのことを許してしまうのは離れられない女の悲しさ、空しさみたいなものがきちんと描かれていて、単なるドタバタコメディでない面白さがあって、こういうコメディ、私は好きです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-07 13:05:41)(良:1票)
848.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 
十何年ぶりに拝見!前に観た時はつまらない映画だとしか思えなかったが、自分がある程度の歳を重ね、今回観て思った。これは大人になりきれないでいる大人、見た目は大人でも心は子供のままでいて、なかなか大人になれない人間が成長する物語だと感じることができる。優秀で気が優しくていつも父親に愛されている兄を持つことで常に心の中に言いたくても言えない。伝えたくても伝えられないモヤモヤ感を残したまま、何かに対し怯え、人に対して不信感を覚えることしか出来ない弟であるキャロル演じるジミーこと、ジェームス・ディーンの演技、演技というよりもまるでジェームス・ディーンそのものが乗り移っているようで見ていて辛い。兄とは反対に父親の愛も母親の愛さえも知らないまま大きくなってしまった男の悲しさ、辛さ、ラストでようやく父親と分かり合うことが出来たあの場面は涙なくして見れない。この映画を見て思ったことはジェームス・ディーンは日本で言う所の石原裕次郎が昔、若かった頃によく演じていた見た目は大人でもなかなか大人にはなりきれないでいる少年のような雰囲気を思わせる俳優であると、こういう役が何ともよく似合う。僅か24という若さで交通事故により亡くなってしまったジェームス・ディーンが見せる何とも寂しげな表情はいつまでも忘れることは出来ないと思います。最後にこの映画のあの音楽も感情移入させるには見事な効果を発揮していると思うのと、この映画のあの美しい畑の映像と斜めから捉えた映像は私が現役の日本の監督で一番好きな大林宣彦監督の作品を思わせる。もしかして?大林宣彦監督は自分の映画製作において、この映画の影響をかなり受けているのではないだろうか?
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-07 10:07:12)(良:1票)
849.  逢びき 《ネタバレ》 
不倫を扱った映画は今も昔も山ほどあるが、今の映画だと不倫をしている当事者である男と女が自分達さえ幸せならそれで良し、周りの人達に迷惑かけようがお構いなしで、その結果、死者が出ようが自分達の責任ではない。死ぬ方が悪い。そういうような何ともドロドロした内容のものになりがちであるが、この映画はそういうドロドロした部分が全くなく、だから見ていてもけして、嫌な気持ちにはならない。その事をデビット・リーンというこの監督はよく解っている。たった一度の過ちである不倫、しかし、この映画の二人の主人公はどうしようもないほど好きである気持ちを隠さない一方でお互いの家庭を壊すことだけはしたくない。だから絶対にお互いの夫や妻に対しても、普段のままであり続けようとする。けして、不倫の現場というものを互いのパートナーには見せない。こういう演出でさえ、やはりこのデビット・リーン監督は品の良さを感じるし、そういう労わりを持って描ける。だから一流の監督であると言われているのではないかと私は思います。今時のハリウッド映画や邦画だと直ぐに抱合い、ベッドに入り、挙句の果てにはお互いの家庭を壊し、そして、二人だけが幸せになろうとする。そういった品の無い不倫ものばかりが存在する中でお互いが別れを決断し、共に自分達の家庭へと戻って行くラスト、ローラの辛そうな顔を見てそっと声をかけるローラの夫の男らしい姿にこの映画全体の温かさ、優しさを感じると共にそして、いつまでもしつこく描かずにここでという所で終わらせるというのも上手い。昔の映画と今の映画の一番の違いはこのいつまでもしつこく描かない昔の映画としつこいほど描く今の映画、余韻を残したまま終わるからこそ映画は素晴らしいのであって、そういう所を今の監督には見習って欲しい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-06 16:53:58)
850.  
登場人物が水戸光子と小沢栄太郎の二人だけというこれまた二人だけとは珍しい。しかし、この二人きりの話なのにつまらなくないし、なかなか面白い。木下恵介監督としては珍しい感じのちょっとしたサスペンス風な味付け、オールロケという設定もこの作品の見所の一つであり、そして、何と言っても小沢栄太郎、この人の悪人ぶり、嫌な奴ぶりは徹底している。こういう嫌な奴を演じさせてこれだけの迫力を出せる俳優はなかなかいないと思う。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-06-03 22:12:07)
851.  美しき諍い女
4時間近い大作で、ほとんどが二人だけの男と女の画家とモデルの葛藤の様子が淡々と描かれている。画家という仕事とモデルという仕事、両方の立場からそれぞれの苦悩のようなものが描かれている気がする。ただ4時間近くこの二人きりですので、ドラマとしての盛り上がりに少々欠ける気がしてそういう意味で物足りなさも残るが、つまらなくはない。ただ見るには覚悟が必要かもしれない。間違ってもハリウッド映画的な面白さなどは絶対に期待してはならない。そういう人は見ない方が良い。
[DVD(字幕)] 6点(2009-05-30 17:34:34)
852.  人間蒸発 《ネタバレ》 
今村昌平監督、この監督の描く理想の女ってどんな女なんだ?この作品には何かその答えのようなものがあるようなないような?何とも複雑で色々考えさせられる。婚約者である大島裁(ただし)なる男がある日、突然姿を消した。その婚約者である女、早川佳江は今村昌平監督の要請を受け、俳優、露口茂と共に大島を捜すドキュメンリー映画への出演を承諾し、取材をしていくうちに大島は大人しい男であったり、気が弱い男であったり、またある者は仕事の出来ない男であったと色々な証言が出てくる。大島の過去、女絡みやらお金の問題やらが明らかになりはじめるに従って、どんどん話は面白くなっていく。しかもこの大島という男の蒸発の動機が解らないという所にこの作品の狙いがあるように感じるのである。当事者以外には解らないからこそそれを追求したくなるというものを逆手に取った所の上手さ、そして、大島の婚約相手の女である早川佳江が次第に婚約相手の大島よりも露口茂を好きになってしまう所の面白さ、面白いと言えば今村昌平監督自身がしばしば画面に写り、まるでその視線は何だかヒッチコックのように自分自身で楽しんでるようにすら思えてしまう所にこの作品の面白さがある。作られたドラマよりもドキュメンタリーの方がドラマチックであるんだとばかり言っているようにも思え、今村昌平監督が描く女はやはり普通じゃない。強い女の前には男なんて何も出来ないとばかり言っているような、師匠である川島雄三監督の影響を受けているような普通じゃないこと、ある意味、可笑しくて、馬鹿馬鹿しくて、人間なんて馬鹿な生き物の集団さとでも言っているようである。人が何故、蒸発するのかなんて誰にも解らない。自分の胸に聞け!常にそう言われているような今村昌平監督の人間観察の前に男の弱さ、男は女よりも弱い。だから大島は姿を消した。そう語りかけているようである。川島雄三監督ほどの軽快さ、陽気さとでも言うのかなあ?がまるで感じられないし、人間のドロドロした部分ばかりを描く為に好き嫌いはっきり分かれる監督だとは思うが、この監督の人間観察ぶりは師匠以上に鋭くそして、重たい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-26 22:32:10)
853.  ショウ・ボート(1951)
私もこの映画、ザッツエンターテーメントの中で紹介されてるのを見て面白そうだから以前から見たいと思っていた。そんな訳ですが、あれ?ちょっと期待しすぎたかな?タイトルにあるショウボートの人間模様も歌との総合的バランスを思うと何か物足りない。作品そのものの雰囲気は悪くないのに、何故だろう?話によるとこの映画、最初はジュディー・ガーランド主演で撮られるはずだったと言うではないですか!エヴァ・カードナーは演技の上手さは折り紙つきであるが、歌というイメージで考えるとやっぱり違う気がする。けして、つまらないとは思わないが特別面白いとも感じなかったし、まあ、それなりに楽しめる程度ってことで6点!
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-05-24 15:05:08)
854.  三人の妻への手紙 《ネタバレ》 
映画はシナリオ、どんな良い素材を揃えても上手く作れなければ美味しい料理が出来上がらないのと同じで映画が素晴らしいものになるかならないかの基本はまずは良いシナリオにかかっていると思う。そういう意味でこの映画は何よりも上手い。見事なまでのシナリオに尽きる。ある三人の妻が船に乗ってピクニックに出かける所から始まるこの映画、三人の妻が一緒にいる所へ一通の手紙が来る。そして、その手紙には「あなたたちのご主人のうちの一人と駆け落ちします。」というメッセージが書かれている。この手紙を書いた一人の女、アディという女の正体は誰なんだ?そして、一体、三人の妻のうち、どの妻の旦那がアディと駆け落ちするのか?という事をここで描き、それによって見る側の立場を見事に生かし、想像させるという何とも見事な画き方、脚本の上手さに感心させられる。三人のそれぞれの過去を回想形式で描きながらどんどんとこの三人と自分の夫との関係というもの、危機感を面白く見せる。そして、何よりも見ている私達に対しても本人も最も安全だと思っている女が一番危ない立場でいるという見事な構成、ヒッチコックの「レベッカ」と同じく姿を見せない女、アディの正体が解らないだけに余計、不安というものを隠す事が出来ないというのも上手いし、ラストの落ちも決まっていて、洒落た会話の中に男と女の強さと弱さのようなものまで全て見せてしまう。上手い。上手すぎる。それにしもてこれほどの傑作にたった二人しかコメントがないなんて、一人で多くの方に見て欲しい傑作ですし、これほどの傑作が僅か500円という安さでDVDとして売られているのを見ると安く手に入って嬉しい反面、500円分の価値しかないんじゃどうせつまらないだろうなんて思われたりするのかという事を考えてしまうと悲しくもなります。いずれにしてもこの映画の見事な脚本の前には今時のCGだらけの大音量のハリウッド大作がどれもこれも霞んで見えます。そのぐらいの素晴らしい傑作である。
[DVD(字幕)] 9点(2009-05-24 10:13:44)(良:1票)
855.  千利休 本覺坊遺文 《ネタバレ》 
三船敏郎の利休、何か利休のイメージとは違う気がするけど、それ以外の俳優陣、奥田瑛二以外はみんな、気の荒そうな奴ばかりです。見るからに仲が悪そうな感じが役者の凄みある演技から伝わってくる。いつ斬り合いが始まってもおかしくないような人ばかりです。これだけの役者を揃えているわりにはミステリー的な要素は期待したほど感じられない。ただ日本的な映像の美しさには息を呑むほどの美しさを感じることは出来た。それにしても一人も女が出てこないというのは凄い。そんな映画、なかなかないと思う。もしかしたら初めて見たかもしれない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-05-18 21:04:20)
856.  利休
日本的って言葉がよく表現されているし、役者に関しても文句なしの二人、三國連太郎の利休と山崎努の秀吉、この二人の親しみから憎しみへと変わって行く様がきちんと描かれている。そういう意味では非常に良く出来てはいるものの、この二人を取り巻く他の者との駆け引き、ドラマ的、いや、映画的と言った方が良いかもしれない興奮という意味で観ると物足りなさが残る。全体的にまとまっていて、よく出来ているが、何かあと一押し、二押し的な要素に欠ける為につまないとは思わなかったが、特別凄いとも思えず、それなりに楽しめはしたものの物足りない。この同じ監督の映画なら私は「砂の女」の方が好きなのと、凄み、強烈さにおいても上であると思う。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-05-17 16:14:55)
857.  くちづけ(1955) 《ネタバレ》 
これまた面白い、面白いというよりは良い映画、それも日本ならではの他国にはないであろう良さが感じられるオムニバス映画を見ることが出来た。第一話の「くちづけ」なるほどね。確かにこれは石坂洋二郎原作らしい雰囲気作り、既にユーカラさんが書かれているように同じ石坂洋二郎原作の「石中先生行状記」を思わせる青山京子と太刀川洋一のやりとり、そして、続く第ニ話「霧の中の少女」ではこれがこの三つの話の中でも一番好きです。何と言っても司葉子、司葉子、とにかく司葉子が可愛い。もう、本当に食べたくなっちゃうぐらい可愛い。あれ?他の作品でも同じこと言ってるような?だって、本当に司葉子のあの可愛さ、この司葉子を見ても何も感じない奴は男じゃないと言いたくなるぐらいの可愛さです。中原ひとみとのやりとりの微笑ましさ、微笑ましいと言えば飯田蝶子の婆ちゃんが最高です。みんなの前で歌声まで披露し、それをみんなで仲良く楽しそうに聞いてる姿も良い。温泉での会話も楽しい。ところでなんでまた小泉博なんだよ?ここだけが不満である。司葉子とフランキー堺だったら文句ないのだが、そんな中、ここでは何と他の作品では見ることの出来ないであろう司葉子の入浴シーンまであって、たまらんですわ。第三話のこれもまた如何にも成瀬映画って感じで良い。高峰秀子と上原謙で成瀬監督だからつまらないわけない。小林桂樹と中村メイコの会話も面白い。最後の方に出てくる八千草薫も可愛いなあ!とにかく一つ一つのお話が作品全体、温かさを感じるのと、可愛く感じる作りになっていて見ていて楽しい。それにしても司葉子のあの白いシャツからすら~っと伸びる細い腕と、スカートから時々、ちらっと覗かれる細い足、いや~もう、参った。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-17 10:32:13)(良:1票)
858.  待ち伏せ
あの大傑作「無法松の一生」を撮った稲垣浩監督で出演者の顔ぶれが三船敏郎に石原裕次郎、勝新太郎に中村錦之助ってなんて豪華な、とても考えられないような個性溢れる役者勢揃いだことか!三船敏郎と石原裕次郎が1つの映画の中で一緒にいるなんて誰が想像出来る?それだけでも凄い事だし、そこに勝新太郎と中村錦之助だぞ!期待してしまうよ。しかし、何だか期待した程のワクワク感、ハラハラが感じられないのは何故だ?どことなく西部劇ぽい音楽と相変わらず、三船敏郎、勝新太郎は文句なくかっこいいし、中村錦之も二人に比べると出番は少ないのに貫禄十分で相変わらずの存在感、そんな中で石原裕次郎に時代劇てのはやはり違和感が残って仕方ない。女優陣では何と言っても浅丘ルリ子、この個性溢れる男達の中でも印象的な女性を演じている。寅さんシリーズのリリーに近い影のある女を演じていて、こういう女を演じさせるとピタリとハマルから凄い。そして、私が一番この中で見たい。見たかった俳優、それは渥美清である。渥美清と三船敏郎、渥美清と浅丘ルリ子、これぞ正に寅さんの世界だ。渥美清と石原裕次郎、渥美清と勝新太郎の共演なんて想像するだけで楽しい。渥美清と中村錦之助は「屈掛時次郎」で共演してるし、渥美清不在が残念です。それにしても三船敏郎、石原裕次郎、勝新太郎に中村錦之助、四人の共通点、四人共もう既にこの世にはいない。本物の映画スターがいた時代の夢のような共演作品として、後にも先にもこの四人が同じ映画に出ていた唯一の映画であるだろう作品です。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-05-16 22:58:48)(良:1票)
859.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 
この映画のクリント・イーストウッドは文句なしにかっこ良い。歩く姿から銃の構え方にしても、あの煙草のすい方にしても本当にかっこ良い。それ以上にかっこ良いのが大佐役の俳優、リー・ヴァン・クリーフの渋さ、ラストの対決シーンの後、死体をクリント・イーストウッドに任せて去っていく。何たるかっこ良さ、作品全体に漂う空気、男の臭さで充満しまくりの映画って感じで、ただ、女性への配慮の仕方、描写などが優しさというものが感じられなかったのがマイナスと言えばマイナスで、この映画は男のかっこ良さを見る為の映画と思えば良いのかもしれないぐらいとにかく主演の二人がやたらかっこ良く、男なら誰しもあんな風にかっこ良くなりたいと思うであろうそんな作品だと思います。マカロニウエスタンって個人的にはさほど好きなタイプではないけど、これはそんな中では楽しむことが出来た。その要因にあの音楽のかっこ良さも挙げられる。
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-16 11:27:24)(良:2票)
860.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
人はいつかは必ず死ぬ。その「死」について前向きに考え、ただひたすら自分達の希望、夢に向ってひた走る二人の男の姿がとにかく微笑ましくて良い。それがこの映画をけして、暗くならずに悲壮感だけ漂うものにはしていない。死ぬ前に一度も見たことのない海を見たいと願う男とその夢に付き合うもう一人の男、この二人、病院で自分達の命はもう残り僅かだと知らされる。そんな二人が出会い、ただ海が見たい。それだけの為にとにかく突っ走る。「死」を描こうとするとどうしたって暗くなりそうな所がまるで無いのが良い。何一つとして説教臭さも無ければこの主人公の姿には悲壮感よりも「死」よりも「生」、今を一生懸命行きようというものが描かれていて見ていて気持ち良い。気持ち良いと言えばこの二人に終始、振り回されぱなしのマヌケな二人のギャング、このマヌケぶりも可笑しい。ボスからの大切な車で少年を引いてしまった後の少年へバナナを差し出すというアホぶり、マーチンとルディと一足遅れで銀行強盗に入ったり、その後も振り回され続けるギャング二人に銃を浴びせられ、車の後ろで隠れるマーチン、ルディの姿に、銃なんかでは死んではいけない。どうせ死ぬのなら好きな海を見て、死のうではないかという温かい視線もこの映画全体から感じられる。ラストの海を前に倒れるマーチン、その横で一人、海を見つめるルディ、この二人の姿に天国は待っている。海が二人を待っているとでも言ってるようで、正しく天国へのドアが叩かれた瞬間を見た気がした。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-14 21:29:59)(良:1票)
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