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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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841.  学校の怪談 春の物の怪スペシャル〈TVM〉 《ネタバレ》 
【 】内は話数、[ ]内は評点。 【OP&ED】くだらない。[2] 【一】笑いを取ろうとしているがそれほど笑えない。ラストのオチもそれほど納得できない。[3] 【二】原作が「ほんとにあった怖い話」となっており、実話(とされているもの)を脚色したということになるか。いかにも女子中高生の体験談そのままのような微妙なお話のため素直に共感できないが、同年代の女子が見れば心に染みるものがあるかも知れない。池脇千鶴が可愛らしい。[4] 【三】年代にこだわる必然性が感じられない。恐らく制作側には、この時代でなければこういう話は作れない、という信念があったのだろうが、21世紀にもなっていつまでも昔を回顧したがる世代の感傷には付き合っていられない。[2] 【四】最もホラーらしいエピソード。自分の気持ちの整理のためだけに死者を再度呪うというのは人の心の暗黒面をさらけ出したかのようで、子どもだったなどというのは全く言い訳にならないということである。その点はいいのだが、ホラーとしてそれほど面白いものではない。[4]  もとのTVシリーズをよく知らないが、題名から受ける印象よりはまともに見られる内容になっている。制作側にそれなりのビッグネームが関わっているので軽く扱えない気がするが、しかし結果としてそれほど愛着のわくような内容にもなっていない。 全体の評点は個別の点数を時間で加重平均した数値(3.2)を四捨五入した。
[DVD(邦画)] 3点(2015-12-31 09:31:10)
842.  フィンランド式残酷ショッピング・ツアー 《ネタバレ》 
序盤はただのバス旅行だが、ここも個人的には結構面白い。出発地の風景はサンクト・ペテルブルグだったようで、そこから国境までは直線で150kmくらいしかないのでそれほど遠くはない。国境の手続関係は面倒臭そうだったが、ヨーロッパの内部ではすでに統合が進んでいるのに、ロシアとの間ではいまだに高い壁があるというのはロシア人も内心面白くないのではないかと想像する。 中盤からは予定どおりの惨劇が始まるが、それで特に面白くなるわけでもなく、かえって親子の会話を真面目に聞いてやるかという気になる。ラストの場面はよくわからなかったが、例えば母親はここで人を食ってしまい、息子は食わなかったことで、一度は急接近したかに見えた親子がまた別の世界に分かれてしまったと解釈できないかとも思う。母親役はそれなりの年齢だろうがなかなか魅力的な女優さんだった。  ところで自分が確認した限り、イベントでの上映を除いてこの映画が劇場公開されたのは、日本以外では当のロシアとフィンランドだけだったようである。現地で見た人々が何を思ったか不明だが、これは両国の欠点をひけらかし合っている図と思えばいいのか。ロシアはともかくフィンランドに関して言える悪口は多くないだろうが、パキスタン人が言っていたような権威主義はあるのかも知れず、また自殺者の多さという問題もある(改善されたと聞いていたが)。ロシア人にとってフィンランドは、帝政時代や冷戦期を含めて最も身近な先進地だったのではないかと思うが、こういった欠点を同じところに並べることでかえって両者の親和を図るつもりかと思えなくもない。 フィンランド人も上品な人ばかりではないだろうし、エンディングの曲がタピオラ合唱団の清らかな歌声で始まりながらクソやかましい曲に変わって終わるのも、物事の裏表というか通り一遍でない人々の実像を示しているようである。しかし劇中人物の言っていたように、この国の人は優しい(ロシア人と違う)というのは疑いようのない事実というかロシア人の正直な実感だろうと思われる。隣人は選べないのだから、どうか両国ともうまくやっていってもらいたいと他人事ながら願っている。  なお自殺に関する警察署長の演説は聞いたが、暗く陰気な冬(日照ほとんどなし)に死ぬよりも、幸せ絶頂の夏至に死ぬ方がいいと言っているなら気持ちはわかる。また老人をしつけることはできん、というのは名言である。
[DVD(字幕)] 6点(2015-12-19 09:58:33)
843.  アイアン・スカイ 《ネタバレ》 
あまり期待しないで見たが、爆笑する場面が1か所ある(これは実在の国連加盟国に対する侮辱だ(笑))だけで、それほど笑える映画とは思えない。最近話題になる風刺画というものも、風刺しているのはわかるが笑えるようなものではないというイメージがあるが、それと似たような感覚である。 その風刺にしても、それほど辛辣な社会批判があるわけでもなく無責任なヨタ話にとどまっている。終盤で戦闘に参加していた国の顔ぶれを見た限りでは、世界大戦争の後に地球を支配するのはやはり中国ということか(巨大戦艦を温存していそうだ)。日本など基本的にはアメリカに追随するばかりと思われていたのだろうが、しかし国際社会に黙って武装船を作る程度の才覚のある国として扱われたのは少し嬉しい。また韓国が小型の宇宙艇(10隻)を出していたのは不自然で、所詮その程度の国と侮っていたのかも知れないが、実際は日本を下回らないサイズのものを作ろうとするはずである。フィンランドだけは一人でいい子のようにしていたが、どうせならここはひとつフィンランドが喜々としてナチスに加担する話を作ってもらいたかった。前回はそれで散々な目に遭ったわけだが。 正直ほめたくなるほど面白かったわけでもないが、しかし若手の皆さんが盛り上がって作ったものを一緒に喜んでやらないとノリの悪いオヤジだと糾弾されかねない時勢になっているので、あまり角が立たない程度の点数をつけておく。 なお個人的感覚としては、主役の女性の魅力が全編を支えている。この人だけは好きになってしまった。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-12-19 09:58:30)(良:1票)
844.  リアル鬼ごっこ(2015) 《ネタバレ》 
この監督の映画はあまり積極的に見る気にならないが、この映画に関しては若干の義理があったので見た。結果的にそれほど悪くないとは思ったが、具体的にどこをほめればいいのかよくわからない。 とりあえず女性性を扱った部分には理解なり共感を寄せる立場にない。最初のバスのあたりはドローンを使った風の視点が面白いと思ったが、触れ込み通りの大殺戮が爽快なのは序盤だけというのは観客を小馬鹿にしたように見える。原作と比べても全く別物になっているのだろうが、しかし自分としては別に原作に忠実に作ってもらいたいなどと思っていたわけでは全くなく、かえって題名だけ使って中身は勝手放題というのは原作の方を小馬鹿にしたような感じもあり、ここだけは基礎的な評価ポイントになったかもしれない。 ほかトリプルヒロインのうち外人顔の女子高生役はかなりいいキャスティングだったようで、今回はこの女優の顔を見ていて少し感心した。また「呪怨 -終わりの始まり-」(2014)と「呪怨 -ザ・ファイナル-」(2015)で印象的な役をやっていた女優(最所美咲)が、この映画では普通の顔でさりげなく登場していたのが個人的には嬉しい。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-16 23:24:44)
845.  呪怨 -ザ・ファイナル- 《ネタバレ》 
いよいよ最後とのことでどのように終わるのかだけ期待していたが、結果的には「繰り返す」「終わりはない」ことが明らかになっただけだった。 しかし最初の家が壊されて別の家に移るなら場所に憑くモノではないことになり、毎度の冒頭に出る辞書的説明にも合わなくなるところがあるので、その意味で旧来のシリーズとしては終了といえるのかも知れない。その代わりこれからは、場所に縛られることなく貞子のように独立キャラクターとして存続していくということなのか。先日の12/10には「貞子vs伽椰子」(白石晃士監督)の製作が発表されたようだが、当初からそういう展開を目指した準備だったようにも見える。 なお以前はそれなりに役目があったように見えた夫/父親は、今作ではもう不要の扱いになったらしい。また他人の腹を借りるという前回の設定はどうなったのか、少なくとも自分にはよくわからなくなっていた。  ところでこのシリーズは事実上、多彩な出演女優が大きな見どころになっていたわけだが、前回に比べて今回は全体的に少し落ち着いた印象がある。 まず女子高生の長谷川玲央役が、素朴な感じの癒し顔で出ていたのはなかなか好印象だった。前回の外人顔の女子高生が最後までキレイな顔のままで終わり、これは一体何のために出て来たのかと怒りを覚えたのに対し、今回は腐乱死体までやっていたのは覚悟ができている。友人の女子高生2人も年齢的に高校生には見えないところがあるが、堅実な感じでボケとツッコミをやっていたのは可笑しい。こういう微妙なおふざけ感が、OV版以来のこのシリーズの持ち味ではないかと思われる。 また主人公は前回よりさらに年上で大人の雰囲気だったが、女優本人は極度の怖がりとのことで撮影現場でも大変だったらしい。オールアップ時に泣きながら怖かったですと言っていたのを見ると、なんかかわいい人だなと思ったりもした(見る側からすれば全く怖くなかったわけだが)。この女優は自分としてはよく知らない人だったため、現在の活動状況を動画サイトで確認しようとしたところ「平愛梨 天然」とかいう予測候補が出て、バラエティ番組での受け答えなど見て大笑いさせてもらった。結果として、個人的にはこの女優が大好きになった映画ということで終わった。 またついでに書いておくと、佐伯俊雄役の子役(小林颯)が、素顔の状態ではいつも非常ににこやかな表情をしているのが可笑しい。
[DVD(邦画)] 4点(2015-12-12 13:55:33)
846.  呪怨 ザ・グラッジ3<OV> 《ネタバレ》 
日本ではオリジナルビデオの扱いになっているが、アメリカはじめ海外では劇場公開したところが多いらしい。公開年としては邦画の「白い老女」「黒い少女」と同期する形になっていたようである。 今回は監督をはじめ基本的にアメリカ人の作った映画になっているが、それだけでなく撮影地がブルガリアというのはわけがわからない。エンドクレジットを見るとけっこう多くのスタッフが地元民らしい名前であり(-ovとか-ovaなど)、これは主に人件費の問題ということか。出演者に関しても、序盤で犠牲になった台詞のない少女(Mihaela Nankova)は現地の人だったかも知れない。  ストーリーとしては前作のあとに直接つながる形になっており、ここまで来ると邦画版から完全に枝分かれした印象がある。メイキングで監督が「解決策があるというのはアメリカ人らしい発想だ」と言っていたのはいいとして、それなら東京から来た女がちゃんと片をつけてもらいたかったが、しかし現地に身代わりを残して大元は別のところに移動していく?というのは前回のパターンを踏襲したような感じもある。ここでさらなる続編の可能性も留保していたのかも知れないが、それならせっかくなので初めから地元を舞台にしたブルガリア映画でも作れば面白かっただろう(最低限おれは見る)。それでこそ前作でいうパンデミックのイメージに近い形になるだろうが、毎回日本人を呼ばなければ映画が成り立たないらしいのが阻害要因か。 ちなみにホラーとしてはドッキリ+スプラッターが基本のようで深みがなく、白塗りの女と子どもを見せて外国人はそんなに怖がるものかどうか不明である。  以上のようなことで、いまさら特に感心するようなものでもないが、ただ今回のヒロインは個人的趣味としてもチャーミングに見え(彼氏は邪魔)、またその妹も愛嬌があって可愛らしい。これに兄を加えた感じのいい家族が、呪いのせいで壊れていくのは少し心痛むものがあったといえなくはない。
[DVD(邦画)] 4点(2015-12-12 13:55:29)
847.  呪怨 パンデミック 《ネタバレ》 
今回は邦画劇場版2の女子高生に加えてOV版1の栗山千明のエピソードなども拾っており、またOV版2の見どころだったフライパンが採用されていたのは個人的に嬉しいが、変にシリアスな場面になってしまって可笑しさを感じないのは残念だった。その代わり、劇場版1の谷津勲氏がさりげなく登場していたところは笑った。事情を知らない外国人ならいたたまれない気持ちになるだろう。 ストーリーとしては前作の続きになっており、題名の印象ほどいきなり拡散はしていないが、邦画版の試みを受け継ぐ形で今後の新たな展開を企図したようでもある。最初の家で惨劇を再現することで新たな呪いを生むのは劇場版1のラストに通じる感じで、また新人を身代わりに残し、その上で母子が外国に移住したということならちゃんと手順を踏んだように見えなくもない。けっこう細かい疑問点が残るため前回ほど整理された感じはないが、それはまあこのシリーズでは普通のことである。 一方で、今回はどうも日本古来の精神文化がこのような怪現象(というかホラー映画)を生んだことをPRしたかったようで、変な田舎に不気味な習俗があるというような話を今回独自にでっち上げていたが、このシリーズはどちらかというと都市的な怪異を扱ったホラーと個人的に思っていたので、いきなり外人が山間地まで出かけて行くのはかなり違和感があった。 以上のほか、今回は母と娘の関係でわりとまともなドラマを作っており、これはこのシリーズとしては特異に見えるが悪い印象はない。また前回でも示唆されていたようだが、今回はガガガ音の由来を初めてまともに説明したように見えたのが新鮮だった。  ところで今回の主人公は比較的かわいく見えるので結構だが、女子高生連中は明らかに可愛くない。金髪と帰国子女?(日系人?)などは早目に死んでもらっていいと思ったが、もっさりした女子高生役の女優が、映像特典のインタビューを見るとけっこう可愛い人(ただし20代初めの状態)だったのは意外だった。邦画ホラーならかわいい女優はかわいいままで出すのではないかと思うが、この辺も少し感覚の違うところか。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-12 13:55:24)
848.  THE JUON/呪怨 《ネタバレ》 
邦画の劇場版1を基本にしてOV版1の発端部分その他を加え、わけのわからない箇所やおふざけを除いて再構成した結果、非常に筋の通ったまともなホラー映画になっている。邦画版の特徴だった時間の前後もわかりやすく単純化されており、初めからこういう風に作ればよかっただろうが、と思わせるものがある。 真面目な映画のため、特にOV版にあったような笑いを誘う場面は目立たなくなっているが、かろうじてバスに乗っていたバカップルのようなのは存在自体が微妙に可笑しい。また細かいことだが、外国人教授が少年の額に手を当てようとしたときに、瞬時に少年が避けて無表情に睨んだのはネコの動きのようで面白かった。 ただ個人的に不満なのは女優が全般的に可愛くないことで、これは邦画版との大きな違いに思われる。邦画版と一対一で対応している人物も多いが、邦画版のあの人物がこれかと思うとあまりの可愛げのなさに呆れてしまう。その中で主役はかなりいい方で、終盤で日本人看護師と並んだところを見ても外人にしては大柄でないのが好印象だった。  ところで中盤過ぎに日本の刑事が、毎度の冒頭に出る辞書的説明をまるで日本全体の事情のように一般化して語っていたが、これはわが国に関する著しい誤解を生む恐れがある。映画全体としても日本の風景の中に外人多数を連れ込んだような違和感があることもあって、“日本にさえ来なければこんな目には遭わなかった”という教訓的な感じの映画になっている。タクシーの窓に「ようこそ日本へ」というシールが貼ってあったのは皮肉のようだがこれも笑うところなのか。 この当時はともかく現在は訪日外国人数が著しく増加しており(2004~2014の10年間で倍以上)、外国人観光客などを対象にした民泊の動きも全国的に活発になっている。そういうときに、古風な日本家屋には何が憑いているかわからない、というこの映画は水を差すのではという話だが、まあそういうことも含めて外人には受けるだろうと思うべきか。劇中の家の内部も微妙に外人受けしそうな作りのようでもあり、これが日本への旅情を誘うことになるとすれば幸いである。  [2020/02/16追記] 2015年の時点では、当時のインバウンド拡大の風潮に乗って外国人観光客を無条件で歓迎するようなことを書いてしまったが、その後に民泊の弊害とかオーバーツーリズムとか(感染症のリスクとか)の問題が出て来て、今となってはあまりよろしくない書き方だった気がする(反省)。政界や経済界の思惑はともかく個人の立場としては、人数や金の問題というよりも、日本に関心があって日本のことをもっとよく知りたいお客さんに来てもらいたい。
[DVD(邦画)] 6点(2015-12-12 13:55:18)(良:1票)
849.  女子カメラ 《ネタバレ》 
人生の変動期に焦点を当てたちょっといい話で、登場人物の描き分けも悪くないが、それぞれの将来を応援したくなるほど強い思い入れは生じない。特に怒声が苛立たしい関西人は個性的どころでなく明らかに不快であり、最初に生じた嫌悪感が容易に解消されずに最後まで目障りな人物のままで終わった。テーマ的には家族写真に焦点を当てているが、家族も写真も話が薄いのでそれほど心にしみるものはない。ただ途中で何度か出る写真を見ていると、写真というのもいいものだなという気がして、うまく写真の撮れる人はうらやましいと思ったりもした。 なお劇中に何度か出る9年以上前の話というのは結局何のことか明示されなかった気がするが、劇中に出た情報だけで適当に想像しておけというならできなくもない。  ちなみに見て思い出したが、4人が宿泊した指宿の観光ホテルには、自分も映画公開の4年前に泊まったことがある。なんでこんな高そうな宿を幹事が選んだのか今となっては不明である。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-19 21:53:37)
850.  15歳、アルマの恋愛妄想 《ネタバレ》 
ノルウェー語は別に詳しくないが、少し調べると原題をほとんど直訳したのが英題のようである(つまり邦題は上品だということ)。 中身はどうしようもないお話で、苦笑はするが共感するどころのものではない。これが向こうの15歳の実態なのか(本当か?)と呆れていたが、どういう形で締めるのか見るまで態度を保留していたところ、ラストの学校~食事の場面で評価が急上昇した。その直前に出ていたパリ行きの件とあわせて全体がうまく収まった感じになっている。終わってしばらく笑いの衝動が止まらず、これはなかなかよかったと結果的に思わされる映画だった。  そのほか気づいたことを適当に書いておくと、まず劇中の場所が山間部のように見えながら、すぐそばに海面(多分)があったりするのはいかにもフィヨルドである。劇中の台詞からするとノルウェー南部のスタヴァンゲル市に比較的近い場所という設定のようで、首都オスロからもそれほど離れていなかったと想像される。首都まで行けばさすがにさばけた雰囲気だったようだが、日本よりはるかに少ない人口が分散して住んでいるからには田舎の人間関係が狭くなるのも仕方ないことで、劇中人物のうち役割の全く違う人々が実は1家族の成員だったりする。あるいは、家族であっても人の個性はそれぞれだ、というように解すべきことか。 また現地ではなぜかアメリカの存在感が大きかったようで、わざわざ国連本部まで行ってエレベータで交わる妄想というのは失笑した。この辺は当然ながら現地住民にとってもお笑いネタだろうが、15歳のレベルでは頭が単純なのでアメリカに憧れ、大人になればパリの評価が高まるということか。主人公が突然英語を話す場面は、アメリカ文化の権威で相手を圧倒しようとしていたのかも知れない(日本の田舎なら東京言葉でまくし立てれば済む)。 なおアルマ役の女優は多分この時点で18歳くらいだと思うが、それで15歳の役ということは、向こう標準ではこれでも童顔ということなのか。正直それほど可愛らしいとも思わないが、さすがにラストの学校の場面では相手の男ともどもなかなかいい顔を見せていた。
[DVD(字幕)] 7点(2015-11-19 21:53:33)
851.  14才のハラワタ 《ネタバレ》 
主人公はマイペースというだけあって他人との関係づくりにほとんど主体性が感じられないが、しかし決して他人と断絶しているわけではないらしい。自分をとりまく人々を否定的に扱わず、対立するものを含めて丸ごと受容しているから見守り役にもなれるのだろう。自分の両親に関しても、母親と父親それぞれの存在をちゃんと肯定的に扱っていたようで、またそういう自分を自分で肯定しているからこそ、少々何があってもこの子は大丈夫なのだろうと思われた。 ただ少し気になったのは母親が、身も心も自分で守れ、と忠告していたことである。これはもしかすると主人公が父親似であることを心配していたのかも知れないが、しかし父親などよりはよほどまともな出来だったようで、世間の枠組みもそれなりに受け入れていたように見える。単純なお人よしなら本気で将来が心配になるが、しかし成績はよくなくても決してバカではなく、いろんなことをちゃんと見ている賢い子だろうから、心配することはないかも知れないと思ったりする。  ところで主人公の絵は悪くない。事情を知らなければどういう意図かわからないだろうが、見れば本人が描きたいものはしっかり描いてある。劇中では残念ながら注目されていなかったようで、やはりどうしても色遣いの特徴とかファンタジックな表現の方が人目を引くのだろうが、それでも誰かは見ている(おれは見ていた)ので、まずは自分の光るところを大事にして、とりあえずマイペースで進んでいってもらいたい。 そのほか余談として、主人公が青木さんの発言を聞いて紙袋を取り落した場面は笑った。子ども相手に「ほう」などと言ってみせる感性も面白い。
[DVD(邦画)] 7点(2015-11-19 21:53:30)(良:1票)
852.  大人になった夏 《ネタバレ》 
エイベックス所属タレントのプロモーション映画のようなものらしい。13歳の少女3人(山谷花純・江野沢愛美・小嶺燦羅)が可愛らしいのはいいことだが、それはそもそもそういう企画なので当然である。演技としては苦笑または爆笑するような場面もあったが、出演者それぞれの課題をこなすべく頑張っていたように見える。 ストーリーに関しては、13歳のお話としてはなかなかいい感じになっている。責任といえば他人に問うものと思っている甘ったれた少女を、金さえ出せば何を言ってもいいと思っている連中にいきなり直面させるのはけっこうな荒療治で、これなら本人らが「大人になった」と自負するのも一定の説得力がある。恋に関しても、相手の本意に対して自分らの思惑がかすりもしない場合があると知ったのはいいことかもしれない。 ただ少々引っかかったのは、劇中の嫌な大人が最後は簡単にいい人に変わってしまう例があったことである。うち藍の父親に関しては、13歳少女の主観映像としてこう変わったように見えたと言えなくもないが、子連れの男のようなのを安易にいい人にしてしまってはならない。こういう人間は死ぬまでこういう人間であり続けるのであり、それを前提として何とかするのが大人の道なわけだが(早く死んでもらいたいが)、まあ13歳のお話でそこまでシビアにする必要もないわけか。 そのほか少々都合の悪いものは見なかったことにすれば、全体的には微笑ましく見られるいい映画だった。こういうものに高い点を付けると顰蹙を買う恐れもあるが、自分としては明らかに好意的であるから悪い点にはできない。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-19 21:53:28)
853.  いしゃ先生 《ネタバレ》 
戦前から戦後にかけて山村の医療に尽力した実在の医師の物語で、現在の山形県西村山郡西川町大井沢という場所が舞台である。景観面では一般的な山間風景が地味な色調で多少美的に見える程度のようだが、季節や天候によって はっとするような風景に出会うこともあり、劇中ではそのような現地感覚が映像化されていたようで好印象だった。別の場所での撮影も多いとのことだが、月山・姥ヶ岳・湯殿山が並んだ映像は現地付近からの眺望と思われる。また現地で見られるという「春もみじ」も映っていたようである。  医師の物語であるから人の生死も当然関わって来るわけで、撮影地の近辺でいえば「おくりびと」(2008)など、人を死なせて観客を泣かすタイプの映画は多いだろうが、この映画では劇中の様々な出来事が少しずつ見る者の心に染みて、次第にその効果が累積していく感覚があった。少なくとも初見時に大泣きする場面はなかったが、終わってしばらくの間、何となく涙腺が緩んだような状態が後を引く映画になっていた。また撮影時に、実際に診療を受けたことがある地元の老婦人が主演女優を見て、本物の先生のようだと落涙していたというエピソードは感動的だった。 劇中では住民の言動が理不尽に見えるところもあったが、昔は出生率も死亡率も高く、病気になれば仕方ないといういわば社会通念と、それでも家族を失いたくない思いの対立が医師への反発に形を変えていたと解される。医師の存在によって“金がないから見殺し”という構図がかえって明瞭になってしまうということもあっただろう。そういう時代にこの映画の医師は、近代的な倫理そのままに“失われても仕方ない命など一つもない”との理念をまともに実践しようと奮闘していたように見えた。劇中では住民に知識が必要という言葉も出ていたが、それだけでなく人の命に関する意識の変化を、時代に先駆けてこの山村に持ち込んだこともこの人物の功績だったのではと想像する。  ところで脱線になるが、幸子役で出ていた上野優華という人は歌手兼女優とのことで、ほんわかして和む顔で他の映画でも見て知っている。自分がこの映画を見たのも、単にこの人が出ているから、という軽い動機だが、劇中では本当の田舎娘にしか見えずに少し呆れた(方言が下手すぎ)。舞台挨拶に来てくれなかったのは残念だが、この人が歌う主題歌のCDも入手したほか原作本も買って読んだので、動機が不純とはいえけっこう上客のはずである。また舞台挨拶では監督の人柄も見えた気がして大変よかった。 自分にとって郷土の映画というものでは全くないが、そういう狭い郷土意識に頼らずとも地味に応援したくなる映画になっていた。   [2017-06-10再視聴による追記(BD購入済)] 主演の平山あやという人はよく知らなかったが、この映画に関していえば目が強い印象を残す。20代半ばの場面ではまだ可愛らしさを残していたが、30代後半になると充足感が顔に出ていたようで、自分としては川原の場面の表情が好きだ。最後の授賞式での晴れやかな姿は見違えるようで、ここはさすが女優さんといったところである。
[映画館(邦画)] 8点(2015-11-16 00:49:03)
854.  骨壺 《ネタバレ》 
主要人物4人をそれぞれアイドルグループから選抜した形になっているが、アイドルという割には見事に全員可愛くない。このようになっている意図は不明だが、自分にとってホラー映画で可愛くない人物はいつどのように死んでも構わないから勝手にしろということになるので、こういう救いのない映画にはこれがふさわしい。 かえって1人生き残ったのが気に入らないわけだが、この人物も最初から悪印象のため観客の共感を妨げるものがある。この映画を見て素直に共感できるとすれば、“基本は性悪な女子高生だが実は悔い改める素質を持った者”(要は劇中人物そのまま)に限定されるように思うが、そんな人間が都合よくこの映画を見るものか、あるいは一般に女子高生とはそういうものと見極めた上でやったのかはわからない。原作と映画の比較でどこがどうなったのか知りたいところもあるが、この原作者の著作は読む気にならないので自分にとっては永遠に不明のままである。 そのほか、真に最悪だったのは終盤の叫び声がやかましいことだった。悲痛な叫びとかいう以前にやかましいこと自体が耐えがたい。こういうのはもう理屈も何もなく最低点を付けるに十分な動機になるが、ただし憎悪するほどではなく嫌悪という程度にとどまるので0点にはならない。
[DVD(邦画)] 1点(2015-11-16 00:49:00)
855.  スイッチを押すとき 《ネタバレ》 
けっこう気合の入った映画らしく、現場スタッフもキャストも真剣に取り組んでいるように見える。人の生死を真面目に考える映画かどうかはともかくラブストーリーとして見た場合、最後にいわゆる天国で二人一緒になることを新たな希望にしたなら切ないものがある。映像特典には脚本通りのラストも収録されていたが、これをあえてカットして公開版の形にしたのは正解だったと個人的には思う。最後に題名が表示されるのも印象深かった。 しかし絶望的に駄目なのは背景設定である。どうせ原作段階でもシチュエーション優先で背景などは適当にでっち上げたものだったのだろうが、この映画ではその絵空事に生真面目に対応しようとした結果として、まともな大人が耐えられる限界を超えてしまったように見える。同種類似の他の映画では、荒唐無稽な設定に気を取られず中身に集中できるよう作られたものもあるが、この映画ではその処理を誤った点で大失敗作と言わざるを得ない。原作のせいもあるわけだが残念なことである。 なお若手の出演者の皆さんはおおむね好印象だったが、自分としてはヒロインが目立つのは仕方ないとして、もう一人の若手女子がひたすら地味な人物のままで真っ先に退場してしまったのは期待外れだった。
[DVD(邦画)] 4点(2015-11-11 20:08:40)
856.  ユメ十夜 《ネタバレ》 
原作の並び通りの10話オムニバスである。少しでも原作に引っかければいいとの前提で自由に作ったということらしい。 【序】女学生が可愛らしい。 【1】映像面のインパクトは別として意味はわからない。尻をまくるのと遠景の観覧車が印象的。 【2】原作+オチ、最も真面目。堅実。 【3】怖さで印象に残る原作の第三夜を丸ごと取り込んだホラー。解釈が面倒くさいが子どもらが微笑ましい。 【4】切ないお話。今度は忘れるなと言いたいところだが、この男はこれまで何回この夢を見たのか。仮に年1回のペースとすればもう死んでいる。 【5】難解。こういう意味か、と感覚的に思うところはあるが確証はない。 【6】劇団員のような人々がネットスラングをそのまま口にするのは斬新だったかも知れないが、見ている側は気恥ずかしい。 【7】絵柄もそうだがラストがいかにも現代風。若年者向け翻案ということか。 【8】最も支離滅裂。少女3人組が可愛らしい(顔が見えないが)。 【9】女の容貌には惹かれるが深い仲にはなりたくない。 【10】ドロンジョ様が豚の化身だったかのような印象。自分としては結構好きだ。 【終】女学生の生まれ変わりが可愛らしいと言いたいところだが100年前ほど可愛く見えない。 ほとんどわけがわからないが、そもそも夢であるから気にしなくていいことにする。特に心を動かすようなものはないが内容が多彩で飽きることはなく、また魅力的な女優が出ている(個人的には特に4、9、10)ので悪い点にはしない。美女ばかり見るなという第十夜の教訓は観客に向けた皮肉か。
[DVD(邦画)] 6点(2015-11-11 20:08:37)
857.  いちばんきれいな水 《ネタバレ》 
かなり残念な映画だった。登場人物で見る限り、妹は利発そうで愛嬌もあり、また叔母は本職の役者でないながらも独特の風格があって大変いいと思ったのだが、肝心の姉がこの顔でこの声で小学生でもやらない放埓な行動をするのは非常に苛立たしい。そのため姉が目覚めてからは一気に見るのがつらくなる。 またストーリーの面でも、「この夏は…」という唐突な発言以降は素直に納得できなくなる。それまでの妹は感性豊かで頭脳明晰で判断力もあってそれ自体何の問題もないように見えていたので、今回の事件で初めて世界が広がったという説明が取ってつけたように感じられる。また外国人の件はどういう意味だったのかわからず(ラテン系は小学生と仲良しになれる?)、手の写真も伏線回収しましたという以上のものになっていない。 ほか水の場面は映像的な見せ場なのだろうが、自分としては最近見たホラー「仄暗い水の底から」(2001)を連想して不吉感を覚えた。まあそれはこの映画のせいではないわけだが。  ところで、特典映像に収録されているサイドストーリー「夏美のなつ~いちばんきれいな夕日」(監督 武正晴、脚本 足立紳)の方は普通に面白い。当然ながら姉は出ないが妹が活発で可愛らしく、バカ少年らとのやり取りも微笑ましいほのぼのドラマである。何より妹役が女優として輝いており、本編の主役にも負けていない(勝っている)のが感動的だった。ほか「小林さん」(演・青木崇高)というのも何気にいい感じを出している。 以上のようなことで、点数は本編だけだと4点だが、サイドストーリー込みで5点にしておく。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-11 20:08:33)
858.  ノロイ 《ネタバレ》 
本当の話とはとても思われず、特に長野県での事件はかなり作り物っぽい。しかし初めからフェイクと割り切れば、かえって本当らしく見えるところの方を評価したくなる。表面上はあくまで本物を装う態度を見せておき、その割にシラっとおふざけを入れて来るようなのも可笑しい。 登場人物に関しては、本人役で出ている芸能人が誰も死ななかったのは最低限の真実性を担保していると思われる。エンドクレジットが出ないのでその他の出演者は名前がわからないわけだが、加奈ちゃん役は今も元気で活躍中なことが明らかであり、またその母親役で端正な顔の人物は、別映画でも見たことのある長宗我部陽子という女優だったことがあとでわかった。気づかなくてすいませんでした。 そのほか特記事項として、××××男の××××演技はあまりにくどいので閉口したが、この男のアルミ張りの部屋を見ていると、確かに何かから守られている気がして居心地がよさそうだと思ったのはおれも変だということか。またラストで映像作家が最後まで撮るのをやめなかったのは、ベトナム戦争時の戦場カメラマンに関して、写真を撮るよりまず残虐行為をやめさせろという批判があったのに対し、カメラを構えたままノーと叫ぶのが正しい、と応えたというような話を思い出した(正確でないかも知れない)。  なお余談として、劇中で映像作家の家が火事になった場面を見ていた時、自宅から少し離れた場所で本物の建物火災が発生し、消防車複数台と救急車が近くを通過していったのは少しビビった。これは洒落にならない(ぼやで終わり、人的被害なし)。
[DVD(邦画)] 6点(2015-11-07 23:31:45)
859.  ダーク・ウォーター 《ネタバレ》 
原作からの映画化というより邦画版のリメイクになっている。意味不明なでんでん太鼓とハローキティは日本起源ということを何気に示していたものか。 邦画版と同様にホラー映画らしい派手な場面はあまりなく、その分をストーリーで見せようとしているわけだが、邦画版を見てからだと筋立てがあまりに明瞭で、また簡素化したせいもあって大枠ばかりが目立つ感じになっている。その割に、途中で主人公が母親失格だなどと言い出すのが唐突で、この辺は消化しきれておらず半端な印象もある。また終盤では、問題の子どもが悪魔のように邪悪な意思をもって欲しいものを奪い取ろうとしたように見え、無心に母を恋しがる子どもの印象がなかったのも悲哀を感じさせなくなっているが、まあ外国製なので感覚が違うとすれば仕方ないかも知れない。 なお主人公がタンクの蓋を開けて覗く場面は、自分の知る限りでは2つの邦画ホラーで流用されており、これは日本の関係者にとっても印象深い場面だったようである。また娘が学校の便所で怪異に遭遇した際、個室に逃げ込んでいたのはいかにも日本風の行動で笑った。こんなところに籠っては、かえって逃げ場がなくなることをアメリカ人も思い知った方がいい。
[DVD(字幕)] 5点(2015-11-07 23:31:42)
860.  仄暗い水の底から 《ネタバレ》 
劇中の母親が痛々しいので見るのがつらい。これほど精神的に脆弱では保護者として心許ないと夫に思われるのも仕方ない気がする。また離婚問題を抱えた大変な時に、わけのわからない心霊現象にまで巻き込まれたのも基本的な運のなさを露呈した感じで、そういう面(本能的に危険を避けて通る素質がない?)でも先が思いやられるものがある。 そのままでは全てが母親の精神状態のせいにされかねないところだった(実際そういうオチかと思った)が、かろうじて味方の弁護士が事実関係をはっきりさせた上、不可解な部分にはこじつけ気味の説明をつけてでも、全てが理性の範疇に収まるよう計らったのは幸いと思われた。しかし自分だけで行動するなと言われたにも関わらず、予期しない事態に至るともう目先のことしか見えなくなって自分を抑えられなくなるのでは無意味になってしまう。この母親が娘を一人で放り出して現場に突撃していったことが、かえって悲惨な結末を招いたと思えなくもない。 結局のところ、この頼りにならない母親が身を棄てて娘を救うところまでを確実に行い、あとは父親の手に委ねたことで、娘にとっては最善の結果がもたらされたように思われる。心優しい人物だったらしいので気の毒だが、一人で子どもを守るには力不足だったということか。  ところで最後の後日談のようなものは、ここで新人タレント(水川あさみ)を顔見せする事情があって付加しただけに見えなくもない。しかし再会の場面を見ていると、娘が記憶していた唯一の言葉が母の愛情の存在を確信させ、それが娘の10年間を支えてきたと思わせるものがある。誰かに支えられなければ自滅するような母親でも、最も重要なこの点に関してだけは間違いなく立派な母親だったということらしい。それは自分の母親と同じ轍を踏まないということでもあったのだろう。 なお余談として、以前から水川あさみという人は美形かも知れないが可愛気がない人だと思っていたが、この年齢(18歳くらい)まで遡っても可愛くないのは同じだった。子役が可愛らしいのに比べ、10年後の姿としてこの人が出て来ると少し意外感がある。
[DVD(邦画)] 7点(2015-11-07 23:31:38)
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