81. マトリックス
《ネタバレ》 ストーリーに関しては、「自分が心底信じることが大事なんだ!」という思想が根本にあるのだと、思い切り単純化して楽しませていただきました(苦笑)。難解ということで有名なこの作品のストーリー、影響を受けていると言われている『GHOST IN THE SHELL』を先に見ていたおかげか、意外と気になりませんでした(個人的には『GHOST・・・』や、士郎正宗の原作の方が複雑だと感じました)。それと、公開当初から話題の映像表現には(遅ればせながら)圧倒されました。確かにこれでは騒がれるのももっともだと納得しました。 8点(2003-10-18 01:17:40) |
82. マクロスプラス MOVIE EDITION
《ネタバレ》 例によってOVAの方は見ていないので、何だかコメントし辛いのですが、一本のアニメ作品としてみると、なかなか楽しめたかな、といった感じです。個人的にはあのヴァーチャルアイドルを自己増殖するように仕向ける悪役が、本当に何の工夫の無い、単なる狂言回し的な「悪役」でしかない点が、『愛おぼえていますか』と比べて物足りない気がしました。ただ、元がOVAなだけになかなか贅沢だった映像表現と、菅野よう子の音楽は良かったです。 5点(2003-10-17 23:08:12) |
83. ストーカー(1979)
話の内容にはついて行けないところがとても多かったのですが、登場人物達の精神状況には何となく共感できる様な気がします。何よりあのなめる様なカメラの移動と、本当に美しい映像が印象的でした。ただ、ラストのあのシーンは僕には理解できませんでしたが・・・ 8点(2002-10-29 21:28:16) |
84. パニック・ルーム
<ネタバレあります>僕はこれで満足しました。母子が主人公と言う設定(と途中からのストーリー展開)から、バッドエンドにはならないと言うことはわかっていましたが、それでもそんな事を忘れる瞬間が結構ありました。 7点(2002-10-29 21:21:54) |
85. 未来世紀ブラジル
<決定的ネタバレあります>最後まで皮肉が効いていて(ラストは予想が付きましたが)、面白かったです。ラストについては、一体どこからサムの夢なのかと言うことを考えると、ますます皮肉が際立ってくる気がします(僕個人としては、ジルとベッドを共にするシーンから何だか飛躍の多い夢みたいな展開だったので、そこら辺が夢の始まりではないかと思っています)。一体いつの時代かわからない美術は見ているだけで楽しかったです。 7点(2002-10-29 18:11:01) |
86. エイリアン4
《ネタバレ》 最初に見た時はその余りの悪趣味さばかりに目が行って、思ったほど楽しめなかったのですが、今では「これはこれであっても良いのでは」と思い始めています。過去の三作と比べてこの4は個人的に物足りなかったのですが、恐らくそれはこの4においては、エイリアンの「未知性」といったものが欠けていると感じられたからです。第一作では、まさしく全くわけのわからない存在としてのエイリアンの不気味さがその恐怖感の中核であり、2や3ではややその恐怖感・不気味さが引っ込みましたが(ストーリーの中心が、2では「人間とエイリアンの戦争」、3では「人間ドラマとの絡みでのエイリアン」といったように、エイリアンという存在自体からはやや外れていたのでそれも当たり前なのですが)、エイリアンの存在自体はあくまで「わけのわからないもの」とされ、その未知性が温存されていました。しかしこの4においては、エイリアンからその未知性を(恐らく意図的に)削ぎ落とされ、研究対象として人間の手中に入れられます。しかし何よりエイリアンの未知性を奪った存在は、やはりこの作品における復活したリプリーでしょう。この作品に限っては、リプリーはエイリアン以上に「わけのわからない存在」となっています。その未知性は途中から出現するミュータント・エイリアンでさえ陰を薄くさせるほどです。個人的にはクローンを題材にしてやりたい放題している映画の内容にはやや付いて行けないところがあり、あまり好みではないのですが、前作とは内容で一線を画するという、このシリーズの美徳が現れているという点で、やはり「エイリアン」シリーズの一本だなと感じます。 6点(2002-09-27 22:46:45) |
87. 家族ゲーム
森田芳光の映画はこれと『39』しか見ていないのですが、他の作品もやっぱりどこか「ヘン」なんでしょうか・・・淡々として何だか妙に気持ち悪い雰囲気と主要な登場人物たちが、面白かったです(特に伊丹十三が・・・)。 7点(2002-08-12 01:49:42) |
88. フィフス・エレメント
予備知識なしでこの映画を見たのですが、これはなかなか面白かったです。真面目なハードSFと言うよりは、SF的な物を拝借してリュック・ベッソンが好きなようにやっていると言った印象を受けました。僕の場合は、この映画に初めから真面目なSFを全く期待していなかったので、それが良かったのかもしれません。 6点(2002-08-12 01:33:16) |
89. エイリアン3
個人的には、前作と比べてさらに閉塞的でダークなこの映画の雰囲気は好きです。あとで監督がデヴィッド・フィンチャーだと言うことを知ったのですが、この作品の雰囲気(とあのオープニング)を考えると、妙に納得してしまいます。 7点(2002-07-29 23:19:57) |
90. MEMORIES
このオムニバスの中では、確か3話目が大友克洋の監督だったと記憶していますが(総監督は大友克洋ですが)、この3話目がなかなか味があって良かったです。彼女の思い出も好きです(原作も読みました)。ただ二話目の「最臭兵器」はちょっと・・・映像は凄いと思いますが、どうもいまいち乗り切れなかったというか・・・ 6点(2002-07-20 18:24:57) |
91. スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
《ネタバレ》 この夏にいよいよ公開される『シスの復讐』に備えて、久しぶりに見返してみたのですが、全く自分でも思いがけないほどに面白く見ることができました。映画館での感動と衝撃がよみがえったと言っても良いほどです。 さて今回見返して、やはり過去の三部作との強い関連を改めて感じました(既に多くのレビューが投稿されているので、僕がこれから指摘する点なども、ファンの方には先刻承知の事ばかりでしょうが、その点はどうか許してください)。ナブーでの朝に、アナキンがテラスから湖を眺める時の彼の姿勢などは、明らかに旧三部作のベイダーの姿に重なります。そして特に強く感じたのが、全体的にこの新三部作が旧三部作の「ネガ」になっているという事です。 旧作との関連を楽しみつつ鑑賞するというこの点は、物語内の時系列が逆転した形で製作が開始されるという、極めて異例な道を辿っているこの『スターウォーズ』だからこそ味わえる魅力だとも言えるでしょうが、その一方でこの先に続くであろう物語の内容を、観客にある程度予測させてしまうという弱点もあります。 しかしこの弱点も、恐らく『スターウォーズ』ならではのやり方で克服されるのではないかと、僕は思って(と言うか期待して)います。そもそも「暗黒面」というのは、全てを思いのままに予言(ひいては支配)しようとする欲望と強く結びついているのであり、その予言を可能にするのは、自分でも制御できない「憎しみ」であり、「悪」の力ではないかと僕は思います。そして「自分でわかっていてもその力に身をゆだねてしまう」という事は、恐らくEp3のアナキンも強く感じるはずだと思うのです。 言ってみれば、「どうなるかわかっている」のは、観客とアナキンの共有事項ではないかと僕は思っています。後はその「わかっている」事をいかに描くかが重要だと思うのですが、僕はEp3においては、それは「わかっているが故に悲劇的になるしかない」という風に描かれるのではないかと感じています。 こうなっては、いやが上にもEp3がいかなる「悲劇」となるのか、強い期待を抑え切れません。それはともかく、このEp2も、単独で見て十分鑑賞に耐える傑作であり、またEp3へ接続するという大役をきっちり果たしていると僕は思います。 [DVD(字幕)] 9点(2002-07-17 18:11:03) |
92. 天使のたまご(1985)
押井守監督によるアニメーション作品です。まず映像表現についてですが、これは本当に美しいです。『GHOST IN THE SHELL』でも見られた重厚な(重みのある動きの)表現を見ることができます。それと舞台となっている、雨ばかりが降っているヨーロッパ風の街の廃墟の、終始一貫重苦しくダークな雰囲気が個人的に好きです。次に物語の内容については、これは「難解」の一言に尽きます(「詩的な難解さ」というのが僕の印象です)。主要な登場人物は10代前後の少女と20代前後の青年(声は何と根津甚八が当てています)の二人だけで、しかも最初の25分ほどはセリフらしいセリフもありません(その代わり素晴らしいアニメーション表現を堪能することはできますが)。僕自身も一回見ただけなのではっきり言って解釈らしい解釈もできないのですが、どうも僕が見た限りでは、押井守が世界をいかに(閉塞的に)見ているのかと言うことは、この作品から汲み取れるような気がします。なおこの作品は公開当時に大コケしたらしく、好き嫌いがはっきりわかれる作品かもしれませんが、僕自身はこの作品が大変気に入りました。 8点(2002-07-12 17:27:24) |
93. アマデウス
<ネタバレあります>これは面白かったです。サリエリの嫉妬も十分理解できるのですが、俗世的でかつ卑しい人物(=モーツァルト)の方が優れた作品を生み出し、逆に神に祈ってまで才能と名声を欲した生真面目なサリエリが天分に恵まれなかったというのは、とても皮肉に見えるとともに、個人的に妙に納得してしまいました。それと、モーツァルトの音楽を聴いてみたいとも思いました。 9点(2002-07-12 03:15:07) |
94. カッコーの巣の上で
<ネタバレアリ見ていない方読まないで下さい>まず個人的に感心しなかった点を。ロボトミーを受けたマックをチーフが殺すシーンですが、これは正直言って受け入れがたかったです。確かにその時のマックはそれ以前の彼ではなくなってしまっているのかもしれませんが、だからと言ってその時のマックが殺されても良いとするのは、少し短絡ではないかと思いました。それにどうも婦長の描き方が一面的に見えて仕方がありませんでした(巧い演技だとは感じましたが)。ただ、そもそも強制的にロボトミーを施した病院側にも大きな罪があり、そういう社会に存在する非人間的な行為を明るみに出すという製作者の意図は十分感じました。それに一本の映画としてみると、完成度は非常に高く、また見終わった後に十分残る物もありましたので僕としてはこの点数です。それと最後に一つ。やはりジャック・ニコルソンの演技は素晴らしかった。 7点(2002-07-11 19:40:59) |
95. グロリア(1980)
色々な理由があってかなり期待しながら見たのですが、どうも先の展開だけが見えてしまって、映画の内容を味わうところまで気が回りませんでした。ただ、やはりグロリアのカッコ良さは印象的でした。映画全体の雰囲気も個人的に嫌いではありません。 5点(2002-07-11 02:23:25) |
96. ポゼッション(1981)
初めは「何でも良いからイザベル・アジャーニが主演している映画を見たい」という気持ちがあっただけなので、正直言って全く何の予備知識もなしにこの映画をレンタルしたのですが、それだけに最初から最後まで圧倒されっぱなしでした。「善と悪」とか、「魂と肉体」(それと「戦争とドイツの分割」?)といったテーマ性も一応は感じることができますが、それ以上に映画全体にみなぎっている訳のわからない迫力に僕は完全に飲まれてしまいました(そして言うまでもなく、この「迫力」の醸成に大きく貢献しているのが、あのイザベル・アジャーニの怪演でしょう)。はっきり言って今の僕にはこの映画が傑作なのかただのキワ物映画なのか判断がつきませんが、「自分がどれだけ気に入ったか」とか「楽しんだか」といったことを基準にすると文句なくこの点数になります。『ジェイコブズ・ラダー』が好きな方はもしかしたら楽しめるかもしれませんので、興味が湧いた方は一度見てみてください。ただ、アクの強さは『ジェイコブズ・ラダー』よりも数十倍上ですが・・・訳のわからないコメントでごめんなさい。 10点(2002-07-07 23:56:19)(良:1票) |
97. 去年マリエンバートで
その始まり方からして何とも不思議な映画です。時間、空間が交錯して、独特な作品世界を形成しています(しかもプラスアルファがいくつかあります)。その世界観は何だか解釈を拒んでいるようにも見えます(僕自身は「解釈狂」だと自分では思っており、この映画についても既に解釈を強引にしてしまいましたが・・・)。しかし何はともあれこの映画が、気だるく、幻想的で、そして無機的な美しさを備えていることは間違いないと思います。 9点(2002-07-07 13:23:40)(良:1票) |
98. ターミネーター
《ネタバレ》 <2010.10.3改稿。点数を7点から8点に変更しました> 近々『アバター』の特別篇が上映されるとの噂を聞きつけ、その予習というのでもないのですが、一度ここでジェームズ・キャメロンの映画をまとめて見直してみようと思い立った次第です。 今の時点でこの作品を見てみると、未来の戦闘シーンや金属の骨格がむき出しになったターミネーターといった映像表現は、お世辞にもよくできているとは言えません。 しかしそれだけに今回見直してみて、そういう映像表現の限界を何とか埋め合わせようという努力の跡が、同じ「今の時点」の観客としての立場からよく見えたような気がしました。要するに「映像表現のチープさ」にも関わらず、映画自体の面白さのために、そういうチープな映像表現がまったく気になりませんでした。 個人的には、後の『2』と比べて物語自体が非常にタイトに作られていて設定に無理がなく、文字通りの「殺人機械」としての「ターミネーター」の姿が見れるだけに、以前と比べて『2』よりもこの『1』の方が映画に没入できたように感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2002-07-06 20:13:03) |
99. オープン・ユア・アイズ
先が見える感じはしたのですが、それでもかっちりと作りこまれているみたいで、最後まで引き込まれながら見ました。 7点(2002-07-06 20:02:59) |
100. ゼイリブ
<ネタバレあります>眼鏡をかけたら、社会が違って見えた・・・このアイディアに僕はやられました。全体的におもしろかったです。しかし社会諷刺の要素もあるみたいなのに、全体に漂う「B級感」は拭いがたいものがありますね・・・ 6点(2002-07-05 17:31:15) |