1061. 激怒(1972)
《ネタバレ》 穏やかなお父ちゃんの変貌。それがこの映画の見所。 [DVD(字幕)] 6点(2016-06-18 23:11:48) |
1062. わが母の記
《ネタバレ》 もうタイトルからしてね、やられるって思ってたんだけど、最後はもう堪えちゃったなぁ・・。冒頭では、最近こういう上流階級の話の映画って観ないなぁと感じてて、ちょっと距離を置いてた。でも「細雪」かなぁなんて思ってたんだけど、途中から「ペコロス」を交えつつ、母の愛の映画になっていく過程で、もうこの家族が大好きになっちゃって・・。確かに修羅場が少ないので、作りものではあるんだけど、それでも最後はやられたなぁ。「処女の泉」が3年で3人ボーイフレンドつくっちゃうとこは、プッと笑えたよ。原田監督は、若いうちにえらく評価されちゃったけど、浮足立つことなく、着実に実力つけてるね。こういう人がいると、まだ安心だね、日本映画界も・・。 [DVD(邦画)] 8点(2016-06-18 19:23:31) |
1063. 黒衣の刺客
《ネタバレ》 1度目の鑑賞では、よく分からなかった(笑)。人物の区別もつきにくく、これと言った大げさなことも起きないので、油断してたら、終わってしまった。こりゃいかん!と思って、公式サイトなど見て、予習して2度目に挑んだ。あ、妻夫木くん、出てるんだぁと分かったので、少しリラックスした。で2度目を見たら、今度はストーリーも大ざっぱではあるが、理解でき、この唐時代の世界に入り込めた。面白かった。何よりこの女性剣士がクールで魅力的。中国戦国時代、非情にならざるをえなかった女性剣士が、最後は人の情けを知り、凍った心が溶けた彼女は、妻夫木くんと行動を共にする。これは何度も鑑賞したい映画ですね。映像もきれいし、場面場面もすごく切れのある場面が随所にあって、見応えがあります。DVDが欲しくなりました。 [DVD(字幕)] 8点(2016-06-18 15:59:14) |
1064. グーニーズ
《ネタバレ》 スピルバーグ印とリチャードドナーらしさがミックスされてて、面白かった。気になってしょうがなかったが、冒険ものにミニスカートはやはり無理。しかしそれぞれのキャラが活かされてて、やはり名人芸。 [ビデオ(字幕)] 7点(2016-06-13 07:01:33) |
1065. ヤコペッティの大残酷
《ネタバレ》 一言で言うなら、精液の匂いのする映画だった。ヤコペッティは、自分が子どもの頃、映画館に通っていたとき、やたら彼のドキュメンタリーのポスターがあったが、どれも子どもの見る内容ではなかったので、あれは何だろうと思っていた。あれから40年、発掘良品でとうとう鑑賞してみた。ひどい映像ばかりだが、カメラマンは有名なパゾリーニの撮影担当者らしい。ストーリーも歴史的宗教的な意味があるのだろうけど、それをふまえず観ると、ただのエログロナンセンスである。原案はボルテールの哲学小説「カンディード」から来てるらしい。哲学・・かなぁ、これ(笑)。途中、ホドロフスキーの「ホーリーマウンテン」を思い出したが、彼の方が女性からもてるだろうなぁと思った。最後は、男側の身勝手な世界観をたっぷり描いた後に、若者も同じような苦労をするなどと説教じみたことを言うから、ご苦労さんと心の中でつぶやいてあげた。 [DVD(字幕)] 5点(2016-06-11 22:08:13) |
1066. KANO 1931海の向こうの甲子園
《ネタバレ》 この映画に政治的な意味を見つけるのはたやすいが、それをしなくても面白い映画だった。最後なんか、すっかり台湾側に同調して涙ぐんじゃったし・・。この映画に描かれている台湾のがむしゃらなとこは、最近の日本文化では見ないね。こういう若者が減ったのかな。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-11 22:03:26) |
1067. あん
《ネタバレ》 河瀨直美監督はもう大好きな映画監督だ。今回、初の東京が舞台。奈良を離れ、奄美大島を舞台にした映画を撮ってきた彼女は、次は東京。大丈夫だろうかとも思ったが、観終わって、東京の男性(でも永瀬君は宮崎だよね)も、女性として逃げずに見ようという彼女の姿勢がうかがえられた。女性は強いね。でも不安な話も聞いた。彼女が次はホラーを撮るという。自然の中で豊かに育まれた彼女の感性が、引き裂かれているのかもしれないと思うと、もう大ファンとしては、また奈良に帰って、自分を取り戻してくれ~と叫びたくなる。東京の人間をなめてるわけではないが、この映画に出てくる店のオーナのように無神経な人が多いのも事実。心配でしょうがない。 [DVD(邦画)] 10点(2016-06-11 11:56:27) |
1068. ザ・デッド/「ダブリン市民」より
《ネタバレ》 記念すべきマイレビュー1000本目に選んだ、この映画。たった一晩の話である。しかも、もっと言ってしまえば、パーティとその終わった後の家に帰ってからのことまでしか描いてない、短編である。が、ここに人生が凝縮している。若いコたちのパーティでは味わうことのない、年を取ったものだけが経験できるパーティの余韻を描いた作品だ。自分は、この間の同窓会で(いささか生意気だが)こんな感じのしみじみした気持ちになった。(この映画では、しみじみというより呆然だが・・。)今まで守ろうと頑張ってきたものは、何だったのかと思わせられるような、そんな余韻。それを映画は描いている。しかし、考えてみれば、皆がみんな、人生にすごく大きな事、例えばハリウッド映画のようなことが起きるわけではない。むしろ、多くの人には、この映画のような瞬間が、人生にあるかどうかって感じのものである。人生とはそんなもんではあるが、それがすごく大事な瞬間である。その瞬間のために、生きているようなものではないか?とすら思えてしまう。人はこの瞬間の準備、あるいは何度もその時のことを思い出すために、映画を観るのではないか?人々が映画に求めているものとは、そんなものではないか?実はジョンヒューストンは、この遺作にそういう想いを込めたのではないか?などとニヤリとしてしまった。時間の流れが、どこか小津さんに似てるなとも思いました。 [ビデオ(字幕)] 10点(2016-06-11 00:19:31) |
1069. クンドゥン
《ネタバレ》 スコセッシと言えば、キリストを扱った「最後の誘惑」がある。ははぁ、キリストの次はダライラマか・・。そう思い、西洋から見る東洋への勘違いを見抜いてやろうと思って、観ていた。すると話は、ダライラマの伝記と言うより、あの中国によるチベット侵略がメインになってきた。チベットは大国ではない。平和に事態を解決しようとする、そんな国に中国が一部になれと言う。かくして侵略は始まり、ダライラマは逃げる。ダライラマが蹂躙されたら、残虐(子どもに親を銃殺させたり・・)に苦しむチベット国民は、もう絶望だ。話はダライラマの視点から、一歩も動かない。だから国民にどんなことが起こっているかも描かれない。結局、ラスト、異国の地でチベットの方をみるダライラマの姿で終わる。これは~、もうよその国の話とは思えなかった。もうね、ホントね、観終わって、ど~んと落ち込んだ。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-06 10:10:57) |
1070. セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進
《ネタバレ》 ブラックなところが面白い。でも見覚えある感じ・・。そう、藤子・F・不二雄の「ドラえもん」や「オバQ」とは別の、もう一つのダークな作風に近い。あぁ当時の漫画家は、こういう作品見て、ヒントを得たんだなぁと感心。しかし、主人公が自分を見失う葡萄酒づくりの場面は、ニコラスローグの「錆びた黄金」を思い出した。こんな乱れたことを当時の人たちはやってたんだろうなぁ、珍しくなかったんだろうなぁとゲンナリ。なんていうんだろ。人(男)の考え得る、「幸せな世界」ってこんな乱れたもんになっちゃうんだろうね。なんだかなぁ、「普通」が一番幸せってことなんだろうなぁ・・。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-05 01:06:24) |
1071. いつも心に太陽を
《ネタバレ》 ど直球の映画。シドニーポアチエ演じる、こんな先生、いいよね~。でもこんな完璧じゃなくても、生徒は不完全な先生からでも、たっくさん教えられてます。そして今では、教えられる側より、教える側になりたい。先生を困らせた生徒だったからこそ、そんな生徒にド直球で挑んできてくれた先生がいたからこそ、自分もそういう人たちになりたい。そういう大人になりたい。そんな自分の気持ちを再認識させてくれる映画だった。この映画、素敵です。このような問題児を教える先生の映画の、嚆矢だね、これは。ここから「天使にラブソングを」とか「スクールオブロック」とかの映画が後に生まれるんだ。ラストの生徒の歌う歌詞の内容にホロリと来ました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2016-06-04 21:20:42) |
1072. 妻への家路
《ネタバレ》 確かに悲しい話ではあるけど、男と女って案外、こんなもんじゃない?例え、本人であっても、男は本当の夫を求める女に、寄り添うしかない。チャンイーモウは確信犯的に、この寓話を創り上げたんじゃないのか? [DVD(字幕)] 7点(2016-06-04 13:30:32)(良:1票) |
1073. 1900年
《ネタバレ》 見応えあった!地主の功罪を問うた1900年代。戦争もはさむが、そこはあまり描かず、ドラマは2人の男の生活にずっと焦点を絞って描いてる。後半の軸は、地主のデニーロに取り入るサザーランドの犯罪を中心に展開するが、第1部と第2部、それぞれ見せ方を変え、観る者を惹きつける圧巻の5時間ドラマだった。この映画が上映されたのは「ET」「炎のランナー」と自分が映画にのめりこんだ頃の作品だ。当時は長い映画だなぁと思っていたが、印象的なタイトルで心に残ってた。その映画をついに観たぞ!ベルトリッチは、自分が40歳代になって、良さが分かってきたが、やはり映画の天才に違いない。2000年代に入ってからの映画より、1980年代の映画の方が、やはり自分のセンスが培われた頃の作品なので、すっと体に沁みてくる気がする。 [ビデオ(字幕)] 9点(2016-06-01 22:45:41) |
1074. 女と男の名誉
《ネタバレ》 殺し屋は、ファミリーの元で、他の人を殺す稼業。それでは、彼のよりどころはファミリーにしかないよね。非人間的な行為をしても、その孤独感からファミリーのためだからと思うしかないわけで・・。例え女性を好きになっても、その女性とファミリーを選べって言われたら、最後はファミリーを選ぶよね。ナットク。そのような題材を、ジョンヒューストンがお洒落な大人の映画に仕上げてる。まだジョンヒューストン節ってのが分からない自分なんだけど、どんな題材でも映画として、さりげなく粋にまとめてくる手腕があることだけは分かる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2016-05-31 10:09:34) |
1075. 手をつなぐ子等
《ネタバレ》 もう泣けてきて・・。子ども時代の思い出がドンドン出てきて・・。俺らの頃も、こんなんだったなぁって。みんな、元気かなぁ・・。今の子どもたちも、色んな子どもと笑顔の絶えない子ども時代、送れてるかなぁ・・。この映画のような笠智衆のような教師は今もいるだろうかなぁ・・。でもウチらの地方では、子どもたちの笑顔を見てると大丈夫のような気がする。でもそれは異分子を排した、同じような子どもばかりの生活で知らないのかもしれない、こんな豊かな愛情を。こんな豊かな子ども時代を・・。少し不安にもなるが、でもきっと名教師が街の群集に混じって、あちらこちらにいるんだろうと希望も持ってる。 [ビデオ(邦画)] 7点(2016-05-30 21:53:49) |
1076. ローリング
《ネタバレ》 とある某映画雑誌で、上位ランクインしてたので鑑賞。結果、酷い映画だった。何を語りたかったのか・・。盗撮した教師が、人間的に立ち直るとかいう内容なら、まだ見応えあるが、この映画はダメがとことんダメになって、スズメの巣になるという内容。????笑える内容じゃないよ、これ。う~ん、自分的には感心しませんねぇ。 [DVD(邦画)] 5点(2016-05-28 01:40:19) |
1077. さらば、わが愛/覇王別姫
《ネタバレ》 色んな歴史的事件が3人を襲うのですが、やはり文化大革命は最大級。文化人の品格をも捨てさせ、文化(京劇)しかない蝶衣は自殺するしかなくなってしまう。戦時下での売国奴の汚名すら持ちこたえたのに・・。崩れるきっかけは、小楼の弱さ。体は大きいのだが、弱いなと思わせる場面が少しづつ出てきて、最後は妻すら裏切る。文化は試練に耐えてこそ本物になる、なんて言うのは簡単だけど、やはりねぇ・・。文化大革命みたいのがあること自体、信じられないが、歴史の授業で本を焼いた国もあったっけ・・。まだまだこの先、何があるか分からんねぇ。でも自分が一番大切にしてるものまで失って、生きる人生って何だろうね。その辺を歴史大国、中国の映画は語ってくるよねぇ。日本に住む自分は、耳を傾けたくないけど・・。 [ビデオ(字幕)] 8点(2016-05-28 01:35:03) |
1078. ロッキー・ザ・ファイナル
《ネタバレ》 ロッキーシリーズ、全部鑑賞!この最後の作品と、1作目は何度も観ることになりそうなので、この得点。本作は、50代を超えた自分にとって、腹に来るセリフがいっぱいあった。まさに人生こそ、強烈なパンチを繰り出してくる。倒れるわけいかない!ありがとう!ロッキーバルボア!ありがとう!シルベスタースタローン!! [DVD(字幕)] 9点(2016-05-26 23:10:38) |
1079. 海街diary
《ネタバレ》 原作のもつ女性漫画家らしいみずみずしさが、是枝演出にぴったりはまって、心地いい映画でした。もともと自然な語り口で、まるでドキュメンタリーのような会話を好む是枝演出ですが、この映画では自分を持ってる乙女たちの、自然な語り口は、とても気持ちよく、観ている自分にすっと入ってきて、やさしい音楽と重なり合い、とても心の癒される2時間でした。休みの日に観たのですが、休日にはこのような映画が似合うなぁと思います。是枝監督作品は好きです。「歩いても歩いても」もそうですが、これもDVDを買って手元において、疲れたときに観たい作品です。 [DVD(邦画)] 7点(2016-05-21 11:44:51) |
1080. リバー・ランズ・スルー・イット
《ネタバレ》 美しい・・。この映画は、特に何を言うわけではなく、ただ美しい人や自然があった、と詩情たっぷりに描きます。結局、弟のブラッドピッドの悩みは観ている者には分からないようになってます。ただ美しい人間の悩みは知る由もない、ただ愛するものは寄り添うしかない・・。父親の気持ちが最後、語られます。結局、ハンサムでスターになったレッドフォードにしても、もっと美しい天才のような人材が世界にはいて、夭折していく様を見て、そこに美を見たのかもしれません。日本の無常観とは違いますね。美しいものの存在。そこには超越した者の存在があるとレッドフォードは思ってたようです。こんな役を演じたブラッドピッド自身、とまどいがあったのではないでしょうか?2010年代、政治色や社会的メッセージのある映画をプロデュースするブラッドピッドの力みようは、どうしたのかな?と思ってたのですが、この映画が出発点と思うのは、どうでしょうか? [ビデオ(字幕)] 8点(2016-05-21 00:07:22)(良:1票) |