1101. ハンター(1980)
《ネタバレ》 70'sから80'sへの過渡期の、一番面白くない部分が出ちゃってるんですね。歴戦の賞金稼ぎ!という背景アピールの部分と、実際にやっていることのコメディチックな間の抜け方(大体、農場決戦も駐車場決戦も学校決戦も、結局は敵が勝手にずっこけているだけのような・・・)が調和していません。ウエスタンをそのまま街中でやっているような、変な違和感があります。出産がどうこうという部分も、あまり上手く絡んでないですね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-03-31 01:19:34) |
1102. テルマエ・ロマエ
《ネタバレ》 いかにも「洋画の吹き替え版」っぽく作っているのがよく分かる導入部で、ああ気合入れて頑張ってるなあ、と思うわけです。台詞の組み立てが未熟なのとか、ギャグ(タイムスリップギャップ)以外の部分が結局は凡庸なのとかは目をつぶるとして。で、何がいいかというと、風呂に対する制作者の愛情が最初から最後まで満ち満ちているという点なのです。いろんなタイプの風呂を、とにかく作る。見せる。組み込む。タイムスリップ上の諸問題も何となく風呂が解決、さらには戦闘や歴史すら風呂が解決。だから、きちんと一本の筋が通っているのです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2019-03-30 00:16:15) |
1103. コッチおじさん
こういう、老人が今まで経験したことのない環境に身を投じて、接したことのなかった人と接することで、いろいろ変わっていき・・・という形の話って、もう、最初から次の展開が見えてしまうんですよね。その中でも、この作品は、落ち着いた撮り方のトーンで全体が統一されていて、まだ良い方なのですが。あと、本題に入るまでがやたら長いのが気になりました。 [DVD(字幕)] 5点(2019-03-26 01:30:33) |
1104. ガール・ネクスト・ドア
単なるボーイ・ミーツ・ガール系ラブコメかと思っていたら、途中からはあれこれ詰め込んで来ていて、頑張って考えた形跡が窺える。そしてそれがきちんと機能しているかというと必ずしもそうではなく、あっちの話に行ったら頭打ち的にぶつかって、しかしぎりぎり墜落寸前で踏みとどまってまたこっちの話へ・・・みたいな感じで、すっきり一本化されているとはいいがたい。しかし、それでも好感が持てるのは、AV女優という職業を主人公の日常生活周辺の中にナチュラルに組み込んでいることの誠実性と、それが同時にどこまでも恋愛のハードルになっていく構造の維持による一貫性があるからなのです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-03-23 01:38:45)(良:1票) |
1105. 小さいおうち
《ネタバレ》 平松恵美子という人と組んでいる山田洋次の脚本は、どれもこれもどうしようもなく最低レベルなんだけど、何で山田洋次はこの人と組み続けるんだろう?●それを演技とか撮影技術でカバーできればまだいいんだけど、役者に演技指導をつけた形跡はないし、カメラも照明も美術も平坦で何の工夫もないし、そもそも制作側にやる気があったのかどうかすら疑問。●唯一、「帯が逆」のシーンだけは光っていましたが、回想で出発時のシーンをわざわざ入れてしまうのが無粋だし、それをいちいち解説してしまうナレーションでさらにぶち壊し。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2019-03-22 00:24:44) |
1106. ペーパーバード/幸せは翼にのって
《ネタバレ》 もっとすごくいろんなドラマチックなことが起こっているはずなんだけど、描き方がえらく日常的というか平坦というか、とにかくベースがのんびりしているので、社会的背景を含めた迫力というものがないのです。輪をかけて、肝心の子供があれこれワガママなだけでさして可愛くないというのが良くない。ラスト20分の突然の緊迫感はなかなかでしたが、それだけでは覆せませんでした。 [DVD(字幕)] 4点(2019-03-19 01:44:19) |
1107. 映画 深夜食堂
中核登場人物はもちろん、カウンターに座る端役に至るまでの平坦で凡庸な造形。説明台詞以前の「説明」そのもののオンパレードの脚本(ナレーション含む)。調理の手元が明らかに別撮りなのを隠そうともしないカメラ。「そこでそんなことしねーだろ」ばかりの登場人物の行動の数々(多部未華子がいきなり調理場に突入して勝手に包丁を手にしている時点で、この監督には調理に対する何の敬意もないことが分かる)。一体どこを見ろと? [CS・衛星(邦画)] 0点(2019-03-15 00:30:13) |
1108. ハクソー・リッジ
あえてライフルを拒否し、衛生兵を志願しながら戦場へ赴いた主人公・・・なんですが、一番まずいのは、肝心の衛生兵としてのトレーニングが何も描かれていないし、知識や技術についてもふれられておらず、主人公が何を身につけたのかが分からないということ。なので、そもそも何をしに戦場に行ったのかが分からない。したがって、いきなり覚醒して仲間を助け始めても、説得力がなくて、何じゃそりゃという感じなのです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-03-11 00:32:01) |
1109. NINE QUEENS 華麗なる詐欺師たち
《ネタバレ》 詐欺師といいながら妙に一般人的で小心者的な主人公コンビはなかなか面白いのですが、全体の演出が何となく緩くて単調で、今ひとつ緊張感がありません。この内容でこの尺は長すぎです。ラストも、結局それ?という感じですし・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2019-03-08 01:25:10) |
1110. 火の魚<TVM>
《ネタバレ》 導入部からの落ち着きのない原田のナレーションの連打にげんなり。尾野真千子が原田に牙を向いていく大事なシーンは、脚本がそのまんますぎで陳腐。老作家と駆け出し編集者を掛け合わせるという作為性だけが残っています。1時間弱とは思えないくらいの長さを感じました。点数は、レールからの逸脱を唯一示している影絵のシーンに対して。 [DVD(邦画)] 2点(2019-03-01 01:40:23) |
1111. ヒドゥン(1987)
《ネタバレ》 まず、悪玉の行動が、フェラーリだカセットテープだお姉ちゃんだと、物欲&煩悩まみれ一直線なのが笑えます。大体、宇宙から来たはずなのに、その思考の様式は地球の人間そのものだろ、とか突っ込んではいけません。また、乗り移る先も、最初の2人はいいとして、その後はそのストリッパーのお姉ちゃん!そして何と犬!と、思いもかけない発想が飛びだしてきて、これまた笑えます。全体の構成がシンプルであるがこその清冽なパワーすらあります。で、ただ、終盤は警部補や議員が絡んできて中途半端に重くなっているし、悪玉の目的に大統領就任とかを匂わせているのも、かえって煩悩の勢いを削いでいます(それならいっそ、直接大統領を乗っ取る!とかならまだよかったのですが)。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-28 00:59:49) |
1112. ハッド
《ネタバレ》 全体に立ちこめる荒涼とした雰囲気にはいろいろ期待が高まるのですが、中盤まではそれっぽいシーンの積み重ねばかりで、少しもドラマが動かない。殺処分のシークエンスのインパクトはなかなかですし、そこから徐々に人がいなくなっていく展開も痺れますが、それだけでは回復できませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-02-27 00:31:12) |
1113. 複製された男
《ネタバレ》 モーテルの対面シーンで、同一画面に2人を入れるのではなくて、切り返しの別画面処理でクリアしていたら完璧だったのになあ。●一番美しいのは、大学のキャンパスでの奥さんとの対面シーンであり、これによって作品が一本の背骨を確保しています。●しかし、せっかくのこの設定なんだったら、脚本上ももう少しあれこれ手を入れられたと思うんだけど。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-25 00:35:32) |
1114. マッキントッシュの男
主人公も周りの人たちも、妙に行動が回りくどい上に、結局何がしたいのかさっぱり分かりません。あれこれひねってこようとしているのは分からないでもないですが、それならもっと伏線を張るなり演技に工夫するなりしないと、制作側の都合の良い方向に動かしているだけになります。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-02-22 23:55:32) |
1115. スノーデン
スノーデンが行ったことは、その覚悟と決断において瞠目すべきものであるし、作品としても、それを要領よくまとめている。ただ・・・この問題を扱うときは、国や政府に対して、この監視体制は何なんだ!という前に、そもそも国民に対して、こんなに監視されてて平気なんですか?という意識を広めないといけない。街角の防犯カメラにも、すでに広まったSNSにも、どこにでも紐付きになっているクレジットカードにも何も感じなくなった国民に対して。したがって、スノーデンの「行動」を描く前に、まず、その監視体制が、一般生活レベルにおいてどこにどのようになっているのか、というところに、もっと重点を置かなければならなかった。この作品はそこが弱いので、映画としてもやや平坦になり、また発信力を弱める(「でも仕方ないんじゃない?」と思わせてしまう)結果となっている。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-02-20 01:13:59) |
1116. 暁の用心棒
《ネタバレ》 これはまた何ともつまらなかった・・・。主人公の動きも筋の流れも役者の芝居もものすごく適当で、一丁上がりで作ってしまった感満載です。最後のガトリング銃なんかは何とか盛り上げようとした形跡が窺えますが、それを使う必然性がないので、意味がありません。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2019-02-18 21:59:39) |
1117. 121212 ニューヨーク、奇跡のライブ
《ネタバレ》 2012年10月に発生したハリケーン「サンディ」の被災地援助のため、その年の12月に開催されたコンサートのドキュメンタリーです。半分以上は制作過程だったり舞台裏だったりの映像なので、コンサートそのものを見るためのものではありません。まあ見て分かるとおりの超豪華メンバーなので、それを見ているだけで楽しめるのですが、実はむしろ斬新だったのは、ロジャー・ウォーターズとエディ・ヴェダーのデュエットとか、ポール・マッカートニーとニルヴァーナのメンバーの共演とか、クリス・マーティンとマイケル・スタイプが歌うR.E.M.ナンバーみたいな「新旧共演」の部分だったりして。それと、映画の中でも当日のステージでもトップを買って出たスプリングスティーン。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-15 01:00:42) |
1118. 待合室 -Notebook of Life-
最初の15分くらいで、これは、待合室にノートを置いた時点で、制作側が目的を達してしまっているな、と思っていたら、結局最後までそのままでした。まず、ノートの中身そのものに深みがなく、そこから繰り出される人生に広がりがないので、そもそも映画上のツールとしてのノートの意味がありません。また、そこに至る主人公ないし周辺人物の背景についても、どこまでも通り一遍であり、ノートが導き出される必然性がないので、その点からもノートの意味がありません。そもそも、場所が待合室であるべき必然性についても、作品の中からは見当たりませんでした。 [DVD(邦画)] 3点(2019-02-12 23:44:53) |
1119. ムーンライト
《ネタバレ》 幼年期と少年期は、特段目新しいところのない描写であり、このままだと駄作なのではないか、と思っていました(マハーシャラ・アリがあの出番だけでオスカーというのも・・・この後全般に関わってくるものだとばかり思っていました)。青年期になって、延々引っ張るレストランのシーンの緊張感はなかなかであり、やっと話が動き出してきたわけなのですが、よく考えると、売人としての主人公をほとんど描いていないのは大きな欠点。つまり、結局は観念的な造形に終始してしまったのです。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2019-02-12 00:42:57) |
1120. さすらいの一匹狼
《ネタバレ》 最初のところで、意味ありげにスコープを覗くだけ覗いてニヤニヤしているだけという、この主人公のアクションがまったく格好良くないのです。で、結局そのまま最後まで行ってしまいました。大体、肝心の銀行家連中も、特に頑張って守らなければいけないように見えないし、まして子供を人質にして敵を脅すだなどというのは、もう何というか。皮肉と回帰を込めたラストに3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-02-10 23:15:09) |