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まぶぜたろうさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 178
性別 男性
ホームページ http://ameblo.jp/mabuse-tarou/
自己紹介 人にはそれぞれ言い分があるのです 。

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101.  女は二度生まれる
まずこの映画は、山茶花究やフランキー堺がスクリーンをうろうろしてるだけで楽しい、という既知の面白さにあふれている。それはただただ楽しい。一方で、若尾文子はそんな男たちの所作を客観的に見つめ、彼らから受ける仕打ちにただ黙っている。冷笑を浮かべるわけでも、涙を流すわけでも、暖かな微笑みで男たちを受け止めるわけでもなく、ただ無表情にうつむいている。「花影」の池内淳子は自殺という手段を選んだが、若尾は何を考えているのか全くわからない。そして映画はぶったぎったように、唐突に終わる。観客は取り残され、「若尾文子の素晴らしさ」や「人生の哀しさ」を自信なく呟く。この巨大な映画は、そんな無意味な呟きをブラックホールのように、いとも簡単に呑み込んでいく。そしてその巨大な黒の中心には、空虚で無表情な若尾文子が座っている。生き地獄から出ることの出来ない絶望と恐怖。川島雄三の、日本映画のワンオブベスト。
10点(2003-12-11 23:01:41)(良:3票)
102.  ゴースト・オブ・マーズ
「カズゥー柔術 (青帯)」さんのコメントに付け加えることは何もない。そーゆーことです。この映画の「無茶苦茶」は確信犯だし、その「無茶苦茶」の果てに、原初的な「映画」の核が見え隠れしてるってのが、カーペンターのすごいところ。普通に面白いアクション映画や、普通につまんないアクション映画は山ほどあるが、こんな映画は、そう、ない。それだけでも立派だ。最後の歩きは泣くでしょ、ふつー。去年の私のベスト1でしたが、何か。
10点(2003-12-11 11:34:19)
103.  早春(1956)
人と話をしていて、つい別のことを考えたり、文脈からずれたことを言ったり、親しい相手以外は通じないことを言ったり…、それをそのまま映画に撮って成立するのは小津だけだ。ごく日常の言葉を物語の中に再構成し、ごく自然に演出することの素晴らしさ。それは、淡島千景が池部良と久々に顔を合わせる際に発する「こんちわ」という感動的な一言に結実する。この「こんちわ」には泣けた。        若い夫婦の危機という題材や、狭い二階屋という空間、窓からの光を生かした演出は、小津というよりは成瀬巳喜男的で、とりわけ、暗い部屋で座り込む淡島と、2階にいる池部良とのカットバックは、小津にしては珍しいのではないか。というより、「いつも同じ話」「どれがどれかわからない」と人は小津を評するが、小津作品に珍しくない映画、異色作でない映画などあるのだろうか。       それにしても、ビール瓶に手を添える岸恵子のエロティック、朝の光の美しさ、笠智衆と池部の会話に不意に登場するボートのスピード感、眼帯をかけた女性の不気味、いつもながら小津の細部は感動的だ。「感情移入できなかった」だの「古い価値観についてけない」だのといった個人的な感想を軽~く超えて、小津はやっぱり素晴らしい。「古くったってね、人間に変わりはないよ」と浦辺粂子も言ってます。       最後に一言。成瀬組常連の中北千枝子が小津映画に最初で最後の出演をしています。「秋日和」などの岡田茉莉子、「麦秋」での淡島千景のような、主人公の友人といった役どころ。これが小津ワールドに見事にはまってない。妙に自由奔放、アドリブ演技しちゃったわ、って感じで、成瀬との演出の差がうかがえるのも、ファンには楽しいところです。
10点(2003-12-11 01:45:12)(良:2票)
104.  エロ神の怨霊
ここ50年以内で観たことのある人は、フィルムセンターに連絡しよう!
10点(2003-12-09 01:38:27)(笑:1票) (良:1票)
105.  曲馬団のサリー
グリフィスが素晴らしいのは、1ショットの美しさのために物語を語ることを放棄したこと、1ショットという概念を原初的に提示したこと。初期の短編にみられるドキュメンタリー的な美しさは、失われたアメリカの風景を捉えている、といったノスタルジックな文脈とは遙かに異なり、1ショットの持つ力に拘泥し物語を無視してしまったことによる。物語に奉仕する「クロス・カッティング」と、「リリアン・ギッシュの美しさについ近くに寄ってしまった」から発明された、いわば物語から逸脱するための「アップ」、その相反する技法を共に生みだした作家グリフィス。この映画はグリフィスの一方の集大成であるかのような映画、「アップ」だけの映画、キャロル・デンプスターの美しさだけを描いた映画です。寝床代わりのパン釜に入り、鏡を取り出すキャロル・デンプスター。そのロングショットから同軸上でアップつなぎ、逆光に煌めく髪をとき、化粧する美しい表情を捉える。これは、そんな素敵な瞬間だけで構成され、物語はそれを紡ぐ口実でしかない。それってヌーベルバーグじゃん!物語の作家、「クロスカッティング」の作家グリフィスと、物語を無視する作家、「アップ」の作家グリフィス。その両者の幸福な出会いがエリック・ロメールだ。
10点(2003-12-08 01:51:11)(良:1票)
106.  流れる
成瀬巳喜男は断じて「やるせなきお」ではない。男女の悲劇的な運命をやるせなく描く作家ではない。いわゆる「成瀬目線」を駆使したカットの連鎖が醸し出す、軽やかなリズム感の作家である。また、若夫婦が住む狭い室内から、大家族が住まう旧家の広い空間まで、あらゆる空間を絶妙に制御した作家である。そして成瀬が素晴らしいのは、そんな計算され尽くした構図の中で、立ち、座り、着替え、食べる役者たちが醸し出す空気の自由奔放さ。細かなカット割りと、一部の隙間もない構図の中で厳格に役者たちの動きは規定される、事実、小津と同様に成瀬もまた、計算された動き以外の所作を役者たちに許さなかったらしいが、それにもかかわらず立ち上ってくる、ルノワールにも似た自由でおおらかな空気、役者たちの即興めいた楽しさ。高峰秀子、中北千枝子、原節子、杉葉子、杉村春子、司葉子、岡田茉莉子、小林桂樹、三橋達也…、成瀬世界にあってはあの三船までが怒鳴ることを止め満面の笑みを浮かべるのだ。「流れる」はそんな成瀬作品の最高峰の一つです。時代に取り残され、没落する芸者置屋の物語。その歴史を淡々と客観的に見つめる、外部からやってきた女、田中絹代がとりあえずの主人公だろうか。田中絹代は時に冷静に、時に暖かく、そこに住まう様々な女たちを見守っていく。世界のすべては成瀬に統御されているのも関わらず、狭い置屋で女たちは自由に動き回り、酔いつぶれ、踊り、金を数え、ラーメンをすすり、喧嘩をし、まさに生の表情をみせてくれる。観客は田中絹代と同様に、その愚かさ、賢さをただ楽しめばよい。「浮雲」は成瀬世界の一端にしか過ぎないし、異質なる傑作だとすら思う。繰り返し述べるが、成瀬は断じて「やるせなきお」ではない。完璧な、しかしその完璧さを誇示することも、完璧ゆえの息苦しさもない、ただただ楽しく、ただただ愛しい映画なのだ。
10点(2003-12-08 00:57:28)(良:4票)
107.  フレンチ・カンカン
「感情移入できない」とか「主人公の性格が嫌」といった映画批評でよくみられる言葉は、ルノワールの前で全く無効となる。「人にはそれぞれ言い分がある」のだし、そもそも映画って万人が愛する人物像を描かなければならないの?この映画のジャン・ギャバンも相当嫌な奴だ。アルヌールはただの浮気者だし、その恋人も女々しい嫌な野郎だ。ところが、それがぜ~んぶチャラになる素晴らしさ。このカンカンを前にしたら、あなた、もう何の言葉も浮かびません。途中、一度曲が途切れ、アルヌールがポーズを決めた時、「え、もう終わるの?」のため息が観客から一斉にこぼれる。再び音楽が始まると、ほっとした空気が流れる、「ああ、まだ見れるんだ」。そして再び、観客の予想を遙かに超えた踊りが繰り広げられる。もっともっともっとこの踊りを観ていたい。できることなら一生見続けていたい、と思う。しかしエンドマークはやってくる。映画と自分との間に広がる果てしない距離を思い、絶望的になるのはその時だ。
10点(2003-12-08 00:50:51)(良:1票)
108.  キューティ・ブロンド/ハッピーMAX
中身が何もない映画。動物実験もアメリカの自由も演説も、この映画ではただ空虚な入れ物、物語の題材でしかない。ありがちな物語をいかに感動的に語るか。この映画が素晴らしいのは、その語り口であり、演出であり、撮影であり、編集であり、照明…、つまり「映画」の本質だ。で、それが素晴らしいんですわ、これが。単一の光源を生かした照明と、それを前提にした人物の動き、主演女優を美しく撮影すること、切り返しをしっかりと撮ること。古典的な技がこんなに光る映画を、今の世の中、そう簡単に観ることはできない。傑作です。泣きました。
10点(2003-12-07 21:25:57)
109.  アパートの鍵貸します
ビリー・ワイルダーは飽きる、というのが私の意見です。どう?この小道具の使い方、といったこれみよがし、この話法かっこいいしょ、といったしたり顔が、どーも鼻についてくる。しかし、この映画はいかんともしがたい。中学生の時、深夜テレビの画面に向かって涙し、拍手して以来、どうにもこの映画だけは心のワンオブベスト、恥ずかしながら「傑作」と呟かざるをえない。何が凄いって、「ひびの入ったコンパクト」が凄い。ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、フレッド・マクマレイ、バラバラに描いていた三者の関係がコンパクト一つで一気にまとまり、物語がダイナミックに転回する。物語を語るとはこれだ。この「コンパクト」は凄い。そしてラストのマクレーンの疾走感が凄い。ほんの2、3秒のカットなのだが、静かな物語を解放するかのように、走るマクレーンの横顔を捉えた移動ショットの素晴らしさ!この歓喜に満ちた表情を見るために私は映画を見ているのだ。ビリー・ワイルダーは今ひとつだ、と思う。でもこの映画は忘れられない。
10点(2003-12-07 20:22:06)(良:6票)
110.  汚れた血
カラックスは子供のように、駄々っ子のように、ただ「映画が好き」「あの娘が好き」とだけ言い続ける。SF的設定も、ビノシュを抱えて道路を渡りたかっただけなのだ。“ライムライト”も、なんとか許してあげて欲しい。彼はただ「映画」と「あの娘」に近づきたいだけなのだ、欲望のままに撮ってるだけなのだ。しかし、「映画」も「あの娘」もそんなカラックスを決して愛してはくれない。どんどん離れていってしまうばかりだ。スピルバーグなら適当なところで折り合いをつけるかもしれない、それが大人の分別だから。でもカラックスはとことん子供なのでその術を知らない。「嫌い」と言われても「好き」と言い続け、一人膝を抱えるだけだ。文字通り、そして恥ずかしいほどの青春映画です。。傑作と言うには痛切すぎる。失恋した時に観るといいよ、きっと。
10点(2003-12-07 12:52:04)(良:4票)
111.  ペイルライダー
「荒野のストレンジャー」のリメイク、はもちろんだが、むしろセルジオ・レオーネの「ウエスタン」に多くを得ていると思う。 いずれにせよ「シェーン」とは志が違う、心が違う。だって、この映画に青空はないし、真っ暗だし、イタリア帰りの西部劇だし、そりゃ、泣くってもんだ。
10点(2003-12-07 04:52:49)(良:1票)
112.  死刑執行人もまた死す 《ネタバレ》 
後半、弾圧されていた側による復讐が、なんのきっかけもなく始まる。ナチスの統治システムを逆にとった民衆による復讐は、まるで何かの機械のようにシステマティックに、厳かに、そして確実に作動する。巻き込まれた者は、運命を受け入れるがごとく、緩やかな死に向かって進んでいくしかない。これは反ナチ映画ではなく、システムに対する恐怖映画だと思う。
10点(2003-12-07 00:27:22)(良:4票)
113.  カリフォルニア・ドールス
例えば、バート・ヤングが髭をあたっているところにピーター・フォークがやってくる。ボディガードを間に挟む三人の構図とカッティングの冴え。例えば、安モーテルの一室、二人の女子プロレスラーがベッドに横たわって会話するシーンでは陰影の濃い80年代初頭とは思えぬ照明、などなどなどに魅了されていた、いくぶん冷静だった心は、クライマックス、ドールズの登場で一気にヒートアップし我を忘れ、アドレナリンやら脳内麻薬やらがどくどく体を駆け回る。もう言葉がないっす。リチャード・ジャッケルが全く台詞のない役で登場するわ、ピーター・フォークは指をくるくる回し、リング下で右往左往するわ、リングの上では手と手を高く掲げたハイ・タッチ、ジャッケルの目配せ、バート・ヤングの異様な笑い方、すべてが何もかもを超え、ただただただただ盛り上がる。アルドリッチがMGMホテルのリングで繰り広げるのは、全映画人生で会得した技量の粋と、映画が秘める謎の力だ。「単純に面白い映画」とか「理屈抜きに凄い」とは、こういう映画のことを言う。
10点(2003-12-06 23:45:43)(良:1票)
114.  脱出(1944)
ホークスで一本だけ!となると、「ハタリ」でも「空軍」でも「リオ・ブラボー」でも「雲晴れて愛輝く」でも「ヒズ・ガール~」でも「教授と美女」でも好きにしてください、なのだが、私の好みは「脱出」です。深夜のジャム・セッションの素晴らしさ、ホーギー・カーマイケルのくわえるマッチ、ウォルター・ブレナンの歩き方、そしてローレン・バコール!役者の芝居をいかに引き出すか、いかに1シーンを充実させるか、その粋がここにある。それができたら、あとは適当に撮って、適当につなげば、いい映画が出来る。これぞホークス。
10点(2003-12-04 02:58:54)(良:2票)
115.  静かなる男
ジョン・フォードで一本、となると私はこの映画を選ぶ。え、まじ?と言われようと、だって滅茶苦茶盛り上がるじゃん、としか言いようがない。この映画を前にしたら、ほんとに言葉がない。馬鹿じゃん、と言われようと、だって楽しいもん、としか答えられないっす。「カルフォルニア・ドールズ」「フレンチ・カンカン」と並んで、映画史上三大盛り上がり映画。
10点(2003-12-04 02:40:17)(良:2票)
116.  ピーター・フォークの ビッグ・トラブル
役者たちがのりにのる、のりまくっている。物語という枠の中で演じているはずなのに、それを超えて楽しんでいる。演じるってのはかくも楽しいことなんだ、と思う。カサヴェテスはそれを的確に、実にかっちょよく画面に収め続ける。その結果がラストの楽しい楽しい楽しい野外パーティーにつながる。カサヴェテスの意に反した映画であろうとなかろうと、これは紛れもなくカサヴェテス映画だと思う。
10点(2003-12-04 02:31:24)
117.  こわれゆく女
カサヴェテスの役者たちは自然でいきいきとし、私生活をそのままスクリーンに映じているようだ。しかし不思議なのは、カサヴェテスがとにかくカットを割ること。役者たちの芝居を撮ってだけすればいいだろうに、わけもなくカットを割る。ドワイヨンは長回しで攻めるが、カサヴェテスはまるでハリウッド映画のようにカットを割る。でも、ジーナ・ローランズは泣き叫んでいるし、子供たちは感動的に階段を何度も上下するもんだから、あれよあれよと見続け、どういうわけか、ただただ泣きまくりのみ。カサヴェテスは新しい映画を創ったんだと思いました。
10点(2003-12-03 22:30:19)(良:1票)
118.  木と市長と文化会館/または七つの偶然
ロメールで一本を選べ、そんなこと言ったって…。今日の気分ではこの映画です。たわいない政治談義を適当に撮ったのに、どういうわけか、カメラはここに置き、この台詞でカットを割るのが唯一の正解に思える。映画史がそうしなさい、と言ってるかのように思えるのがロメールの凄さです。しかもミュージカル映画だっつうんだから、何だか、黄金時代のハリウッドはロメールにしか継承されてないみたいです。
10点(2003-12-03 22:00:41)(良:1票)
119.  疑惑の影(1943)
ヒッチコックで1本を挙げなさい、そう言われたら、私は迷わず「疑惑の影」を推す。図書館へ走るテレサ・ライトの運動感、「悪」の哲学を語るジョセフ・コットンの顔、そして、階段、指輪、窓、扉、ヒッチコック得意の舞台装置が完璧に作動する。サスペンス?そんなものどうでもいいじゃん、と思う。完璧な映画ってものがあるなら、これだ。
10点(2003-12-03 21:49:50)
120.  カポネ大いに泣く
清順で何を選ぶか。難しい質問だが、あえて1本となると、私は迷わずこれを挙げる。ヒッチコックの「めまい」に似た、亡き女性への忘れられない、そして決してかなうことのない恋と、「突然炎のごとく」のような聖三角形。鬼気迫る、としか言いようのないショーケンが素晴らしい。もちろん清順である、一筋縄ではいかないことは百も承知で断言する。これは泣ける清順、男騒ぎの清順映画だ。
10点(2003-12-03 21:36:00)(良:1票)
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