1181. スワンの恋
こういうの見てると、オトコって本当にダメだねえ、と思えてきます。万年、中学生。 そんなジェレミー・アイアンズをぜひ、アラン・ドロンは啓蒙してやって欲しいところなんだけど、しかもそろそろアラン・ドロンに再登場願いたいなーと思ってるとそのタイミングでちゃんと出てくるんだけど、彼は彼でトホホな痴話喧嘩(?)やってたりして。 そのトホホぶりに対して致命的なまでに全く自覚が無い、ってのが、オトコのオトコたる所以だと、この映画のラストを見てると思わざるを得んのです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-04 20:43:42) |
1182. 博奕打ち 総長賭博
若山富三郎演じる松田の単細胞ぶりが、もう素晴らしくって(笑)。 いや彼に限らず、登場人物みなそれぞれが素朴な信念のもとに行動し、見事なまでにスレ違い、ボタンの掛け違いを繰り返して、物語を織りなしていく。破滅という名の悲劇へ、悲劇という名のパラダイスへと、否応なく突き進み、観始めたらもうやめられません。 各自の行動が次々に皮肉を生み出していく流れは、出来過ぎと言えば出来過ぎで、危ういバランスの上に立っているとも言えるのですが、その流れをしっかりと支えているのはやはり、役者それぞれが持ち味として発揮している、芸、ですね。鶴田浩二しかり、若山富三郎しかり、名和宏しかり。しかし何と言っても桜町弘子ですね、ホント。藤純子は少しワリを食っちゃったかもしれません。それぞれが演技を通じて、自分の信念を体現して見せることで、物語は、単なる図式的なものではない、血肉の通ったものとなりました。金子信雄の独特の顔芸は、さておき・・・。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2018-09-29 16:34:04) |
1183. デンジャラス・ラン
デンゼル・ワシントンとライアン・レイノルズとのバディ・ムービーみたいな作品かと思ったら、なかなかコンビらしい関係にならないまま、それぞれ(というよりデンゼル・ワシントンが)勝手に動き回って、こういうどこにも落ち着かないまま映画が走っていく、ってのは、結構、好きな展開なんですけれども。ただ、ホントに最後まで物語が収束せず、どこにも落ち着かなかったなあ、と(最後に至って唐突に「感動的な」ラストになる、これ、いささか安直)。 あと、格闘シーンが、これ、きっと「痛みの伝わる格闘」みたいなのを目指してるんだろうなあ、と、気持ちはわかるのですが、結果的に画ヅラがゴチャゴチャしてしまう。 それなりに楽しめるんですけどねー。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2018-09-20 19:51:35) |
1184. ファインディング・ドリー
ヒレを手のように使った擬人化、表情づけなんかもあったりするけれど、基本的には人間の俳優のように手足を駆使したアクションができない魚たち。だけどその分、全身を使って、これでもかとほとんど捨て身のようなジャンプを繰り返すアクションを演じてみせてくれます。陸上に乗り出してくると、水の中でしか生きられない魚は不自由な存在、ではあるのですが、これらの跳躍に、ときにものすごく「自由」を感じてしまう。 これぞアクション映画、と言いたくなりますな。 [地上波(吹替)] 8点(2018-09-15 04:05:46) |
1185. 銀魂
ま、とりあえず、こんな作品をこれだけ自信満々に作って見せる、ってのは、ご立派なことであると思います、ハイ。 なかなかこのノリには、ついていけませんが・・・ [地上波(邦画)] 6点(2018-09-11 20:55:20) |
1186. MEG ザ・モンスター
いくら公開開始直後の日曜とは言え、何でこんな映画がこうも混んでるんだろう。一体みんな何を期待しているんだ?と人のコトは言えないけれど。 期待するのはただ一点、どのくらいデカいサメが出てくるんだろうか、と。 いや確かにデカいけれど、これだけデカいと、かえってあんまりピンと来ません、当然ながら。そしてこれも当然ながら、製作サイドもこのデカさを持て余しているような。デカ過ぎて、コワくも何ともありません。こんな「シャークトパス」とかと同レベルの企画に、見境もなく一体どれだけ金使ってるんだろうか。恐るべし中国マネー。 もしかしてこの映画のメガロドンは、肥大しきった中国という国家そのものを象徴している・・・なんてワケも無いけど。 とりあえずコワくない、のみならず、安心感すらあります。残酷描写も無く、適度に観客をビックリさせる「ちょっとしたショックシーン」をしきりに挿入する。はいはい、またですか、ってな感じで、こちらもお付き合いにビックリしてみせる(もちろん、ムダにビックリシーンを繰り返すので、食傷気味になってきます)。 登場人物もイイ人たちばかり。人間関係も明朗そのもので、ジェイソン・ステイサム(さすが泳ぎは見事!)演じる主人公も気難しい人物かと思いきや、「元妻の危機」と聞いてホイホイ救出に乗り出してくるし(主人公を物語に引きずり込む為以外に元妻が登場する意義無し)、でもって中国人の母子とじゃれ合いまくり。 中国人女性とその父との間にも何やら葛藤のようなものがあったらしいのだけど、物語の途中で取ってつけたようにそんな過去の話をされても、無理やりドラマをでっち上げたような印象しかありません。 要するに、巨大サメが襲ってくるという、本来ならかなりぶっ飛んだオハナシの筈なのに、やけに大人しいというか、誰にも好かれないけれど誰にも嫌われないようなオハナシにとどめているんですね。中国に媚びを売るだけでなく(映画の巨大マーケットだけど、それなりに商売が難しい事情もある)、チョイ役とは言えマシ・オカに日本語をしゃべらせたり書かせたりして彼が日本人であることを妙に印象づけ、このテの映画には不自然なほど、仲間たちは彼のことを言及してみせる、これって、日本マーケットも考慮してくれてるってコトですかね。日本の観客にはたぶん、どうもでいいコトだったりするのですが。 メガロドンがなぜ本作で我々の前に現れたのか、という説明のクダリ、「これで、作ろうと思えば続編も作れます」という以上のものでも以下のものでもないしなあ。 というワケで、すばらしくスカスカな映画を観させていただきました。気持ちいいほど、実にスカスカ。でも、今後もこんな感じの米中合作映画の流れは、とどまることを知らずに続いていくんだろうなあ、と何やら考えさせられるものがあったりもするのでした。 それに、怪獣映画と言えば日本、と思ってたけれど、レジェンダリー・ピクチャーの買収の件もあるし、今後は「怪獣映画=中国」になっちゃうんだろうか。何だかウラヤマシイぞ。 [映画館(字幕)] 5点(2018-09-10 21:50:39)(笑:1票) (良:2票) |
1187. ヘルレイザー3
ヘルレイザーと言えば何と言っても、顔中に焼き鳥の串を刺したあのピンヘッド氏ですが、本作の前半は、ヘンなオブジェの中から顔だけ出して、頼りなくも情けないお姿に。そんな姿で、いくらオドロオドロしいことを言ってもみせても、ねえ。 しかし元の姿に戻ってからは大暴れ、まさに殺戮の嵐、と言いたいところですが、CDが飛んできて顔に刺さるとか、かなりトホホな殺戮でして、ええ、もちろんこういうの、大好きですよ。さらには街中でのちょっとした破壊活動にまで発展。 ピンヘッド氏の仲間の魔導士も、これまではただ顔が面白いだけで無害そうな連中でしたが、今回は妙にメカニックで強そうな連中が登場。 一作目のボヤボヤっとした田舎じみた感じの因縁話も良かったですけど、こういうバカバカしいスペクタクルも、良いですなあ(変に技巧ぶった映像が、これまたアホらしくて良い)。 ただ、どうしてこうも最期があっけないのか・・・ [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-09-08 12:41:13) |
1188. トリガール!
鳥人間コンテストの放送に合わせて、番宣的に深夜にテレビ放送されてたんですけれども。 これじゃ、鳥人間コンテストの映画じゃなくって、自転車の映画じゃないですか。 そう思って観ると、それなりに魅力があるのですが、それにしたって、非日常の中の非日常とでもいうべき「空を飛ぶ」という事に、こんなに無頓着でいいんですかね。飛行機製作班はオタクみたいな連中ばかりだから、ほっといても優秀な機体を勝手に作るだろう、みたいな投げやりな描き方が、非常にもったいない。 主人公はアンポンタンなので、別に「飛行機を作る情熱」というものに無関心でもいいのかも知れないけれど、せっかく、主人公の友人にカメラを持たせているのだから、彼女には「観る」ことに徹してもらって、彼女の目を通して「飛行機を作る情熱」を描く手もあったのでは・・・とか。 いや、情熱を描かないまでも、飛行機自体が持つメカニックな面白さが描かれていれば。 というワケで、鳥人間ではなく自転車の映画になっちゃったのですが、それでも、本番フライトのシーンでは、芝浦工大の二人乗り人力飛行機というモデルをうまく利用して、二人を密室に閉じ込め、向き合うことなく怒鳴りながらの会話をさせる(しかもその会話がマイクを通じて皆に聞こえている)という、世にも秀逸なシチュエーションを提供してくれていて、ここだけは鳥人間ネタならではの面白さ、といった感があります。 で、鳥人間コンテストの本放送の方も観ちゃうのですが・・・見比べてしまうと、どうも、放送席に羽鳥さんしかいないってのは、さすがに寂しいですなあ。 [地上波(邦画)] 5点(2018-09-04 21:10:00) |
1189. トゥルー・ロマンス
その昔、初めてこの映画を観た際の感想はというと、「出演者にヴァル・キルマーの名前があったけど、一体どこに出てたんだよ!」。 後で配役を調べてみて、え~~~~(笑)と、妙に感心してしまったのでした。 それはともかく、この作品。監督トニー・スコット、脚本タランティーノというのがよくわからん組み合わせですが、たぶん、これで正解だったんだと思います。主人公が映画オタクでしかもその嗜好にまったく一般性が無い、という、要するにタランティーノが自分自身を主人公にして脚本を書いちゃったワケですから、で、しかもその彼にとっての「ロマンス」を描くワケですから、さあ、これをさらに自分で監督してたら、どこまでイッちゃってたことか(というのも興味深くはありますが)。 これを、職人トニー・スコットが手掛けたことで、不思議なバランスが保たれた作品となりました。セリフの掛け合いの面白さを備えつつも過剰というところまでは行かずにほどほどで留められているし、暴力描写もふんだんにあるけれど鼻白んでしまうほどの残酷描写でもないし。どこか都会的で、スタイリッシュ。随所に登場する「煙」が、雰囲気出してます。 で、バランスは取ってるんだけど、やっぱり脇役陣は怪人がズラリと揃えられてるし、破滅的なクライマックスに向けて強引に突き進んでいくし。アブノーマルな魅力も充分。 ラストが書き換えられてタランティーノが機嫌を損ねた、なんて話もあるけれど、「千葉真一」が採用されたこと自体が奇跡みたいなもんだから、まあ、いいじゃないですか。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-09-04 20:45:51) |
1190. ブラジルから来た少年
《ネタバレ》 クローン・ネタってのも今となってはすっかり手垢がついてしまった感もありますが、それでもなお本作が魅力を保っているのは、謎の提示のうまさですね。最初の方で、犯人一味の正体も明かされるし、彼らの計画も明かされる。だけど、何のための計画なのか、ってのが謎になってて、それが徐々に明らかさにされていく。で、その明かされる謎というのが、正直、「んなアホな」と言いたくなるような、荒唐無稽なものなんですが、「荒唐無稽な事件の裏を、実は一本の荒唐無稽な理屈が貫いていた」というところに狂気、残酷さ、恐怖、といったものを感じさせるワケで。 ま、バカミスの嚆矢とでも言いますかね。 ほとんどセリフの無い冒頭シーンの緊迫感。何やらよくワカランうちに唐突に発生する殺人事件。厚化粧ですっかり誰だかわからなくなってるグレゴリー・ペックの不気味さ。一方の探偵役、ローレンス・オリヴィエの、いかにも頼りない感じと好対照です。まあ、クライマックスがジジイの取っ組み合い、ってのがいささか盛り上がりに欠けるところではありますが。 ジェリー・ゴールドスミスの音楽、ここでも器用なところを見せて、しばしばドイツ音楽を想起させるようなスコアを披露しています。メインのテーマはワルツ風ですが、リヒャルト・シュトラウスばりの濃厚なオーケストレーション。また中盤ではワーグナーのパロディ?みたいな音楽も聴かせてくれます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-03 21:16:46) |
1191. スチームボーイ STEAM BOY
《ネタバレ》 あの圧倒的なアニメーションの可能性を我々に見せつけてくれた『AKIRA』でも、「煙」の描写だけは今ひとつ不自由さが残った感じがあったのですが、本作は蒸気機関をテーマに持ってきて、正面からこの「煙」の描写に挑戦しています。半透明でつかみどころの無い蒸気の描写があれば、迫りくる巨大な塊としての蒸気の描写もある。 本作のオハナシはというと、蒸気機関という科学技術を手にした人間たちが、戦争ごっこを始めちゃう、ってなところですが、もちろんこの蒸気機関は、現代における核エネルギーの比喩として捉えることもできるでしょう。しかし本作は、そういう単純な喩え話による文明批判には、決してとどまるものではありません。この上なく緻密な作画とアニメーションによって我々の前に示される、膨大なメカの数々。科学技術がひとつの美学に昇華された姿を、まざまざと見せつけられます。そして、その巨大な科学が崩壊していく、クライマックスの壮大なカタストロフも、イデオロギー云々抜きに、我々の心を強烈に揺さぶるスペクタクルとなっています。 主人公、その父、祖父、という親子三代の科学者が、誰が善で誰が悪ということなく、それぞれの立場を貫いているのも良い。一番自由な立場の主人公が、一番自由に空を飛び交って見せる。 そして、これでもかと続く破壊のアニメーションが、ぴたりと動きを止める、クライマックスでの動から静への転換。感動的ですらあります。 [DVD(邦画)] 9点(2018-08-26 17:16:01) |
1192. オデッセイ(2015)
何だかあまり、試行錯誤みたいなものがなくって、多少のトラブルはあれど、主人公の取り組みはたいてうまくいっちゃう。どっちかというと、失敗に次ぐ失敗の末に何とか危機を打開する、というのを期待しちゃう(というか、そうでないとおかしい)のですけれども。 しかし本作はむしろ、あえてそういう方向の描き方を避けているようにも思えます(実際、題材の割に劇中における主人公の描写のウェイトは必ずしも高くない)。まあ確かに、この状況、危機また危機では絶対に主人公助からんもんね。というのを別にしても、基本、主人公の頑張りで生き抜くというより、知恵でもって生き残るオハナシ。サラリとした描写でもそこには科学への信頼がはっきりと貫かれている。そしてだからこそ、ふとした時に現れる、アナログ的なものが、印象的なんですね。 主人公は、大変だ~大変だ~とは言わない(普段からそういうコトばかり言ってるヤツはたいてい、さほど大変じゃない、ってのもある)。わざわざ言わなくっても、服を脱いだ主人公の肉体の衰えが、その大変さを雄弁に語っています。 火星で鼻栓が必要になるとは、誰も予想せんわなあ。あって良かった、これぞ文明の利器。 [地上波(吹替)] 7点(2018-08-20 20:55:46) |
1193. ミッドナイトクロス
《ネタバレ》 映像にコダわりをみせつつ、それがまるで心に響いてこないのが、まさにデ・パルマのデ・パルマらしいところです。本作が彼の代表作として今でも語られてるのは、そういう彼らしさがよく出ている、ということもあるだろうし、その後の彼がなかなかパッとしないってのもあるんでしょう。 画面分割、ヘンな合成映像、グルグル回るカメラ、天井カメラ、いろいろやってて、「やってるなあ」と思うけど、だからといってストーリーが盛り上がるワケじゃない。トラヴォルタが証拠品を天井裏に隠す場面もわざわざ遠方から窓越しに撮影して、え、こんな窓の外から丸見えじゃあ、マズいんじゃないの、とか思う(そして実際に誰かに見られたんじゃないかと思う)けど、ストーリーには何の影響もありませんでした、ハイ。 トラヴォルタ演じる主人公が映画の音響担当、というのがちょっと楽屋ネタっぽくって、ちょっとイヤらしくもあり、ちょっと楽しめるところでもあります。で、もちろんこの点は、ちゃんとストーリーに生かされているのですが、その「音」で恐怖を演出するところにまでは至っておらず、それもまた、ちと物足りない。 しかしまあ、あまりオモシロくなくてもコワくなくても、ジョン・リスゴーの殺し屋が多少マヌケに見えても、撮りたいように撮ってやるさ、というこの姿勢。それさえあれば、確かに、次はどんな画が出てくるんだろうと、ちょっとワクワクさせるものがあります。 ラストのオチは、「音のスナッフフィルム」。バカバカしいけどこれはなかなか思いつかない、ちょっとメタ性のあるオチですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-19 11:02:06) |
1194. 地獄のコマンド
いや~ようやく見ることができました。って言っても映画の存在自体をほぼ忘れておりましたが。 ゴールデン洋画劇場でやる、っていうので、見たかったんですけど、その放送日の私は、大学入試の1日目。しかもその日の首尾たるやそれはもう惨憺たるモノでしたから、地獄のコマンドなんて見てる場合じゃない。しかし、もしあそこでヤケ起こしてチャック・ノリスのアクションを堪能していたら・・・幸い2日目の試験で挽回できたらしく、2週間後の合格発表で無事、肩の荷を下ろして、ホテルのテレビで見たゴールデン洋画劇場の『ターゲット』(85年)の、何と面白かったことか。 と、どうでもいいことばかり書きましたが、要するに、この『地獄のコマンド』、私の人生に何の影響も与えていません、ハイ。なのでどうかご安心ください。 それにしてもこの作品、どっからどう見ても安そうな、キャノンフィルムズらしさ溢れる一本なのですが、何だかよくワカラン軍団がアメリカに上陸して破壊活動を繰り返し、戦車までも登場する一大バトルに発展する、という、なかなか豪快な一本でもあります。まさに「なんちゃって超大作」です。 テロ軍団のアメリカ侵攻計画は、テロリスト曰く18時間ほどで完了するらしく、なるほどこうやって物語にタイムリミットを設けたワケだ、と思いきや、その後、適当に昼のシーンと夜のシーンが入り混じり、何日経過したのかわからなくなってきます。多分、どうでもいいんでしょう。 破壊活動を繰り返すと言っても、どこやらの田舎町で民家を壊したりする程度で、何がやりたいのかさっぱりわかりません。わかりませんが、少ない予算でなるべくたくさんの破壊シーンを見せようと思えば、やっぱりコレしかないでしょう。 脈絡なく破壊が繰り返され、そこに脈絡なくチャック・ノリスが(少し遅れて)やってきて、敵を成敗する。敵の方でもなぜか妙にチャック・ノリスのことを恐れ、警戒しているんですけど、何ででしょうね。何でかワカランけど、とりあえず「さすが、我らがヒーロー、チャック・ノリス」という感じになってます。なってますけど、基本的に支離滅裂ですね。物語の繋がりも何も、あったもんじゃない。 というワケで、「なぜそんなトコロを破壊するのか」「なぜそこにいつもチャック・ノリスが現れるのか」とかいう疑問は完全に無視したままアクションが羅列されてるのですが、物語が無い分、破壊活動の描写は結構、丹念に描かれているし、クライマックスはド派手にちゃんと盛り上げているし、何よりチャック・ノリスのチャック・ノリスらしさが堪能できる。 こんなイカした作品を、私は28年半も見逃していたんだなあ。ま、別にいいですけど。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2018-08-16 19:54:44) |
1195. ピクセル(2015)
ゲーマーが宇宙からの侵略者と戦う。しかもゲームそのもので戦うだなんて、『スター・ファイター』でもそこまで厚かましいことはしませんでした(しかしあの作品はあの作品で、大勢登場させた宇宙人をアッという間にほぼ全員死亡させるという厚かましい作品でしたが)。 というワケで、こんなアホらしい設定で映画を作ってくれて、とりあえずは有難う、なんですけれど・・・その「アホらしい」という地点に、そのままとどまってしまったのが、作品を残念なものにしています。「アホらしさ」を言い訳に、映画を適当に作ってはいけません。 主人公たちがイケ好かない連中、ってのは、作品の狙い通りだろうけど、そんな、およそどうでもいい「等身大以下」のヒトたちが、ただゲームをやって終わりだなんて、いくらなんでもお粗末でしょう。そのゲームだって、ひとつひとつ順番にこなしていくだけ。物語にも何にもなってない。 そりゃま、私も「懐かしいなあ」と思う世代のひとりですけどね。その一方で、「他人がやってるゲームを横で見せられても、大して面白くない」ってのも、あるワケです。 [DVD(吹替)] 4点(2018-08-16 15:32:00) |
1196. 戦火の勇気
あまりにも敵兵士の顔が見えなくって、顔が見えない相手だからいくら殺しても良くって、という割り切った映画の作りには、引っかかる部分もあるんですけどね。ただ、敵を殺して後悔し、味方を殺してまた後悔、では、内容がボケてしまうのもまた確か。この辺り、もう少しうまいアプローチがあればなあ、と。 同一の事件に対する証言が、証言者によって異なっていく、という構成は、黒澤明の『羅生門』を思い起こさせるのですが、本作ではその構成が湾岸戦争に適用されることで、「史実」ってのは結局は生き残った者が、そして勝者が、「作る」もんなんだよな、という事をつくづくと感じさせます。 死んじゃったら、何も言えない。でも生き残ったって、何も言いたくないこともある。そして残るのは、強者にとっての都合でしかない。 それはまあ、殺されていくイラク兵士を何の哀れみもなく描いた本作自身についても言えることなのかも知れないけれど。でもそこは割り切って、戦闘シーンはあくまでスペクタクルとして劇中に配置し、この変則的な物語を戦争映画としてうまく盛り上げてみせた点は、うまいと言えるでしょう。そしてそこに、主人公の再生の物語も絡めてみせる。もちろん、ルー・ダイアモンド・フィリップスとマット・デイモン(凄まじい減量ぶり!)、この二人の存在も忘れられません。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-08-16 15:07:45)(良:1票) |
1197. 皆殺し無頼
《ネタバレ》 主人公が、まるで若い頃の千葉真一みたいにドーラン塗り過ぎで暑苦しい。ってのはともかく。 およそ役に立たない相棒がいたり、スゴ腕のライバルみたいなヤツがいたり、少年との交流があったり、と、主人公の側の登場人物については王道クラスの充実ぶりなのですが、肝心の敵は、ちょっと物足りない。 オバチャン、なんです。 オバチャンの部下ども(じゃなくて兄だっけ。貫録の面から部下としか思えぬ)もそれなりに頑張るので(それにしたって、殺傷能力の低い武器でのリンチシーンだけど)、終盤の銃撃戦なんかは結構盛り上がります。主人公はともかく、ライバル格の方が頑張る。 そして意外なラスト。なるほどと思わせる。そう思わせてくれるのも、やっぱりライバル格の方。 要するに、主人公が頼りなさすぎるのでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-08-16 11:44:38) |
1198. 太陽は光り輝く
さて、すみません『プリースト判事』を未だ観たことが無いので、本作とどう描き分けられているのか気になりつつ、なんですが、とりあえず。 主人公のプリースト判事、何かと言えば薬と称して酒ばかり飲んでる酔いどれジジイ。何かと頑固そう。こんな人に判事を任せてよいのか心配になるけど、何かと憎めない。その彼の姿が、ときに音楽を交えて陽気に語られるのですが、陽気なばかりじゃない。 賑やかなパレードの行列もあれば、寂しい葬儀の行列もある。そしてそれらの行列と対比するように、プリースト判事がひとり、トボトボ歩く場面が描かれたりもする。ラストなんて、わざわざ女性が声をかけようするのをそばにいる男が押しとどめてまで、判事をトボトボ歩み去っていくシーンに仕上げていたり。 判事は頑固そうだけど、要するに誇りをもってる。そして人生、いつも戦ってきた。昔は南北戦争で戦い、今は選挙で戦っている。判事の職だって、お気楽そうに見えなくもないけど(笑)、自分の信じる正義のための戦い。だから、正義に反する理不尽なリンチには、命がけでそれを止めようとする。 そういうのが、枯れた味わいを伴って描かれていて、いいんですよね~。時代は移り変わり、だからこそ、変わらないものへの郷愁があって。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-08-16 11:25:55) |
1199. キングコング: 髑髏島の巨神
サミュエル・L・ジャクソンが闘う気満々な点といい、おそらくは「大人の事情」によりムダに東洋人がキャスティングされている点といい、おお、これはまさに『極底探険船ポーラーボーラ』ではないか・・・いや勿論あのヘナチョコ映画が本作に1オングストロームたりとも影響しているとは思わないけど(単位として正しいのかもワカランけど)、それにしても、ヘナチョコとは言えあのヒロイズム、そのカケラくらいは本作に注入してやりたい気がしないでもない。 馬鹿正直にモンスター映画として作品をひたすら肥大化させてしまったピーター・ジャクソン、アレに比べると、確かに本作は賢く立ち回っている気はします。全編がクライマックスとばかり、始終ガチャガチャやっているけれど、要するにこれって、クライマックスが無いのと同じ。ピーター・ジャクソンはジュラシックパークシリーズを叩きのめすべく、馬鹿正直に3頭も肉食恐竜を登場させてキング・コングと戦わせてみせたけど、本作なんて、何も欲張らない、何も気負わない、ただ、巨大コングをお披露目すればそれでよし。物語も、本作を通じて結局、何も起こらなかったに等しい。そう、次に繋ぐための、あくまで序章なんです。ってな感じ。 ヒロインに対するコングの態度も煮え切らない。けど、こういうシーンも一応、入れときましょう、ってか。 ってなワケで、どうしても感じてしまう出し惜しみ感。カッチョいいシーン、迫力あるシーン、それなりに楽しめるんですけどね。ただそれが、ほどほどのところでとどめられ、表面的にただ並べられた感じ。エピソードが有機的に絡みあっていた『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』の、いかに素晴らしかったことか(そりゃチープだけどさ)。 たぶん、これはたぶんだけど、本当はもっといろいろと怪獣映画としてのアイデアがあるにも関わらず、シリーズを念頭に、ちゃっかり温存してるんじゃないのかね。 もしそうなら、商売っ気があり過ぎ。もしそうじゃないのなら、次が本当に心配。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2018-08-15 11:19:38)(良:2票) |
1200. デッドコースター
世の中あちらもこちらも、殺人ピタゴラ装置だらけやね。 というワケで、危険がいっぱいの日常の中、提示される数々の「危険」のうち一体どれが致命的となるかが見どころ。ただ、これを、ちょっとやり過ぎ。後半失速して、我々もあまり驚かなければ、主人公すらもあまり驚かなくなっちゃってます。 せめて、こういう映画における「派手な死」というものは、みんなで驚いてあげてこそ、供養にもなるというもの。 とは言っても、アイデア満載の、この楽しさ。ときにバカバカしくても残酷描写とセットにすることで、アイデアが活きてきます。カメラもワンカットでスイスイ滑ってみせて、映画のスピード感を盛り上げるし、冒頭の事故シーンをコケ脅し気味に我々に叩きつけたあとで遠景にそれを再現してみせるのもウマい。 前半が良すぎたかもしれません。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-13 12:15:18) |