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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2593
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1241.  ネバーランド
ふと考えると、映画を観ること自体が、“空想をする”“イメージをする”ということだと思う。映画の素晴らしさというのはそういうことで、まさにその真髄を描いたこの作品の感動の深さはシンプルだが、非常に深い。美しい現実と空想の狭間で繰り広げられる、美しい愛の物語。感動作としてなんともこれ見よがしな物語であるが、涙が溢れるのだから批判の余地も無く素晴らしいと言うしか無い。空想の名における永遠の少年ピーター・パンが、深い喪失を抱えた少年から生まれたということに、想像性に対する感慨深さを覚えた。
[映画館(字幕)] 8点(2010-10-06 00:26:50)(良:1票)
1242.  幕末残酷物語
事実はたったひとつであるはずなのに、時の移ろいや観点により多種多様な様を見せるのが歴史というものである。その中でも“新撰組”という事実は、実に魅力的でミステリアスであるが故に、非常に多面的で真の姿が見えにくいものなのだと思う。だからこそ、長きに渡ってあらゆる媒体によって物語化され続けているのだろう。そして数多くの作品が、その存在をある種“英雄視”している中にあってこの映画の存在は、とても衝撃的であった。“人斬集団”などという歴史的事実は各場面で伝え聞くところではあるが、その環境に生きる当の人間たちの心の闇をこれほどまでに徹底的に描ききったものはあまり無いのではないか。“残酷”といえば確かにそうだが、それは“彼ら”の歴史の中に当然あるべきリアリティだと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2010-10-05 23:32:57)
1243.  ガス人間第一号
正直なところ、この映画の場合、僕はタイトルのインパクトだけでほとんど圧倒されている。“ガス人間第一号”って、まさしくそのまんまなんだけれど、なんて潔くてオシャレな表題なんだろうと。そして、そのタイトルから滲み出る“B級科学映画”という雰囲気をさらりとかわして、繰り広げられる哀しい男の哀しい運命の物語に、予想に反した感慨深さが残る。若かりし故・三橋達也の男臭さ、美しい八千草薫の憂いに魅了されることも間違いない。 ところで、こういう映画がもし同じ時代にハリウッドで作られていたとしたら、間違いなく現在においてリメイクされているだろう。それをしない(むしろ出来ない)日本映画界は、やはり当時に比べて、特に娯楽映画の部分での進歩が無いというよりも後退が著しいのだと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2010-10-05 09:52:36)(良:2票)
1244.  パーフェクト・ゲッタウェイ 《ネタバレ》 
「衝撃の結末」を売り文句をうたう映画はとても多い。そして、その売り文句に裏切られることもまたとても多い。あらゆるアイデアとストーリーが出尽くしている中、肥えに肥えた映画ファンの「眼」を超えることは極めて難しいことだと思う。  今作においても、用意されていた顛末に想像を超える程の”衝撃”があったとはとても言い難い。  ハワイの秘境にて遭遇した3組のカップル。その中の一組に殺人犯が紛れ込んでいるという情報が入り、突如としてサスペンスが渦巻く。 美しい南の楽園における疑心暗鬼に満ちた人間の心理劇は、コントラストが際立ち、舞台設定自体には一定の魅力があったと思う。  ただし、映画の展開は巧くなかった。  最大のウィークポイントだったのは、キャストのバランスが悪かったことだと思う。 スター俳優はミラ・ジョヴォヴィッチだけで、当然ながら彼女を中心に映画は展開していく。そして、結局彼女自体がストーリーの”オチ”では、どうしたって驚きは薄まる。(かといってジョヴォヴィッチの存在感が強いかというとそうでもない……) それぞれのキャストのレベルがフラットでなければ、この手の群像ミステリーは巧く機能しないと思う。  脚本自体には、確かに衝撃とそれに伴う深みがあったように感じる。けれども、それを映画として表現仕切れていない。 演出や映像感覚にもっと“巧さ”があれば、「衝撃」の確立と共に、映画として深化したと思う。 脚本家出身の監督だからこそ生じた、「脚本」と「映画」の間の“溝”を感じた。  終始ドキドキするしハラハラもする。しかし、その“方法”は粗く強引で、決してフェアではなかったと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2010-10-04 22:35:36)
1245.  プリンセスと魔法のキス
史上初の長編アニメーション映画である「白雪姫」から始まり、“お姫様映画”は、長いディズニー映画史の“王道”であり、“伝統”だろう。 久しぶりにCGを駆使しない伝統的なこのディズニー映画には、全く新しさが無い反面、子供の頃から長年親しんだテイストに対する安心感を覚えた。  ストーリーテリングに新しさはないけれど、プリンセスもプリンスもその姿が終始”カエル”のままで繰り広げられる展開はユニークだったと思う。 登場するキャラクターたちにも、決して深みはないのだけれど、問答無用に応援したくなるような愛着があった。  アニメーションにおいてもCG全盛の現在において、たまにはこういうオールディーなアニメも楽しいし、「伝統」はしっかりと引き継いでいってほしいと思う。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2010-10-04 17:09:29)
1246.  刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
金曜ロードショーで放映されている新コロンボシリーズしか見たことがない世代の者にとっては、いろいろと新鮮なところが多かった。何よりもコロンボが若い!若いのに老獪なキャラクター性は当然変わってなくて、その普遍性が逆に新鮮だった。やはりコロンボ自体イキがいいこともあって重要参考人に対して声を荒げたりする(もちろんその後の効果を狙って)のには驚いた。ラスト、絶対的自信を持った犯人にボロを出させる罠には、ついこっちも引っかかってしまった。第一作目にしてすでに名シリーズを予感させる伝説の第一歩だ。
[DVD(吹替)] 8点(2010-10-04 00:59:10)
1247.  チャーリーとチョコレート工場
工場を巡る途中、主人公の少年が言う「チョコレートの美味しさは理屈じゃない」というセリフが、そのままこの映画全体を表現している。と、思う。 奇想天外なチョコレート工場と工場主、その世界の愉快さの前に理屈など意味を持たない。ただ単に“楽しい!”というほか何もないのだ。 そして、こういう映画におけるティム・バートンの支配力はもう尋常じゃない。完璧以上に完璧にその世界観を作り上げる。更にそこに、ジョニー・デップが加わった時、もう言葉などが入り込む余地は何処にもないのだ。もう“ひたすらに楽しい!”そう言う以外に何が必要か。 板チョコを手に映画館に入れば、尚更に楽しいと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2010-10-03 09:11:04)(良:1票)
1248.  ライフ・アクアティック
新進の映画作家が生み出す奇妙で愛らしい世界観と人物像に魅了される。ストーリーは極めて破綻気味で、定石など端から期待してはいけない。そんなものはこの映画にはナンセンスそのものだ。 ハチャメチャなストーリーなのに、この映画が破綻せず、しっかりと成り立っているのは、この監督の確かな創造性と、ビル・マーレーをはじめする集結した俳優たちの高い能力との融合故であろう。 可笑しく、感動的な、大人のためのアドベンチャー映画だ。素晴らしい。 
[DVD(字幕)] 8点(2010-10-03 08:16:32)
1249.  ベルモンドの怪盗二十面相 《ネタバレ》 
タイトルからもっと軽快な娯楽性を期待していたのだけれど、実際の内容は、“怪盗”というよりも“詐欺師”のジャン=ポール・ベルモンドが、くるくるとキャラクターを変える様をコント調に描いたコメディだった。 ベルモンドのパフォーマンスは愉快で楽しめるけれど、延々とドタバタ劇が続くので、中だるみしてしまうことは否めない。内容の割に尺が長いので、徐々に疲れてきてしまった。 このタイトルは、明らかに映画の内容と相反していると思う。  ただし、ジャン=ポール・ベルモンドをはじめとして役者たちにはそれぞれ魅力を感じる。 ヒロインのジュヌヴィエーヴ・ビジョルドは可愛らしく、その愛らしさがラストの顛末に一層の痛快感を与えていると思う。  NHKのBSで放送がなければ、おそらく一生観ない映画だったろう。面白いということは決してないので、観られたことが幸福だったとは思わないが、数多ある映画の中から、自分が生まれる前のこのフランス映画を観たということを、一つの運命だとは思う。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-10-02 15:47:08)
1250.  今度は愛妻家
僕は、結婚をしてもうすぐ一年になる。特に問題はなく楽しい新婚生活を送れていると思う。 結婚をしてからというもの、「夫婦」の様を描いた映画に弱い。何気ない描写にすぐに涙腺が緩んでしまう。  なので、この映画もいつものように一人で観ようと決めていた。  タイトルと予告スポットを観ただけで、映画の大筋は読めてしまう映画だった。 だから、ストーリー展開に対する“驚き”については、端から期待はしていなかった。 ただ、もう少し巧く展開させていけたのではないかと感じ、その点は残念だった。  製作者側も”驚き”を見せたいわけではないらしく、結構映画の序盤で「真相」はほとんど明らかになる程に見え隠れする。 “驚き”に重点を置いていないのは分かるが、もう少し「真相」を隠した上で、主役となる夫婦の様を見せてくれた方が、後の感情の揺れは大きかったと思う。 更に言わせてもらうならば、“夫婦”以外の描写が多すぎる。周囲の人間模様をあまりに執拗に描き過ぎな印象を受けた。 被写体となる夫婦像に焦点が定まってきた時に、脇役のドラマがいやに細やかに描かれるため、ピントがぶれてぼやけてしまった。  ただし、“夫婦”の描写は素晴らしい。 たわいもない愚痴を言い合うシーンから、ただ手をつないで歩くシーンまで、愛おしさに溢れている。 それを成しているのは、薬師丸ひろ子の好演に他ならない。 年齢と単純な美貌を超越した“妻”の愛らしさを表現し尽くした彼女の存在が無ければ、この映画は成立していないと思う。  全体的に脚本が稚拙であることは否めず、あざとささえ感じる台詞と演技には正直なところ直視できない部分さえある。 が、薬師丸ひろ子が居て、豊川悦史との二人芝居に入った途端、目映い程の夫婦愛を描いた映画に様変わる。  完成度が高い映画とはとても言えないが、垣間見せる雰囲気には涙が溢れるという不思議な映画だった。
[DVD(邦画)] 5点(2010-10-02 15:45:48)
1251.  パンドラの匣
月末の多忙さから逃避するかの如く、平日の深夜、偏頭痛を片手で押さえながら、この映画を観始めた。  この映画は、「違和感」に埋め尽くされている。 まず、明らかに作為的なアフレコの演出に大いなる違和感を感じ、戸惑った。 主人公のモノローグと映像と微妙にズレた台詞が交じり合い、違和感は更に深まり、冒頭からどこか奇妙な世界に放り込まれたような感覚に陥る。  そして、「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よーしきた」と、まるで“記号”か“暗号”のように繰り返される言葉に対して、軽薄さを感じる反面、妙な居心地の良さを感じ始めた時、鑑賞前の偏頭痛はどこかに消え失せた。  太宰治の原作は未読だが、独特の繊細な心理描写を根底に敷き、彼ならではの“根暗”で、だけれども不思議な“陽気”さを携えた青春小説を、見事に映像化しているのではないかと感じた。  そもそもは、仲里依紗目当てで食指が動いた映画だった。ただ、拭いされない大いなる危惧もあった。 それは、監督が冨永昌敬という人だったからだ。彼は「パビリオン山椒魚」という映画で、結婚前のオダギリージョー&香椎由宇を主演に配し、あまりに倒錯的な酷い映画世界を見せつけてくれた監督である。  今作も、ある部分では倒錯的で、間違いなく“変てこ”な映画である。 ただし、今回はその倒錯ぶりが、太宰治の文体と絶妙に交じり合って印象的な世界観が生まれていると思う。非凡な映像センスと、独特の編集力が、純文学という創造性の中で見事に融合している。  明日はまた朝から仕事だけれど、深まる秋の夜長、こんな夜更かしも悪くはない。 そう思わせてくれる意外な秀作だと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2010-10-01 01:33:14)
1252.  男たちの大和 YAMATO
あえて言うが、この映画には、映画表現としての語り口の巧さだとか、映像的な巧みさ、小気味いい展開の妙など、表現としての工夫は何も無い。冒頭から繰り広げれるあまりに無骨な映画世界に一瞬“嫌な”予感がしたことは正直否めない。そして、その無骨さは、全編通して一貫される(戦艦大和上での圧倒的な戦闘シーンは別にして)。 しかし、涙が溢れ、止まらない。もはやあまりに普遍的な描写に、問答無用で涙がこみ上げる。そうして、次第に、「ああ、この映画には、表現としての工夫なんて必要ないんだ」ということを考える。 もちろん、ここに、映画的な巧さが加われば、それこそ物凄い映画になるのかもしれない。でもおそらく、この映画に携わった人々は、あえてそういうことに目を向けなかったのだと思う。それよりも、たとえくどかろうと、“事実”を明確に伝えることに力を注いだのではないか。 正直なところ、この映画の題材を聞いた時、時代に対して「古い」という印象がよぎった。戦後60年という時代を迎え、多くの人の中で、この国が経験した「戦争」という事実が確実に風化してきている。この映画は、そういう人たち、そういう時代に対する警鐘なのだ。 そして、この映画は無骨で語り口は非常に古臭いけど、描かれるテーマは今まで多くの戦争映画で描かれてきたものとは、確実に一線を画す。この作品は、日本が経験した「戦争」とそこに生き死んだ人たちを、美化も卑下もしていない。事実としての戦争を指してひとつの価値観で描くことはとても傲慢なことだ。この映画は、ただただ真摯に“そこ”で生きて死んでいった人たちを描き、生き続けることの意味、語り続けることの意義を、どこまでもまっすぐに訴える。
[映画館(字幕)] 8点(2010-09-30 00:28:18)
1253.  チーム★アメリカ ワールドポリス
去年公開されるや否や、報道番組でも取り上げられる程に、ダイレクトで遠慮がない国際情勢批判(=アメリカ批判)や実在実名の国家、俳優を名指しで中傷したことが話題になった“人形劇映画”。  どんなものかと思ったが、スゴイ。本当に「限度」というものを、この映画のつくり手達は知らないのだろう。  とにかく、これでもかと繰り広げられる、自国批判、国際情勢批判、人権侵害を無視したブラックジョーク、人形にヤラセ放題の下ネタ・お下劣ネタのオンパレード。 それを、物凄くクオリティの高いパペット操作と精巧なミニチュアで完璧に描き出すのだから、尚更に(当事者にとっては)始末が悪い。  よくもまあ、これほどまでにあらゆる種類の人々を、あからさまに敵にまわすような映画が作れるなと、その大胆すぎる姿勢に感心してしまう。  そして、この完全なる「問題作」を公然と製作し、わりと(実際は知らないが)弊害なく、世界へと公開させてしまう、アメリカという国は、その“病的”な部分も含めて、やはり「強大である」と言わざるを得ないのではないか?  それにしても。こんなにも何もかもが可笑しくて滑稽極まりないのに、これほどまでに「笑えない」映画も初めてだ。 (実際は、終始笑いっぱなしなのだけれど……)
[DVD(字幕)] 8点(2010-09-30 00:22:43)
1254.  ZOO(2004)
 オムニバス映画は大概評価が難しい。特に今作のように(同原作と言っても)話がそれぞれバラバラで、作り手も本職がバラバラなクリエーターたちとなると、尚更だ。少しずつでもそれぞれの物語がリンクしていれば、作品として一貫性も出てくるのだが…。なので、各話それぞれの評価をしようと思う。  「カザリとヨーコ」……題材は悪くない。“恐怖”という点では良い意味で趣味の悪さに溢れているし、映像化する意味もあったと思う。しかし結果として、ストーリーにまとまりがないまま終わってしまった気もする。<6点>  「SEVEN ROOMS」……明らかに「CUBE」の類似品。不条理な恐怖を描いたのは分かるが、やはり最終的にもう少し「理由」を描かなければ、物語としての完成度の低さは拭えない。全体的に“汚すぎる”点も個人的にはNG。<4点>  「So-far そ・ふぁー」……これは良かった。斬新なストーリーとして最終的にきっちりと「結末」が描かれていてまとまりがあった。映像的な感覚、小物の使い方(赤いソファー、緑のジュースなど)にもセンスを感じた。あとやはり、しっかりとした役者が揃っていたのが完成度を高めた要因だと思う。<7点>  「陽だまりの詩」……アニメーションであるこの作品が実は一番素晴らしかった。非常に繊細なアニメーションで、とても切なく温かい未来世界が繰り広げられる。「短編」という要素を最も巧く反映したのもこの作品であろう。Good Job!<8点>  「ZOO」……精神的な世界の恐怖を描いているので、中途半端なストーリーを指して一概には否定できない。雰囲気も悪くは無く、アリと言えばアリなのだけれど、正直腑に落ちない部分も大いにある。原作でも表題になっているほどなので、文体ではどう描かれているのか、そういう興味は生まれた。<6点>  という感じで平均をとると6.2点なのだけれど、出来不出来の幅が大きいので結局評価が難しい。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-30 00:15:50)
1255.  べクシル 2077 日本鎖国
「アップルシード」の時も感じたことだが、このタイプのCGアニメーションは特異なビジュアルに戸惑いつつ、なぜか感情移入していってしまう。 まあこれは好き好きの問題なのだろうが、明らかに作られた造形が逆に生々しい存在感を生む。 それは、人形浄瑠璃とかマリオネットとか、そういう古典的な人形創作劇の魅力に通じる部分のような気がする。 明らかな造形物に、魂を吹き込む。そういう古くから人間に与えられた“才”。その確かな存在を、この新感覚のアニメーションに感じるのだ。  映画のストーリーとしては、「超ハイテクによって鎖国状態に入った日本」という設定は物凄く興味をそそられ、10年間の鎖国状態から明かされる日本の実態の解明という流れで更に興味は膨らんでいく。 と、そこまでは非常に秀逸な大風呂敷を広げてくれるのだが、日本に入った途端に物語は収縮していってしまった。 舞台自体も強制的に閉鎖的になってしまいストーリーがイマイチ広がっていかない。 とんでもないことが起こっているのに、コトの真相が極めてパーソナル過ぎる。 相当に大規模な設定をしているのだから、いかようにも展開を広げていくことは出来たはずだと思う。  気が遠くなる程に作り込まれたアニメーションと、キャラクターたちの不思議な生々しさを携えた息づかいを前に、勿体なさを感じてしまったことは否めない。 
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2010-09-29 12:57:22)(良:1票)
1256.  リトル・ミス・サンシャイン
ひとクセもふたクセもあるバラバラの家族が、美少女コンテストに出場が決まった娘のために、一路カリフォルニアまで“オンボロワゴン”で走り出す。 様々なトラブルが次々起こる“家族旅行”を通じて、崩壊寸前の家族の「再生」を、時にユニークに、時にシニカルに、そしてハートフルに描き出したスバラシイ映画だった。  崩壊寸前の家族像を描きながら、この映画は冒頭から愛らしさに溢れ、心をくすぐってくる。 それは、この家族が決して悲劇的にバラバラな状態ではないということに他ならない。それぞれの思いの中で、微妙な“すれ違い”は生じているが、根本的にはそれぞれが自身の家族を愛し、必要としている。そういうことが、鮮やかに映し出される映像美とキャストのさりげない表現力によって、映画の全編を通して伝わってくるのだ。  この映画は6人の家族そのものが主人公だと思うが、それを演じたキャスト陣がそれぞれとても素晴らしかった。 今作の強烈なおじいちゃん役でアカデミー助演男優賞を獲った名優アラン・アーキンや、父親役のグレッグ・ギニアの存在感は申し分なかったが、やはり印象的だったのは、ミスコンを目指す幼児体型の眼鏡少女をこの上なくチャーミングに演じて見せた小さな女優アビゲイル・ブレスリンだ。バラバラの家族を繋ぎとめる唯一の“かすがい”として天真爛漫さを振りまくオリーブ役を見事に演じきっていたと思う。  トラブル続きの“家族旅行”を終えた時、彼らをとりまく様々な物事は決してすべてがうまくいったわけではない。むしろ、客観的に見れば色々なものを失ったと言える。でも、彼らはみんな出発前にはなかった心からの笑顔に溢れている。 この家族が得たものは何にも代えがたく、その価値はこの映画そのものの価値だと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2010-09-29 12:44:41)(良:4票)
1257.  トランスフォーマー/リベンジ
冒頭からいきなり繰り広げられる“トランスフォーマー”たちの怒濤の攻防。 人類の軍隊も加わって、もうどれが味方でどれが敵方なのか訳が分からなくなる程、爆発的で目まぐるしいCGシーンに興奮を通り越して、笑ってしまう。 その時点で、この映画の目的は達成されていると言っていい。  だから、その後に展開されるストーリーがどんなに稚拙だろうが、登場人物たちの安いドラマがちょくちょく挟み込まれようが、さらなる続編のための強引な伏線を見せられようが、非難するべきではない。 そういった容易に想像できるマイナス要素を安直に非難することこそ、浅はかだとさえ思う。  大の大人たちが、子供時代の「想像」を莫大な資金をもってして大真面目に具現化したこの"勢い”だけの映画を、その瞬間だけ単純に楽しめるかどうかで、人生の充実は変わってくると思ったり、思わなかったり。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-09-26 20:29:04)(良:1票)
1258.  レポゼッション・メン 《ネタバレ》 
「レポゼッション・メン」=“回収人”というタイトルの意味を聞いただけでも、このSF映画の大体のストーリーは想像できるだろう。 “人工臓器”の販売が一般化している近未来。高額商品のため、購入者は当然の如くローン支払いとなる。支払いが滞った“滞納者”の前には、“回収人”が現れ、問答無用に臓器を回収していく。当然、臓器の回収はそのまま「死」を意味する。 一流の回収人として活躍していた主人公だったが、ある事故により一転、自分自身が人工臓器の利用者となり、回収人に追われる立場となってしまう……。  まあよくあるプロットだと思う。定石通りに、追われる立場となった主人公は、かつて勤めていた大企業に対峙し、反撃を始めるわけだ。 追っ手や企業の社員たちを次々に殺していく主人公の様は、よくあるヒーロー像に見える。  臓器を巡る独特のグロテスクさと、軽快なアクションシーンが絶妙に融合し、痛快なSFアクション映画だなと好感触を覚え始めた頃、致命的な違和感に気づく。  それは、この主人公の行動には、「正義」が伴っていないということだ。  大企業が展開する人工臓器販売はれっきとしたビジネスであり、その“回収方法”には非人道的な要素が含まれているものの、映画世界の中では、“滞納者”に対するあくまで合法的な“取り立て行為”である。 そして、主人公が置かれた危機的な立場も、あくまで“滞納者”である故の必然的な状況であり、それに真っ向から反発して企業関係者を抹殺していく様には、実は道理が無い。  その不道理を通したまま、映画は結末を迎える……。 「ああ…これは駄作だな」と諦めかけた次の瞬間、このSF映画は「真意」を見せる。  成る程。終盤にかけての強引な展開や、整合性の無さ、ジュード・ロウのおよそ彼らしくない妙に大味な演技や、フォレスト・ウィッテカーをキャスティングしている理由までが、途端に鮮明になる。  まさにSF映画らしい「転回」であり、その真相の領域がいったい何処までを含んでいるのかなどということを考えると、より一層ストーリーに深みが増してくる。  あまり過剰な先入観を持たずに、最後までシンプルな思考で観ることが出来たなら、存分に楽しめる映画だと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-23 19:37:45)
1259.  ハート・ロッカー
イラクの戦場、日々尽きることの無い爆弾処理の最前線を描いた今作が、アカデミー賞を勝ち取ったことに対して、個人的には若干穿った見方をしていた。 果たして、本当にアカデミー賞にふさわしい映画なのかどうかと。  その理由は、この数年のアカデミー賞作品賞受賞作品には、手放しで賞賛を贈れる映画があまりに少ないということ。そして、9.11以降、アメリカという国の価値観は、人間の混迷や混沌を描いた映画を安直に崇拝する傾向が強すぎる気がしてならないからだ。  もちろん、世の中の数多の「不安」に対して、それを批判したり、影響を受けた映画が作られることは必要だろう。が、それがイコール「良い映画」であるかどうかは、当然別問題だ。  なので、元夫婦対決を制し、「アバター」をかわして、キャスリン・ビグローが女性監督として史上初のアカデミー賞受賞を果たしたこの戦争映画にも、素直に期待出来ないものがあった。  映画は、最前線の爆弾処理チームの3人を中心に、仰々しい展開を廃し、ドキュメンタリータッチに淡々と展開していく。端役でレイフ・ファインズやガイ・ピアースが登場するものの、主要キャストは無名俳優ばかりで安易な盛り上がりは一切無い。  少々疲れ気味の休前日の深夜の鑑賞で、さて眠気が耐えられるかどうか。という危惧は一瞬生まれた。が、そんな危惧は即座に消え失せた。  盛り上がりも、娯楽性もほとんど無い。あるのは、あくまで淡々と過ぎていく戦場の気持ちが悪くなるほどの緊張感だった。  その緊張感は、単に“いつ死ぬか分からない”というものだけではなく、「戦争」という日常に身を置く兵士たちが、静かに静かに精神が蝕まれていくことに対する“あやうさ”のように思えた。  決して、面白味に溢れた映画ではないと思うし、観る人によっては誤解を受けやすい映画であるようにも思う。 それはこの映画が、今この瞬間の「戦争」の表面的な狂気や悲劇を描いているのではなく、まだその実態さえも検証されていないリアルタイムの“混沌”を表現しているからに他ならない。  観終わってみて、「映画」として面白かったのは断然「アバター」なので、アカデミー賞の受賞はやっぱりジェームズ・キャメロンがふさわしかったと思わなくはない。 ただし、この濃厚すぎる程の戦争映画を撮り切った女性監督の“力量”は、間違いなく半端ない。
[DVD(字幕)] 8点(2010-09-23 15:53:10)(良:1票)
1260.  96時間 《ネタバレ》 
元CIAの父親が、人身売買組織にさらわれた愛娘を救出するために、死闘を繰り広げるというストーリー。 ストーリー設定にそれ以上の膨らみはなく、設定だけをみれば何ともチープな映画である。 リーアム・ニーソンが体を張って繰り広げるアクションシーンは、それなりにスタイリッシュに表現されているが、アクション映画として特筆するほどのものではない。  9割以上の要素は、はっきり言って「凡庸」に尽きる。 ただし、残りの1割の要素が、この映画のオリジナリティをある意味”強引”に高めている。  それは即ち、「娘を溺愛する父親の容赦なさ」だ。  娘をさらった悪党に対して、電話口できっぱり「処刑宣告」をしたかと思えば、カリフォルニアから海を越え数時間後には事件が発生したパリへ。 単身で悪の組織本体に乗り込み、暴れまわり、ほぼ壊滅状態に追い込む。 更には、古い友人らしいフランス当局の幹部の自宅に“お邪魔”し、実は悪と通じていたその友人の妻の腕を問答無用に撃ち抜き、情報提供を強制する始末。  とにかく娘の救出に対して「障害」となるものは、何であろうと蹴散らし、悪党は容赦なく残虐なまでに皆殺しにしていく。  映画の冒頭、主人公は別れた妻から、その神経質な性格に対して「異常だ」と苦言を呈される。 その時は主人公に対して同情が生まれたが、映画が展開していくにつれ、「ああ、確かにこの父親は異常だ」と納得させれるほどに、主人公の行動力は常軌を逸している。  主人公のその尋常でない怒りっぷりは、“唖然”を通り越し、感じたことのない爽快感に繋がっていく。 その尋常でなさが、絶体絶命の愛娘のピンチを非常識に救っていく。  決して物語としてクオリティの高い映画ではないが、この“容赦なさ”は評価に値する。劇中何度も「親父怖え~」と呟いてしまった。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-09-22 22:31:39)(良:2票)
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