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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1301.  カンバセーションズ 《ネタバレ》 
結婚式で再会した、かつて愛し合っていた男女の一夜の物語。中年にさしかかった同じ歳の二人、男は浮き名を流し、女は医者と結婚し家庭を築いています。そんな二人が会話の駆け引きをしつつやがて燃え上がり・・・とってもジミで小さい題材なんですが、全編シネスコサイズを左右2画面に分けたままで展開する状態の実験的ワールドでは、俄然面白く映画が弾みます。左右が単に男女を隔てているのではなくて、片方が回想になったり、過去とシンクロしたり、空想画面になったり、時間が前後してたり、パラレルな進行でミスリード誘ったり。これ、どんどんと関係が明らかになってくる進行も含めて、本当は3回見るのが正しい見方かもしれませんね。1度見て全体を俯瞰したら、今度は右画面オンリー、そして左画面オンリーって。最後の最後、2つのフレームがいつの間にやら1つに合わさった瞬間をどう見たらいいのか、あれこれ考えるのも楽しいかも。タイトにまとまった84分ですが、2画面は1画面の数倍雄弁だったりする事に気付かされたのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2007-05-26 22:11:16)
1302.  主人公は僕だった 《ネタバレ》 
うーん、ここ数年の中では最も映画館で見た事が失敗って思った作品かも。お金よりも時間が勿体ないや。オープニングからしばし続くCGの合成はステキでした。まあ、それだけ。荒唐無稽な基本設定が存在しながら、哲学的な方向に走るって点では『マルコビッチの穴』みたいですが、タイトルや予告編からはそんなカラーは見えませんでしたからね。単なるコメディだと思ったのに。誰かの声が自分の行動や心理をいちいち解説してみせる、この起点は面白いのですが、主人公の原因追及が心理学から文学研究へと向かうとやたら理屈っぽくなっちゃう。それでも推理ものの如く解明していって、という展開ならばいいのですが、死か文学的価値の破棄かの選択肢を迫られるに至って、何を言ってるんだか、って感じになってしまい。いかにも物書きの思考から生まれた物語って感じです。大体、映画をトレースしただけではとてもではないけれど名作文学になりそうな気がしなかったりするのはどうもねぇ。単なるマクガフィンなんでしょうけどさ。でもでも、私にとってこの映画の最大のマイナスポイントは紹介文を読んだだけで一生絶対に見る事はないと決めていた『モンティ・パイソン 人生狂騒曲』を、ほんの部分だけでも見せられてしまった事ですね。最悪の気分。本当はそれだけでも0点付けたいところなんですけど。
[映画館(字幕)] 2点(2007-05-20 21:22:50)(良:1票)
1303.  佐賀のがばいばあちゃん 《ネタバレ》 
画面から匂いのしてくる映画でした。夏の川辺の匂い、かまどの煙の匂い、釜から立ち上る湯気の匂い、蚊取り線香の匂い。昔の日本の匂いを画面から感じられただけでも、この映画いいな、と思いました。物語は悲劇に寄る事なく愛すべき人々の温かさを描いていて、悪人なんて全然出てこなくて、だけど人の優しさ、温かさが逆に少年の生い立ちを際立たせて切なく悲しかったりもします。散文調でドラマの流れがないために、深みが感じられない面はあるのですが(ばあちゃんの言動は面白くも含蓄に富んでいますが、貧しさの中で7人の子供を育て生きてきた重さが伝わってくるようなエピソードは全然なくて)、ばあちゃんと少年の過ごす時間を見つめられただけで、ほわほわじんわりと染みてくる映画でした。まー、でもあの少年が後に「もみじまんじゅう!」ってところに至ってしまいますよ、っていう繋がりを感じさせてくれても良かったかな。なんで真面目そうなサラリーマンなのかな?
[DVD(邦画)] 8点(2007-05-20 01:43:24)
1304.  ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT 《ネタバレ》 
シリーズ3作目で日本へ行ってコケるって『がんばれ!ベアーズ』みたいな映画ですな。これ、ロケ現場に遭遇して(中目黒で撮ってたヤクザ事務所なパチンコ店周辺ね)、ガード脇の飲食店街にやたら電飾看板をいっぱい設置していて、毎度の映画やドラマの撮影にしちゃ派手ねぇって思ったんですが、後になってハリウッド映画だと知って納得。お金のかけ方が違います。日本で撮ったシーンと、日本っぽく撮ったシーンとでエキストラの民族が明らかに違ったりするんですが、あちらの人には東洋人の顔なんて区別付かなくておんなじだって感じなんでしょうね。メインの東洋人二人はどう見てもソン・ガンホと同じ遺伝子持ってるでしょ?みたいな顔だし(でも、そのうち一人はハンって名前なので間違いではないのかな)。さて、映画はすっかりB級ワールドに突入しておりましたが、結構楽しめました。やっぱりドリドリなノリこそがジャパニーズ!って感じですからね。勝負は峠だ!っていうのもヘンに判ってるわぁ、みたいな。アメリカの走り屋が日本文化を体験してゆくのと、スピードではなくドリフト主体の走行を覚えてゆくのがシンクロしていて、日本人から見ればそりゃないだろ!ってツッコミ箇所も多々ありはするものの、おバカジャポネズムの中の成長物語として笑って見られました。Z、シルビア、ランエボ、RX-7等々の日本車がどハデにドレスアップされてブイブイいってるのを見るのもまた楽し。現実にはこの映画みたいな走り方をしちゃいけませんから(自分が事故るのはともかく人に迷惑かけたらアカン)、このマンガやゲームのノリをまんま映画化したような映像を見て満足してましょう。
[DVD(字幕)] 6点(2007-05-20 01:20:56)(良:1票)
1305.  出口のない海 《ネタバレ》 
まず映画としては撮影がとっても丁寧で綺麗で、良かったです。でも脚本はかなりガタガタね。オープニングから時間が戻った上で回想シーンで更に戻ったり、世界を捉える視点がクライマックスでいきなり主人公から整備士の青年にシフトしたり(唐突に彼のモノローグになるんだものなぁ)、だから見てるこちらとしては視点ブレるブレる。突如として死に急ぎ始める主人公から気持ちが離れてゆくんですわ。で、これは反戦映画のようにも見えますが、あくまでカッコ良く描かれてる訳ですよ、ここに出てくる死を選ぶ人々が。負けると判っているが、後世に語り継ぐために意味があるのだ、って点では『男たちの大和』と同じかな。確かにそういう歴史的事実があった、そういう悲劇があった、その通り。そしてそれを知る事も重要。でもね、赤紙が来て戦争に行った私の父や叔父の話、疎開した母の話なんかを聞いていると、どうも色々作られる映画との間に距離を感じるのですね。日本の戦争映画はみんながみんな最前線の人々となんの罪もなく犠牲になっていった人々の極で描かれているのですが、生き延びて今の日本を作った人々は蔑ろにされてるみたいな。俯瞰できず、悲劇に酔うばかりでそこに至る理由は問わず(問えず)。それはもう日本の戦争映画の限界かな。アメリカ人にも家族がいて、みたいな事を語りつつ、最後の方に出てくるアメリカ兵に魂を全く入れず類型的な進駐軍としてしか描けてない時点で、この映画もまた限界丸出し、と。
[DVD(邦画)] 5点(2007-05-18 01:34:11)(良:2票)
1306.   《ネタバレ》 
最後に船は絶対に沈まないといけないと思いました。そして「やっぱり!」って。だってこれは『悪い女』に続く裏『タイタニック』なのですから。水の上で孤立した空間と、外界を結ぶ舟は『春夏秋冬、そして春』、語らない二人は『うつせみ』、娘を失う事の恐怖を描いたように思えるあたりは『サマリア』と、キム・ギドク監督の総集編みたいな作品ではあります。水の上に漂う船を捉えた美しい映像と、胡弓の安らかな音色によるイメージとは裏腹な、愛憎の物語ですが、歪んだアブノーマルな愛に見えるけれど、男の欲望、女の愛は結局のところこんな感じなのではないですか?と。ひとつ言えるのは、ヒロインはあの後、家族の元で幸せに暮しました、でもなければ、彼と幸せになりました、でもないだろうな、って事。言わずもがなですか。それにしても私にはお爺ちゃんが仲代達矢に見えて仕方ありませんでした。船乗ってるから『男たちの大和』思い出しちゃった。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-17 01:12:09)
1307.  スネーク・フライト 《ネタバレ》 
ぎゃー面白い! 最高ですねこれ。映画館で見なかった事が悔やまれます。飛行機パニック映画のフォーマットをきっちりと守りつつツッコミ満載のバカネタを真面目に描いてみせる姿勢に脱帽。CG使ってるのに安っぽい飛行シーンは『大空港』や『エアポート’77』みたいですし、乗客一人の命を狙っての強引な計画は『エアポート’80』風。『フライング・ハイ』の中ではお笑いネタだった「どなたか操縦できる人、います?」を真面目に演じる人々も楽しければ、結局イケイケ展開で強引にねじ伏せてしまうクライマックスにも大笑い。エッチしてるカップルが最初の犠牲になるってセオリーもきっちり守って。一方で東洋人が悪役なのでカッコいい英雄東洋人を登場させたり、黒人が主役なのでダメ黒人も登場させたり、人種に対する配慮もぬかりありませんし、レイの存在で最初に犠牲者フラグを見せておいて、なんてあたりは結構巧妙。唯一の不満を挙げればPSPで伏線張って、最後にプレステ2サイコー!とソニーを持ち上げる点ですか。私はXBOX派なので。まあ、そんな事はともかく、存分に笑わせて頂きました。サミュエルの仕事選ばなさ加減も最高。でもそろそろ誰か正統派の飛行機パニック映画を作ってくれないかなぁ。
[DVD(字幕)] 8点(2007-05-16 00:52:26)(良:1票)
1308.  ゲゲゲの鬼太郎(2007) 《ネタバレ》 
映画として面白いんじゃなくてバラエティとして面白い、みたいな感じでした。もう脚本めちゃくちゃ。少年とお姉さんと鬼太郎と、視点がぼやけっ放しで映画に芯がなく、その上エピソードがその場その場の思いつきみたいな世界で、投げっ放しかよ!ってツッコミ入れたくなるモノ続出。あの世ランドだかの開発ってどうなったのさ? 大体、少年が石を隠し持ってるってだけの状態で映画一本丸々引っ張るのは苦しすぎでしょう。別れのドラマを見せておきながら生き返らせちゃうのはないよなぁ。「人間はいつか死ぬ」と妖怪との違いを語っておきながら、人の死をあんな風に安易に扱うのは無神経な気が。ドラマの結末には映画的な余韻をあまり与えずバッサリ状態だし。『地獄堂霊界通信』『さくや妖怪伝』そしてこれと、どうしてキケンな出来の化け物映画はラストで踊りますかねぇ? で、一方でキャストは芸能人コスプレ大会みたいな状態で、そのキャラクターとしてちゃんと見る事はできなかったものの、ノリは楽しめました。西田敏行のクドさも、ああいうキャラなら最初から納得しちゃいます。田中麗奈は楽しそうに演じてましたし。『鬼太郎』の本格映画化を期待しちゃうとなんじゃこりゃ?状態ですが、バラエティ番組ノリで見る分には楽しい、でも、やっぱり「映画」を期待して見に行く人間に対してもフォローをして欲しかったな。
[映画館(邦画)] 5点(2007-05-12 17:58:19)
1309.  神童 《ネタバレ》 
原作と映画とは別物という意見もございましょうが、原作を頭の中から消し去って映画を見る事なんて不可能な訳で、だから別物として見るべきという意見は少々乱暴に思えてしまうのですよね。で、この映画、基本設定で大きく違うのが、うたが原作では小学生だけれど、ここでは中学生になっている点。これによって物語全体に大きな違いが生じているように思いました。奔放な小学生はわがままな中学生へと変わってしまったようでもあり、それ以上に大きいのが、ワオのうたに対する視点が原作の「普通の子供でありながら天才」な状態に、映画では微妙に異性に対する恋愛感情が加わっているようで、それは「神童」という核からの通俗的なブレを生じさせている感がなきにしもあらずで。それでも、原作のダイジェストの如き説明不足な急展開や、母親の存在が物語に占める割合の極端な軽減があったにしても、音が織り成してゆくドラマの盛り上がりは充分に映画的な感動を呼ぶものでした。それゆえ、クライマックスのコンサート後の展開はどうしたことかと。頂点からの突如の絶望、そして仄かな希望へと至る原作の展開は激しく改変されたのですが、あそこで一体うたに何があったのか、原作を読んでいない人がはっきり判るのでしょうか? 全ての音を無くしてしまうくらいの表現があったのならば良かったのですが、いかんせん不明瞭。うたとワオの物語に集約させた脚本は、ラストに至って作品世界を矮小化してしまった気がして残念でなりません。「大丈夫、あたしは音楽だから」はワオにとってだけの音楽ではなかったと思うのですが。
[映画館(邦画)] 6点(2007-05-06 22:07:49)
1310.  ラブソングができるまで 《ネタバレ》 
なんか本気さが足らなくて、上っ面だけで展開したラブストーリー、って印象を受けてしまいました。ドリューが自分の恋愛にはひどく臆病なのに、自分の作品に対しては(過去のものは違うのに)やたら強気なのが二面性とかでなく単なるキャラクターの統一感のなさのように感じられてしまったり、ヒューがクライマックスでドリューに自分を変えたと歌にして伝える訳ですが、どの時点で変わったのかが判らなかったり。大体、映画中ドラマをちっとも持たないままに存在していた売れっ子アイドルが、ラストの重要な部分の柱になっていて、ヒューとドリューよりもそちらに目が行ってしまうような構造はどうしたもんかと。ドリューのトラウマを作った元恋人に関しては殆どエピソードを回収しないまま終わってしまいますし、ヒューのアイドルの後の生き様がちっとも見えて来ませんし(セリフで一応説明されはするものの、実際にどう生きてたのかはちっとも伝わってきません)。ラブストーリーとして見てしまうと浅すぎですね。一方、80年代ポップスのはづかしいプロモビデオや、コメディエンヌとしてのドリューの魅力、そして脇の面白キャラクター等々、コメディとしてはそこそこ楽しめました。でも、ヒューとドリューで組んだらこれくらいの映画、って予想できる最低ライン程度の代物で、もっと楽しく、もっと色々できたんではないかなぁ。
[映画館(字幕)] 5点(2007-05-02 21:43:58)
1311.  スパイダーマン3 《ネタバレ》 
あああ、3作目にしてやっと「スパイダーマン」ってモノの魅力が判ったような気が。これは地球や国家の危機を救ったりするようなヒーローの物語ではなくって、思いっきりお金をかけた昼メロですね。次から次に起こる事件はひたすら主人公のプライベートに関するもので、ごくごくパーソナルな感情のオンパレードの世界。怒涛の惚れた腫れたくっつく別れる三角関係憎悪復讐和解ワールドは、まるでお昼に放映されているおばさま向けドラマのようじゃありませんか。そう割り切って見ると、前2作からの積み重ねもあって結構楽しめました。また、相変わらずのCGワールドですが、前作よりも技術は格段に向上して(アクションシーンでの人間の動きが全部CGっぽさ丸出しだった前作に比べて、ライブとCGとの見分けが付きにくくなってましたもんね)、今回は怪獣映画的な視点もあって、いい感じ。ただ、あっちこっちエピソードを広げまくっているせいで物語や映像が上手く繋がってない、強引に引っ張ってるような箇所が見受けられたのが残念でした。それにしても、あれだけ色々とケリを付けちゃうと、次に持ってくる昼メロネタは残ってないような気もしないではないですが。
[映画館(字幕)] 7点(2007-05-02 21:25:58)
1312.  私たちの幸せな時間 《ネタバレ》 
カン・ドンウォンとイ・ナヨンという、私が韓流スターの中でも最もキレイだと思う男女スターを並べたこの映画、なんとなく顔立ちが似てる二人(目に力があるところが特に)を起用した理由というのが、映画を見てると「ああ、なるほど」と。境遇こそ違えど内に秘めた部分は似ている二人がお互いに自己の姿を重ねてゆくところがカギで、ガラス越しに二人の顔が重なるという判り易いショットが繰り返されるので、似ていてこそですね。シリアスで暗い映画です。笑いどころはほんの少し。死刑囚に面会にゆく物語ですから、結末は最初から判っているようなもの。自殺未遂を繰り返すヒロインと死刑囚とが互いに徐々に心を開き、それによって明らかになってゆく、二人がそれぞれに持つ心の中の闇、その重いこと。それゆえに一緒の時間を過ごす間のほのかなやさしさが心に沁みます。ただ、チラリと色気を出して死刑制度に反対するような政治色を織り込んでしまった点がひっかかります。その場合、死刑囚ユンスの設定はそれを問うのにとてもではありませんがフェアではありません。創作である上、物語上の真実が彼にひたすら同情を抱かせるように設定されているのですから。そういう映画の成り立ち様に少々醒めてしまったのは残念ですが、陰影を駆使した照明に落ち着いた構図のシネスコ画面、そしてなんと言ってもメイン二人の演技にすっかり魅せられました。アイドルのような存在だった二人がこれだけの深みを見せる韓国映画は今、かなり成熟してきているのかもしれません。
[試写会(字幕)] 7点(2007-04-28 00:07:15)(良:1票)
1313.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾! 《ネタバレ》 
日曜お昼の映画館は子供達で溢れかえっておりました。ほぼ満員。こういう映画を見るには最高の環境でしょう。さて「雲国斎」以来のお下劣タイトルとなった今作ですが、どうもムトウ監督になってからのクレしんは、構成や設定に疑問符が付きまくって仕方ありません。今回で言うと、ひなげし歌劇団、一体なんのために出てきたのやら。レビューのシーンになると場内静まりかえります。ああいうノリは、果たしてどの世代、誰に向けて作られているのかがちっとも判りません。また、後半に入って物語がどんどん加速し激しく展開しそうなものなのですが、結局のところ各キャラクターが延々空回りを演じるばかりで、物語自体の進行はまたしても起承転結の転がすっぽり抜けているような状態。ひろしとみさえが結局何も物語を動かしていないのが勿体ないです。シロの危機を救うという大きな核をちっとも活かせてなかった感じ。「クレしん」を楽しみにしている人々がどんな事を望んでいるのか、それをちゃんと判ってないような(もちろん、私みたいなオタクをメインに考えろ!って訳じゃないです)。シンプルなおっかけっこシーンと下ネタには場内大ウケでしたから、答えはそういうところにあるんじゃないのかなぁ。
[映画館(邦画)] 4点(2007-04-22 16:41:40)
1314.  ロッキー・ザ・ファイナル 《ネタバレ》 
1作目が公開されたのが1977年4月ですから、ちょうど30年前。当時、渋谷の映画館で1作目を見た私は「今までのベスト1!」って程に感動したものでした(まだ映画ファンになって3年目でしたけど)。でも、以降のシリーズはちゃんと見たのが「3」だけで、「1」だけで充分な映画でしょ?って思ってました。今回完結という事で見に行きましたが、なんというか残酷な映画でした。1作目の記憶がどんどん甦ると共に、30年という年月を嫌というほど思い知らされました。描かれる1作目との対比は時間の残酷さをまざまざと見せつけ、リアルタイムに触れてきた自分の30年が重なって切なさたっぷり。だからこそ、映画の後半でお馴染みのテーマ曲が爆発するかのように大音響で流れ始めるシーンからの高揚感、まだロッキーはちゃんとロッキーだ!って爆発に感動しまくり。自分の30年にきっちりケリを付けてみせるスタローンに感服しました。ただ、試合のシーンで2ラウンド目まではほぼテレビ中継画面のまんまで進行させるのですが、これは甚だ疑問。映画館まで足を運んだ観客をお茶の間に戻してどうするの、と。今の時代のリアリティを出そうとしたのでしょうけれど、ここはやっぱりお客さんをリングサイドまで連れてこなくちゃ。ともあれ、楽しいエンドクレジット部分まで含めて、「ロッキー」という映画が世界に、そして自分に刻んだものを再確認できたひとときでした。
[映画館(字幕)] 8点(2007-04-14 16:42:32)(良:2票)
1315.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
うーん、原作は未読なのですが、ハチャメチャな意味なしセリフから察するに、これ、元はもっと馬鹿馬鹿しい不条理物語、毎度の筒井節の世界だったんじゃないでしょうか。なんか妙に真面目に作られていて、どうも物語と今監督との馴染みが悪い気がして仕方ありませんでした。説明的不条理という、創作においてあんまり面白くない状態になってしまっているんですよね。『千年女優』のような、全てが1つの芯の上に存在する不条理と、この物語の不条理とは全くの別物なのですが、同じ様な感覚で作られてしまっているような。逆に説明的に作るのならば、敦子が時田に抱いていた感情に何らかの説得力ある描写が欲しかったです。あれだって本来はどう考えても不条理なお笑いネタなんじゃありません? あと、林原めぐみの声がパプリカには合っていても、敦子には合っていない感じ。しかし一方でアニメーションとしてはかなり面白い出来だったと思います。映像を見ているだけで存分に楽しめてしまう状態。物語は懸命に意味を求めていたけれど、結局は映像の快楽にこそ本質があった、そんな映画でした。
[映画館(邦画)] 7点(2007-04-08 16:49:02)(良:1票)
1316.  ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 
「ぎょえー!ディック・ヴァン・ダイクとミッキー・ルーニーが現役バリバリで出てる!」ってそこはびっくりわくわく(ハラハラ)して見てましたけど、でも、映画としては刺激薄かったなぁ。細かい部分では笑わせ楽しませてくれましたが(猿とのどつき合いとかタイヤの嵐とか)、物語世界は予告編から予想されるそのまんまの映画でした。半端にバカ映画、半端にお子様向け、半端なスケール、なんだか全てがそこそこで作られていて、どこかもう少し尖がった部分があればねぇ、といった感じがしました。アメリカ映画にありがちな空回り系のお笑いが多くて、もっとスピーディに先に進んでくれないかなぁ、とも。3人の老人の扱いも、あまりいい感じではありませんでしたし(悪役だったにしても、もう少し愛着を持てるような描き方ができたと思うのですが)。ベン・スティラーの映画として見てしまうと、これまた半端にマトモそうな人だったりして、妙に居心地の悪い気分にさせられたりもして。ノンクレジットでゲスト出演してる人も、役に合ってるのかいなぁ?って感じがしないでもありません(なんか軽過ぎない?)。ただ、劇場でのウケはかなり良かったので、多くの人が楽しめる映画なのだと思います。私みたいな頭の固くなった映画おたく向きな映画じゃない、ってところですね。
[映画館(字幕)] 5点(2007-03-31 19:45:03)
1317.  ホリデイ
マンネリ、ベタなハリウッド映画に食傷気味なこの頃、予告を見て久々にこれは見たいと思ったハリウッド映画でした。結果はベタベタ。古典的な物語がなんの意外性もなく進んでゆく映画です。でも、こちらが期待した通りにぴたぴたっと気持ち良く収まってゆく感じで、2時間15分の時間を感じさせず、幸せな気分に浸れました。キャメロンもケイトもさすがに歳が顔に表われてる感じではありますけど、歳を重ねただけの演技が役柄に見事に反映されて、いい役者になったなぁ、って。2つの恋愛エピソードは偶然や運が織り成す夢物語ですが、冒頭からラストシーンまで、映画の夢にほわほわと酔えました。将来、恋愛映画の定番になりそうな、古典的だけれども普遍的な佳作に仕上がっていたと思います。あとは、犬と二人の娘をもう少し出してくれてたらなぁ。大スターのちょっとした出演シーンも含めて、映画ファンが思わず笑ってしまうような小ネタも満載されていて、普段はレビューでそういう事は書かないのですが、映画好きな方に是非お薦め。レンタルに降りる前に、映画館でチェックしておいた方がいいと思いますよ。大作じゃなくても、映画館で見ておいた方がいい映画もある、っていうのが実感できます。って、映画会社や配給会社の回し者じゃないデスヨ。
[映画館(字幕)] 9点(2007-03-24 21:29:09)(良:1票)
1318.  さくらん
「新しいは古い、古いは新しい」そんな事を思いながら見てました。予想していたより遥かに古臭いです。鈴木清順と五社秀雄をブレンドして思いっきり薄めたような印象。目新しさと言えば役者と音楽くらいのもので、演出や編集は、もっともっとぶっ飛んでしまっていいんじゃない?と思いました。本来、もっと鮮烈な色になったであろう要素が、沈んだトーンの中に埋没しているように見えてしまうのは、何がいけなかったのでしょう? 赤の色調の中にまた赤を乗せて、全体が赤になってしまうと際立たせなければならない要素が弱くなってしまう、でも写真家な監督ならそれは充分に理解している筈ですし・・・うーん。ライティングにメリハリがなかったかなぁ。美術や衣裳、結髪のスタッフがきっちり仕事をしているのが目に見えて、それは古い伝統の世界をちゃんと生かしてるなぁって、そういう点では感心したのですが。フレームを四角く切り取って、その中心に華を持ってくるような描き方にはハッとさせられる一瞬があって、全編このセンスで押し通してくれたなら、物語自体はベタでもいいくらいに思ったのですが、どうも全体の薄味感はいかんともし難いのでした。土屋アンナを起用したのなら、もっともっとぶち壊せたでしょうに。
[映画館(邦画)] 5点(2007-03-17 21:08:09)
1319.  ブレイブストーリー 《ネタバレ》 
元ネタは「タリスマン」「はてしない物語」「ゲド戦記」「ラピュタ」それに「ファイナルファンタジーVII」ってところ? この作品独自のファンタジーの視点が全然感じられないのがキツいですね。これは原作者の責任かなぁ。それに展開が常に延々と、最初から最後まで唐突。伏線なしな物語が突拍子もない行動によってどんどん転がって見ているこちらは置いていかれまくり。登場人物はみんな納得ずくで動いているようですが。緩急のないエピソード羅列状態は、人に伝える話術がとっても下手って感じで、これは脚本家の責任かなぁ。大忙しなのに退屈、饒舌なのに表面的で伝わってこない、そんなかなり困ったちゃんな映画。作画はもう少し頑張って貰いたかったところ。一定のクオリティは保たれているのですが、これまた緩急のないカットが繋がっているので(肝心なところでモタつきます)テンポ悪ぅ。これは監督と作画監督の責任かなぁ。40年前の東映動画キャラみたいなデザインの主人公にあんまり魅力がなかったりしましたが、脇のキャラは良かったです。役者さん達によるアテレコは、声量がないのに無理に声出してる感が強くて聴いてて息苦しくなってきちゃいますけど・・・。これはフジテレビの(略
[DVD(邦画)] 4点(2007-03-14 21:55:28)
1320.  クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃 《ネタバレ》 
これ、元ネタは『エヴァ』の使徒ですかねぇ。で、怪獣ものでヒーローものでヒロインもの、と。「ちっとも3分じゃないじゃん」とか、「ひまわりを一人で行かせる神経が判らない」とか、「毎回リセットされるのに、何故世間がたった3分のヒーロー、ヒロインをちやほやできる?」とか、「そもそも野原一家も世間も異常事態を素直に受け入れ過ぎてて、切迫感が全然ない」とか、ひっかかる部分は多々ありました。延々と同じ事を繰り返すだけでドラマがなく、映画としての流れが生まれないままに、「これがクライマックス?」って状態に突入してしまいますし。でも、『クレヨンしんちゃん』らしい娯楽作品を提供する、って点では結構真っ当だった気がします。お下品ネタを随所にはさみ、アクション仮面やカンタムロボ、ぶりぶりざえもんにちゃんと花を持たせ、矢継ぎ早にエピソードを重ねる事で子供が飽きない作りになってますし、大きいお友達向けのネタもきっちり仕込んでありますし。みさえの豊富な変身パターンなんか、アレ、思わずキちゃう人、結構いるんでないかなぁ? 私はやられました。はい。
[DVD(邦画)] 6点(2007-03-09 00:47:38)
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