1321. エル・トポ
《ネタバレ》 ホドロフスキーといえば、バンドデシネのメビウスの原作者。だから映画冒頭は、画面をメビウスのマンガの絵に置き換えて、観ていた。でも話が案外、面白い。そして、その世界が最後まで、どんでん返しとか、宇宙人とか、アクション・CGとか一切そんなのに頼ることなく、だれずに展開する。ホドロフスキーの世界観は、一流の芸術家のそれだ。世界は広い。人間の芸術は凄い。ホドロフスキーが新作を発表するという。我々は、彼とリアルタイムに接することができて、後の世代に羨ましがられるかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 9点(2014-07-28 21:45:22) |
1322. ビフォア・ミッドナイト
《ネタバレ》 なんだ、こんな男だったのか・・。前、前々二作のファンだったので、残念です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-15 23:16:35) |
1323. アンビリーバブル・トゥルース
《ネタバレ》 彼のジャンルを、一言でいうならば、ハル・ハートリーというしかない。 [DVD(字幕)] 8点(2014-07-05 19:48:00) |
1324. はなしかわって
《ネタバレ》 もうこれ以上、スタイリッシュな作品はないくらい、オシャレな映画。話のほうはニューヨーク、マンハッタンをよこぎるちょっとしたロードムービーみたいなもの。定職についてない、ちょっと怪しい広告マンみたいなのが、お金のない一日どう過ごすか?みたいな・・。パーティーなんかのバックグラウンドムービーにいいんじゃないかなぁ?ハルハートリーは、なぜこんなに評価が広まわらないんだろう?これが一番、最近の作品ってことは、彼は枯渇するどこじゃなく、ドンドン感性を研ぎ澄ませていることは確実だ。ファンとしては、せめてDVDを購入して、彼の映画創りに貢献したいくらいだ。(しかし、いかんせん金がない・・トホホ) [DVD(字幕)] 8点(2014-07-05 19:44:20)(良:1票) |
1325. シンプルメン
《ネタバレ》 待ちに待ったハルハートリー作品のDVD化である。その映画センスは、ただ事じゃないと思うのだけど、どうしてこんなに寡作なのだろうか?この映画ではエリナ・レーヴェンソン(彼の映画になくてはならぬ女優)が"KOOL THING"に合わせて踊るシーンは、もう脳裏に焼き付いて離れない。このシーン観たさに、何度も借りるほどである。今回のDVD化されたのは全部、観たが、まだまだ観てない作品がある。早くDVD化されるよう願って止まない。 [DVD(字幕)] 8点(2014-07-05 19:38:26) |
1326. 灰とダイヤモンド
《ネタバレ》 政治犯でも、やはり人を殺めると、もうまっとうな生活には戻れない。カウンターの女性は、生きる意味を教えてあげると同時に、彼に死を約束させたのだ。それはヤクザ映画でよく見る図式ではあるが、戦争になると、誰しもがこのような立場に立たされるのかもしれない。正気じゃやってられないと、夜の間はずっと、宴は続く。平和とは、一枚下はこのような地獄だってことを教えられる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-07-04 03:57:27) |
1327. 夏の嵐(1954)
《ネタバレ》 敵兵と恋に落ちる?う~ん、そこでもう、感情移入ちょっとできなかった。映像は、さすが貴族の出。今でもきれい。当時のインパクトはすごかったろうと思います。フランコゼッフィレリ、ヴィスコンティの助監督だったんだね。「ロミオとジュリエット」の完成度に深く納得。 [ビデオ(字幕)] 6点(2014-07-03 21:31:55) |
1328. フランス軍中尉の女
《ネタバレ》 不幸なメリルがジェレミーに手紙をそっと出す場面。あれ?どっかで観たことあるぞ、と思ったら、寅さんの「あじさいの恋」のいしだまゆみだった。年代調べたら、見事に合致。山田監督はこの映画を観たんだ~!それにしても映画の方では、失踪した女と再び出会って、ハッピーエンド。しかしこの映画は二重構造になっていて、映画を演じる俳優の恋物語も同時進行で語られる。そして俳優の方はバッドエンドという、洒落た創り。で、何か意味があるのかと思ったけど、別に映画の中で俳優の彼の本性がかいまみられた瞬間ってあったかなぁと思うと、特に思い当たらない。(突き飛ばした時のメリルのニヤリかな?でも違うような・・)でも、両方、不倫じゃん!両方、バッドエンドにすべきじゃぁ!この頃は「Wの悲劇」とか劇中劇流行ってたような・・。だから映画中映画にした意味は果たしてあったのかなぁ?疑問。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-06-27 03:09:07) |
1329. 未来世紀ブラジル
《ネタバレ》 有名な古典なので、観ました。見応えあり!ブラックジョークが効いてて、深刻な文明批評も軽く観られる。最後まで皮肉たっぷり。こういう風刺モンでハッピーエンドって成立しないのかしら。あの女性のトラックドライバーが可愛くて、何かハッピーエンドにさせてあげたかったです。でも主人公に魅力無!もったいない! [ビデオ(字幕)] 8点(2014-06-26 02:14:06) |
1330. ダークシティ
《ネタバレ》 あ、ここ地球じゃなかったんだね。異星人のつくったモデルスター(?)みたいな・・。人類救うのが、超能力ってのが、ちょっと残念だったけど、いやいや、見応えあったなぁ。記憶がうまくパズルみたいに収まる話なら、もっと見応えが・・。でもそういう話は、他にあるし、これはこれで面白い話だった。ビルがせり上がってきたり、薄っぺらい宇宙船みたいのも、下部がアメリカ人の映画の割には凝ってて、二十世紀に創られた作品では、特撮が凄いと思う。あまりこういうSFは観ないんだけど、某レンタル屋の発掘良品で紹介されてたので観ました。なんか得した気分がしました。面白い映画いっぱいあるじゃん♪ [ビデオ(字幕)] 8点(2014-06-26 02:08:44) |
1331. アイズ ワイド シャット
《ネタバレ》 いやぁ、こりゃキューブリックのかなり正直な心情の吐露だと思うなぁ。名作(迷作も)を連発するも、この才人は孤独だったんだろうね。みんなが距離を置く中で、完全主義で自分をむきだしに表現するのは、あの仮面乱交パーティで自分だけが仮面を脱いだトムクルーズに表してたんじゃないかなぁ。みんな普通に生きてんだけど、キューブリックだけがむき出しの狂気なんか表現するもんだから、周りはひいてたんだろうね。映画冒頭のニコールキッドマンの罵倒は、リアルすぎ!あれ、奥さんから本当に言われたんじゃないかなぁ。キューブリック以上に神様視点になるのは恐れ多いけど、なんか観てて、この監督も人の子であったか、と思った・・。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-06-23 12:04:04) |
1332. 愛の嵐
《ネタバレ》 女性監督で、戦時中にユダヤ人女性がナチスに酷い目にあったという設定からして、こりゃダークボガード、ボロボロにされるわ、と思って観ていたら、???。シャーロットランプリング演じる女性があまり頭が良くないのは分かるんだけど・・。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-06-23 11:53:05) |
1333. 甘い生活
《ネタバレ》 華々しいスターの交遊を見ていた記者のマルチェロは、自分もデタラメになり、最後一気に爆発する。「甘い」生活を見ていても、仕事と割り切んなきゃ・・。スターの周りって生活破たんする人、多そぉ~。怖!。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-06-23 11:49:10) |
1334. 恐るべき子供たち
《ネタバレ》 面白い。嵐の二宮くんかエマトンプソンに似た、このお姉さんにくぎ付け。彫刻のような美しい顔、表情。これぞ演劇では表せぬ、映画ならではの芸術性。もうこんな時期に、こんな完成度の高い映画があったなんて・・。今の映画作家が苦しむわけだね。ベルトリッチの「ドリーマーズ」を観てて、思い出した。弟を想う姉のもう離せないくらいの動かぬ愛。ベルトリッチはそこに現代の裸の表現を入れたのだけど、薄汚い作品に仕上がり、結局、愛の映画に裸はあまり必要ないと思わされた。それほどまでに、白黒のこの芸術作品は観る者に美とは何かと思わせる。 [DVD(字幕)] 8点(2014-06-22 02:27:21) |
1335. ウォールフラワー
《ネタバレ》 青春映画の佳作です。トラウマを描いたことで、奥行きが出ましたが、必要だったかなぁ?友だちができる瞬間を丁寧にファーカスするだけでも、十分素敵な作品になります。そして、成長まで描くと、もう青春映画の金字塔です。でもここでは、成長よりも、親友を通して、ふさぎこんでいた心の整理ができる方にクライマックスを持ってきます。それをぐっとくる音楽がいい調味料になって、本当美味しい作品になりました♪ごちそうさま!おかわり!と言いたいとこだけど、中々こんな青春映画ってあるようで、ないのが映画界の不思議なんですね~。(あるんでしょうけど、残らない・・涙) [DVD(字幕)] 8点(2014-06-21 18:13:07)(良:1票) |
1336. 危険なプロット
《ネタバレ》 先生、教職と言う仕事なのに、趣味に走りすぎてる(怒)。生徒にとっても不幸な展開だぁ~!・・・しかし、この先生にとって文学とは「中流階級家族への覗き」って意味しかないじゃんよ。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-21 04:01:46) |
1337. キャプテン・フィリップス
《ネタバレ》 もうこの監督の手ブレ映像のために創ったような映画。実は監督の意図は、この映画で船酔いをさせようという魂胆じゃ・・(笑)。ともかく面白かった。しかし、ここまで守ってくれる国っていいよねぇ。漁民四人の海賊に、駆逐艦や空母ほか最新設備の人材まで投入してもらうなんて・・。海外に出ると自分の国が分かるってこういうことなのかな。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-21 03:57:18)(笑:1票) |
1338. 愛・アマチュア
《ネタバレ》 ハルハートリーって面白いね。某レンタル屋の企画でようやく地方にも彼の作品を観る機会ができた。「映画」らしさを追及するあまり、人間描写が粗いとこもあるのが惜しい。でも面白いタイプの作品だよね。一見、二つの話が交差する結末なのかと思いきや、まったく違う展開で、粋なラストのセリフで締めくくる。結局、観客ってその人物がどういう人なのかって事よりも、どう話が締めくくられるのかってとこが気になるんだね。それに気づかされた。「シンプルメン」ではカメラを引かない距離で、一気にラストまで話を持って行ったけど、ここでは冒頭から街のある場所を見せる。へぇ、ハルハートリーってこの映画ではカメラ引くんだって思ってたら、それが重要な場所だってことが分かる。いやはや、この監督、なかなか頭のいい監督だって思わされた。なんで、もっと作品、日本に来ないのかな? [DVD(字幕)] 7点(2014-06-13 05:03:16) |
1339. オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
《ネタバレ》 ジャームッシュに映画作家の誠実さを感じる。誰よりも映画のことを考えて、この作品が4年ごしに創られた感じがする。画面のすみずみまで行き届いた映画である。音楽、セリフ、場所、どこをとっても映画のことを常に考え、新しく作品を創り出す彼の愛は、本物だ。部分、部分にジャームッシュさがあふれ、そして積み重なって、全体が創られてる。近年、映画作家が次々新作を発表しているが、これはその中でも群を抜いてる。これはDVD買って、損はない名作だ! [DVD(字幕)] 10点(2014-06-07 23:47:01) |
1340. こわれゆく女
《ネタバレ》 何とも不安定な映画である。女性というのは、価値の判断基準みたいなとこがあって、その基準がこわれてるのだ。ちょっとつらい映画体験でもあった。なんで2時間以上もこわれた女性のローランズの演技を見せられるのかと・・。他の映画のしっかりもののローランズを知っているから、なおのこと演技が浮きだつ。ピーターフォークも怒鳴ってばかりで感情移入できない。さらにカサヴェテス独特のドキュメンタリーっぽい作風だ。よってこの夫婦を冷静に見ている2時間だった。「バージニアウルフ」くらいにひねりがあれば、まだしも・・。映画はラスト、子どもが母親をかばって、彼女は女としてのアイデンティティは失敗だったかもしれないが、母としては居場所ができた、という感じか・・。まったく人生、どこに落とし穴があるか分かったものではない、と身をひきしめた。どんなことで自分を見失うか、分かったもんじゃないよ。あの冒頭の寂しい彼女に酒を飲まし、手を出した男はどうなったのだろう? [DVD(字幕)] 7点(2014-06-07 20:12:14) |