121. ねじ式
オープニングとエンディングの舞踏は自分の感じるつげワールドとはちょっとかけ離れていて、怖かったです。本編のほうはというと、自分はそれほどつげ義春について詳しいわけでもないので、素直に楽しませてもらいました。「真実」を直視すると、こういうものが浮かびあがってくるとか、と。商業映画は普通切り捨てますからね。後半はねじ式の名場面に大笑い。注文があるとすれば、機関車はもっと豪快に乗り入れて欲しかったのと、「達者でナァ」は金太郎に語らせて欲しかった・・・。 5点(2003-12-27 01:55:20) |
122. 風の谷のナウシカ
う~ん。ここまで評価されるのを見ると、自分の感覚が鈍いのかと思ってしまう。1.公開当時、これだけの評価がされていたとは思えないし、一大キャンペーンは張られてはいたものの、やはり大掛かりなオタク祭りであったように記憶している。ラピュタにしてもしかり。2.映像にしても、実写で表現できないものをアニメで実現したというレベルの論調が主であったように思う。3.子供のころに、アニメに夢を感じた作品はほかにもたくさんあった。宮崎作品だけがぬきんでているとは思えない。4.第一、本当に自然環境に対する激しい主張を持ってこの映画を作ったかどうか疑問。主張のストレートさでいうならば、「柳川掘割物語」や「平成狸合戦ぽんぽこ」、「おもひでぽろぽろ」の高畑勲のほうが痛々しいくらいだ。 5点(2003-12-26 05:25:17)(笑:1票) (良:2票) |
123. 十階のモスキート
裕也さんのためにあるような役ですね。ある意味「タクシー・ドライバー」に通ずるところも感じます。TVでは放送できそうにありませんが・・・。横山やすし、アン・ルイスの名演が光る。 5点(2003-12-23 17:21:41) |
124. BU・SU
この監督の、「東京」を描く視点が好きだ。すこし青みがかった町のたたずまいが、なんともいえない東京の風情をかもしだしている。この映画に関しては、それ以外はあまり感じられなかったけれど。 5点(2003-12-23 16:29:26) |
125. AKIRA(1988)
映像の力という点ではこの世界を語るのに成功していたと思うが、キャラクターが不気味でなじめない。芸能山城組の音楽はすばらしかった。 5点(2003-12-23 16:20:06) |
126. 敦煌
科挙の試験に遅刻するということ自体、原作を捻じ曲げて主人公のその後の行動の必然性を希薄にしていると思います。アメリカ人が英語でヨーロッパの映画を作るのを観て、日本人の手によるアジアの映画ということで期待したんですが・・・。 5点(2003-12-21 21:48:37) |
127. となりのトトロ
田舎育ちの私が思うに、確かに子供の頃にはトトロは見えていた。しかしそれは不用意に近づこうものなら噛みつかれるような厳しいイメージだ。草のトンネルを抜ければ露でびしょぬれになり、あちこちにトゲが刺さる。採れたての野菜サラダには青虫がついている。「自然は痛くてかゆくてグロい。」というのが思い出として染み付いている。そういう意味で言えば、この世界は現実には存在しないノスタルジーなのかもしれない。 5点(2003-12-21 14:23:56)(良:1票) |
128. 乱
映像の美しさ、武満音楽の不条理さなど、さすが黒澤と思わせる場面はあるものの、どうしてもウソ臭く感じてしまう。この映画の前に、かつての名脇役藤原釜足が亡くなっているのだが、主人公の「建前」に対して「そうはいっても・・・」という人間の「本音」をしっかりと演じ、黒澤ヒロイズムが荒唐無稽になるのを陰で支えていた彼がいなくなり、この映画が製作されたのはある意味象徴的である。最後は我々に向かって、「神は嘆いているのだ」と説明してしまった。また、莫大な費用を投じて落城シーンを演出することに文句はないが、あんなだだ広い高原にポツンと建っている城が炎上しても、必然としか感じられない。 5点(2003-12-20 11:46:18) |
129. マルサの女2
パート2はどうもこうしてお笑いに走るのか、というよりもどんちゃん騒ぎになってしまうのか。そう思ってしまいました。第一作目に押さえ込まれていた伊丹十三の趣味の悪さが一気に噴出して、周りの役者も演出なのか好き放題やっている感じ。大地康雄はキャラが変わっていつものエキセントリックな雰囲気が見え隠れしているし、三国連太郎はアドリブ全開。感情移入のできない役柄になってしまった。音楽もゴッドファーザー風というオーダーを受けてなのか、しかしその中に本多音楽の主張が出てきているし・・・。映画の端々に一体感の無さを感じてしまうんですよね。まあ、これだけの素材を集めてきているという期待が大きすぎたのかもしれませんが。 5点(2003-12-16 19:35:51) |
130. 旅芸人の記録
現在の自分の能力では、よさが伝わらなかった。もちろんよい点もあるが、長まわしやロングショットなど、この映画の美徳となっている点についていけなかった。まず、ロングショットで、しかも暗い画面で、十数名もの人物を区別できない。人物が対峙する場面にセリフが無い。時折ひたすら長い一人語りがあるが、何を言っているのかよくわからない。ああ、なんて俺は理解力がないのだろうと頭を抱えた。。。見る前に、ギリシャの歴史や神話などの予備知識が必要なのかもしれないが、それはちょっと。。。「フィクションのドキュメンタリー叙事詩」というような感じを抱いた。 4点(2004-02-22 17:18:10) |
131. 大病人
煮え切らない、というよりも判然としない物語の最後で、般若心経が字幕スーパーつきで出て来た時は、「あーやると思ったよ。」と思った。しかしこれだけウンチクにこだわりを見せる監督が、般若心経を引用するのはとても皮肉である。 4点(2004-02-16 00:45:25) |
132. マルタイの女
やっぱり宮本信子主演には無理があります。そして宗教団体の描写になぜあそこまでこだわったのか。これまでの伊丹映画では悪役にも愛嬌があり、演出にも愛情があったはず。「マルサの女」の山崎努しかり、「2」の連ちゃんしかり、「ミンボー」「スーパー」の伊藤四郎しかり・・・。それがなぜか本作品に関していえば、悪意や敵意しか感じられないのは残念だ。 4点(2004-02-16 00:31:58)(良:1票) |
133. ハンニバル(2001)
一回見ただけでは理解できなかった。自分の知的レベルもあるが、これは致命的。前半部分でのクラリスの描き方が薄かったのではないかと思う。残酷シーンはそれなりにお洒落に見せることはできているものの、本題が不可思議すぎて残酷描写も浮いてしまった感じ。やっぱりジョディ・フォスターで撮って欲しかったとは思う。 4点(2004-02-06 23:35:33) |
134. 八月の狂詩曲
黒澤監督の子供の描き方っちゅうのは、自分の懐古に走ってしまうのか、理想を追い求めるためなのか、どうもリアリティーにかける演出が多い。子供ってもっといろいろ考えてるはずなんだが。。。 4点(2004-01-01 08:27:29) |
135. ディア・ハンター
ベトナム戦争での極限体験というものを理解していないので、もう一歩のところで感情移入できない。登場人物の行動は一つの選択にすぎないのではあるだろうが、本当にこれが真の友情なのか、考えさせられる。後味は良くないですね。あとデニーロが強すぎて・・・。 4点(2003-12-21 15:59:31) |
136. アナライズ・ミー
題材はなかなか面白い。ただストーリー展開にに起伏がなく、「FBI-マフィア-デニーロ-精神科医-家族」の間で、終わりなきキャッチボールをしているのを観ているかのよう。コメディー映画ではあっても、ナンセンスに走る映画ではないはず。であればデニーロのあの突然の泣きは何なのか?パニック障害の症状について詳しいことは知らないが、あれではまったくのウケ狙いにしか見えない。「ミッション」での、原住民に許されるシーン、「レナードの朝」で、副作用のため本がまともに読めないと嘆くシーン、過去の仕事と比べれば、今回のデニーロは大失敗だ。主役2人の芸の引き出しで何とか見せられる映画には仕上がってはいるが、デニーロのギャングものにそろそろ辟易としてる中、「主題を失ったギャングものなんて、これ以上眺めていられないよ。」と、大ファンであるにもかかわらず思ってしまった。 4点(2003-12-20 03:07:31) |
137. ミスター・ルーキー
今までの野球映画と比べれば、せっかくウソ臭くない映像になっているのに、プロ野球のルール自体が無視されてしまっている点にはしらけてしまいます。いわば企画モノの「架空優勝実況」のようなもので多くの観客の心をつかむのは無理でしょう。そもそも阪神が優勝しなければならないという動機自体、何のためだったのか途中で分からなくなってしまいます。「メジャーリーグ」のような、チームと一体になって達成感に浸るということもできません。せいぜい阪神ゆかりのお馴染みの面々の顔を眺めてニヤリと笑う程度。阪神ファン以外にとっては相当「イタイ」んではないかなあ・・・。 4点(2003-12-18 23:16:00) |
138. 王立宇宙軍 オネアミスの翼
映像だけ見ていて、このストーリーを語るのに最適な描写なのかどうか首をひねるような場面がそこかしこにあり、同好会の実験映画的な要素を感じてしまったため映画に入り込めなかった。森本レオの声もアンマッチだ。キャラクターに魂が感じられない。 3点(2003-12-23 16:16:35) |
139. アナライズ・ユー
【4dough】さんのおっしゃるとおり、前作のストーリーの推進力でもあった、奇抜な取り合わせによる緊張感はすっかり消えうせた。それどころか、まさにマフィア仲間以上に「身内」としてやりあう二人に対して、展開を追う楽しみはほとんどなく、その場のコミカルな演出に笑うだけの映画になってしまった。もはや現在のデニーロは80年代までの彼ではなく、良質なコメディ俳優として存在しているといってもよいのかもしれない、そう思わないとファンとしてはやりきれない。 3点(2003-12-20 11:26:27) |
140. ボルケーノ
自然災害の脅威を話題にするのなら、もっと調査した方がいいのでは?でも今のご時世、CGサクッとつくってるほうが安上がりなんでしょうね。溶岩を避けるために車から子供を抱いてひょいっと跳び移るシーンを観て、映画館を出ました。 2点(2003-12-17 16:54:23)(笑:1票) |