1441. 蒲田行進曲
笑いと涙、義理と人情があり、すべての要素が詰まった映画。大部屋役者を主役に置き、映画の世界の表と裏をリアルにそしてコミカルに描く。初めは何と大げさな映画かとも思ったが、その大げさな演技やシーンこそが命、これは作られた映画の世界を見せる映画なのだから・・・。世界に「ニュー・シネマ・パラダイス」あれば、日本に「蒲田行進曲」ありと言えるくらいの邦画史上に残る名作だと思う。 [映画館(邦画)] 10点(2012-02-26 22:02:04) |
1442. 真実一路
最近亡くなった“淡島千景さんをしのんで”という特集で見たが、期待はずれ。物語はなかなか進展しないし、はぎれがない。子役が出てくるところは学芸会並だし・・・。これが川島映画とはとても思えなかった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-02-26 15:52:27) |
1443. 孤児ダビド物語
「オリバー・ツイスト」や「クリスマス・キャロル」の著書で有名なチャールズ・ディケンズだが、「デイヴィッド・コパフィールド」の名前はあまり知られていないようだ。私もこの映画で初めて知ったのだが、結構有名なものらしい。特に前半はディケンズの自伝とも呼べるもので、苦労をしながら小説家になるまでの少年時代を実にうまく描いている。それは波瀾万丈というよりも、多くの個性的な人物との出会いである。 映画もまたそれぞれの人物像がとてもうまく出ていると思う。成人してからの物語はやや陳腐だが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-25 23:24:27) |
1444. 長崎ぶらぶら節
《ネタバレ》 長崎の三菱造船所で建造された戦艦「土佐」は、一度もその役割を果たすことなく、ワシントン海軍軍縮条約により翌年廃艦となり、呉へ移された。(魚雷の標的艦になる) その悲しい運命を愛八は歌い、横綱の土俵入りを行う。なぜ土俵入りかと思われる方も多いだろうが、戯曲「一本刀土俵入り」を知っている私にはずいぶん切なく思えた。 さて、長崎在住の私には諏訪神社、眼鏡橋、オランダ坂、グラバー邸など名所が出てくるたび胸を躍らせた。なかでも丸山の遊郭「花月」、ここには愛八さんの写真などが今も残されている。もちろん愛八さんも郷土史研究家古賀十二郎氏も実在の人物で、小説は史実を元に劇的な要素を加え作られている。 さて映画だが、原作小説に結構近いのではなかろうか。直木賞作品だけあって良い映画だったと思う。 蛇足ながら長崎では一足先に公開され、先頃亡くなられた諫早(長崎県)出身の脚本家市川森一氏を忍んで、リバイバル上映中である。 [映画館(邦画)] 7点(2012-02-24 20:26:33) |
1445. 小公子(1936)
先にリトル・プリンス(1980)も見ていたし、子どもの頃絵本や小説などで親しんだ物語だったので、すんなりと見れた。伯爵をオーブリー・スミスが演じているが、さすがにアレック・ギネスにはかなわない。しかし全体的にはよくまとまった映画であり、原作の雰囲気をよく表していると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-24 06:30:59) |
1446. リトル・プリンス〈TVM〉
チャンプ(1979)の子役のかわいらしさも印象に残ったが、何といってもドリンコート伯爵を演じたアレック・ギネスがすばらしい。傲慢で気難しかった性格が、セドリックによって少しずつ変わっていく姿が実に生き生きとしていたと思う。 これがテレビ映画だったとはずっと後になって知った。 [映画館(字幕)] 7点(2012-02-24 05:48:53) |
1447. 二都物語(1957)
《ネタバレ》 チャールズ・ディケンズの有名な小説で、サイレント時代より何度も映画化された物語である。しかし、1935年の米国映画「嵐の三色旗」とこの映画以外は見る機会がない。それで嵐の三色旗との比較になるわけだが、原作が同じだけに大筋同じとも言える。いやむしろ細部では三色旗では省かれていた部分も映像化されていて、こちらの方がより詳しいし、原作に近いのではないかと思う。それでは三色旗よりも優れた映画かというとそれはやや疑問。この映画の最大のテーマ「献身」ということでは一歩譲るような気がする。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-23 18:58:54) |
1448. にあんちゃん
《ネタバレ》 私が小学校から中学校へと進んだ昭和30年代、黒いダイヤと言われていた石炭は石油へと変遷し、九州その他の炭坑町では不況、炭鉱事故、閉山と暗いニュースが続いていた。好景気時に雇われた在日朝鮮人らは酷使され、真っ先に首を切られていった。 そういう時代と地域を背景に、事故で親を亡くした朝鮮人4人の子供らが、あちこちの家庭に分かれて世話を受けながらもたくましく強く生きていく物語だ。映画では誰を、何を批判するものではないが、私たちはじっくりと見て考える必要がある。 [映画館(邦画)] 8点(2012-02-23 16:24:55) |
1449. 嵐の三色旗
《ネタバレ》 長編小説を映画化することは大変難しい。この映画は場面が飛びダイジェスト版のようにも思えるが、それでいてしっかりと要所を押さえている。本来「自由・平等・博愛」を求めて起こったフランス革命だが、バスチーユ牢獄襲撃を行った市民は暴徒化し、罪のあるなしに関わらず次々と貴族の処刑を行った。フランス革命の映像化された一端を知る上でも貴重な映画だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-23 07:51:00) |
1450. アイランド(2005)
クローンに記憶をすり込ませ夢のアイランドが存在するかのような設定や、近未来社会のシーンはとても良い。しかし何といっても逃走と追跡シーンが多すぎるし、アクションも派手で娯楽映画になってしまったのは残念。もっとテーマを深く掘り下げて、じっくり見せれば良い映画になったのではと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2012-02-22 19:39:05) |
1451. 2300年未来への旅
冒頭は神秘的で幻想的な近未来社会を思わせたが、物語が始まるとちょっとお粗末ちゃちだった。主人公も魅力に欠けるし、ストーリーもつまらない。外界に出てしばらくは興味深いところもあったが・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2012-02-22 05:45:41) |
1452. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 米ソ宇宙開発競争、アポロ計画の最中に作られた映画で大いに興味を持った映画である。しかし映画が始まって大変驚いた。音は鳴れど映像は出ず、ツァラトゥストラが演奏されたかと思うと猿の映画(猿の惑星ではない)、そして美しき青きドナウ、本当に映画はいつ始まるのだといらいらしてしまったのを覚えている。 映像は大変美しく目を見張るものがあったが、ストーリーはほとんど覚えていない。後半に大型コンピューターが出てきて、人間とコンピューターの闘いになってようやくおもしろくなった。 そのときは映画は半分の長さに縮められると思ったし、どうして高評価なのかもわからなかった。 [映画館(字幕)] 6点(2012-02-21 18:27:57) |
1453. デッドマン・ウォーキング
重くずっしりと心に響く映画だった。被害者の側も加害者の側も偏ることなくきちんと描かれていると思う。とかく死刑廃止・存続が議論されるけど、意見を述べる前に見てほしい映画だ。ただ気になったのは、死刑廃止論者=共産党員みたいな表現があり、米国における共産党への偏見が気になった。 スーザン・サランドンは、主演女優賞に輝くだけあって大変すばらしいし、ショーン・ペンもまた少しも負けていないと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2012-02-21 16:05:54) |
1454. はやぶさ 遥かなる帰還
小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡的な帰還は、私たちに大きな感動を与えてくれた。その映画なのに感動はいまいち。科学の専門用語が飛び交うのは仕方がないし、映画の中の技術者たちも一生懸命に取り組んでいるのもわかる。しかし科学に疎い私には、それが何なのかがわからず、感動できないのだ。あれだけの配役陣を揃えたのだから、的外れな素人っぽい人が登場しても良いと思うし、「例えてみたら、~のようなものだ」というような砕けた説明が入っても良さそうなもの。映画はまじめすぎたと思う。 またそのまじめで堅い部分を解きほぐすのが人間ドラマの部分なのだろうが、これがもうひとつピンと来ない、第一あの町工場はどう関わり合ってくるのだ? 事業仕分けによって消えそうになったプロジェクトだけに、成果をもっと前面に出しても良かったのでは・・・。 [映画館(邦画)] 5点(2012-02-21 14:34:22) |
1455. 死ぬまでにしたい10のこと
大変印象に残る映画だった。死を宣告されてもジタバタせず、それでいて自分が死んだ後のことをしっかりと考える、その冷静さはどこからくるのだろうか。私には決してまねできないことだ。 したい10のことは人それぞれだろうから、内容には触れられない。アンの場合はあれで良かったのだろうと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-20 21:33:44) |
1456. アウェイ・フロム・ハー 君を想う
私自身年老いた母を施設に預けた経験があるだけに、身につまされる思いだった。自宅介護か介護施設かという問題も見え隠れする。 この映画は老夫婦の愛情が痛いほどに感じられ、良い映画だった。雪の映像がとてもきれいで印象的、音楽も良い。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-19 18:29:07) |
1457. ジェシカ・アルバの “しあわせの方程式”
予告編を見て興味を持ち、見た映画(日本では未公開)だが、いまいちピンと来なかった。原作を読めばもう少し親しめるかも・・・。 映画の中で、モナと子どもたちが数字遊びをするのがほほえましい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-19 09:54:29) |
1458. バグダッド・カフェ
砂漠の中のオアシスという感じで悪くない。夫に置き去りにされた女と夫に逃げられた女、やはり相通じるものがあったのだろう。最初はうまくいかなくても、手品という魔法で万事うまくいく。主題歌はもちろんすばらしい。蛇足ながら映画の完全版は108分 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-19 00:12:29) |
1459. カッコーの巣の上で
昔見たときは、わからないところがいくつもあって、さほど良い映画だとは思っていなかったのだが、2度3度と繰り返し見ているうちに、そのすばらしさがわかるようになった。 昔疑問に思っていたのは、チーフがなぜ精神病院に入ったのか、なぜ聾唖者を装うっていたのか、それとラストの行動など。そして最大の謎はタイトルの由来だった。 しかし、カッコーという鳥の習性や繰り返し見ることによって、ほぼ解決できたと思う。 この映画は実に奥行きが深いし、すばらしい。アカデミー賞の多くの部門の賞を得たのも当然だと思う。またこの映画の舞台となった精神病院(カッコーの巣)の問題点は、私たち身近にもたくさんあると思う。それを象徴しているのではなかろうか。 [映画館(字幕)] 10点(2012-02-18 22:33:15) |
1460. 真夜中のピアニスト
音楽映画だと思って、間違って見てしまった。ピアノを弾く人は手や指をとても大切にする。この主人公はピアニストとして最初から失格。 [DVD(字幕)] 3点(2012-02-18 13:11:48) |