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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1481.  野良犬(1949) 《ネタバレ》 
私にとっての黒澤映画は大きな壁です。「世界のクロサワ」をどうしても楽しめません。どうも大仰で登場人物がみんな今にも頭の血管切れそうな演技してるって印象が強くて。さりげないシーン、力を抜いてるようなシーンですら、その実、めっちゃ力入れてさりげないフリしてない?みたいに思っちゃって。で、苦手克服とばかりに見ましたが、「セブン」みたいな映画でした。ってこっちがずっと先だし。志村喬が撃たれるシーンでの緊迫感が凄いけど、「胸騒ぎがする」ってセリフが伏線ってアリなんだろうか?みたいに思ったり(『スター・ウォーズ』に毎度出てくるお馴染みセリフ「イヤな予感がする」はコレが元ネタかぁ?)。冒頭のナレーションは映像で十分語れているのに一体なんのために入ってるんだか意味不明だとか。ハルミのお母さんが窓に投げたドレスの位置がいつの間にか外側になってるとか。いやいや、映画は楽しみましたけど。終戦直後の日本の風景、風俗が捉えられていて興味深く、混乱する社会に生じた屈折を当時リアルタイムに作品に叩き付けている点が凄いですし、犯人に迫ってゆく流れに無駄がないので(野球の試合のシーンとかはともかく)退屈する隙なんてありませんし。激しいシーンでのカット割りが細かく、ダイナミックで全く古さを感じさせませんし。だけど、ミフネの力入りまくりな暑苦しさに、こちらも暑苦しくなってしまって、苦手克服にはまだ時間がかかりそうだな、って。
[DVD(邦画)] 7点(2006-07-29 01:24:37)
1482.  イノセンス
人の体が単なる意識の器だとすれば、器は意識を収めきれず意識は行き場を求めバランスを失ったりするのかもしれません。ネットワークにデータを分散させるように意識を肉体の外に置く事ができるとするならば、人という存在は一体何によって定義できるのでしょう? そして今この瞬間、その作業をしているという現実があります。そう、このサイトに映画の記憶を刻み付けている事が、自分の中のメモリを外部メモリへ移す作業であったりします。映画の記憶は時間と共に整理されてゆきますが、その時何を感じたのかをネット上に残す事で映画を見たという証は記録され、その記録は他者と共有されてゆくのですね。レビューを書くという行為ひとつ取っても、意識していなかった潜在的な理由があるのかもしれません。とまあ、映画を見ながらそういう事を考えてはいたものの、映像博覧会みたいなこれ見よがしワールドと、説明的な台詞、スノッブな台詞の洪水には辟易。テーマをゴテゴテと世界で飾る事によって奥へ奥へと隠し込んでゆく状態には、さすがにやりすぎでしょ、と思いました。ここまでCGを前面に押し出すと、手書き部分との融和性がとっても悪く見えてしまいますし。作品世界との接続を積極的に行い続けていないと、即断線してしまいそうな映画ではありました。
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-28 01:35:46)
1483.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 
最近とんと映画に疎くなってる私はこの映画をタイトルから「カオス理論のバタフライ効果について実験的症例の如く物事を対比させて描く、ちょっと硬派な科学的映画」なんてイメージを勝手に抱いてました。そしたらぜーんぜん違うの。もうびっくり。「記憶が飛ぶって『タイムリープ』かぁ、いや違う、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(特にPART2)の『タイムマシン』の『オーロラの彼方へ』で結局『時をかける少女』だあ!」と。これがバタフライ・エフェクトって言われたら、んー、そうかなぁ?どちらかっていうとパラドックス&平行宇宙でないの?と。現実にはどう考えたって理論的にあり得ない、ファンタジーな物語でございました、って点でもう私の見当違いも甚だしい状態。そういう映画ならそういう映画だ、って最初から割り切って見てれば面白かったのにねぇ。まあ、設定に「えええ?」って箇所もあり(基本が変化構造なのに一部に円環構造が混在していて、一本の映画内に『ターミネーター』と『T2』の矛盾が放置されている状態)、そういうのはどうしたってツッコミ入れざるを得ない訳ですけども。だけど時間操り系の映画はドクが言ってたように「細かい事は気にするな」って見方がいちばんいいんです。牛丼食べようと思って間違えて茶道教室に入っちゃったよーな私が悪いんです。ええ。
[DVD(字幕)] 5点(2006-07-27 00:57:45)
1484.  トレジャー・プラネット
最近のディズニーアニメ(ピクサーを除く)は安易な感情移入を拒むかのようなキャラクター設定をしているような気がして仕方ありません。てか、主人公を始めとして見ていてウザいキャラが多すぎ・・・。生身の人間ならば伝わってくる感情も、アニメの単純な表現では単なるイライラ小僧だったり、単細胞的に気分が変わる悪人だったり。主人公の成長物語だけに絞った事で、物語にゆとりがなくなり、入り込めないとひたすらツラい、という映画になってしまっていると思います。ヒロインとなる存在くらい設定すれば良かったのに。「宝島」を「スター・ウォーズ」風に描いてみました、ってところから生じる安易なデザインや視覚効果や展開が、ディズニーアニメ部門の混迷を感じさせて、その末路を知っているだけに複雑な気持ち。第一、この規模のアニメ映画を作るのに、一体どれだけのスタッフを動員してどれだけの製作費をかけているのよ?と。一から十まで日本のアニメに学べ、とは思いませんけど(テレビで垂れ流されている記号化されたアニメとか、アニメーターの安い賃金と過酷な労働時間を考えたら、日本のアニメだって改善されなくちゃいけない事はいっぱいあります)、この映画の数分の一の規模で製作されている日本製のアニメが、なんで世界で支持されているのか、なんでアニメーションにおけるディズニーブランドが失墜してしまったのかを研究して、再び世界のディズニーアニメを復興させて頂きたいと切に願います。あ、もちろんディズニー製萌えアニメ作れ!ってワケじゃないですよ。
[DVD(字幕)] 4点(2006-07-26 00:16:32)
1485.  初恋のきた道 《ネタバレ》 
映画を見始めた瞬間に心のシフトを入れる場所を間違えると、これはとんでもないキモチノワルイ、あるいはオソロシイ映画に映る危険性大ではあります。チャン・ツィイーが健気で可愛くっていい娘だぁ、と思えばホンワカ温かくて切ない物語になりますが、執着心の強い、計算高い女だぁ、と思うと、もうね。私は、あ、こりゃ前者で見ないとイケナイ映画だな、って割り切って見たので、とってもいい映画に映りましたが。ふんわりとした光と美しい風景の中でぴょこぴょこ健気に走る彼女の姿を見て、そこに柔らかな気持ちが感じられれば、それで十分って感じ。注目して頂きたいのは、老いた彼女の部屋に飾られた2枚の「タイタニック」のポスター(こんな中国の田舎のおばあちゃんまで見るなんて、一体世界中でどんだけの人が見たんだ?「タイタニック」)。老いてなお、彼女は「タイタニック」のローズにめちゃくちゃ共感したのです。ダンナと一緒だった40年は彼女にとって、きっとジャックとローズの過ごした短い時間と同じくらいにドラマティックだったのでしょう。そして老いたローズに重ね合わせて自分の人生を思い返したに違いありません。・・・なんて思いっきり深読みしたワケですが、そのお陰で感動できましたよ。音楽までジェームズ・ホーナー調な映画ではありましたが。
[DVD(字幕)] 8点(2006-07-25 00:20:30)
1486.  クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡 《ネタバレ》 
やっぱり原恵一監督がいいなぁ、とつくづく思ってしまいました。銀座のホステスVS新宿のオカマの激しい脱力系抗争劇、新宿のオカマバーから健康ランド、郊外の大型スーパー、青森の山中、そしてお台場へと移り変わってゆく舞台、現代の日本の日常を背景に馬鹿馬鹿しくもエキサイティングなドタバタ劇を繰り広げてゆきます。映画としての完成度や感動は後の「オトナ帝国」や「戦国大合戦」に譲るものの、あくまで日常を背景や道具として展開させ続けている点では、いちばん「クレしん」らしさを守った作品だと思います。何故に「クレしん」でそういう事やってしまう?という、原作からのファンだった私が初期の映画に抱いた違和感(ヒーローものだったりファンタジーだったり)は、この作品で軌道修正された感じですね。この映画ではキャラクターがみんないきいきと魅力的なのがいいです。三人のオカマ兄弟も、ホステス軍団とママも、東松山よね刑事も。よねさんなんか、物語に必要な存在なのかどうかさえ疑問な役立たず刑事なんですけど、とてつもない才能のなさを激しい努力で鼻血流しつつ克服してゆく様に感動すら覚えましたよ。この映画でひまわりが初登場という事で、しんのすけのひまわりへの嫉妬と兄としての目覚めが描かれているのも微笑ましく、私にとってはシリーズの中でもとても愛すべき作品になりました。
[DVD(邦画)] 9点(2006-07-24 01:51:11)(良:1票)
1487.  メカゴジラの逆襲 《ネタバレ》 
「ゴジラ対メカゴジラ」の直接の続編だけど、一部キャストが重複していながら違う役だったり、ブラックホール第三惑星人の真の姿が違っていたりと、結構いい加減です(ボスがグラス片手の成金親父風、って点では一貫してますが)。前作はマトモに見るとツライ映画でしたが、今回は微妙にマトモな映画なので、真面目に見ようという姿勢になってしまって、それはそれでまたツラい、と。暗いドラマを背負っているものの、いかんせんそれをドラマティックに見せられるだけの役者がおらず、シンドいなぁ、もっと気持ちのこもった演技ができないかなぁ、と。全体的に陳腐でありながら、シネスコの構図は綺麗だし、伊福部サウンドは聴かせてくれます。でも、それが逆に哀しいですね。第一作と同じ監督、同じ音楽、同じ俳優による科学者。でも第一作からは遠く遠く離れた、全く違った存在になってしまったゴジラに対して、なす術なく最早ゴジラを突き放すしかなかったような感じ。この映画ではゴジラ、活躍らしい活躍をしていません。唐突に現われた二人の無謀な少年を救うくらいで、あとはメカゴジラを破壊し、チタノザウルスを倒すものの、二体を操っていた、サイボーグとなったヒロインが自殺した時点で戦う意味は喪失しています。人間同士の争いに、ゴジラは傍観者となるしかなく、セピアの海に帰ってゆくゴジラの姿は居場所を失ったようにも見えて、本多監督がこの遺作をどんな思いで撮ったのか考えると、なんだかとっても切ない映画でした。その後復活したゴジラは果たして本当の居場所を見つける事ができたのでしょうか?
[DVD(邦画)] 4点(2006-07-23 01:06:12)
1488.  スチームボーイ STEAM BOY
空想科学漫画映画を目指していたんだと思うんです。ワクワクドキドキして楽しくって、ってノリの。だけど、それを描くためにあるべき手法が、あり余る才能がジャマをして見えてなかったと言わざるをえません。CGや手描きでこれ見よがしに描き込まれた美術なんて、重要じゃないんです。そんなもん、背景であって主役になっちゃいけないんです。そこに力を注ぐ代わりに、他にもっともっと力を注ぐべきところがあるんです。アニメアニメしたキャラを、映画的タイミングの中にはめ込み、最新技術の映像の中にはめ込んで、窮屈な思いをさせちゃいけません。もっと表情豊かに、自由に動かしてあげるべきなんです。もっと軽やかに、もっとスピーディーに。状況に振り回されてばかりで世界に呑み込まれているような状況から解放してあげなくっちゃダメなんです。まず最初に世界があって、そこにキャラクターを無理矢理押し込めるのではなくて、最初にキャラクターの世界を作ってあげて下さい。そうすれば自ずとアニメーション映画の世界がどんどんと開けてくるでしょう。今回、とっても偉そうな文章ですけど、アニメーションの未来に期待してるからこそ、どうかアニメーションの可能性と限界とを自覚して頂きたいのです。才能の無駄遣いは、本当にもったいないです・・・。
[DVD(邦画)] 4点(2006-07-22 00:53:11)
1489.  魁!!クロマティ高校 THE MOVIE 《ネタバレ》 
うーん。「クロ校」の映像化は上手くいってますし、キャスティングも原作のイメージにピタッピタッとハマっていて気持ちいいです。オリジナル要素となるキーワード「阿藤海」「宇宙猿人ゴリ」「少林寺」もまたバカでよろし。でも、この監督の短編自主映画「手鼻三吉とトゥワイス志郎が往く」の超バカなパワーに比べると、良くも悪くもマトモだなぁ、と。あれを見てしまうと、今回の映画は長編に臨むにあたってパワーをセーブしてるんでない?なんて思ってしまったり。原作のエピソードは沢山あるのですから、この尺の中に倍は詰め込めたんではないの?とか。メカ沢ベータにはもっと出てきて欲しかったし、神山と山口ノボルのハチミツボーイVSアジシオ太郎とか、ネット上では礼儀正しい番長・藤本貴一とかも見たかったなぁ、とつい贅沢な望みも出てしまいます。地球防衛軍を膨らまし過ぎと思いましたけど、どうしても物語の芯は必要かな? 別に芯のない映画でもいいんじゃないかな、なんて。まあ、あの原作を映画化するという事自体が無謀で、それを期待に違わぬチープさで見事に映画化してくれただけでも良しとすべきなのかな。
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-21 00:21:29)
1490.  早春(1956)
他の小津作品と違って、登場人物ひとりひとりの繋がりが希薄で、それぞれが個として孤立していて、お互いの摩擦の中で生きているような感じがしました。愛で繋がっている、というような夢物語はなくて、打算的なものの中から価値を見出してゆくような、結構厳しい物語。ちょいとした笑いもありますが、ひとつひとつが重たい映画でした。達観した世代、そこに近付きつつある、行く末が見え始めている世代、そしてこれからまだまだ未来が見えない世代、未来が閉ざされてしまった人。先人達や周囲から距離を置きながら学び、あくまで個として自分を見つめてゆく。それを描く視点は至極客観的で冷静。不倫はいけないと、みんなが金魚に人の道を糾そうとした事に対しても、それが嫉妬心から来る、褒められたものではない行為だとハッキリ言わせてますしね。正直なところ、見ていて息が詰まりそうな苦しい映画ではありました。そんな中、これまで見てきた小津作品の中にあって、トラックの荷台から捉えたショットのスピード感とコミカルさは、ちょっと意外でした。
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-20 00:55:06)(良:2票)
1491.  ゴジラ対メカゴジラ 《ネタバレ》 
このあたりのゴジラは映画としてマトモに見るのはかなりツラくなってますね。人間が出てる部分はドラマなどなくて、ただ物語を追いかけるばかり、だけどそれがとってもマヌケ(敵を出し抜くとか言いながら出し抜けてない・・・だったら最初から飛行機で行ってよ!博士達がピンチだよ!)で真剣に見ようとする行為がとっても大変。なので楽しみ方を探しての観賞、ってカタチになりました。宇宙人のボスが8:2分けでブランデーグラス片手の成金親父状態でイヤですぅ。おいおい、宇宙人の基地にたった2人で乗り込むなよ、つーか宇宙人は易々と侵入許すなよ。なんで宇宙人の正体、猿やねん!「猿の軍団」1974年、この映画も74年・・・そっか。キングシーサーを目覚めさせる歌がムード歌謡って、どんな伝統芸能なん? 岩陰にこそこそ隠れるキングシーサーがキュート。メカゴジラの曲が今となっては時代ひと回りしてオシャレ。子供向け映画でスプラッタ描写するな~!グロ~。メカゴジラの猛攻、カット割り細かくてすげー。ゴジラとキングシーサーのピンチ描写、結構エキサイティング!・・・と思ったらゴジラのハンドパワー(何故か磁力)で萎えるぅ。爺さん、さんざん悪態吐いてたクセにめでたしめでたしでいいのかよ!って、なんの余韻もなく終わっちゃったぁ!・・・・・・まあ、そこそこ楽しめたんで良しとしますか。
[DVD(邦画)] 5点(2006-07-19 01:33:31)(笑:1票)
1492.  キングコング対ゴジラ
子供の頃、何回も見た筈なのですが、あらためてDVDで見直すと覚えのないシーン沢山(テレビ放映じゃあちこち切られてたりしますしね)。こんなに盛り沢山な映画だったとは。基本がコメディなので「あはは」と笑って見てられる一方、ゴジラが現われて電車から避難するシーンなどは、ゴジラがどんどん迫ってくるぞ、って恐怖感が結構あったりして、ああ、今だに見る「怪獣が来るぞ!」って悪夢はここらあたりが原点かぁ、と。『ラドン』もそうでしたが、地球温暖化って、この頃既に取り沙汰されていたんですね。ここでは冷凍化されて閉じ込められていたゴジラが目覚めるきっかけとしての要素、って程度の扱いではありますが。日本人が黒塗りメイクしてるアダモちゃん(古いか・・・)みたいな原住民とか、懲りずにいちいちピンチに陥る浜三枝とか、対戦をさっさと諦めちゃうキングコングとか、ゴジラにキングコングを対戦させちゃおうと真剣に作戦組んだりとか、平田昭彦の博士がいちいちもっともらしい事を言うけど役には立ってないとか、狙ってるんだかマジなんだか判らない面白さが楽しく、退屈せずに見られました。もっとも、ここでキングコングに影響されちゃったのか、ゴジラのボディランゲージが出始めておりまして、以降は随分とゴジラも人間的な仕草をするようになっちゃいましたね。
[DVD(邦画)] 7点(2006-07-18 00:26:45)(良:1票)
1493.  空の大怪獣ラドン 《ネタバレ》 
畳の似合うウゴウゴしたメガヌロンの愛らしいこと。昔は恐かったんですけどね。だけど、今見ると結構退屈。前半の殺人事件から炭坑内の探索、メガヌロン登場あたりまではワクワクするんですけど、メガヌロンを追うあたりからなんだか状況を描くばかりになってきて、物語を引っ張ってゆくキャラクターが不在の状態になっちゃう。ラドン登場以降はドラマが全くなくなって伏線放り投げっ放し。怪獣描写によってドラマが停滞するっていうのは怪獣映画の定番弱点ではありますが、それにしても炭坑の人々や警察から視点がラドンに移ってそのまま終わっちゃう、っていうのはなんだか釈然としません。ラドン、キャラ的に弱いですしね(その後はいっつも脇役)。だけど風によって破壊されてゆく街のミニチュアワークは本当に見事。ああいう、細部まで作りこまれたミニチュアは匠の世界ですね。それを見せるテクニックもいいですし。最近の日本の特撮映画は作り込みが弱いせいか、CGを使ってもマッチングが難しいせいか、地面をきっちり捉えてる映像が少なくて、地に足の着いてない、腰の据わってない特撮が多かったりしますが、地べたからきっちり捉えた特撮映像、ってのがやっぱり気持ちいいと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-17 22:03:23)
1494.  カーズ 《ネタバレ》 
うーん、複雑な気分です。これまでのピクサー作品よりも、素晴らしさとガッカリの落差が激しい感じ。美術センスは最高ですし、物語もベタだけどいい。キャラクターもいろんなパターンがあって魅力的。でもね、このキャラに普通の映画のようなドラマを維持させようとする事が無謀だと思うんです。CGアニメの限界点を弁えきれてないように思え、だから全体的に間延びした印象を受けちゃう。手描きアニメにしろCGアニメにしろ、役者としては大根なんですよ。表情や仕草で人の機微までも表現できるほどの表現力はないワケで、だからまんま映画みたいな文法を当てはめる行為が適切とは言い難いのですよね。もう少し彼等に相応しい舞台というのがあった筈です。あとは、動きが軽すぎるせいなのか、モデリングに問題があるのか、サイズ感覚にバラつきが感じられました。一応、実車と同じサイズ、って考えていいんですよね? だけど小さなオモチャにしか見えないカット多数。ボディに対して大き過ぎな目がいけないのかな? ベッタベタなアメリカンのノリは、これはこれでいいでしょう。世界の子供達の目にどう映るのかは判りませんが。個人的には双子のミーハーっ子が昔の私の愛車と同じ車種だったのが嬉しかったですね。
[映画館(字幕)] 7点(2006-07-16 23:49:03)
1495.  日本沈没(2006) 《ネタバレ》 
「誰だ!この映画を作ったのは!!誰が『さよならジュピター』をリメイクしろと言ったぁ!!」と見終わって思わず海原雄山のようになってしまいました。言いたい事はいっぱ~い!あるんですが、全然書ききれないので要約して書いてみます。構成平板で、大惨事感じず、日本の危機感じず、気がつけばいつの間にやら沈没進行、安易に実写かスチールにCG合成、特撮シーンを全部途中で切るか炎や水で埋めて誤魔化し、俯瞰ばっか「神の視点」ばっか、監督特撮マインド喪失?、草彅大根リアクション薄い、ドラマ嘘臭い、人間ドラマ政治ドラマリアリティなし、脚本ツッコミどころ満載、ダサい音楽鳴りまくりでウザい、人の避難風景、単なる飛行機や道路の実景だらーっと映すだけ、エド・ウッドでもできる、数千万の犠牲者が出てるようには全く見えない、っていうか全く描いてない、見たいシーンが全然足らないのに一方で間延びして退屈な草彅と柴咲のシーン・・・えーと、原作や前作との比較以前に問題があり過ぎちゃって。ただ言いたいのは、あちこちの企業、組織の思惑、力関係を元に映画作るんじゃなくって、もっとマジメに映画作りましょうよ、いい加減閉じたオタク思考で映画作るのやめましょうよ、って事。「N2爆弾」とかって、バカじゃないの?
[映画館(邦画)] 3点(2006-07-16 23:21:50)(良:2票)
1496.  シャレード(1963) 《ネタバレ》 
作られた時代をどこまで考慮してレビューの点数を付けるべきなのか、こういうのって迷いますね。サスペンスとしては今となってはヌル~いんですよ。映画が始まって3分の1くらいで全部見えてきちゃいますもんね。【以下、激しくネタバレ】1.「どいつが犯人だ!」って言って猜疑心を煽りあってる連中の中にはえてして犯人がいない。2.いちばん頼りになると思われる人間が大抵実は犯人。3.ケイリー・グラントが悪いヤツ役なハズない。以上の理由から物語はもう見えていて、それからオードリーがアブナい男ケイリーになんであんな簡単にラブラブになって誘惑したりすんのか理解に苦しみ、じゃあ後は何を楽しめばいいの?っていうと、オードリーのファッションとかね、40年前のパリの街並とか、渋い個性派スター達の若き日の姿とか。ヴィトンのトランクに無造作にスキー置いたり腰掛けたりして「なんてコトすんの!」とか、スパイを気取ったオードリーのファッションが素敵だねぇ(全身白に黒サングラスと黒のショートブーツがアクセント)とか。最初、大人っぽく見えたオードリーが、どんどん子供っぽく見えてくるのは狙ってのことなのかナンなのか、なんかイメージが違ってきちゃうし、ケイリーは無理に悪い奴を演じてるみたいに見えるし、殺すか殺されるかの一同が揃って警察に出頭してたりしてな~んかのどかだし。いかんせん、ちょっと退屈しちゃったのでこの点数です。
[DVD(字幕)] 6点(2006-07-16 00:34:20)
1497.  秋日和 《ネタバレ》 
見ていてこれは小津版のキャンディーズの『微笑がえし』と言うかレベッカの『スーパーガール』なのだぁ!と思いました。ああ、判りづらい喩え・・・。『晩秋』の設定を父娘から母娘に変えて、小津映画オールスターキャストで贈る(杉村春子が登場しないのが残念)セルフパロディ映画状態。トリスバー、LUNA、BAR ARROW等のお馴染みの店、修善寺のホテルの鯉の話、天気の会話等、これまでの小津作品へのリンクがいっぱい。『東京物語』のその後のような設定もあり、これまで脇役として登場していた人々の、それぞれの家庭が描かれたりもして、一応他の映画とは別のキャラクターだけれども、同じキャラクターとして見て下さって結構ですよ、みたいな感じ。なので一つ一つのエピソード、キャラクターのリアクション、台詞が楽しくて嬉しくて、『小津祭り』映画を存分に楽しみました。これまで時代の流れによる家庭の変容を、かなりシビアにシニカルに描いてきた小津監督(カラー時代になってからは少し傾向が変わってきた感じもしますが)が、自作のキャラクター達みんなに優しく平和を与えた、みたいな映画でした。ラストの原節子ひとりぼっちはやっぱり淋しい終わりになってますけど、『晩秋』の笠智衆ほどの重さが感じられないのは、母娘を心配してるんですよ、って人々がいっぱい描かれているからでしょうね。特に岡田茉莉子の存在が大きくて。この映画の彼女は本当に魅力的で、ゆったりと時の流れる小津ワールドに現われた旋風のようなインパクトがありました。それにしても見る順番って大切。諸作を見た上でこの映画を見たからこそ、こんなにもウキウキ楽しめて、だからこの点数を付けちゃうワケで。
[DVD(邦画)] 10点(2006-07-15 01:27:11)
1498.  東京ゴッドファーザーズ
アニメの力、ってヤツがすっごい実感できるんですよね、この監督の映画って。「PERFECT BLUE」では作画力の問題でソレがいまひとつ感じられなかったんですけど、「千年女優」とこの映画は、なんつーか凄いなぁ、って。3作品、どれも実写的なのですが、じゃあ実写で成立するか、っていうとムリで、アニメだからこその世界だと思います。今作はもし実写でやっちゃうと、ひたすら偶然が生み出す奇跡がインチキ臭くて仕方なくなりますもんね。リアリズムとデフォルメの程よいバランスが、心地良い時間をもたらしてくれています。これって、脚本段階にしろ、作画段階にしろ、アフレコ段階にしろ、少しでもバランスを崩すと、たちまちのうちに「実写の代用物」か「そこら辺にゴロゴロ溢れてる系絵空事アニメ」かのどちらかに転がると思うんです。その、危うい中間のところでちょうどいいキャラクターとちょうどいい物語とちょうどいい世界が出来上がってる、そんな感じ。もちろん、確かな作画と多彩な表現で昔から定評のあるマッドハウスの力によるところも大きいのですが。東京の街は実際に絵として切り取ると、必ずしも東京らしさが伝わらなかったりするものですが(生身が感じる東京は写真で捉える東京とはまた別ですから)、あくまで写実的なディティールの細かさとアニメ的色調や構図の強調とで上手く東京の空気を伝えているなぁ、と感心します(雪に埋まった灰色の東京なんて、そうそうこんな感じ、って)。アニメだからこそ描けるもの、アニメでは描けないもの、アニメにしか描けないもの。この映画はそれを弁えているからこそ辿り着けた世界だと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2006-07-14 01:56:36)(良:1票)
1499.  ベッカムに恋して 《ネタバレ》 
キーラ・ナイトレイ目当てで見たんですが、全編インドカラーに染まっててびっくり。どミーハーな喧しい映画かと思ったら、結構真面目にインド人社会を描いていてまたびっくり。ついでにキーラの扱いがビミョーでびっくり。ジェスの抱えた苦悩はいっぱい幾つもあって、その障壁を乗り越えてゆく過程が気持ち良く楽しめました。ただ、ジェス自身はあんまり能動的ではなくって、いちいち周りの人に助けて貰ってるんですけどね。主人公を支える良き人々がいっぱいいます、って点ではイギリス映画っぽいかな。そういう、沢山の人の優しさが出てる映画って、嫌いじゃないです。でも試合シーンがハリボテ状態なのは残念。どうしてもみんなサッカーが上手い!とは思えませんでしたからね。で、問題はキーラの扱い、と。中盤までは「花添えます」程度の扱いに見えて、まるで「壁が淋しいので飾られたキレイな絵」みたいな存在に思えました。それがドラマに絡んできて重要なアクセントになるものの、2つの大きなポイントのうち1つは、なんだかモヤモヤしたまま終わっちゃいましたねぇ。かわいそーに。ジェスはその両方にきっちりとケリ付けて貰えたのにね。せめてラストの空港でまとめて欲しかったところです。ところで、ナンってガス台で焼けるモノなのですねぇ。煤が付いたりしないのかな?
[DVD(吹替)] 7点(2006-07-13 00:47:09)(良:1票)
1500.  秋刀魚の味(1962) 《ネタバレ》 
タイトルバックが布(なんて言うのかな、麻袋みたいな)じゃなくてイラスト、文字が毛筆体じゃなくて明朝体という「あれれ、他の小津作品とちょっと違う」みたいな感じがありましたが、中身も微妙に違うんですよね。技法、手法は毎度お馴染みなのですが、この作品ではカメラが主人公の家の中にはあまりなくて、他の人の家や酒場を捉えている時間が長いという。今回もまた家族についての映画である事に違いはありませんけれど、それを主に家族との対話よりも外側の人々との対話から描いています。小津監督は、これまでの映画で色々な家族の解体を描いてきて、これもその繰り返しのように見えます。だけどこの作品では娘側の主張が殆ど描かれず、親側からの子離れという視点になっていて能動的解体な形になっているのですね。「家族は壊れてゆくものなんだ」から「家族は壊すべきものなんだ」へと変化したような気もして、時代的に老後の親の自立という今日的側面が出始めたのかなぁ、なんて思ったり。笠智衆の相変わらずの朴訥とした感じがやっぱり良いものの、物語が家から離れ気味な分、ちょっとがちゃがちゃした印象で味わいに欠ける感がありました。映画を純粋に楽しむにはあまりに身につまされ過ぎな部分もありましたしねぇ。それにしてもビール、日本酒、ウイスキーと、飲酒シーンが何度も登場して、見てるだけで悪酔いしそうな映画ではありました。
[DVD(邦画)] 7点(2006-07-12 00:51:38)
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