141. 恋の罪
《ネタバレ》 カフカの「城」と、田村隆一っていう人の「帰途」っていう詩が多用されている。結構使いまくっている。特に「帰途」については神楽坂に大きなインパクトを与えている。(残念ながら『愛のむきだし』におけるコリントへの手紙には適わない。)これが単なるポルノ映画になりさがることを防いでいる。これがなければエロ目的のおっさんで映画館があふれかえるだろう。 ミツコは父を亡くしている。うわごとのように父の名前をつぶやいている。これも作家ソノシオンのおなじみの特徴である。病的にファザコンなんだろう。絶対ココロの病を抱えているに違いない、ソノシオン。 [映画館(邦画)] 8点(2012-01-07 00:56:29) |
142. 悪人
《ネタバレ》 「良い人たち」と、「悪い人たち」とを安易に二分する排中律は可能かと疑問ではあるが、道徳感がじりじりと刺激されて心地いい。 [DVD(邦画)] 8点(2011-11-06 22:28:45) |
143. 華麗なるアリバイ
とてもつまらなかったです。 [DVD(字幕)] 4点(2011-09-06 21:17:14) |
144. ハンナ
《ネタバレ》 うーん、どこかで見たことある感じの映画だ。施設からの脱出のところとか、廃墟公園での戦いとかでもっとエキサイティングにできたと思う。 ちなみに鑑賞環境は映画館としているが、実は飛行機の中で観ました。 [映画館(吹替)] 7点(2011-09-04 19:00:00) |
145. キャタピラー
《ネタバレ》 冒頭の寺島の田圃での発狂と、その後の夫への思いとが一致しない。 戦争への憎悪を描こうとしているのだろうけども、それがどうにも直接的で恥ずかしくなってしまう。 手足と言葉を失った夫に対する歪んだ復讐の物語なのであれば、たとえば素っ裸にしてリヤカーに乗せて村を練り歩き、村人ドンビキしながらも手を合わせる様子をほくそ笑むとか、食事を与えないとか、目の前で別の男とヤって見せるとか、いろいろ方法はあったはず。「軍神」を弄び辱めることによって反戦を訴えればいい。 寺島が裸で大本営ラジオを聞くシーン、寺島が慟哭し卵の殻まみれになるシーンが心に残った。 [DVD(邦画)] 6点(2011-08-30 21:51:07) |
146. 攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D
3Dの必要あんまないと思う。このシリーズは、2年に一度くらいやってほしい。 [映画館(邦画)] 7点(2011-08-24 21:52:40) |
147. ロッキー2
《ネタバレ》 1作目と続けて鑑賞。 最後の試合まで退屈であった。けれどやっぱり最後勝った時、うれしかった。それにしてもいい曲だ。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-08-24 21:47:58) |
148. ロッキー
単なるスポーツ映画かと思いきや、そうじゃなかった。効果的な演出が多くて、よくできた映画だなあと感じた。最後、負けるのがいい。 [ブルーレイ(吹替)] 8点(2011-08-24 21:42:38) |
149. コクリコ坂から
《ネタバレ》 そう、僕だけではないはずだ、本作を観ていて近親相姦になってしまうことにハラハラしていたのは。冒頭のタイトル、確かコクリコの「リ」だけ赤い色であった。あの赤は、血のつながりを暗示するなんだか鉄臭い色だった。あの血の赤の刷り込みのあとに近親相姦が持ちあがってくるのだから、本作はタブーに挑んだのかと。 ってなっちゃうから、映画ラストで父を確定させる描写を避けるべきだった。もしそれで世論から「??はあ?、結局父は??ったくゲド以下だ!」とバッシングを受けたとしても、僕は評価する。 しかし真実は一つだけある。それは少女の嗚咽である。母に泣きついてうえーんと泣いたあのシーン。『千と千尋』『時かけ』『SW(当然サマーウォーズの略)』よろしく、アニメのヒロインは最後ガン泣きしなければいけない。本作にもあの少女の嗚咽があるのだから、映画から父が共通か否かが導き出せなくても全然いいのだ。共通であろうとなかろうと、そんなことはどうでもよい!ってなれるのだ。 [映画館(邦画)] 8点(2011-08-08 22:30:27) |
150. [リミット]
閉そく感が足りない。 [DVD(字幕)] 6点(2011-08-08 22:28:49) |
151. カーズ2
《ネタバレ》 。『カーズ』について僕は車に興味はないのだけどもかなり好きな映画であって、だから続編は歓迎。 ピクサーにしてみれば普通の映画。メーターの知恵遅れっぷりに微笑むことができず、結局邪魔者扱いのまま。あの手紙のシーンで泣けたはず。 [映画館(吹替)] 6点(2011-08-08 22:27:48) |
152. デンデラ
《ネタバレ》 虐殺のカタルシスを期待するとがっかり映画でしかない。だから単純に復讐映画だと思わない方がいいのだろう。そうするとこの映画、何かの寓話(=道徳的な教訓を伝えるための短い物語・たとえ話)なのではないかと考える方が自然だろう。 先に言うけども、映画の出来としては、「おお、これは何かの寓話だな、なんだろうなあ。」とワクワクするほどのものではない。だから本当は以下のようにあまりあれこれ考えたいとは思えない。 [映画館(邦画)] 5点(2011-07-10 17:24:33) |
153. マイ・バック・ページ
《ネタバレ》 あんまりおもしろくなかった。ラストの15分くらい寝た。映像がアナログ放送みたいな感じで荒く、その質感が心地よい。細部まで40年前の風景が作られていて感心。 エロが足りない。若者の映画なんだからエロは必要だろう。 『バーダーマインホフ』『実録日本赤軍 あさま山荘への道程』『パッチギ』あたりを参照。 『真夜中のカーボーイ』を観なきゃいけないなと思った。 あの学生運動の熱気、もう日本には訪れないのだろうか。一部のプロ市民とチャンネル桜と怖い大人たちの週末のサークル活動なんかではなく、東大を入試中止に追い込むくらいのそれを、なんとなく欲している。 [映画館(邦画)] 7点(2011-06-09 21:04:56) |
154. FLOWERS フラワーズ
《ネタバレ》 蒼井優の物語は、灯台もと暗しと言えるくらいベッタベタの昭和初期のオンナの物語であって、いまさらこんな物語を見させられたところで何とも思わない。これを始めどれもこれも聞いたことある物語ばかり。それはきっと、こだわりが「脚本」ではなくて「映像」のほうだったからではないか。 映像にこだわっておられるのなら、音声も同様にこだわってほしい。たとえば蒼井優のモノクロの時はノイズ混じりのごわごわした、『七人の侍』くらいの感じで。 [DVD(邦画)] 6点(2011-05-25 22:25:12) |
155. パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
《ネタバレ》 いまいちワクワクしなかった。インディジョーンズやグーニーズやラピュタをもっとあからさまにパクって面白おかしくやってくれればよかった。 [映画館(字幕)] 7点(2011-05-22 00:25:43) |
156. アンチクライスト
《ネタバレ》 おもいっきりR18指定な映像は、とてもいたいけな子どもには見せられたものではない。それは認めるけども、僕はまだまだ物足りない。というのも、上映前に断りを入れていたが、局部については画像修正を加えているのだ。上映できるようになっただけありがたく思うべきだが、あのボカシはおおいにクオリティを損なった。決してエロ目的でなく、クウォリティ。 サイコパスを起こした女が、自分の子供を虐待し、森の奥の山小屋で殺害し、穴に埋めた、その自責の念。それとセックス大好きな性欲の念。この2面を表裏として、美しくもおどろおどろしい森の中でむき出しにしたシャルロット・ゲンズブールの渾身の演技。それを鬼の演出でひねり出させ、カメラに収めることに成功したラースフォントリアーが、なんともそら恐ろしい。 [映画館(字幕)] 8点(2011-04-07 20:39:03) |
157. ヒックとドラゴン
《ネタバレ》 基本的には普通の映画なんだけど、面白かった。 [ブルーレイ(吹替)] 8点(2011-02-27 23:26:28) |
158. 冷たい熱帯魚
《ネタバレ》 死体を陽気に解体するでんでんと黒沢、その様子をみてゲラゲラ笑う我々観客。こんなに気を違えた映画館体験に居合わせることができたのがうれしい。 [映画館(邦画)] 9点(2011-02-21 22:07:02)(笑:1票) (良:2票) |
159. パラノーマル・アクティビティ2
《ネタバレ》 これはみんな気づいてることなのだろうか、階段の壁に飾られた写真が8枚ある。映画中盤、奥の2枚の写真の位置が入れ替わっていたはずだ。絶対なんか起こると思って最初から注視していたので見間違えではないと思う。だけども登場人物は誰もその変化を指摘しない。気づいてさえいないようだ。つまり映画では誰も突っ込み入れぬまま、奥の2枚が入れ替わって、また元の位置にもどっていた。ストーリーには一切影響していない。これはどんな意味が込められているのだろうか。 前作の時にも思ったが、悪霊とかゴーストとかってのは全部茶番であり、すべて誰かの仕掛けたトリックであると僕は確信している。今回も、家族を顧みない父を殺害し、カワイイ子どもを誘拐するために、悪霊を装い仕組んだこと。でも今回はそんな深読みすらしようとも思わない、標準以下の面白くなさだった。 [映画館(字幕)] 4点(2011-02-21 22:03:45)(良:1票) |
160. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 数学者は論理に漬かっていて、理屈っぽいっていうのは誤り。本当の数学者は、情緒的で、穏やかで、論理を信じず直感を信じる。罪もない人を殺害し顔面を叩き潰すような男は数学者ではない。 だから石神は、数学者としての成功はありえなかった。 確かに天才だったかもしれない。だけどもあれくらいの天才はたくさんいる。 長塚演じる糞おやじは確かに死んでしまえばいい男ではあるが、殺してしまうのはいけない。それに同情させてしまう話の流れってのも気持ち悪い。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-31 22:15:18) |