141. Ray/レイ
《ネタバレ》 レイ・チャールズについては、ふらふら揺れながらいつも笑顔で唄うサングラスをした黒人、という程度の知識しかありませんでした。レイ・チャールズのことを具体的に知らない自分でもよく分かるくらいジェイミー・フォックスの演技は素晴らしかったです。終始、自分の不注意で弟を死なせてしまったことへの罪悪感が、麻薬におぼれているレイを痛々しく映し出しています。しかし、良い曲って、愛人の妊娠中絶を迫ったりしたときに出来たりと、けっこうあっさりと完成してしまうんですね。永年お世話になったアトランティック社をそでにしたのは残念だったかな。でも、そでにしたからこそ、さらなる飛躍があったわけで…。うーん、複雑だ。 [DVD(吹替)] 7点(2005-06-13 11:57:10) |
142. リベリオン
この映画、B級なのに出来栄えがA級ですね! むかし世界史で、【焚書坑儒】というのを勉強しました。思想を封じたものですが、この映画もそうでした。感情を殺すっていうのはむずかしいです。脚本と着眼点だけでも、おなか一杯です。このあと、ダウンタウンのDVD『ガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけない温泉宿』を観ました。やはり僕には感情を殺すことなどできやしませんでした(笑)。 [DVD(吹替)] 8点(2005-06-10 22:24:18) |
143. コールド マウンテン
レニー・ゼルウィガー演ずるルビーの粗野でパワフルな女性が強烈なインパクトを残してくれました。個人的に大ファンなので、オスカーを受賞したのは嬉しいです。南北戦争のつめあとは、『風と共に去りぬ』とか『グローリー』でしか分かりませんでしたが、本作を観てよかったです。出てくる女性の性描写が戦時の地獄を上手く体現しております。最初は弱弱しかった、二コール演ずるエイダが、ルビーの影響で力強い女性に変わっていくのも、必見です。 [DVD(吹替)] 7点(2005-06-07 11:04:22) |
144. モンスター(2003)
《ネタバレ》 まず第一声は、シャーリーズ・セロンはどこに映ってんの?でした。それぐらい全然別人のようでした(裏を返せば完全に役になり切ってました)。オスカーは当然でしょう。生きるために殺す。この映画、いや、アイリーンという女囚にとっての真実です。人間が悪になるのは全ては環境のせいと語るのは簡単です。しかし、報道によって我々は、実際に犯罪を犯してしまった人間に対するイメージは悪であると当然のように思い、そこへ行き着くまでの過程を考えなしに断罪してしまいます。アイリーンの行為は本人があざけていた通り”汝殺すなかれ”の教えに従えば悪ですが、人生をやり直そうにも周囲が受け入れてくれない状況の中で、それでも生きなければいけないなら、殺人も自分の中では正当化せざるをえない。人間のそんなジレンマを上手く演じていたと思います。 [DVD(吹替)] 8点(2005-06-02 21:58:17)(良:1票) |
145. ターミナル
《ネタバレ》 恋愛映画にならなくて良かったー!ビクターの奇怪な行動(書くよりも、観てもらった方が楽しめますね)が、あの目的のためにとどまり続けると知ったときは、コメディだけど自分の好きなジャンルのヒューマンドラマだなぁと分かり、素直に感動できました。さすがトム・ハンクスです。 [DVD(吹替)] 7点(2005-06-02 16:09:22) |
146. 陽だまりのグラウンド
《ネタバレ》 キアヌ・リーブスって、感情描写の下手な役者だと思っていました。しかし、この映画では、役の設定が良いのも手伝って、心がこもっている非常に良い演技をしていました。題材も野球がメインではなく、ハーレムの子供たちの生活ぶりに焦点を合わせており、荒廃の中でも野球を楽しんでいる子供たちという部分で、感動しました。ただ、キアヌがどの辺りで子供たちのことを大切だと思うようになったかのきっかけが分かりにくく、知らぬ間にギャンブルから足を洗って…、という展開がちょっと話についていくのに戸惑いました。しかし次第に借金の返済のためでなくなり、本当に子供たちのことを親身になっていくキアヌの変化が素晴らしい映画でした。ベイビーGが死んでしまったのは残念でした。 [DVD(吹替)] 7点(2005-06-01 21:11:40) |
147. マイノリティ・リポート
《ネタバレ》 くすんだ映像に最初ちょっと戸惑いました。ですが、出てくる近未来型の武器や機械が非常に面白かったです。なんだか、ほんとに実現しそうで良かったです。”予言で犯行前に犯人を捕まえる”発想が斬新でしたね。基本的に僕は細木数子が嫌いなんですが、こういうのは好きです。的中率100%との苦悩の戦いとしてみれば、意外にハラハラしました。コリン・ファレルの名推理ぶりもさまになっていて好感触です。 [DVD(吹替)] 7点(2005-05-31 11:30:19) |
148. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 この映画はミュージカルとして観るのではなく、どこにでもいるシングルマザーのドキュメンタリーとして観たほうがいいですね。実は2回目の観賞にて、この点にしました。最初はセルマの顔になじめずリタイヤ。その後、いろいろな映画の観賞を経て再見。この映画を観る上で準備すべきは、①シングルマザーを題材にした映画を観る②身体障害者を題材にした映画を観る③フランダースの犬やテレビドラマ版家なき子(安達祐美)など、理不尽な目にあう主人公の話を観ておく。④たまには美男美女ばかりではない映画も観ておく(笑)。などを挙げておきます。セルマに対する批評が多いみたいですが、彼女は小さくても強いシングルマザーなんです。子を養ったり失明を恐れる重圧から解放されるのが、彼女にとっては舞台だったんだと思います。ミュージカルシーンになると、エキストラが急に仕事を辞めて踊ったり、死体が起き上がって踊ったりと不思議なシーンになりますが、ラストの締○台のシーンだけは、エキストラが現実世界のまま、セルマひとり歌う。そして”これは最後の歌じゃない”と出てフェードアウト。ラストの真意は観ている我々の想像に任せてもらえます。”これは最後の歌じゃない”。再見して良かったです。 [DVD(吹替)] 8点(2005-05-30 19:39:35)(笑:1票) |
149. クライム&ダイヤモンド
《ネタバレ》 あらゆる部分で”芸術的”でした。若き日のリチャード・ドレイファスの強奪のシーンといい、ティム・アレンの一癖も二癖もある役どころといい、セオリー通りの映画を作っていないところに好感がもてました。映画の尺は短いですが、ファンタジーとコメディが、サスペンスの血生臭さをうまく打ち消してくれています。空想と現実の交錯がこの映画の醍醐味ですね。観ながら、「ん? あれ? …あぁ」と、うなずきながら観てました(笑)。初めて観る人は、パッケージのあらすじを読まないで観た方が、ほんわかした気分になれるのではないかと思います。 [DVD(吹替)] 7点(2005-05-27 20:11:11) |
150. 10日間で男を上手にフル方法
《ネタバレ》 バカこけゲームが終盤、ああいった形で出てくることに驚かされました。サンドイッチのシーンといい、スポーツの観戦のシーンといい、トコトン、ベンに嫌われるように振舞う、アンディを演じたケイト・ハドソンが面白おかしく、それでいて輝いて見えました。それがお互いの素性を知ったときのつらさを引き立てていたように思います。胸ペッタンコでも演技力は高いですね。胸ペッタンコなのが非常に残念だ。ホントに。 [DVD(吹替)] 7点(2005-05-25 18:17:27) |
151. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 恋人同士の倦怠感、義理の親子関係、ニート問題、現代に特有の社会問題を、全然関係のないゾンビ映画をベースに展開していくのが面白かったです。観ている人みんなが、それぞれ共感できるのが、ショーンであり、エドであり、リズであり、バーニーであったと思います。絶妙な”間”で突いて来る笑いがドテっ腹に来ますね(笑)。 [DVD(吹替)] 8点(2005-05-25 18:03:01) |
152. スクール・オブ・ロック
ジャック・ブラックのファンになりました!一歩間違えるとドタバタコメディーに陥ってしまうところを、子供たちが真面目に演奏しているので、演奏も笑いも引き締まっております。勉強はどうなるの?というツッコミはさておき、観た人なら、ついつい楽器を持ちたくなってしまう、熱い映画です!もう、こうなったら熱くシャウトしちゃうぞ! 「スクール・オブ・ロック!」 [DVD(吹替)] 9点(2005-05-25 17:42:58) |
153. ラスト・プレゼント
《ネタバレ》 僕は男なんですが、号泣しちゃダメですか?映画でボロ泣きしたのは、この映画が初めてなんですよ。体の変調を夫に気づかれないように敢えてヨンギに辛く当たるジョンヨン。番組ディレクターの奥様はセレブですが、ジョンヨンは髪も染めない、貧乏芸人の妻。この人物設定の対比。でも、ヨンギの才能を信じて口論になりながらも陰で力強く支えるジョンヨン。・゚・(つД`)・゚・ くぅぅ。同級生との再会の抱き合いでも、ヨンギの両親との○○も号泣してしまいました。ラスト、舞台でヨンギが涙を流して化粧メイクが崩れながらもジョンヨンとの約束を護ろうとして舞台を演じる姿なんて観たら…。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン サギ師2人も良いひとだったので、家族で安心して観ることができる映画です。アスキーアートはラストのヨンギのすがすがしい笑顔に感動して、笑い泣きで終わらせていただきます。 。・゚・(ノ∀`)・゚・。 [DVD(吹替)] 10点(2005-05-25 17:16:49) |
154. バトル・ロワイアル
原作の方がスリルがあって面白かったです。もしも、さっきまで仲良くしていた同級生と殺しあうことになったら…。友情ってなんなんだろう?て問われる”問題作”でした。普段たわいのない会話をしあっているのが果たして友達なのか?友達と親友はどうちがうのか?極限の状態になって分かる、そんな映画でした。 [DVD(吹替)] 5点(2005-05-25 17:06:52) |
155. 愛しのローズマリー
ヒューマンドラマとしてみると、グッときます。例えば、○○病棟の子供たちの正体に気がついたハルのシーンなど、もう涙が出そうになりました。外見でしか女性を判断できなかったハルを変えたローズマリーと、ローズマリーを尊敬できる女性として見直したハル。人を外見だけで判断してはいけないと分かっていても、実際はなかなか難しいですよね。 [DVD(吹替)] 8点(2005-05-25 17:01:17) |
156. 小説家を見つけたら
《ネタバレ》 ショーン・コネリーしか有名どころがいませんでしたので、どうなんだろうと思いましたが、静かなる感動を受けました。話の展開が、『顔のない天使』です。が、こちらは黒人スラムの問題も少し織り交ぜながら、かつての天才小説家との交流を上手く表現しています。最後までウィリアムとの約束を守り通したジャマールのために、意を決して作文を読むウィリアム、そして作文のからくり。一本取られました。文才を秘めたジャマールをほめて伸ばさず、あくまでもジャマール本人に考えさせて成長させるウィリアム、○○の死を引きずっているウィリアムを再び外の世界へ連れ出そうとするジャマール、世代も肌の色も越えた、最高の友人だと思います。人を外見とかで判断しそうになったときにもう一度観てみたい映画です。 [DVD(吹替)] 9点(2005-05-25 16:52:58) |
157. 少林サッカー
《ネタバレ》 少林拳とサッカー。この組み合わせなら見ないわけにはいきません。昔、『チャンピオン鷹』という映画で失敗しましたので、どうかな、と思いましたが、すごく面白かったです。主人公のシンひとりだけイケメンで、あとはダメおやじ、無職、証券マン、ハゲ頭、デブ、少林拳どころか人生の誇りを見失った面々が、サッカーを通じて誇りを取り戻していく少林チームの覚醒のシーンだけは、何度も何度もDVDで再生してみてしまいます。そのときのBGMも、ふつふつと胸に湧き上がるものがありますし。この映画自体は、おバカな映画なんだと思いますが、伝えたいテーマは、落ちこぼれでも、容姿に自信がなくても、誇りを取り戻せるのは自分自身しかいないということを言いたいんだと思います。笑えるバカ映画ですけど、何度観ても勇気づけられるサッカー映画です。 [DVD(吹替)] 10点(2005-05-25 16:27:57)(良:3票) |
158. フォーン・ブース
《ネタバレ》 短時間でコンパクトにまとめ、最初から最後まで緊迫感が続き、こっちまで胸が苦しくなったサスペンス映画です。けっこう小道具がいい味を出してます(おもちゃのロボットとか、ケータイ電話、照準機の赤ライトとかね)。「もし電話ボックスに閉じ込められたらどうするか?」という要素がてんこもりでした。それにしても、声優の大塚明夫さんは相変わらず上手いですね。 [DVD(吹替)] 7点(2005-05-25 15:08:08) |
159. アンダー・サスピション
《ネタバレ》 ジーン・ハックマン×モーガン・フリーマンという時点ですでにA級映画です。若手刑事の暴走がジーン・ハックマンの苛立ちを際立たせています。カメラワークも、犯罪の回想シーンに刑事モーガン・フリーマンを入れるなど斬新です。しかし残念ながら筋書きが面白くありませんでした。ラストのジーン・ハックマンの自供は、陰で自分を調べていた妻モニカ・ベルッチへのあてつけだったのでしょうか?せっかくのカメラワークなんだから、二コール・キッドマンの『ドッグヴィル』のように、舞台劇仕立てにした方がかえって面白かったかもしれません。 [地上波(吹替)] 4点(2005-05-25 14:35:54) |
160. スクールウォーズ HERO
《ネタバレ》 これは熱く感銘を受けました。昔、TVドラマでやってた山下真司のは、脚本や人物設定にやりすぎな所がありましたが、これは真実の物語です。やはり山上先生を演じる照英の男泣きの演技に尽きます。体を張って、自腹を切って焼肉や練習試合会場までの電車の片道切符を用意して生徒らの心を開こうと奔走する姿。ひとりで晩酌しながら、シクシク、べそをかく姿。元ラグビー全日本代表という慢心を自戒して、体当たりでぶつかっていく姿。「荒井には天性の足腰がある」と、”不良生徒”のレッテルを貼られ、さげすまれてきた荒井が山上先生に心を開き、ラグビーの素晴らしさに目覚める過程。校内暴走族の小渕が112対0で負けて、グラウンドを拳で叩き、悔し泣きする場面。八坂の最強の不良"八坂の信吾"が、たかが手作り弁当で立ち直っていく姿なんて観たらもう、涙でハンカチがグショグショになってしまいます。何かのきっかけや、人生の中での恩師、かけがえのない友人に出逢えれば、人は変われます。特に”八坂の信吾”の飲んだくれ親父役を演じた間寛平さんのくさいセリフには、うかつにもシビれてしまいました。SAYAKAも演技がんばってました。最後、『あの』八坂の信吾が○○○○になるとは、教師冥利に尽きますね!なぜ観客動員でコケたのか不思議でなりません。最近の日本の映画は、うんこみたいな映画が多いですが、ここ数年間の中では、最高傑作だと思いました。 [DVD(吹替)] 10点(2005-05-25 12:35:42) |