1581. 黒い十人の女
《ネタバレ》 「好きな男性のタイプは、優しい人!」とか女性が言ってたとしても、別に、例えばお年寄りに席を譲るような男性が好きなわけじゃなくって、「この私に対して」優しい人、という意味なんでしょう。 さてこの映画。「名うてのプレイボーイに弄ばれた女たちが、一致協力して男に復讐するオハナシ」という体裁ながら、なかなかそうスムーズに事が運ばないところがミソ。復讐されるべき男ってのは、なるべく卑怯で狡猾で、できればマッチョな方が、復讐され甲斐もあろうかというもの、それが本作では船越英二なもんで、どうにも頼りない。この自分が殺されなきゃならないほど悪いことをしたか、と本人が思うのもごもっとも、こんな敵役には向かないフニャフニャ男を殺すオハナシなんて、まさにオハナシになりません。という訳で、事態は迷走を始めて。迷走すればするだけ、映画が「女優の演技合戦」みたいになっちゃうのが、チト重くもあるんですが。 何にせよ、現実では、殺されるなんていうのは悲劇中の悲劇、だけど映画なら、殺されて映えるキャラってのもある訳で、結局、「殺される価値のない男」は殺されることもなく葬られてしまう。 この「誰のためにもなってない」感って、何なんでしょうね。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-01-07 22:52:18) |
1582. チャッピー
そもそも、ロボットにセリフと過剰な身振りで多くを語らせてしまった点で、作品に限界が生じてしまい、本当ならもっと、エピソードやシチュエーションにこそ語らせるべき、なんでしょう。 しかし、こういうノリ、少し懐かしくもあります。何やら、日本版では、元々あった残酷シーンをカットしてレーティングを下げたとかいう話ですが、これも併せて、結果的に、親子で楽しめる作品にはなっております。このチャッピーというロボット、その雄弁さが映画の面白さを損なってしまうのだけど、愛嬌があってわかりやすいっちゃあ、わかりやすい。貧乏な家庭に引き取られて育てられ、最後は鬼退治(?)、現代を舞台にした「昔ばなし」みたいなところもあるではないですか。まあ、何かと犯罪のニオイが漂うキケンな感じは、これは昔話とは異なりますが。 でも、そのキタナいポンコツ感の蔓延もいいし、そこにちょっとファンタジックで哀愁漂う描写を入れるのも悪くない。政治的メッセージなんぞどうでもよくって、コレやっぱし、親子で楽しむ映画、でしょう。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2016-01-04 09:16:25) |
1583. ラン・オールナイト
これも「子供のケンカに親が出る」系アクション映画でしょうかね。ちょっと違うか。 ジャウマ・コレット=セラ監督、リーアム・ニーソン主演とくれば、どうにも期待が高まってしまい、期待が高かった分「ありゃ?」と思ってしまうところもある本作。それでも十分に面白い。ラン・オールナイトと言うだけあって、夜の雰囲気がいい。でもリーアム・ニーソンはあんまし「走れる」ヒトじゃないなあ、と思ったのが『96時間』。この映画も、一晩中アクセク逃げ回る物語には、ならないですね。ダメ親父が、息子との距離をはかりつつ、敵から息子一家を守ろうとする。最初の方のゴチャゴチャした流れがあるポイントに収束して物語が動き出す、その時の快感というのが、一つの魅力なんですけれども、その後も、ゴチャゴチャ感が抜けきらないのは、ちょっと内容を欲張り過ぎたか。ラスト近くになり冒頭シーンに繋がってなお、もうひとつスッキリしないところがあります。・・・とかケチをつけるのも、欲張り過ぎですかね。 この監督&主演コンビで、これだけ毎回、趣向を変えてきて、いずれの映画でも楽しませてくれる。これは、さすがです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-01-04 07:37:35)(良:1票) |
1584. ライジング・ドラゴン
先日、新聞で「ジャッキー・チェンが寄贈した十二支像にペンキがかけられる」という記事を見かけて、この作品のツマラナサに対する抗議かと一瞬思ったのですが。冒険、アクション、一通りのモノは盛り込んでみました、歳はくっても頑張ってます、ってな作品で、観る側としても「さすがジャッキー」という気持ちと「腐ってもジャッキー」という気持ちが入り混じっているというのが正直なところ。冒頭のアクションが一番工夫が凝らされていて、映画が進むに従いどんどんツマラなくなっていっちゃうのが残念。 チームを組んでの作戦、しかしそのメンツがこれといって面白味がなくパッとしない。そのパッとしない連中にジャッキーが埋もれている感じ。しかしそれ以上に、アクションがCGに埋もれてちゃっているというのが、さらにパッとしなくって。かつての、カメラと肉体をひたすら酷使するアクション、それは逆に言えば「カメラと肉体さえあればできないことは何もない」という面白さであったんですけれども。 [地上波(吹替)] 4点(2016-01-02 09:21:31) |
1585. スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション
ウチの子供たちはこのシリーズが大好きで、作品によってはレンタル屋で何度も借りさせられて困ってるのですが、そういうウケの良さでは、この第4作、これまでの作品に一歩譲る感じ。え~、結構、楽しんで観てたやんか、お父さんはこの第4作も楽しかったのになあ。 まあ確かに、前3作からは製作時期が離れていて、主人公たるスパイキッズの子役も代わり、何かと雰囲気の変わるところもあるのだけど(同じところもあるのだけど)。で、前3作ってのは、子役が子役であり得る短期間にまとめて製作され、特に第3作は「とにかくみんな集まれ!」という3部作総決算(ノリとしてはあまりそう感じられないけど)のようなラストだった、それがある意味この第4作にも投影されていて、時を経て「子役でなくなった子役」が、ここに呼び出されて新しい子役と対面させられるんですね。大人になってしまえばもう子供には戻れない、でも(だからこそ、というべきか)本作のテーマは、その失われた時を取り戻そうとするオハナシ。バカバカしい荒唐無稽さを楽しみつつ、結構キツイものも感じちゃったりするのよね・・・ [DVD(吹替)] 7点(2015-12-26 17:13:03) |
1586. バトルフロント
「子供のケンカに親が出る」系アクション映画。そんなジャンルがあるのかどうかはともかく。 本作の面白いところは、登場人物たちが(単細胞な主人公を除くと)それぞれにクセがあって、各自がこの先どう動くのかがわからないところ、そして実際、物語もこれら登場人物たちのクセの強さによって先へ先へと転がっていくところ。 これだったら、主役はジェイソン・ステイサムじゃなくって、年取っていい感じにポンコツ感の出たスタローン自身の方が、作品にマッチしたかも知れない(しなかったかも知れないけど)。いずれにしても、“強すぎるステイサム”のための作品ではない気がしちゃうんですけども。 あと、アクションシーンがバタバタして見づらいこと、これは昨今の映画によく見られる現象でしょ、と言われりゃそうなんでしょうけど、これもまた本作を不必要に「昨今ありがちなアクション映画」っぽくしてしまってる一因ではないかしらん。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-26 16:27:51) |
1587. 刑事物語
《ネタバレ》 シリーズ第1作、ハンガーヌンチャク誕生秘話(という程でもないけど)が描かれてます。そう、この武器はたまたま敵の商売道具としてそこにあったもの。これがもし、敵の商売がほかのもの、例えば・・・すみません、面白いコト何も思いつきませんでした。 それはともかく、ユーモアあり、アクションあり、涙ありの、娯楽作品、にしては少々モッチャリしたところもありますが。それでもこの作品、物事の「微妙な境界」という事に関しては、よく押さえています。例えば、“個室付き特殊浴場”を取り上げることで、性的な要素を描いておりますけれども、不幸にも風俗産業に身売りされ不本意に働かされているヒロインを描く一方で、必ずしも不幸一点張りでもない(むしろある種の自信すら感じさせる)ヒメコさんという風俗嬢も登場させてみたり。片山刑事が女子高生に説教とも懇願ともつかぬ語りかけを行うのも、倫理というべきなのか、それとも単なる願望というべきなのか。ヒロインに喫茶店の仕事を進める際、片山は、(風俗店と違って)キチンとした真面目な仕事、と言うのだけど、風俗が不真面目であるかのような言い方の一方で、風俗に救いを求める片山の姿もあったり。しかし、必要悪として風俗産業を全面的に認めてしまえば、その先にはやっぱり様々な不幸が生まれるだろう、ってのが今回の事件でもある訳ですね。 世の中、そういう線引きの難しさってのがあり、ときにはその境界において矛盾とも向き合わねばならないこと。本作では、もうひとつ大きな問題が取り上げられていて、障がい者であるヒロインと、彼女を思いやる片山刑事とが、描かれるのですが、相手を思いやる気持ち、支えてあげたい気持ちというものが、どこまで相手を尊重することでありえるのか。これについては、ラストの片山の、一抹の悲しみを湛えた祝福と反省の言葉によって、作品のもうひとつのテーマであったことに気づかされます。いい映画です。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-26 16:13:41) |
1588. 炎のごとく(1981)
主人公の会津小鉄を演じる菅原文太、関西弁のイントネーションがおかしいんですけれども(かつて宮城米のCMにも出てたように、宮城出身)、それがかえって、武骨なバイタリティを感じさせちゃったりもするのです。その主人公のエネルギッシュな生き様を軸に、平和だった京の街が無法地帯のようになっていく激動の幕末が描かれます。脇を固める俳優陣が豪華なのも楽しいところですが、中でも、なんとなんと、あの松竹新喜劇の藤山寛美と、あの吉本新喜劇の岡八郎とが、カラミこそ無いとは言え、ひとつの作品に登場するという、まさに豪華さもここに極まれりと言えましょう(なんのこっちゃ)。 それにしても、2時間半と長めの尺ながら、エピソードを密度高く描きこんで、お腹いっぱいになっちゃうのですが、それなりに大団円を迎えるラストで、すべてを覆すような不穏な空気が漂っていきなり作品が終わっちゃう点。これが一番の驚きでした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-26 13:22:33) |
1589. マッドマックス 怒りのデス・ロード
マッドマックス4の噂も現れては消え、忘れた頃に(?)ようやくこの、『怒りのデス・ロード』。しかし製作に時間がかかり過ぎ、企画を練り過ぎて、「怒り」を忘れてしまったのか。曲芸のようなアクションのアイデアを披露することに専念するあまり、シリーズ特有の“凶暴性”のようなものが、ちょっと影を潜めてしまったような気もしますが。多彩なキャラが登場する点では今まで以上ですが、必ずしもキャラ立ちできていない感じ。これまでの作品の登場人物たちはもっと、何らかの「怒り」を持っていて、それがあの凶暴なカット割りの映像とともに我々の感情に食い込んできたように思うのですが。 しかしまあ、これが新世紀のマッドマックス。欠けた要素もあれば、倍加した要素だってある訳で、何しろこのアクションの、物凄さ。カーアクションがこれでもかと盛り込まれ、さすがにこのペースでは食傷してしまうだろうと思いきや、凝らされたアイデアによって興奮はいや増す一方、ちゃんとクライマックスでは最高の盛り上がりを見せてくれる。よくぞ第4作作ってくれました、ありがとう。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-12-26 03:45:28) |
1590. リトルプリンス 星の王子さまと私
主人公の女の子や、彼女の住む町は、再三にわたって真上からの視点で見下ろすように描かれ、そこには機械的な町の光景があり、地面に張り付いた2次元的な世界があるのですが、隣人である元飛行士の老人(ピート・ポスルスウェイト、はたまた吉田義夫のような顔なんですけれども)がそこに「3次元」をもたらす。とは言っても彼が修理するオンボロ飛行機は、見るからに直る見込みもなく、せいぜい飛べるのは彼の家に住み着いた鳩、その鳩も女の子の母親に水を掛けられ追い払われちゃったりするんですけれども。それでもまずは、彼の家にある見晴台が、女の子を視野を広げてくれる。だから、そこに彼女が登って、あたりの光景が彼女の前に広がる、ただそれだけのシーンでなんとも感動しちゃうんですね。 本作、主部はCGアニメ、デジタルの世界ですが、隣の老人が語る「星の王子さま」の物語は、人形アニメ、郷愁を伴うアナログの世界。であると同時にその対比は、どこか、もはや手の届かない世界であるようにも感じさせます。 ところが。 クライマックスでは突如、どこまでもハチャメチャな世界に突入、なんとあろうことか、星の王子さまがモップのメルビン君みたいになっちゃってる(いや、毒々になる前の、ですけれど)。そしてハチャメチャな冒険。ちょいとやり過ぎか、というくらいなんですが、でもこの、「目的達成のための管理」と称しながらもはや「管理が目的化してしまった」現代社会において、このくらいムチャクチャやってくれるのが、気持ちよかったりもするのです。解放と浄化。『銀河鉄道999』を少し思い出したりして。 [映画館(吹替)] 8点(2015-12-13 22:45:25) |
1591. 網走番外地 吹雪の斗争
これは人権蹂躙だ~ などと、こういう作品を観て怒る人もさすがにいないでしょうけれど、劣悪この上ない刑務所の中に放り込まれた、42号こと健さん。やがて脱獄するも、道中、妙な連中に出くわし、彼らのダイヤ強奪計画に巻き込まれていく。とは言っても、健さんには健さんなりの、ある目的があり、前半の刑務所のエピソードがちゃんと後半に繋がっていくんですけれども、いやそれはよくわかるんですけれども、それでもなーんか、気持ちの上で前半と後半がつながらないんです、あの前半に対して後半どうしてこうなっちゃうの、と。それを言い出すと、さらに終盤の雪原における逃走劇、これこそどうしてこうなっちゃうのか。西部劇のごとく、疾走する馬、銃撃戦、果てはダイナマイトまで持ち出し、爆発でバラバラになっちゃうヤツまで出る始末(しかもこういう場面がフツーの出来事であるかのようにサラッと描かれるのが・・・)。突拍子もなくって、もーついていけません。この堂々たる暴走ぶりが、スバラシイんですね。いちいち真面目にとらえていては、それこそ「頭がもつれちゃう(by42号)」。オハナシとしての「つながり」は、映画を暴走させるための手段であり、我々はその暴走に身を任せていれば、ラストの『夕陽のガンマン』を彷彿とさせる対決へと、ちゃんと連れて行ってくれるのだから。 惜しむらくは、タイトルに「吹雪の」とあるのですが・・・撮影期間中にうまく吹雪かなかったんですかね。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-13 08:07:35) |
1592. カウボーイ
《ネタバレ》 ジャック・レモン演じるホテルマンが一念発起、強引に牛追いの仲間に入ったはいいけれど、住む世界があまりに違い、何かとトラブルに見舞われる。出だしこそ、いかにもコメディタッチですが、牛追いの生活は生死紙一重の厳しい世界。何ともガサツな連中で、主人公も戸惑いが多いのですが、そりゃガサツにもなろうってもの。そういう牛追いの生き様が、グレン・フォードの表情、行動、セリフに、よく描かれています。死んだ仲間への弔辞なんか、何ともいいんですね。暴れ馬を押さえつける場面、グレン・フォード自ら演じているのでしょうか。猛牛との対決はさすがに代役でしょうけれど、危険さがよく伝わる迫真の場面です。もちろんスタンピード・シーンもあります。という数々の場面があってこそ、ジャック・レモンがだんだんガサツになっていくところも説得力があるのですが、まあ結局のところ、牛追いの世界にこれぞという合理的なルールがある訳じゃないんですね。でもやっぱり、牛がいてこそ自分たちの生活があり、牛を大事に思う気持ちが、互いの気持ちを通じ合わせることにもなり、牛追いの仕事のおかげでまた生活に楽しみも見出せる。ラストはまたホテルに舞台を戻してユーモアたっぷり。シャレてるんです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-12-12 09:29:07) |
1593. ゴーストバスターズ(1984)
レンタル店に行くたびに子どもたちに「借りてやるから観ろ、アンタたちの好きな映画だ」と勧めてはイヤがられてたのですが、ちょうどBSで放送があったのを幸い、見せてやったらほらみろ、子供たち大喜び。しかし私自身も何度も観てきたようで、実は最近はとんと観る機会がなかったんだなーと思ったのは、今回初めて、ウィリアム・アザートンが出ていたことに気づいたのでした。で、アザートンつながり、という訳じゃないけれど、ビルの上での攻防戦、ビルの下で見上げる人々、なんか知らんが大爆発、ああ何だかダイ・ハードの先駆けみたいな作品だったんだなあ、と(という意味では、リチャード・エドランドつながり、というべきか)。 あと、これも久しぶりだからこそ気づいたことなのか、ああこんなに中身スカスカな映画だったのか、と。もっと早く気づけってか。すみません。 でも、スカスカだってやっぱり面白いんです。バカバカしいことを大真面目にやってるから。ゴーストバスターズたちが地面の下から這い上がり、ビルの上で敵と対峙する、その4人が並んだ姿。これほどまでにオマヌケでありながらカッコイイ姿、なかなか見られるもんじゃありません。 ・・・そうそう、ウチの子供たち喜んだのはいいけれど、「2も観たい」なんて言い出したら、どうやって止めようか。 [CS・衛星(吹替)] 9点(2015-12-07 23:15:15)(良:1票) |
1594. モホークの太鼓
いっしょに観ていた幼稚園の息子が突然「この人、エイリアンみたい」と言い出し、その後もしきりにエイリアンエイリアンと言ってるもんで、アンタそりゃエイリアンじゃなくってインディアンやろ、と。まあどうでもいいことですが。 独立戦争時代の西部開拓地域。そこに若夫婦がやってくる。旦那はある程度この未開の地にも慣れた感じだけど(例によって、ヘンリー・フォンダの分別顔がちょっと憎たらしいんですが)、不慣れな奥さんの方は驚きの連続、最初は気丈に振る舞うも、やはりたまったもんじゃない。という訳で、旦那の方はどうでもいいとしても(笑)、奥さんの成長というか変化が、ひとつの見どころですね。しかしそれ以上に、このまだ開拓途上にある混沌の地において光っているのは、やはりいい味だしまくってる脇役陣ですね。どうしてこうもジジイやババアを描くのが上手いのか。いや上手い下手は別にして、こうも面白く描くのか。 基本的には白人同士の戦い、軍人か否かを問わず、誰もが命がけで戦わねばならぬこともある。んだけど、その双方に、先住民の協力者がいる、という描写も面白いですね。で、敵方についた先住民、家屋に火を放ち、凶暴なのかと思いきや、根性オバちゃんに振り回される人のよさも見せたり。 そんでもって、クライマックスの砦の攻防、盛り上がります。さらには超絶ランニング。一体何十km走ったのか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-12-06 08:25:48) |
1595. ダイナマイトどんどん
やくざ屋さんたちのハチャメチャ野球大会。じゃりン子チエを少し思い出しますな。あと2軍時代の番場蛮とか。もう何でもありの、治外法権。野球というスポーツを心底、真剣に愛する人にはとても見せられたもんじゃありません。これだけ乱痴気騒ぎ大暴れしていても、何となく映画として整って見えてしまうのは、さすがと言ってよいのか、いけないのか。 それにしてもこういう作品を見てると、菅原文太というヒトはやっぱりコメディ俳優なんだと思います。で、一番クールな北大路欣也が、なぜか一番暑苦しいという・・・ (ところで昭和25年という設定だったら、当時米国は48州なので、国旗のデザインが違うのでは。どうでもいいですけどね) [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-05 16:24:45) |
1596. ザ・ファイター
《ネタバレ》 パッとしなかったボクサーがチャンスをつかむという点、ロッキーみたいなオハナシなんですけれども、コチラはあくまで実話がベースなんですよ、と。ロッキーのパクリでも何でもないんですよ、と。確かに私も実話と言われりゃチト弱いんですけど、一方で実話が制約にもなったりしかねない訳で。だもんで、本作も「いえいえ決して実話ということに寄りかかってはいませんよ」とばかりに、クリスチャン・ベールが念の入った役作りをしたり、マーク・ウォールバーグが引き締まったボクサー姿の一方で腹の出たたるんだ姿を見せつけてこちらも役作りの徹底ぶりをアピールしてみせたり(エイミー・アダムスの腹が出ていたのも役作りなのかどうなのか)。と、皆さん身を削って本作に打ち込んでおられるのですが、映画のラストになって「ああきっと本作のモデルになったご本人がラストに出てくるんだろうなあ」と思っていると、やっぱり本当に出てきて、しかも(劇中で自分がこんな風に描かれていることも一向に意に介さず)いい味出しまくってる、俳優がいくら頑張ろうと、最後にご本人にすっかり食われちゃいました。 それにしても、本作のボクシングシーン、もうひとつ迫力に欠けていて(このいかにも「本当には戦っていません」という感じが・・・)、盛り上がりきれず、これも実話ベースゆえにあまりアホで派手な演出はできなかったという一種の制約なのかも知れません。となると、一番迫力があったのは、あのお母ちゃんですわな。まさに妖怪。このお母ちゃんがいて、あのお兄ちゃんがいればこそ、ウォールバーグの不器用そうで一途な表情が光る。家族に囲まれ、恋人もいて、でも時にファイターは孤独なのだ、とその表情が語る。そこが、いいですな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-02 00:13:21) |
1597. ブラック・ライダー(1972)
マイノリティの受難の歴史を織り込みつつも、登場人物にそれぞれクセがあって、単なるお人よしではないから、説教臭さが少なくって楽しめます。ポワチエ演じる主人公は、行きずりに出会った男から馬を奪っちゃったりするし、馬を奪われたインチキ牧師はこれはもうインチキの極みだし、先住民は何だかんだと物品をせしめたりケチ臭いこと言ったりするし。だけど、もひとつパッとしない、盛り上がらない。多分、ポワチエがやるべき主人公じゃなかったのかも。今なら黒人スターもたくさんいてキャスティングも選択の幅が広くなっているけど、当時はまだそうもいかないのか、と思いつつ、でもどっちかというと分別臭いポワチエよりも、ウディ・ストロードとかの方がよかったんでは、とか思ったり。という、優等生顔で裏表の感じられない主人公がどうにもパッとしない代わりに、インチキ牧師ハリー・ベラフォンテがおいしいところを持って行っちゃいます。いかにもバナナ・ボートでも歌い出しそうな顔しながら、牧師と称しつつ読みもしない聖書を抱え、でもいざその聖書を開くと・・・ってのが何とも面白い。こういう面白さをもっと盛り込んでくれればいいのだけど。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-26 23:10:40) |
1598. テレマークの要塞
《ネタバレ》 ナチスの原爆製造を阻止するために、工場破壊作戦に乗り出すレジスタンスの活躍。セリフもBGMも無く、張り詰めた空気の中で着々と進められる破壊工作、そして雪山を舞台にしたスキーの追跡劇、見どころは多々あるのですが・・・どうもしっくりこないのが、(せっかく破壊した工場がすぐに復旧してしまったため)民間人の大きな犠牲を払って空襲による破壊を試みたり、これまた民間人の犠牲が避けられない船の爆破作戦を決行したりして、これらの犠牲に対する苦悩についても言及されるのに、いざ実際の映画描写となると、なーんにも描かれていない、完全にボカされちゃってる、って事ですね。このあたりが、娯楽作の限界でしょうか。沈没させようという船から、せめて子供たちや知人の女性だけでも助けよう、というのは他の人々を見捨てるということでもあり、まさに苦悩の極致たるべきところ、しかしこれがまあ実にアッサリと、まるで全員助かったかのごとく描く。別に悲惨な光景を見せろとは言わないけれど、ちょっとお気楽過ぎるかな、と。見どころが多い割に、何だかユルいんですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-24 22:43:23) |
1599. 日本侠客伝 雷門の血斗
舞台は浅草、演劇の世界。健さん演じる主人公も演劇一座の興行主。え~ヤクザ映画じゃなかったの~というところですけれども、一座の前身はヤクザであったりして、はたまたそこに別のヤクザ一味の嫌がらせがあったりして、ちゃんとヤクザ映画路線になっていきます。これがアリなら「健さん演じる自治会長」とか「健さん演じる校長先生」とかでも日本侠客伝になりそうですが、いやいやいや。やっぱり演劇の世界を描いてこそ、本作の魅力があるのですね。少なくとも、本作の魅力は、主演の健さんよりも(実際、少し影が薄い気も)、脇を固める役者さんたちにこそありそうな。妙にツヤツヤした顔で朗々と浪曲を披露する村田英雄、まさにこれこそが「芸」だぜ、と言わんばかりのツヤツヤ顔。ほんとツヤツヤ(笑)。藤山寛美が意外にも重要な役で登場し、まあこの出演は寛美さんの破産と松竹解雇によるものかも知れませんが、いずれにしても、(多くの場面では目立ち過ぎないように控えつつ)ここぞという場面では寛美節をさく裂させて、ああ新喜劇ならここで拍手が起こるところだなあ、と。そしてそして、一番いいところを持って行ったのは、やっぱり元ヤクザとしての凄みをチラリと垣間見せる島田正吾でしょうか。こうなるともはや健さんも出る幕無しか、というところですが、最後のたち回りではダイナミックにしっかりと魅せてくれる。実際、本作で割を食ってしまったのは、女優陣ではないでしょうか(あと、長門裕之ね)。男の色気、芸の色気。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-11-22 16:19:36) |
1600. ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
第2作の続き・・・というより、第2作のオマケみたいな。第2作のラストからそのまま第3作に繋がり、設定上もその制約を受けてしまう中、どう工夫して見せてくれるかがポイントとなるのでしょうが、これがどうも不発。謎に乏しく緊張感に乏しく、ただこれまでのエピソードにケリをつけるだけでは、作品としての存在意義もやっぱり乏しく、あの魅力的だった第1作が懐かしく感じられてしまいます。せめて後半の裁判シーンばかりは、もう少し工夫があっても良さそうなもの(これまでにも様々な映画が演出の腕を競ってきたシチュエーション)かと思うんですけども。ただ、もしデーモン小暮閣下が裁判の被告席に立ったら、きっとこんな感じになるんだろうなあ、と思わせてくれる点は少し貴重でした。 [DVD(字幕)] 5点(2015-11-22 08:29:51) |