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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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161.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 
ちっとも期待していなかった映画がメチャクチャ面白いって本当に得した気分になりますね。予告編を見た限りではジミなエイリアンVS軍隊な映画だと思ってたのですが(まーた最近よくあるあのパターン?)、実際は『ID4』以来のイケイケ(死語)エイリアン退治映画。開始早々ヘンリー・マンシーニの有名な曲(ドリフでも有名)が流れる時点で高らかにバカ映画である事が宣言され、更にナガタ艦長の作戦によってハタ!と気付く「これって、つまり戦艦ゲームの映画化って事かあ!」。ゲームって言ったってテレビゲームじゃなく、チラシの裏にマス目書くだけでもできちゃうよーな、『永遠の僕たち』でも主人公が加瀬亮と遊んでた(日本人、戦艦ゲーム強いか)アレ。戦艦ゲームをいかに燃えるシチュエーションで映像化するか、っていうところがポイントな映画なワケで、ゲームの映画化としては他に類を見ないクオリティの高さ(笑)。強いとは言っても現代兵器で壊せる程度の敵と仕切られたリングの中でひたすらどつき合う映画ですから単純に燃えますな。後半のいちいち「ここでキタ!」を繰り返す盛り上がりっぷりなんざ『SPACE BATTLESHIP ヤマト』のコスモゼロ自由落下からのヤマト突撃シーンに燃えた人ならば間違いなく楽しめます(異様に対象が狭いって?)。ちっとも作品を選ばないリーアム兄さんの肩の力抜けまくり演技も微笑ましく、他のちっとも魅力的に映らない役者の方々も与えられたシチュエーションに助けられて魅力的な見せ場を彩ってみせます。考えてみればあのオモチャのイケイケバカ映画化『G.I.ジョー』のハズブロ作品、男の子の燃えポイントを判っているよーで(まあ余計な枝葉ばっかりゴテゴテ映画の『トランスフォーマー』のハズブロでもある訳ですが)。こういうツッコミ入れながら(心でね)も燃えるシチュエーションにきっちりワクワクさせて貰えるオモチャみたいな映画ってのもまた贅沢なご馳走ですね。
[映画館(字幕)] 8点(2012-04-15 15:05:11)(良:2票)
162.  戦火の馬 《ネタバレ》 
スピルバーグは一貫して喪失の映画を撮ってきていて(失われた何かを取り返そうとし、例え取り返せたとしてもその結果はせいぜいゼロに戻るくらいで大抵はマイナス)、この馬の視点で描かれた新作もまた、ひたすら喪失の物語でした。シネスコの横長画面をスピルバーグらしいクレーンショットと横移動主体で捉えたノスタルジックな映像は、延々と戦争がもたらす別れと死を綴ってゆきます。『プライベート・ライアン』のように、あるいは『宇宙戦争』のように直接的な死の匂い、血の匂いを前面に叩きつける事はありませんが、馬の瞳に映るそれは無常感に満ちた世界であると言えます。そんな中に仄かに光る人間という生物への希望、その甘いオプティミスティックさ加減に違和感が残らないとは言い切れないものの、これまで人の世の無常をこれでもかとぶちまけてきたスピルバーグの、これが精一杯の人間賛歌だと捉えたいと思います。まあ、最終的に人よりも馬の印象ばかりが残ってしまう映画ではあるのですが、それもまた一貫したスピルバーグらしさという事で。
[映画館(字幕)] 8点(2012-03-04 14:48:00)
163.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 
予告編時点で落としどころはアレしかないと思ってたので、私は映画通には程遠いようで。でも、そういう物語的な仕掛けとか、理論の構造とかよりもよっぽど情緒の面こそが重要な物語だっていうのが、映画が進んでゆくに従って判っていくという。繰り返される事によって解き明かされてゆく事件の真相、謎については実はさして重要ではないんですよ、っていうのは、ワリと呆気なく(その理論の構造から当然ではあるのですが)犯人を捕らえる事によって明確になって。映画の興味はそこではなくて、主人公が既に失われてしまった人に対して抱く想い、その感情にどうやって物語としての着地点を与えてゆけるのかという所に向ってゆきます。そして、失われてしまった筈の人々の想い、彼を送り出した人の想い、それぞれの想いが絡まり、一つの世界を構築してゆく、そのドラマティックな展開こそがこの映画の面白味だと思いました。外見はSFサスペンスとしての姿をしながら、その中身はココロやキモチを描いた、見終わってしみじみ良かった、って思えた秀作でした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-11-13 17:34:00)(良:1票)
164.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 
原作は日本語訳が待ちきれなくて『炎のゴブレット』以降は米語版で読んで、映画は『賢者の石』のカウントダウン上映から始まって全て初日に見て、舞台挨拶も3回行った状態な私が、冷静にこれだけを一本の映画として語る、ってのは無理っす。『ハリー・ポッター』の映画が完結するまでは死ねないね、って思ってましたが、遂に完結しちゃいました。10年、早いものです。さて、今回の映画は死人が沢山出る事もあって、シリーズ最暗。前編と違ってそんなにあちこち移動せず舞台はホグワーツに集約してゆき、全編の7割がクライマックス、みたいな状態ですが、まとまりには欠けている気がしました。何がどうしてそうなるのか、っていう流れがちゃんとできていなくて、とにかく原作の要素を繋ぎ合わせてみました、っていう。原作があまり上手でない構成なのを、映画も倣っちゃったみたい。シリーズ最短な上映時間、情感とか関係なしに、とにかくエピソードを描けるだけ描いておこうという感じで、これまでのシリーズで愛着の湧いていたキャラの最期をサラリと流し過ぎ!みたいな状態が頻発。ヴォルデモートとの最終対決に至るまでも、対決自体も、ヤケにアッサリとしたものに感じられ、最後の最後で随分と淡白な印象を受けてしまいました。それでも、よくぞ最後まで完走してくれました、と。ほぼ同一のキャストによって10年かけて7作の原作を8本の大作として完結させる、それは映画史に残る偉業とすら言えます。映画を見ている間、ずっと1作目からリンクする様々なエピソードやアイテムに、感慨深くシリーズを思い返しておりました。ラストシーンは映像と音楽が1作目にリンクしていて、大きな物語の幕を見事に下ろして。ここまで漕ぎつけてみせたのもまた、映画の持つチカラとして評価していいんじゃないかと。10年間の夢に感謝。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-15 21:43:33)(良:3票)
165.  もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 《ネタバレ》 
ドラッカーの『マネジメント』を読んで弱小野球チームを立て直してゆく、という基本コンセプトから言うと、後半になるにつれ、理論よりも情に訴えるドラマ優先になってブレちゃってるんですよね。こうなって欲しくはないな、って展開(悲劇を持ってきて泣かせるパターン)をしてしまうのと合わせて、後半はやや凡庸な青春映画になっちゃった気もします。前半の、マネージャー=マネジメント本って勘違いから始まりつつも、そこから理論的に組織を組み立て、外部にまで影響を与えてゆく流れをもっと全編に貫いて欲しかった感じで。でも、みんなのキモチが一つにまとまってゆく姿は、同時に映画が作品としてまとまってゆく姿にもオーバーラップして感動的。AKB48って全然知らないんですけど(顔知ってるのって大島さんとか才加さんとかくらい?)、主演の前田敦子嬢はちっちゃくて(って調べてみたらそんなちっちゃくないですが)細っこいけど頑張る、みたいな感じがスクリーンにいい感じに投影されていて魅力的でした。束の間の若い日々を過ごす人々の姿が焼き付いていて、見ていてやっぱりこの国の青春映画っていいよねってしみじみ。おっちゃんには遠い昔だけど、死ぬまで日本の青春映画を見続けていたいなぁ、日本人に生まれて良かったなぁ、って思わせてくれる映画でした。
[映画館(邦画)] 8点(2011-06-05 13:41:49)
166.  ジュリエットからの手紙 《ネタバレ》 
陽光の映画でした。いかに光を捉えるかに腐心しているような映画で、そのまばゆく照らされた、まるで全てのカットが絵葉書のような世界だけでもうウットリ。その意図が暴走し過ぎちゃったのか、一部にハッキリとCGで作り出された事が丸出しになって興ざめしてしまう空の色があったのは残念ではありますが。その、まばゆい光の中で輝く役者さん達(この映画のヒロイン、アマンダ・セイフィールドが出演していた『マンマ・ミーア!』は、本来、この映画の光が作り出す色をこそ求めていたんではないかなぁ)が織り成す物語は、ベタベタに甘いです。ぬる~いです。人生なんて、そんなに甘いモンじゃありません。もっと深い深い苦悩や業や性に支配されてるモンなのです。んでも、多分、そんなこたぁ百も承知の上で、あくまでど真ん中のラブストーリーとしてポジティブに愛を謳い上げています。イタリアの美しい風景を更に彩る音楽もひたすらに心地よい旋律を刻み、劇中に登場する携帯電話と現代的なデザインの車と(雰囲気を壊すちょっと無粋な)歌を除けば、一体いつの時代に作られたのかも判らなくなるようなクラシカルなタッチ。主人公が手書きノートとノートPCとを併用しているあたりのアンバランスさに、時代性と普遍性の葛藤を垣間見たりもしますが、王道、オーソドックス、シンプルである事を美徳とし、それがきちんとプラスに作用している映画だと思います。熟成された渋みは足らないけれど、余計な雑味に惑わされる事なく存分に酔えるワインみたいな作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-05-24 21:57:55)
167.  GANTZ:PERFECT ANSWER 《ネタバレ》 
今回も前作同様、また楽しませて頂きました。原作を知らないがゆえに、何がどうなってそういう事になってるの?っていう興味をずーっと引っ張って行って。もっとも、今回、そのワクワク感があったのは松ケン復活までの前半部分までかなぁ。星人との戦いの描写が少な過ぎではありましたが、地下鉄内での戦闘なんて笑っちゃうくらいの頑張りっぷりで。それが後半の、由里子嬢がターゲットになって、ってあたりから、ワクワクではなくてイライラが生じてきて。それまで星人をターゲットにしていたGANTZが彼女をターゲットに指定する意味が説明されてはいても納得はできなくて。そこで生じる葛藤や仲間割れもドラマになってゆかず、由里子嬢の「すげー生命力だな、おい」って末のドラマもニノがなんとなく流してしまってる感じで「それでいいの?」みたいな。あとね、蛇足ですが同じ週に『婚前特急』を見てしまっていて、清純なフリして猛禽なヒロイン、六股目だよねー、って感じに見えてしまったのがなんともかんとも・・・。で、結局のところ、星人って何? GANTZって何? ついでに山田孝之の存在意義って? っていうのが全然語られないままに終わっちゃったりするんですが、じゃあ、納得できなかったかって言うとそうでもなくて。死人が甦るっていう部分を始めとして結局のところファンタジーなワケで、最後も寓話としてキレイにオチてるんじゃない?と。前後編を通じて今の時代を映すファンタジーとしてイイ感じの作品として成立していると思いました。色々ガチャガチャとした映画ですが、ココロを語ってますもんね。
[映画館(邦画)] 8点(2011-05-09 20:36:59)(良:1票)
168.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 
どんな映画なのか殆ど知らない状態で見たのですが、最初の背景を説明する字幕の時点でそれがSF(的世界を舞台にした物語)である事をバラしてしまい、更に作品世界の秘密、ミステリアスな要素は最初の30分程度で殆ど明らかになり、じゃあ、一体残りの時間は?って言うと。SF的背景は実のところエッセンスでしかなくて、主人公達を支配する態勢側の上層部の人間なんていうのも登場せず、主人公達が定められた運命に対して、それを受け入れている事が前提にある、切なく哀しい物語。メインの3人が織り成すドラマはありきたりな三角関係の恋愛模様なのですが、その背景にある限られた命、限られた時間、仄かな、そして小さな希望を加味すると、その儚い生のひとときの姿が胸に響いてきます。規律に縛られた中でそれぞれの小さな自我が芽生えてゆく学校生活シーンや、オリジナルを探す短い旅のシーンの少しの楽しさと沢山の切なさなど、美しいけれど寒々しい映像と共にそれぞれの時代を演じた役者達の存在感が印象的。キーラ・ナイトレイはこれまでと雰囲気がかなり異なる感じがしましたが。でも、この映画から「人は限られた時間、限られた世界の中で、だけれども自由があるのだから、日々を大切に生きようね」と、そんなメッセージを思い浮かべるのは簡単だけれども、もう少しペシミスティックな面を感じてしまうのは、今のこういう世の中だからでしょうか? 自らの存在価値を悟り、無抵抗で運命を受け入れ、微かな希望すらも潰えてゆく主人公達の姿は、果たして今を生きる人々と大きな差があると言えるのでしょうか? ここから生の希望を見出す事が、今の自分には難しく思えました。
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-16 00:29:06)
169.  エンジェル ウォーズ 《ネタバレ》 
ドラゴンとかロボットとか戦闘機とか飛行船とかのワクワクするモノを・・・いや、もっと正直に。ブロンドでツインテールのヘソ出しセーラー服少女が日本刀振り回すよーなワクワクするモノを、あにやん初日に見に行かないワケない!のですが、一方でスナイダーですよ。過去作の私の評価が8点、6点、0点、6点な、平均5点なスナイダーですよ。モンスタージャパンの店先でポスター見て「ぎゃー!何コレ?絶対見る!」状態だったのがスナイダーと知って「・・・微妙か?」って。結論言うと「あーあー、スナイダー、やっちゃった」って。微妙なんてモンじゃない、これはかなりアレだわ。毎回ビジュアル(だけ)が凄いスナイダー、今回も色々と見せてくれます。どこかで見たよーな映像ばっかりではありますけど(ゲームが多いかな。『ギアーズ・オブ・ウォー』的映像世界で、ロボットは『サクラ大戦』の光武みたいだし、ナチ風ゾンビって『バレットウィッチ』っぽい)、どうだとばかりに見せつけてきて。列車バトルでのCG使いまくり長回しアクションなんて笑っちゃうくらいに。ベイビードールはたまに顔がアレだけど、ちっちゃいコってところがビジュアル的にイイ感じで。だけど、もう完全なオタク趣味のみで構成されたアクションに対して、ドラマ部分はまるでスナイダーが延々と自分の趣味の言い訳をしているような状態で。『インセプション』みたいな入れ子細工構造で描かれるのは映画という表現媒体そのものにまで及ぶ虚構性のハナシ。こんな物語じゃ見ててポカーンだわ。いやいや、スナイダー、判ってますって。心配しなくたって私達同じ病を患う人間はベイビードール達をいつだって自由に甦らせ、新たな活躍をさせる事ができるのですから。まあ、だけどやっぱり『ウォッチメン』は認めないし、この映画を誰かにお勧めする気には一切なりませんけどね。
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-15 21:35:29)
170.  ザ・ファイター 《ネタバレ》 
過去の微妙な栄光にすがるヤク中のお兄ちゃんにしても、身勝手なステージママ状態のお母ちゃんにしても、ソファに並んで座ってるだけでなーんにもしてなさそうな姉妹達にしても、そして、一見マトモそうに見えるガールフレンドにしても、ダメさを漂わす街の人々にしても、実はみーんな同じ、「自分の現実はダメだけどミッキーなら」と夢を託しているのですね。そしてそれぞれに「自分にとっての理想のミッキー」像があるから、その差異から摩擦が生じてあちこちで諍いが起こっちゃう。当のミッキーにとってはたまったモンじゃありません。その摩擦に潰されそうになって、だけど段々と自発性を持ち、紆余曲折しながらもそれらの総てを受け止め、みんなの夢を叶えてゆく姿は映画を見ている側にも同様のシンパシーを与えてゆく感じです。なんか苦いドラマを見ていたつもりが、見終わってみれば妙にスッキリ感動!って映画で。ダメなみんなだって、それぞれに頑張って、本当にイヤな奴らにしか見えなかったハズが、なんだか清々しく。特にやっぱりお兄ちゃんのダメっぷりが際立っているがゆえに効いてくる感じで、クリスチャン・ベール好演。その佇まいだけでダメっぷりを漂わせてます。ますます『太陽の帝国』の少年とはまるでイメージが結びつかなくなりましたが。蛇足ですけど、エイミー姐さん、おっぱい透けてますが。一応ディズニー・プリンセスなのに・・・
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-01 21:23:08)(良:2票)
171.  映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち 《ネタバレ》 
おっさん声のドラえもんから見てる世代ではあるものの(歌詞書くとアレなんで略すとオツムがツンツルテンだのアンヨが偏平足だのってヤツ)、特に『ドラえもん』に思い入れはなくて、でも、昔レンタルで見た『鉄人兵団』は記憶に残る名作だったのでリメイクとなる今回、初の『ドラえもん』映画館鑑賞。見ていてとても感心しました。高水準の作画、ちょっとした仕草の細やかさや印象的なシルエットなど、繊細な表現がいっぱいあって、一方でメリハリを効かせたSFアクションとしての華も盛り込まれて。鏡の世界の設定に疑問が湧きまくりではありますが(どの時点を「映し」ているのか、それは他者の所有システムと共有された空間なのか、空間内で時間が経過するならば現実との差異が生じるのではないか、その差異はどう補間されるのか、生体は映さないならば食肉は何故反映されるのか、ならば死体は反映されるのか、病院の安置所に死体だけポツンとあったりするのか・・・)、リルルと共に今回新たに生命を与えられたピッポがキャラとしての個性を存分に放っているために、元作品よりも、もっと人と機械生命体との繋がりと、その悲劇とが強調され、より深い感動を得られる映画になりました。しかし。その機械生命体側なリルルとピッポの存在に、更なる魅力を感じれば感じる程、元作品に存在した大いなる欠点が更に大きくリアルな欠点として引っかかってしまうという難点が浮き彫りになりまして。しずかちゃんのひらめきは結果的に侵略者とは言え、宇宙の中で長い歴史を刻んだ文明をまるごとひとつ破滅させてしまう訳で。人と機械の差異など存在しない事を語りながら、このリセット劇は相手が機械であるがゆえに許されるように見えてしまいます。ラストの救済も安直な蛇足に思えますし。ここはリルルとピッポに責を負わせつつ、人間側にその重さを認識させて頂きたかったかな。とは言え、その完成度、面白さや感動は個人的にオリジナルを超えるものだと思いました。
[映画館(邦画)] 8点(2011-03-08 22:17:20)(良:1票)
172.  GANTZ 《ネタバレ》 
あんまり期待していなかったのですが、かなり楽しめました。グロな描写は全く好みではありませんけど、原作を読んでいない事もあって、単純に「一体どうなってるんだろう?一体どうなるんだろう?」ってワクワクできたのが良かったのだと思います。そりゃ、不自然と言うかツッコミどころは多々ありました。転送されるタイミングに差があるのが意味不明とか、博物館での戦闘で松ケンが前に出てるニノがジャマ!って言ってたけど、あんだけのサイズの敵に対してジャマもへったくれもなくね?とか。千手観音を動かすのならば、ハリーハウゼンへのリスペクトの1つも入れて欲しいところですしねぇ。手以外、ちっとも動かねーでやんの。CGのレベルは全体的に低めだし。特に転送時に体が上下に動くと途端に不自然になっちゃう。だけど、特異な状況に置かれて否応なく戦いを強いられる人々の物語、その不条理っぷりはドキドキさせられますし、絶対的に不足気味ではあっても、一人一人に与えられたドラマにも興味が湧きますし、そして、最初から最後まで全く退屈しませんでしたし。現代社会での個人の繋がりの希薄さを象徴しているのかな?みたいな感じの寒々しい描写の数々が良い感じでした。もっとも、友人が「ヒロインの事を気に入って作品的にも評価しちゃうんじゃね?」とか言ってましたけど、まあ、その通りさー。ぴったりコスがね、なんとも。お兄ちゃん達のムキムキモードは笑っちゃうケド。
[映画館(邦画)] 8点(2011-02-14 21:36:55)
173.  ソーシャル・ネットワーク 《ネタバレ》 
コミュニケーション能力が極端に欠如した人間がコミュニケーションツールを構築するという皮肉、これはネット社会を痛烈に批判した映画なのか?と言うと、そんなに単純なものでもなさそうで。mixiのフレやtwitterのフォロワーとの繋がりにしろ、2chで名無しで人を中傷するお馬鹿さんにしろ、希薄化する関係性に対するネットを介しての自己の存在確認作業っていう意識が働いているように思えるのですね。ほら、ひと昔前、女子高生が友達のまた友達の・・・ってプリクラを沢山集めていたように、それはこの世界で自分って存在が他者と繋がっているという証明を得る事でもたらされる安心、みたいな。でも、そこに重きを置く事でリアルでは更なる希薄化を生み出したり、どんどんと複雑で肥大化したシステムとなり、大量の情報が溢れる事でネットの内側でも結局は繋がりが希薄になっていったり。この映画に登場する人々は極端な味付けをされていると思います。主人公の、他者と視線を合わせない、会話が噛み合わないっぷりったら、もうハナから絶望的な存在としてシンボライズされていたりして。でも、嫌悪感すら抱かせるあの姿は実際のところ、まるで別の次元の人間と言えるのか?って。新米弁護士が語った法廷での証言の中身(誇張85%、残りの15%は嘘)は、そのまま日々ネットで表現される個人にあてはまりそう。そんな今の時代のコミュニケーションのあり方を問うてみせた映画として認識させて頂きました。結局はリアルにしろネットにしろ、コミュニケーションの本質って変わらないんじゃない?って。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-19 16:15:55)(良:3票)
174.  アンストッパブル 《ネタバレ》 
トニーとデンゼルのコンビで列車映画って『サブウェイ123』の悪夢再び?みたいな感じで全く期待できませんでした。映画が始まった途端にトニーお得意の逆光&コマ飛び&カメラ動きまくりの毎度のアレで「あーあー、今回もかぁ」って。ところが、スゲー面白いでやんの。そりゃ、トニーらしくとっ散らかったカットがバラ撒かれている状態はいつも通りなのですが、とにかく今回は映画の視点にヘンなブレがありません。暴走している機関車を止める、ただそれだけに特化された物語が一直線にノンストップで突っ走っております。登場キャラが多いものの、全員が与えられた役割を果たす判り易さ(ヒーローはヒーロー、悪役は悪役、って)。ちょっとした事が段々と大事になってゆき、巨大なパニックを巻き起こしてゆく、そのエキサイティングな正統派映画的イベントっぷりが、ここしばらくの間、エメリッヒ製トンデモ系バカ映画くらいしか見るものがなかったパニック映画好きの溜飲を下げてくれました。踏切や高架や鉄橋やポイント、前から横からヘリコプターから、様々な列車映像が捉えられていて鉄分もたっぷり、映画史的に『カサンドラ・クロス』『大陸横断超特急』に比肩し得る列車パニック大作の快作。くそー、トニーのクセに生意気だぞ。お、覚えてやがれ!
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-09 15:29:23)(笑:1票) (良:2票)
175.  ベスト・キッド(2010) 《ネタバレ》 
『カラテ・キッド』なのにクンフーだし、リメイクにつきものの今風アレンジがキツそうな印象があって、あまり期待は持てなかったのですが、意外にも丁寧で誠実な作りに感心しました。設定の根本的な違いがありながら、オリジナルに忠実な展開で奇を衒ったところはありませんし、エピソードの1つ1つをきっちり重ねてゆく感じで、安易なノリで進めてしまうような事はありません。オリジナル版をリスペクトしつつ、中国の歴史・文化を尊重し、そしてちゃんと面白い映画。ドラマで魅せつつ、クライマックスでキッチリ燃えるという。もっとも、オリジナルをなぞっているが故に、クンフー道場の理念がどうかと思う感じがありはしましたが。80年代のアメリカならば、ああいう攻撃的な道場も成立し得たでしょうけれど、現代の中国本土でクンフーを教える立場でアレはありかなぁ? あと、往年の激しさは望むべくもありませんが、ジャッキーのアクションはもうあと少しでいいから、もっと見せて欲しかったですねぇ。子供達相手に本気じゃないモードのみって。でもジェイデンはチャラいガキかと思ったらしっかり動いていて。中国人の女の子とのラブストーリーも微笑ましく。オリエンタリズムが悪趣味にならず、しっとりと味わいを持って描かれた、140分の上映時間も苦にならない、質の高い映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2010-08-14 21:26:48)(良:1票)
176.  宇宙ショーへようこそ 《ネタバレ》 
惜しい! クライマックスであまりにありきたりな娯楽アニメ映画インフレ見せ場クドクドパターンなってしまって。多元的に描くから物語が集中してゆかないし、間延びしてるし、その上、真実も心情もことごとくセリフで説明しちゃうし。あの歌姫はあの程度の扱いで良かったの? で、あとはお見事。二度と来ない夏休みの貴重なひとときを描いた秀作。友達と過ごす大切な時間、無限の希望に向かって開かれた未来。大人には深い郷愁を伴ってしみじみと心に染みてくる映画です。五人の子供達が魅力的な個性(デザインも)を与えられて、みんなが織り成すひとつひとつのエピソードが楽しく。そして子供達それぞれが一歩成長してゆく、その、壁を乗り越えてゆく過程がとても真面目に描かれていて感動的です。それに対比するカタチで象徴されてゆくポチのエピソードも切なく。だからこそ、それまでの魅力が隠れてしまうクライマックスがねぇ・・・。もっともラストで魅力は戻ってきますし、そんな欠点はあっても充分に見る価値がある映画でした。そう、神奈川のシネコンまで越境して見に行っただけの価値は充分に。こっちだと夜遅く一回とかになってて・・・
[映画館(邦画)] 8点(2010-07-22 17:27:11)(良:1票)
177.  孤高のメス 《ネタバレ》 
実生活でも日々、医療に対する疑問や不満というのは抱くもので、これはそこにメスを入れた映画として大変に意味ある作品だと思います。そしてちゃんと面白い映画で。堤真一が、ごくごく抑え目な演技をしてみせますが、そのクールさが魅力的なキャラになっていて。夏川結衣の表情もいつになくいいですし(この人は、コメディをやってこそと思っているのですが、このシリアスな映画でコミカルな面をきっちり見せてくれます)。ただ、柄本明と生瀬勝久の演技は大袈裟過ぎ。映画のトーンをブチ壊し。手術の失敗シーンでのあまりのわざとらしさなんか見てて恥ずかしいレベル。大体、絶対的な悪を設定して、それを駆逐してカタルシスを得るなんて展開だと極端な例になってしまって問題がボヤけてしまいます。質すべき医療の問題がどこにあるのか、脳死判定や生体肝移植、医師の資質から医師不足まであちこちと広げつつもきっちり娯楽性の高い映画になっていた点では評価できるのですが。でも、この映画の影の主役は手術シーンで臓器を作り上げた美術スタッフでしょう。手術シーンとなると、どうしてもグロテスクになってしまう訳で、それはこの映画も同じですが、臓器の「演技」で人を感動させるという離れ業は、美術スタッフ、特殊効果スタッフの努力の賜物としか言い様がありません。ジミめながら良質な社会派エンターテイメントでした。
[映画館(邦画)] 8点(2010-06-20 16:19:53)(良:1票)
178.  ボックス!(2010) 《ネタバレ》 
気持ちのいい映画でした。繰り出されるスピーディな関西弁そのままに歯切れのよい展開で。ともすればウザいキャラの市原隼人を、すんなり受け入れられただけでなく、気持ちのいいキャラとして昇華できたのは、あえてコテコテな大阪のノリの中に存在させているからかもしれません。周囲がきっちりツッコミ入れまくってますもんね。物語は『ピンポン』にかなり似ております。子供時代のヒーロー、親友同士、どちらが天才なのか? その点ではちょっとオリジナルな魅力に欠けてしまっていたのですが、魅力的なキャラで映画の世界を作るという点で良く出来た作品だったと思います。ボクシングシーンにしても、ちゃんと体を作って見せて誤魔化しなし。ベタだけど真っ直で爽快な青春映画でした。ただ、クライマックスの大切な試合シーンで亀田興毅をゲスト出演させてしまったのがねぇ。サービスのつもりかもしれませんが、あそこで「おっ!」と嬉しい気分になれる人がどれだけいると思っているのやら。私はさーっと冷めましたね。あんな盛り上がらなくちゃいけないところで突然現実に引き戻すようなキーワードを組み込んじゃいけません。
[映画館(邦画)] 8点(2010-06-14 17:08:30)(良:2票)
179.  デッド・ドント・ダイ 《ネタバレ》 
 これだけ映画の雰囲気と現実世界の空気がマッチした状態で見た映画というのも珍しく。東京アラートが発令されている中、六本木ヒルズは屋外こそそれなりの人通りがあるものの、シネコンの中は閑散としていて、この映画を上映しているキャパ520余の最大スクリーンには観客が10人ほど。ディストピア感漂よう東京で出会うゾンビ映画、その寂寥感を堪能してしまったわ。   ジャームッシュってことで、わりとオシャレ系なオフビートなカンジのゾンビものが見られるのかしら?(くらいにしかイメージできない程度にしかジャームッシュ映画見てない)と思ってたのだけど、フツーにB級ゾンビ映画で、メタとかオマージュとか映画ネタとか散りばめた中学生臭さが漂っていて、オタク感ハンパない、みたいなシロモノ。そういうところ、楽しんじゃったけどね。  ゾンビって存在にメタファー盛り込みながら結局はそれをモロに説明しちゃうあたりの真っ直ぐっぷりというか、不粋さがむしろ潔いと思ったけれど、それをアタマでは理解していても、じゃあ自分はここに描かれたゾンビ達とは違う、って言えるのか?っていうと、無理ね。つまり、そういうことでしょ?って映画。   田舎町に漂う寂れた空気に、コミュニケーションが希薄になってゆく感覚が重なって、更にそれを見ている状況が重なって、そういう映画体験もまためぐりあわせなのね、としみじみ感じたわ。もう人類は元には戻れないのかもしれない、それはリアルだものね。だから新型コロナ流行以前にこれを見ていたら、それはまた全く違った感想になったかもしれなくて。
[映画館(字幕)] 7点(2020-06-08 20:38:00)
180.  1917 命をかけた伝令 《ネタバレ》 
 うーん・・・全編1カットってウリにしない方が良かったんじゃないかしら。ついつい継ぎ目探しちゃったわよ。実際ワンカットじゃないし(1箇所暗転するところがあるのでそこで完全に途切れてるし)、上映時間=劇中の経過時間ではないので(冒頭からラストまでで1日くらい経過してるわ)シーンの連続性が維持されてる訳じゃないし。   めくるめく戦争の地獄絵巻、それは臨場感と没入感を伴ってとても生々しく伝わってきたわ。脇役的な彼が主人公にならざるを得ない状況で遭遇する様々な戦争の恐怖。突然訪れる死、無数の死体、狂騒的な混乱、人からもたらされた破壊の風景。  でも、どうしてもテクニックが先走ってる気がしちゃうのよね。これってTPSの世界なわけ。弾数が極端に少ないTPSをIMAXのでっかい画面でプレイしているような感覚。『コール・オブ・デューティー』(弾数的には『コール・オブ・ファレス』かしら)の世界で『ゼログラビティ』的な流れの繋がった映像を見てるカンジ。実写なのだから、そこにはもの凄い物量と大勢の人の手が加えられているのだけれども、CGで作ったゲームの映像と同感覚なのよね。実際CGも多用されているワケで、そこら辺はボーダレスになりつつあるというか、映画がゲームに近づいてる感じでもあって、ゲームが必死に映画に近づいてゆこうとしてきた歴史を見てきた身からすると、こういうのってちょっと複雑なキモチね。生身の人間の演技はともかく、映像表現的にはもはやゲームの方が先へ進んだのかしらねぇ、って思ってしまって。   カットを割っても臨場感や没入感が出せない訳ではないワケで、そこに固執しなくても良かったんじゃ?とは思うのだけど、それだとウリになる点がなくなっちゃうのかも、って考えるとちょっとジレンマに陥っちゃうわね。
[映画館(字幕)] 7点(2020-02-14 19:22:17)(良:2票)
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