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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1801.  ザ・ロック 《ネタバレ》 
娯楽性を意識した展開、演出に好感が持てました。トロッコのシーンは、さながらインディジョーンズのよう。キャラクターもよく描かれていたと思います。主役2人の心情を理解できたので、すんなり物語に入り込めました。グッドスピードはそもそも技術職。ミッションのために死ぬ覚悟があるかというと厳しい。ただし、身重の恋人にも被害が及ぶとなれば話は別です。彼が分相応以上に頑張ったことも頷ける。メイソンの方は、命を張る必然性はありません。さっさと逃げ出して、娘を避難させればいい。にもかかわらず彼が最後まで協力したのは、グッドスピードに恩を感じていたからだと思いました。娘と会っていたときに、気遣ってくれたことに。命を賭けられるほどの恩義とは思えません。でも些細な事かどうかは、当人が決めること。彼はよほど嬉しかったのでしょう。心を動かすことができれば、本当の意味で人は動いてくれる。それはどんな仕事にも当てはまります。不満な点を挙げるなら、カーアクション。接写が多くて見づらかったです。また、お約束とはいえ、敵がヘナチョコ過ぎたこともマイナス。さすがに手榴弾を投げ返されるのは恥ずかしい。それでも全体的には十分満足のいく作品でした。映画館で観たかった。
[地上波(吹替)] 8点(2007-06-21 18:17:37)
1802.  不機嫌な赤いバラ 《ネタバレ》 
最初はニコラス・ケイジに同情しまくり。頭ではマダムの寂しさを想像できても、やっぱり憎たらしい。彼を主体にストーリーが進行するから尚更です。マダムに対する見方が変わるのは、物語が彼女の視点に移行した時。久しぶりに訪ねてきた息子に喜ぶマダムの顔は、ごく普通の母の顔。しかし静かに息子の願いを断った顔は、元ファーストレディのそれでした。その表情が絶妙です。彼女が置かれてきた状況、抱いてきた想い、それらを瞬時に察することが出来ました。心の隙間を縫って彼女の心が流れ込んでくるよう。不意をつかれて涙しました。ここからの畳み掛けが上手い。観客には、マダムがニコラスを重用する理由が明かされ、彼女に対する理解が深まります。さらにニコラスも、彼女と酒を酌み交わすことで気持ちを通じさせます。一気に和みムード。しかしマダムの表情は晴れません。今後の成り行き(病気に起因する悲劇)を予感した矢先の急展開。虚をつかれました。ニコラスの心情を慮ると辛過ぎる。彼は後悔の念に苛まれたはずです。マダムのわがままを許してしまった、己の甘さを責めたと思う。彼女と打ち解けたがゆえに、出てしまった緩み。ただし、運転手と対峙した時に彼がとった行動は、後悔に由来したものではありません。この時の彼はプロではなかった。彼はただただ、マダムを助けたかった。その強い想いが伝わってきます。ビジネスを超えた繋がりを感じずにはいられません。ラストも秀逸。退院時に車椅子に乗れという看護師。その規則に論理性はありません。車の座席位置でモメたのとは訳が違います。それでもなお、規則に従えと言うニコラス。彼の顔をじっと見据えた後、従うマダム。2人の新たな絆を感じます。マダムの人生は、得たものより、失ったものの方が多いかもしれない。でも最後に信頼できる人間を得られたのは、何よりの幸いだと思います。不機嫌なバラは、これからも不機嫌であり続ける。それが彼女らしく生きることだから。そしてニコラスの髪も抜け続けるでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-06-20 17:41:22)(笑:1票) (良:2票)
1803.  日本以外全部沈没
“いい意味で”は、魔法の言葉。付けるだけで印象が変わります。例えば、いい意味で露出狂。社交的な感じがします。ただし、本質は変わらない。露出狂が服を着るわけではありません。本作にもこの言葉を使いたいと思います。いい意味でダメ映画。内容はもうホントに酷い。悪ふざけなんてもんじゃない。ただし、隠されたメッセージは悪くありません。地球を桃に例えるならば、陸地は皮の部分。ほんの僅かな部分に住んでいるのが人類。いがみ合うなんてバカらしい。みんな仲良くしましょうよ。童話の例えも分かり易い。何気にエンディングテーマ曲もいいですし。ですから、ダメはダメでも、救いようがない訳ではありません。それなりに味わえる映画。ただし、ダメ臭が強烈過ぎて、食べる気が失せるほど。例えるなら、クサヤといったところでしょうか(あるいは某有名なニシンの缶詰)。ですから口に入れてみれば、案外イケルのかも。もっとも、ただの生ゴミである可能性も否定できません。もちろん、いい意味で。
[DVD(邦画)] 4点(2007-06-19 18:25:33)(笑:1票) (良:1票)
1804.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 
小洒落たタイトル、妻夫木くんが主演、池脇千鶴のヌードの話題先行など、個人的に食指が動かない作品でした。(すいません。嘘です。最後のセンテンスには興味津々です。)でも観てみるとコレが自分のツボ。もう大好き。ほんとに好き。妻夫木を初めて上手いと思いましたし、池脇も魅力的でした。ばあちゃん、板尾、「いてまうど」の兄ちゃん、荒川良々等の濃いキャラも旨味を発揮していました。重いテーマですが、物語と向き合わせる手法に長けていたと思います。死別や結婚という安易な結末に逃げなかったのも好印象。とくにジョゼの気持ちが心に沁みます。動物園で虎の見学。恐怖に対峙したときに、自分を守ってくれる人がいること。これほど心安らかなことはありません。でもこの幸せが長く続かないことも彼女は承知しています。いずれ彼は去っていく。だから車椅子を買おうとしなかった。少しでも長く彼の背中に触れていたいから。乳母車を新調しなかったのも、押してくれる人がいなくなるのを知っていたから。彼女が妻夫木に言う「私をおぶえ」という台詞。それは遠まわしなプロポーズでもあったと思います。頭では彼との別れを予期していたとしても、幸せな結婚生活を夢見ないはずがありません。しかし彼女の願いは叶わなかった。その直後のシーンもたまらない。トイレに入ったジョゼを覗く妻夫木。彼女は「あっち向いてて」と言います。「出て行って」ではなく。その想いに胸がつまります。水族館で見られなかったお魚たちをラブホテルの映写装置で見る彼女。自由に泳ぐ魚たちの中で、至福の時を過ごすジョゼ。貝殻ベットの中の彼女は、まるで人魚姫。幸せを知ってしまった彼女は、もう海の底へは戻れないと言います。彼と過ごした日々を受け止めようとする彼女。切ないほどに強い。いや、強くあろうとする姿に心打たれます。それに比べると男のほうは情けない。でも彼を責める気にはなれません。彼が怖気づいたのも分かる。彼は彼が思う幸せを求めて生きていくでしょう。でも心の傷はずっと残るはずです。それも仕方がない。悲しいこと、苦しいこと、切ないこと。人生には嫌なことの方が多いかもしれない。でもそれを知らずして、幸せを知ることもありません。ラストは料理をするジョゼの姿。食べることは生きること。海の底とは違う世界を、喜びも悲しみもある世界を、彼女はこれから生きていく。ジョゼは死を選ばなかった人魚姫です。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-06-18 18:02:04)(良:9票)
1805.  フロム・ダスク・ティル・ドーン 《ネタバレ》 
前半のクライムサスペンス調から一転して、後半はおバカアクションホラー。この変わり様には驚きました。悪趣味ぶりも際立っています。でもこんなテイストも嫌いじゃない。たぶんバカのさじ加減がいい具合なのだと思います。手の平を撃たれているのに、苦しむそぶりを見せないタランティーノ。おそらく人格が“壊れている”ことの暗示でもあるでしょうが、それにしても大雑把な表現です。そうかと思えば、「人間の体は硬くて杭が通らないけど、バンパイアの体は柔らかいから簡単に杭が通るんだ」なんて説明をご丁寧にしてくれる。この妙なこだわりが面白い。終盤のバンパイア狩りアクションの爽快さが、前半の胸糞悪い空気を吹き飛ばしているように感じました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-17 18:31:59)
1806.  ボーン・コレクター 《ネタバレ》 
テレビ吹替え版での観賞です。主人公が捜査に加わった事件のうち、明らかに3件目だけテイストが違います。水蒸気、ネズミとその手口の(見た目の)残虐さは目を覆うばかりだったのに、最後の犯行だけは溺死を誘うというヌルさ。トーンダウンは否めません。本命のターゲット、主人公殺しに至っては何の準備もしていなかったみたいですし。せっかく猟奇的な殺人を展開してきただけに、言葉は変ですがもったいない気がしました。テレビ用にカットしてあるためか、全体的に粗さも感じます。それでも、この手のサスペンスとしては、まずまずといった印象でした。目を引惹かれたのはアンジェリーナ・ジョリー。今のような貫禄はなく、警官の制服を着ているというよりも、着られている初々しさが微笑ましかったです。
[地上波(吹替)] 6点(2007-06-16 18:39:27)
1807.  天国の口、終りの楽園。 《ネタバレ》 
少年2人の派手な言動に目を奪われがちですが、真の主役はルイサでした。それは衝撃の結末で明らかになります。彼女が置かれていた状況を知ると、今までの出来事に対する捉え方が劇的に変化します。ルイサの心情を慮ると心が締め付けられる。同姓の観客ならば尚更でしょう。それは深い余韻を伴います。それにしても人生は無常なもの。しかし情緒的に捉えることも出来ます。彼女が「終わりの楽園」に辿り着いたのには、意味があるのではないか。存在するはずのないビーチ「天国の口」。もしかしたら、彼女は誰かに導かれたのかも。ルイサにとってハノは、夫である前に恩人でした。孤独から救ってくれた人。でも愛情とは、少し違うかもしれない。彼女が生涯のうちで最も愛したのは、元彼だったような気がします。ちょうどテノッチやフリオと同じくらいの歳に事故で死んだ彼。前歯が欠けた、ポニーテールの彼です。彼の話をするルイサは楽しそうでした。顔すら分からない彼の姿が頭をよぎります。ラスト、少し大人になったフリオの髪は伸びていました。頭の後ろで髪を縛れるほどに。この事から、死んだ元彼の霊的な介在を主張する気はありません。でも、ものは考えよう。全ての事に意味がある。理由がある。そんなふうに考えることで、救われることもあります。この夏の出来事が、2人を成長させたとは思いません。この出来事がなくても、テノッチとフリオは別れたと思います。2人の関係は、成長期の少年に多い、特殊な結びつきでしたから。彼らにとって彼女は、甘いような苦いような思い出の一つでしかないと思います。彼女の死を知ってもなお、それは変わらないと思う。少なくとも今のところは。ただ、ずっとずっと経ってから、ふと思い出して涙を流す日が来て欲しいと願います。それはたぶん精神的に彼女に追いついた時。その時、この経験は彼らをいい男に変えてくれる気がする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-14 19:00:05)
1808.  県庁の星
体裁は典型的なサクセスストーリー系娯楽作品でありながら、爽快感が無いのが致命的。織田の演技が辛気臭いです。公務員キャリア像を意識しすぎているように感じました。彼のキャラクターにも合っていない気がします。県庁さんの負の要素を打ち消すほど明るいキャラがいれば、また違ったのかもしれませんが、柴咲にそれを望むのはムリ。やはり娯楽作品は明るくないと楽しくないです。本作のテーマを扱うならば、シリアス&シニカル路線の方が相応しい気がします。
[地上波(邦画)] 4点(2007-06-13 18:07:56)
1809.  ホット・ショット
松本人志の『大日本人』が、ほぼボークのみで構成されているコメディだとしたら、本作は全てが直球勝負のパロディ。ベースとなる元ネタ『トップガン』は未見ですが、全く問題なく楽しめました。ホントくだらない。くだらないけど、これが世界基準なのかも。下ネタあり、ブラックあり。ベタで分かり易いネタが満載。30秒に1回は必ず笑いの仕掛けがありました。その徹底ぶりが素晴らしいです。気軽に観られるコンパクトさもいい。気分をリセットしたい時など、重宝する作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-11 18:18:43)
1810.  ドラえもん のび太とアニマル惑星
子供向けの作品として手堅い出来。環境問題を扱っており、教育的にも良さそう。いわゆる大人が子供に見せたい映画だと思います。自分も親なので、こういう作品はありがたいです。ただ、好きかといえば、そうでもない。それはアニマルプラネットがあまりにも完璧すぎるから。動物たちは争う必要がなく、環境が破壊される心配もない。良いことずくめに思えます。でもそれって、つまらない世界だとも思います。いろいろ不都合があったほうが、歯ごたえがあって遣り甲斐がある。もっとも今の世の中は、遣り甲斐あり過ぎですが。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-06-10 02:59:40)
1811.  ゲッタウェイ(1972) 《ネタバレ》 
男は弱い。そして女は強い。自分を救うためとはいえ他の男と寝た女房を許せない男。一度は別れようと言い放ちます。でも窮地に陥って、やっぱり彼女が必要だと気付く。でも泣きついたりなんかしません。うまく取り繕おうとします。すごく格好悪い。女房を盗られて結局自殺してしまった医者。首吊るヒマがあったら、撃ち殺せよと思う。でもそういう結末を選ぶのも分からないでもない。それに比べて女性の強いこと強いこと。主人公の妻の肝の据わり方は見事なものだし、医者の奥さんのしたたかさも凄い。結局死んだのは男だけ。男同士殺し合って勝手に自滅していく。男のほうが余計なものを抱えているからかも。自尊心、虚栄心、金銭欲。そういうものを割り切って捨てられるのが、女性の強さの本質か。ラストは予想を裏切りハッピーエンド。これも主人公に妻がいたればこそ。そしてつくづく自分も男だなあと。こんなみっともない男たちの方に共感してしまうんだから。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-06-09 18:47:05)(良:3票)
1812.  野生のエルザ 《ネタバレ》 
人と野生動物の関係についての大前提。それは“動物に対して、人間はいつだって自分たちの論理を押し通している”ということ。有害鳥獣を駆除することも、ハンティングに興じることも、動物園をつくることも、絶滅危惧種を保護することも、全て人間側の都合です。“野生動物のために”とか“地球のために”とかいう掛け声も、つまるところ人間が快適に(精神的な安らぎも含めて)生きていくためのもの。人間は、そういう強い立場にいます。少なくとも今のところは。この事を自覚する必要があると思います。それは覚悟と責任とも言えます。命を奪うことが出来る側が負うべきもの。主人公夫婦のうち、夫の方にはこの覚悟が伺えます。だから共感できます。では妻の方はどうでしょう。彼女は、「エルザは自然に帰すべき。エルザは自由を望んでいるはずだ」と主張します。この言い方はズルイ。そもそも“彼女が”希望してエルザを手元に置いたはず。だのに、いつの間にか主語がエルザにすり替わっています。これは人と動物との前提を覆すこと。そして自己責任の回避に他なりません。(もっとも、この事は夫によって看破されます。)“ライオン”と“大自然”が事の本質を分かり難くしていますが、ようするに“家で飼えなくなったペットをどうしますか?”という話。別の飼い主を探すのか、何処かに捨てるのか、あるいは殺してしまうのか。本作はハッピーエンド。エルザはきっと幸せになったのでしょう。この夫婦は責任を果たしたと言えます。ただ、それは結果論であることも忘れてはいけないと思います。強者であることを自覚すること。そして謙虚であること。人が野生動物と付き合うための心構えだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-08 19:07:07)(良:1票)
1813.  LOFT ロフト(2005) 《ネタバレ》 
黒沢作品恒例“自分はこう読んだ”から。主人公はミイラ。彼女の恋物語と捉えてみます。彼女は、トヨエツ(自分を湖から救い出してくれた恩人)と愛し合いたかった。でも今の姿ではその想いは叶わない。そもそも彼女は自身の美貌を永遠に残そうとするほど、美への欲求が強かった。自分に相応しい生ける肉体を求めます。最初に求めたのは安達の体。その美貌、スタイル(同じ身長)は生前の彼女と酷似していたものと推測されます。安達にとり憑くミイラ。しかしすぐにその肉体を失い,再び相応しい体を捜すことに。安達にゆかりのある西島経由で、中谷を見つけたミイラは、中谷を操り安達の後釜としてあの家に住まわせることに成功します。(冒頭、中谷は泥を吐いていることから、この時点でミイラの関与が伺えます。)トヨエツにお姫様抱っこをされる中谷の姿は、移動の際に抱っこされるミイラの姿と重なります。ミイラは死後の世界の住人。トヨエツと添い遂げるにはあの世でなくてはなりません。トヨエツを湖底に引きずり込み、万事OK。本体を焼かれたミイラは、安達の死体を新たな魂の器に。トヨエツとミイラは湖底で永遠の愛を成就させましたとさ。そういえばトヨエツの貴族顔は、ミイラ世代にモテそう。LOFT=屋根裏部屋(物置)は、魂の置き場所(肉体)を意味しているのかなと思いました。いつもの黒沢テイストは感じられます。でも惹き付けられるものがありません。多分、画に問題がある。上手い画は随所にあります。でもオハコの怖い画に力が足りません。そういう画を撮るのが抜群に上手い監督なのに、どうしてしまったのか。幽霊が普通の人間にしか見えません。ミイラにしてもそう。ホラー上手の監督とは思えません。結果的に淡白な印象に。難解でも“もう一度みたい”と思わせるのが黒沢作品の魅力。その魅力に欠けていたのは残念でした。
[DVD(邦画)] 6点(2007-06-06 19:39:08)(良:3票)
1814.  大日本人 《ネタバレ》 
(松本人志の笑いは好きですが、ファンというほどではありません。また、パンフレット等解説書類には目を通しておりません。そういう立場での感想です。)序盤はおとなし目、中盤から終盤にかけて徐々にペースアップ。淡々としたリズムがボディブローのように響いて、笑いを誘います。MAXは板尾の獣と、ラストの実写。笑いを噛殺すのに必死でした。そしてこの時、本作が映画である理由が分かったような気がしました。映画(映画館で鑑賞すること)の特徴は、不特定多数で時間と場所を共有すること。隣の席には他人がいます。このことに意味がある。満員でノリノリの空気が出来上がれば、笑いは笑いを生みます。そうでない場合は他人の手前、声を出すことをはばかるはずです。つまり“笑ってはいけない”というシチュエーション。これほど“可笑しい”状況はありません。どちらにしても、映画館でしか味わえない笑いです。タイトルに“大”が付くことで若干ニュアンスが弱まっていますが、監督の日本人観を描いているのは間違いなさそうです。さらに映画論も垣間見られます。主義主張は伝わってきますし、どこを切り取っても“松本人志”を感じることが出来ます。本作は映画。それも映画館での鑑賞に意味がある映画です。正直、鑑賞直後の満足度はさほど高くありませんでした。でも思い返すとニヤニヤしてしまいます。六代目大佐藤の一挙手一投足が、あの受答えが頭から離れません。最後に公開直前に放送された番組『ゲツヨル』(5月28日放送・NTV系)について。この番組での松本の不遜な態度や、インタビュアーのヨイショぶりは目に余るものでした。何でこんなに自分でハードルを上げているのか不思議なくらい。しかし、これは本編に対する壮大な前フリ。この番組でカチンときた人ほど本編で笑えると思います。
[映画館(邦画)] 8点(2007-06-05 17:50:04)(良:1票)
1815.  サハラ(1983) 《ネタバレ》 
一昔前の邦画を観ているような。スケールだけはデカイけれど、それ以外はすべて安っぽいです。決して出来の良い映画とは思いません。けれど何故か微笑ましい。バカ映画としての良さがあります。ツッコまれることを厭わない大らかなスタンスとでも申しましょうか。みんな鉄砲に撃たれすぎ。主人公の銃の腕前は神か。仲間をほっといて逃げ出していいの。もうレースなんかどうでもいいじゃん。ツッコみ出せばきりがない。でも悪意が無いから許せます。というかあまり深く考えて作っていないはず。疲れているときにはこんな映画もいいものです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-06-04 19:30:42)
1816.  ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ! 《ネタバレ》 
自分が本シリーズに期待するのは、各種発明のギミックの面白さと疾走感溢れるアクション。どちらも十分に満足できるものでした。ただ、『ペンギンに気をつけろ』や『危機一髪』ほど鑑賞後の爽快感が無いのは何故なのか。ウサギとウォレスの精神の入れ替わり。正確には入れ替わったのではなく、影響しあったと言うべきか。結果ウォレスは月を見るとウサギ男に変身してしまう特異体質に。このウサギ男が結構キモイ。そして怖かった。それに元のウォレスに戻る過程に説得力が無いのも残念。一工夫欲しい。あと視覚効果にCGが使われていたのも。ひと目でソレと分かって、少々ガッカリしました。クレイアニメは粘土100パーセントの表現が売り。もちろん少々のCGで本作の価値がスポイルされることはありません。ただ、効率を追求しない作り手の心意気を感じたかった。不満な部分を挙げましたが、このクォリティで長編を作られては、平伏するしかないというのが本音です。もちろん次回作も心待ちにしています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-03 17:21:31)
1817.  あこがれ (1958) 《ネタバレ》 
少年の日の淡い恋心。そして悪戯。子供のすることは、すべからく純真で罪が無いというのは幻想です。行為自体は他愛の無いものでも、人を傷つけるのは容易い。少年の無邪気さは、残酷さを秘めています。そして少年は後悔するもの。自分の浅はかさを呪い、絶望する。消えない傷を負うことさえある。多分それは大人になるために誰もが通る道。痛みを知らずして、優しさを知ることはありません。本作は少年の心の成長に焦点を当てています。それは“性”と強く結びつくもの。ホースで水を撒くシーンは射精の暗示。集団で彼女を追いかける様はまるで精子。丸くて柔らかなテニスボールは…失礼しました。妄想が過ぎました。個人的には、もう少し毒があってもいいくらいです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-02 18:25:26)(良:1票)
1818.  ハービー/機械じかけのキューピッド 《ネタバレ》 
車が感情を持つ設定は面白いですし、それに説明が無いのも気にしません。ただ、物語の主軸をレースにするのであれば、ハービーの自走能力は不要と感じました。主人公の存在意義が薄れますし、勝利の感動も生まれ難いから。競技性の無いストーリーのほうが良いと思いました。5点…と締めてもいいのですが、せっかくなので面白解釈(妄想)をひとつ。ポイントは、“ハービーはスペシャルなのか”ということ。少なくとも唯一無二の存在ではありません。ハービーの彼女?も自走していましたし。この事から“全ての車は感情を持っているし自走もできる。”という仮説を立ててみましょう。車たちはその事実を隠しているだけ。『トイストーリー』と同様の世界観です。だとすると、ハービーは単にルール違反をしている無法者か。レースのライバルカーたちは、「俺だって好きに走らせてもらえれば、負けねえのによ。」と内心歯軋りしていたのでは。カークラッシュショウの車たちは、異端者への制裁に快感を覚えていたかも。ハービー「やあ、そこのマブイ彼女、ハイオクしない?」イエロー(彼女の仮名)「そんな、わたし困ります。」ハービー「大丈夫だって。夜中なら誰も見てないし。」イエロー「でもお父さんに怒られるもん。」こんな会話があったかもしれない。あるいは、かつて車たちはみんな自己主張をしていたのかも。それを認める大らかさが人間側にはあった。でも利益を追求するようになった人間は、彼らを認めないようになり、やがて車たちも口をつぐんでしまった。人間と車が共生していた世代の生き残りがハービー。つまり彼はラストサムライ。こんな想像も出来てしまいます。それを許してくれる作品は好き。なので+1点でお願いします。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-01 18:29:18)(良:1票)
1819.  アザーズ 《ネタバレ》 
見事に騙されました。でもアンフェアな印象はありません。振り返ってみれば、ヒントは豊富に出されていたことに気付きます。出し過ぎと思えるくらい。早々にオチに気付かれた方が多いのにも納得です。有名な類似作品もあります。分かってしまえば、気付けないのが不思議なくらい単純なロジック。でも優れたトリックほどタネは単純。真実をカモフラージュする技術が素晴らしいのは、映画も手品も同じです。真相を知ってから観る2度目の鑑賞も悪くないです。台詞の意味が違って聴こえます。ただ基本的に何も起きていない物語なので、オチのためのお話に見えてしまうのが少々惜しい。この家族はこれからもこの屋敷に居続ける。光の恐怖は去ったものの、喜びも消えてしまった。これもひとつの地獄。余韻は深いものがあるだけに、オチ抜きでも魅力的な物語性が欲しいと感じました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-31 18:23:05)
1820.  ミリオンダラー・ホテル 《ネタバレ》 
人はそれぞれ価値観を持っています。生きる上での基準。何が正しくて、何が間違いか。何が大切で、何がどうでもいいことか。ほとんどの人のそれは、社会が許容する範囲に納まるはずです。自分もそう。ホテルに集う人々のそれも、そんなに変わらない。ただ一人の例外を除いては。それがトムトム。彼が他の人々と違うのは、精神的な特徴に所以するのではありません。それはひとえに、彼がエロイーズに恋していたから。恋は価値観を一変させます。「エロイーズと出会って自分は生まれた」という彼の言葉からも、そのことが伺えます。ですから、本作の出来事は万人にとっては悲劇でも、トムトムにとっては違うはずです。イジーを結果的に殺めてしまったことも、あの結末を自ら選んだことも、社会的には許されません。でもエロイーズと過ごした時の重さの前では些細なこと。彼は幸福感に包まれて死んだはずです。人を想う力は世界を変える。そこに自分は、憧れと恐怖そして哀れみと虚しさを感じました。トムトム役のジェレミー・デイビスの演技は抜群でしたが、キーパーソンはエロイーズ。彼女には有無を言わさぬ美しさが必要でした。男が本能的に心を奪われるような。でもそれほどの美人でありながら、ホテルの住人の中に溶け込まなくてはならない。その難しい役どころをミラ・ジョヴォヴィッチは見事に演じていたと思います。普段は生気なく所在なげに。しかし、ふとした仕草や表情は男を虜にするほどに。トムトムと心を通わせるうちに、彼女はどんどん魅力的になっていきました。まるで死者が息を吹き返したかのよう。トムトムの死に客観的な救いがあるとすれば、この一点に尽きると思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-05-30 17:58:07)
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