1861. 日本侠客伝
《ネタバレ》 導入部分はちょっとごちゃごちゃしているのだが、材木運搬シーンあたりから一気に展開が凝縮されてくる。ただ材木を運ぶだけというテーマだけで、あそこまでの緊張感を維持しているのはなかなか。ただ、結果としてはその後はごく単純な収束で、俳優陣のキャラクターによりかかっている気がしなくもない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-06-08 20:01:31) |
1862. 赤線地帯
50年代というこの時期にこの対象に着目した感覚には瞠目したいが、ただ、描き方がいかにも通常のホームドラマチックで、その道を選ばざるをえなかった閉塞感や焦燥感というものが感じられなかった。なので、不協和音的な音楽だけが浮いています。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-06-08 19:57:12) |
1863. 初春狸御殿
アホな作品を作ろうとするのであれば、アホな部分はもっとシュールに突き抜けないといけないし、真面目な部分は徹底的に真面目に作らないといけない。全体的に、逸脱ぶりが中途半端な割に、「これはアホな作品ですから」という言い訳じみたブレーキが感じられて、結果、ネタがネタとして機能しないままに終わっているのです。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-06-06 00:16:10) |
1864. ロング・グッドバイ
冒頭の「ただ単に買い物に行くだけ」のシーンを延々引っ張るセンスには惹かれましたが、その後は、事件の起こり方も主人公の巻き込まれ方も中途半端で、結果、悪い方にダラダラしたまま終わってしまいました。もっとも、原作もそんなに好きではないのですが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-06 00:08:55) |
1865. ランナウェイズ
《ネタバレ》 原作がシェリー・カーリーで製作総指揮がジョーン・ジェットというところから若干覚悟はしていたのだが、リタ・フォードの扱いが異様に軽い(というか、ほとんど脚本上無視されている)のが、何とも残念。それから、肝心の演奏シーン(練習含む)やライブシーンで、そもそも彼女たち自身が少しも楽しそうに見えず、加えてカメラや照明もものすごく適当なのが、これもまた残念。結局、何がどうなって対立して分裂したのかも描かれていないし、そうである以上、最後の電話シーンにも何の感慨も湧かない。バンドの存在を後の世に伝える契機となったという点についてのみ評価する。 [DVD(字幕)] 5点(2015-06-04 01:08:27)(良:1票) |
1866. 西部に賭ける女
《ネタバレ》 ソフィア・ローレンがウエスタンというのはなかなか新鮮な面白みがありそうなのだが、その試みが成功しているとはいいがたい。せっかく彼女のキャラクターを得たのであれば、素直に主人公に好き勝手に行動させていればそれだけで絵になるはずなのに、変に周辺人物にあれこれさせようと動かしたのが、かえって雑然とした混乱を招いている。したがって、冒頭に「これは彼女の物語である」ともっともらしく言っておきながら、中身がそうなっていないのだよな。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-06-03 02:17:10) |
1867. コーカサスの虜
《ネタバレ》 捕虜交換云々という話だとは知っていたので、もっとはらはらする展開かと思っていたら、何とも牧歌的な雰囲気なので驚きました。あえてエンターテインメント性を排する方向をめざしたのかもしれませんが、それでも、前提としての敵味方の緊張感まで感じられないのは問題です。例えば、冒険家がどこかの集落にたまたま迷い込んで、戸惑いながらも何とか現地の民と交流する、というような場合と、あまり違いが感じられません。なので、いざ事態が変化して行動を要する局面になっても、何でいきなり慌ててるの?という感じになってしまうのです。 [DVD(字幕)] 5点(2015-06-02 02:22:50)(良:1票) |
1868. そうかもしれない
《ネタバレ》 例えば、夫がいきなり妻にたたき起こされて、イラッとして手を上げてしまう場面。夫はそれまで(例えば食事の準備ができた際に)妻にどのように接していたのか、このときはなぜ手を上げたのか、そもそも夫が手を上げたのはこのときが初めてなのかそうでないのか、というような、演技表現のごく基本ができていない(これは役者よりも、その人格設定に踏み込んでいない演出の責任)。一事が万事その調子。認知症というのは、すでにこの制作時点でも20年以上前から映画でもテレビドラマでも採り上げられていたのだから、この程度の表層的な形で満足していてはいけない。●例外は烏丸せつこで、実は彼女(作品時50歳!)目当てで見たのですが、登場時間は短いながらも安定の演技で、作品を救っています。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-06-02 02:09:57) |
1869. 永遠の僕たち
まったくの勝手な推測だが、ガス・ヴァン・サントは、前の「ミルク」が実在の人物を素材とする直球勝負作品という彼にとっては珍しいタイプのものだったため、その反動で、初期のような浮遊感(それとある種の虚無感)あふれる静謐な作品を作りたくなったんじゃないだろうか。しかし、漠然と死に近い人たちというイメージしか形成されておらず、各人物の核となるべき部分が確立されていないので、いくらそれっぽく作っても、後にドラマが残らない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-01 00:50:11) |
1870. ザ・インタープリター
こんなどこにでもあるような内容の作品で、主演にこの2人を投入しているというのが最大の謎。大体、主人公が通訳という設定がほとんど生かされていないのだが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-01 00:21:11) |
1871. サニー 永遠の仲間たち
肝心の学校時代の描写があまりにも陳腐で稚拙なので、そこから親友だの仲間だのといくら言われても、まったく何の説得力もありません。 [ブルーレイ(字幕)] 2点(2015-05-30 02:36:47) |
1872. 近松物語
《ネタバレ》 えっと、そんなに面白いと思わなかったのですが・・・周りの人は何かごちゃごちゃしていて、立ち位置がはっきりしない。肝心の二人も、禁忌をひっくり返そうというほどの情念や葛藤や緊迫感が感じられない(シナリオに即して動いているだけ)。最後の晒し連行シーンがなければ、まったく引き締まらないことになるところでした。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-05-29 23:47:26)(良:1票) |
1873. 狩人の夜
《ネタバレ》 あの前半に出てくるオバハンと母親は、映画史上に残るバカなんじゃないだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-05-28 00:48:14) |
1874. 弁天小僧
とにかく描写がとっちらかっているというか、各シーンがばらばらでつながってないというか・・・肝心の弁天小僧がいかなる人物であって、何がしたい存在なのか、ほとんど分かりませんでした。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-05-27 21:14:39) |
1875. 続・荒野の用心棒
《ネタバレ》 メインの酒場の前一面に広がる泥地。棺桶を固く手放さずひたすら引きずる主人公。この一瞬にすべてが巧妙に凝縮されている。あとはすべて、この意味を展開するための解説シーンです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-05-26 22:45:46) |
1876. ブラッド・イン ブラッド・アウト
《ネタバレ》 血なまぐさい抗争劇の中で3人の兄弟分が数奇な運命をたどっていく様は、まさにヒスパニック版「ゴッドファーザー」。あちらと違うのは、ヴィトーに相当する人物が存在しないこと。したがって、スタートからして無秩序で、全員がいつ次のシーンで死亡してもおかしくないヒリヒリした緊張感に包まれている。3時間あるのに無駄なシーンがない構成も見事。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-25 03:35:55) |
1877. 幸せへのキセキ
《ネタバレ》 キャメロン・クロウが監督として何が優れているのか、私はいまだに理解できないのだが、この作品でも、観念的なだけの人物造型や、机の上で考えただけのような登場人物の言動という習性は治っていない。なおかつ、一番まずいのは、動物園を題材としていながら、肝心の動物の出し方や映し方が、人間側の都合の良いようにしかなっておらず、単なる小道具の1つにしかなっていないこと。なので、ドラマはなくなり、作品構造としても底の浅いものになってしまっている。また、動物の飼育や園の経営のディテールを見事に素通りしているのも、対象に対する食い下がりが感じられない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-05-22 04:36:55) |
1878. レ・ミゼラブル(1982)
《ネタバレ》 実際の尺は3時間40分くらいあるが、内容はそんなに濃いわけではない。一番の問題は、ポイントとなるはずの場面で、そのポイントをついていないこと。ジャベルがマドレーヌに対面して、いきなりフォーシュルバン救出シーンになってしまう(前提としてのマドレーヌへの敬意がないので、後のシーンが引き立たない)。ジャベルの一言でファンティーヌがこときれるシーンがない(ジャベルの冷徹さが表現されない)。バルジャンがコゼットの救出に行った際、テナルディエが悔しがる一幕がない(バルジャンの人格的大きさ、テナルディエのバルジャンに対する屈辱感が表現されない)。修道院に逃げ込む際の「壁上がり」がない(スリルを削ぐとともに、バルジャンの肉体に刻みつけられたものの深さが物語られない)。等々、脇道には結構あちこちに反れている割に、肝心の所が押さえられてないのです。唯一、他の作品より深かったのは、エポニーヌの扱いが丁寧なこと。というか、どうみてもコゼットより出番多いぞ。あと、ファンティーヌが堕ちていく下りを、顔面アップのストップモーションの変化で表現したのは、衝撃でした。 [DVD(字幕)] 5点(2015-05-19 02:33:15) |
1879. 山椒大夫
《ネタバレ》 奥方の田中絹代、遊女の田中絹代、そして老婆の田中絹代。この3発の爆撃だけであまりにも強烈。これぞ役者、これぞ俳優。●映像面で印象に残ったのは、実は、最後の感動の再会からさらにその後、カメラが遠景を捉える中で、漁婦が黙々と作業を続けている風景。親子の再会という壮絶なドラマも、誰も気づかない、一番近くにいる人すらまったく気づかない中で、ごくひっそりと行われている。かつて存在した無名の町民・村民に対する製作者の祈りすら感じる。●姉弟を兄妹に変更してしまったのは、やはり大いに違和感がありました。荘園内での成長上の変化や、逃亡の決断のシーンに説得力がありません。 [映画館(邦画)] 8点(2015-05-17 01:36:33)(良:1票) |
1880. ロビン・フッド(2010)
どうやっても、マキシマスとエリザベス女王にしか見えないのですが。そもそも、ラッセル・クロウの演技にやる気が感じられません。あと、画質がやたら汚いのが気になります。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-05-16 02:51:37) |