1861. お熱いのがお好き
《ネタバレ》 時代が変わり、笑いのツボが変わり、若い頃に観て大笑いした人が中年になり、年をとって何度見直してもやっぱり楽しいコメディの大傑作だと思います。観る度にこの作品が大好きでたまらない人と10人くらいで集まってお酒でも飲みながらこの映画の楽しさを語り合いたくなりますね。「ジャックとトニーの掛け合いがやっぱ最高でしょ!」「僕はダフネが求婚されて浮かれて踊ってるシーンが一番笑ったなあ!」「ワタシは夜汽車のパーティーが楽しかったなあ!」「俺はマリリンが可愛くて最高だった!」「あの二組のデートの夜も楽しかったんじゃない?」「そうそう!」「分かる、分かる!」なんてね。一晩中でも盛り上がれそうじゃないですか!これはそんな映画だと思います。ダフネさん、ジャック・レモン・ファンの僕にとってはいくら女装して裏声で話してもその笑い方で一発でレモンさんだと見破りますよ!そして永遠のセックスシンボルなんて称されるマリリンですが、僕にとっては本作でもみせてくれるようにやっぱり可愛くてチャーミングなマリリンなのです。あの見事なまでにあっけなく素晴らしいラストまで最高のテンポの良さで楽しませてくれるワイルダーの見事な脚本と語り口。10点満点です。 [DVD(字幕)] 10点(2009-06-04 00:09:41)(良:1票) |
1862. 最後の猿の惑星
《ネタバレ》 録画したのは随分前ですが、やっと最後まで観ました。面白くはなかったけど、「猿は猿を殺さない」そして「猿は猿を殺してもよい」、「復讐なら殺しは許されるのか」・・・我々人類の祖先も文明が生まれて集まって暮らす社会ができた時、同じ人類は殺してはならない、でもその掟を破る者が初めて出た時、本作のラストのような苦悩があったのかもしれないですね。しかし「未来を再建しよう」と猿と人間が共存するこのラストは好きです。そしてロディ・マクドウォールさん、最後までよく頑張りました。お疲れ様でした! [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-06-02 21:01:19) |
1863. ブッシュ
《ネタバレ》 名門の家柄に生まれた息苦しさ、偉大な父や子供の頃から優秀な弟へのコンプレックスなど、昨年退任したブッシュ元大統領がそんな重圧や苦悩を抱えて生きてきた若い頃から現在までの人生の物語がメインになっています。過去のオリバー・ストーン監督の見応え感たっぷりの大統領ものと比較すると2時間程度でコンパクトにまとめられ、比較的軽いタッチで描かれており、ちょっと物足らなかったですが、過去にストーン監督が取り上げたケネディやニクソンといった色んな意味で伝説の大統領と比較してはブッシュさんも可哀想でしょうか。 [映画館(字幕)] 5点(2009-05-31 18:39:35) |
1864. 愛に迷った時
《ネタバレ》 ハルストレム監督の作品を色々観てから本作を鑑賞。ハルストレム監督は僕の大好きな監督の一人なのでオープニングからドタバタ感全開の雰囲気とノリのいい音楽で、いかにもアメリカン・コメディという感じに「え!?これがハルストレム?」という違和感を感じました。まだ彼がアメリカに渡った初期の頃の作品。日本には「郷に入れば郷に従え」という諺もありますが、必要以上にアメリカを意識しすぎたのかもしれませんね。作風はハルストレム監督らしくないですが、のどかな田舎町を舞台に描かれているテーマにはハルストレム監督らしさも感じられます。人生それ程簡単に事は運ばないながらも一度は気持ちが離れてしまった主人公夫婦の今後の人生に希望を感じさせてくれるラストの爽快感にもやはり、これもハルストレム監督の映画なんだと納得させられました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-31 18:26:54) |
1865. コーラスライン
《ネタバレ》 一度聴いたら忘れられない名曲“ワン”に迫力あるダンスも見応え十分。限られた空間の中、たった一日のオーディションという限られた時間の中、最終選考に残った男女の魅力、一人一人の性格や特徴もよく出ていたと思います。華やかな舞台に立てるのはほんの一握り。その舞台裏ではチャンスを掴もうとその舞台に挑み続ける多くの若者達がいる。彼らのそんな熱い思いがうまく描かれていたのではないでしょうか。そしてマイケル・ダグラスが素晴らしかった。キャシーに関しては、彼女が登場する度にオーディションの緊張感や作品の流れに水をさすようで作品の中で一人浮いた存在になってしまっていたのが残念です。やはり皆さん同じ感想ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-30 17:47:54) |
1866. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 暴力が更なる暴力を生み出し、世界中の紛争地域のいたる所で今も、そして過去にもこんな悲しくどしようもない現実がどれ程繰り返されてきて、人間はこれからも続けていくのでしょうか。繰り返し観たいと思う映画ではないですが、俳優陣の熱演が本当に素晴らしく、一見の価値のあるいい映画であると思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-29 21:21:54) |
1867. ジェラシー(1970)
《ネタバレ》 やはりエットーレ・スコラ監督はちょっとほろ苦く切ないコメディの達人ですね。同監督作品「あんなに愛しあったのに」でもおなじみの映画の登場人物に物語の進行を委ねるような語り口が楽しいです。数々の素晴らしい映画監督とコンビを組んできたマストロヤンニですが、僕はスコラ監督作品のマストロヤンニが最も好きです。本作でもそうですが、決して悪い人間ではないけれど不器用でどこか哀愁漂うも可笑しい。こんな男を演じると絶品の素晴らしい演技を見せてくれますね。一人の女に二人の男、この三角関係の物語は悲しい結末となりますが、自由奔放に生きる女性を魅力たっぷりに演じたモニカ・ヴィッティ、マストロヤンニの恋敵を演じたジャンカルロ・ジャンニーニ、アルマンド・トロヴァヨーリの耳に心地いい音楽も印象に残るスコラ監督の職人技が冴える佳作です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-27 20:36:15) |
1868. 勇気あるもの
《ネタバレ》 仕事でミスをして失業中で人生に行き詰まっていた男がやっとありついた職が軍隊で落ちこぼれの連中を指導する臨時教師の仕事。しかしこの不器用な男には教師の経験など無い。この男を演じるダニー・デヴィートがいい味出しまくりでこれはハマリ役でしたね。とても微笑ましく、心温まるイイ先生ぶりでした。教師と生徒が次第に心を通わせ互いに成長していくというかなり分かりやすいストーリーですが、随所に印象に残るシーンや台詞があり、その一つ一つがジワリジワリと心に響きます。ラストもいいですね。さすがはペニー・マーシャル監督。本当にいい人間ドラマを見せてくれます。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-24 18:56:35) |
1869. 變臉~この櫂に手をそえて~
《ネタバレ》 変面王を演じた朱旭(チュウ・シュイ)の名演技が素晴らしかったです。それだけでも観てよかったと思える映画でした。そしてクーワーを演じた女の子には参りました・・・。まだまだ知らない名子役がいるものですね。人身売買や役人の不正、不正があると分かっていながら厄介事にはフタをして自分の利益になる事にしか興味が無いような特権階級の存在、そしてそれらとはあまりにも対照的な人観音と呼ばれるリャンさんの高潔な人柄、あまりにも健気なクーワーの変面王への無償の愛を通して人間にとって本当に大切なものは何なのかを訴えかけているように感じられました。 それにしても「山の郵便配達」の犬に本作の猿と中国映画の動物は本当にいい演技をしますね! [ビデオ(字幕)] 9点(2009-05-23 02:05:26) |
1870. ミッシング(1982)
《ネタバレ》 一人のアメリカ人男性の父と妻が彼の南米チリでの失踪の真相を追究した果てに見せつけられたアメリカの持つ恐ろしい側面。そして何ともやりきれない結末に終わり、何度でも観たいと思う映画ではないですが、この映画のジャック・レモンとシシー・スペイセクの2人の素晴らしい演技を観ることが出来てよかったと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-20 00:37:52) |
1871. アメリカ,家族のいる風景
《ネタバレ》 まだ幼い息子と再会を果たし妻を捜す旅に出た「パリ、テキサス」。あれから20年が経過した。本作の主人公ハワードは初老の男。再会を果たす子供も成人している。確かにあれから20年経ったんだな、と感じる設定ですが、「パリ、テキサス」に似た雰囲気があります。ハワードは有名な俳優であり、いい年をした男が映画の撮影現場を無断で放り出して向かった先が何十年も連絡もしなかった母の元であり、何十年も前に別れて音信普通だった女の元であり、会った事も無い子供の元である。ハワードの無責任さと甘さがずっと気になって仕方がなかった。という訳で主人公にあまり感情移入できなかったのですが、このラストに持っていくには説明不足の感はあるものの、本作の明るいラストはハワードの余生と家族のこれからに少し希望を感じさせてくれました。 [DVD(字幕)] 5点(2009-05-18 20:57:50) |
1872. ラスト、コーション
《ネタバレ》 自分がその後どうなるかをかえりみず「逃げて…」と言ってしまった女と、そのお陰で命拾いをしたその女に対し処刑の命令を下さなければならない男。お互い本心をさらけ出せない男と女の心の葛藤が観ていて切なく、決して鑑賞後に残る余韻もいいものではない。自分の好みの映画ではないですが、アン・リー監督、主演の2人をはじめ作り手の作品への熱い思いが伝わってくる、見応えのある映画です。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-17 00:10:27) |
1873. レット・イット・ビー
《ネタバレ》 60年代の地球上を熱狂の渦に巻き込んだビートルズだがこの頃には4人、特にジョンとポールの不仲は決定的なものになっていた、なんて事がよく言われるしそんな風に書かれている本を読んだ事もある。しかし本作を見る限り彼らは確かにビートルズという1つのチームだし、実際にジョンとポールは笑顔で、ノリノリで息ぴったりの素晴らしいプレイを何度も見せてくれる。楽しそうに談笑したりふざけている様子や、そしてポールがジョンにジョージの事を相談するシーンがある。ポールの本音の相談に真剣に耳を傾けるジョン。こんなとても素敵で感動的ですらある4人の姿がいっぱいあります。この作品を観ると4人のビートルズへの思いや友情は変わらないものであったと思えるのです。しかしアップルの事、マネジメントの事、4人のプライベートの事など彼らの周囲には様々な問題があったのでしょう。このフィルムを見ていると、解散が避けられそうもなかったこの時期に作られた曲の歌詞には彼らのどうしようもないという思いが溢れ出ていて胸を打つものがある。有名なアップルの屋上での最後のライブの彼らの姿からは今のビートルズの姿をファンに残したいという彼らの熱い思いが伝わってきます。実に感動的なドキュメンタリー・フィルムでした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-05-15 20:03:17) |
1874. グラン・トリノ
《ネタバレ》 中盤まではイタリア人の床屋やアイルランド人の建築屋とのやりとりや、ウォルトと東洋人の隣人とのやりとりがコミカルで楽しい部分もあり、(ウォルトの「う~~」という怒りを噛み殺すうめき声にはかなり笑いがおきてましたね・・・)そしてずっと「気安く呼ぶな」と拒絶されていたけれど最後には「ウォルトでいい」と受け入れられた若い神父の人間味あふれる魅力も忘れられない。そして終盤は思いっきり気持ちよく感動させてもらいました。監督クリント・イーストウッドが俳優クリント・イーストウッドを葬送するかのようなラストシーンにはただ涙・・・。人間臭さが漂い、決してスマートではないけれどもカッコいい。男が男に惚れる、最後までそんな強い男の姿を見せ続けてくれたのがとても嬉しかったです。 [映画館(字幕)] 10点(2009-05-14 22:13:33)(良:2票) |
1875. ブルースが聞こえる
《ネタバレ》 二ール・サイモンの自らの体験を脚本、映画化した作品です。このノスタルジックな雰囲気がたまりません。第2次世界大戦末期の軍隊が映画の舞台なのですが、そっちの方の描写はゆるいです。ただ、新兵を鍛える鬼軍曹役のクリストファー・ウォーケンが素晴らしかったし、この頃がデビューになるのかな?ぺネロープ・アン・ミラーの可愛らしさなどが印象に残る良質の戦争の時代の青春を描いた映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-11 20:06:47) |
1876. おしゃれ泥棒
《ネタバレ》 オードリーのラブコメ・サスペンスでは「シャレード」の方が好きなのですが、「おしゃれ泥棒」もとても楽しくて大好きな映画です。いくつになってもやっぱりキュートなオードリーが魅力的で、楽しい脚本に、楽しい音楽に、巨匠ワイラーが軽妙にテンポよく見せてくれるストーリーもやっぱり楽しい。これらの要素に、見逃せないのがピーター・オトゥール!オードリーの魅力と、ちょっととぼけた泥棒さんをコミカルに演じたオトゥールのいい味があったからこそ、ここまで楽しさあふれるいい映画になったのだと思います。盗みに入った美術館で警報機が鳴るシーンやオードリーが掃除のパートさんに変装して盗みが発覚するシーンの楽しい事!そしてオチも楽しく、やっぱりこんなに楽しい映画のラストはめでたし、めでたし、これでいいんですよね。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-05-10 21:48:18)(良:1票) |
1877. 新・刑事コロンボ/かみさんよ、安らかに<TVM>
《ネタバレ》 確かに展開も警部の仕掛けたトリックも分かりやすすぎましたね。警部が犯人を追い詰めたラスト、警部が犯人に平手打ちを食らったのは初めて見ました。犯人の悲しき復讐心が印象に残る一話でした。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2009-05-10 01:09:07) |
1878. 刑事コロンボ/仮面の男<TVM>
《ネタバレ》 CIAの部長に圧力をかけられても「私は殺人事件を抱えているんです」と一歩も怯まずCIAの部長に対しいつもの質問攻撃を仕掛ける警部がカッコよかったです。ラストの犯人のアリバイ作りのテープが墓穴を掘ることになるラストも警部の執念の捜査が実っての粘り勝ちでしたが、最後の笑い話は面白かったですかね・・・? [地上波(吹替)] 6点(2009-05-10 01:04:27) |
1879. きれいなおかあさん
《ネタバレ》 離婚して経済的にも苦しく、難聴というハンデを抱えた小さな子供と二人三脚で頑張るお母さん。コン・リーにはこんなお母さん役がよく似合うし本作での彼女の演技は素晴らしかったと思います。いつも息子と一緒で荷台付きの自転車に二人で乗り、新聞配達をしながら発音練習をするシーンが実にいい。典型的な金持ちの嫌な男や、お金は無いけど典型的な善人であるファン先生といった登場人物も、親子が奮闘する様子もよく見かける展開ではあるのですが、ずっと精神的に無理をしてきたけれど、ありのままの一人息子と今の自分を受け入れたかのようなラストはあっさりとはしていますがとてもいい終わり方でした。分かりやすい良質のホームドラマだと思います。 [DVD(吹替)] 6点(2009-05-09 16:51:28) |
1880. フォレスト・ガンプ/一期一会
《ネタバレ》 トム・ハンクスの映画では最も好きな作品です。スクールバスのジェニーの隣の席が空いていた事、軍隊で素晴らしい仲間や上官と出会った事、これらは運命と言えば運命、偶然と言えば偶然。最初はどんな出会いもほんの偶然で、その偶然の出会いが後々いくつ運命の出会いだったと思えるかどうかは本人の生き方次第なのでしょう。フォレストの人生を見ているとそんな風に思えました。まさに一期一会、実にいい邦題です。彼の人生をアメリカの現代史と重ね合わせる展開になっていますが、僕にはそっちの方はあまり印象に残っていない。フォレスト・ガンプという1人の男の人柄と生き方に惹かれた。そしてママの教えが素晴らしく、その通りに生きてきたフォレスト。そしてその教えがフォレストJrに受け継がれていくような希望を感じさせてくれるラストもとても良かったと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2009-05-06 21:21:06)(良:1票) |