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ボビーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1016
性別 男性
ホームページ http://blog.livedoor.jp/gepper26/
年齢 37歳
自己紹介 いつまでもこどもでいたいから映画は感情で観る。その一方で、もうこどもではいられないから観終わったら映画を考える。その二分化された人間らしさがちゃんと伝わってくる映画が好き。

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1.  デス・プルーフ in グラインドハウス
くっっっっっっっっっっっそ、おもろいやないかーーーーー!!!!!ケツ、吹き飛ぶてっかてかのエロい足、女子パンチ、女子後ろ回し蹴りに、女子美脚踵落とし!序盤のガールズトークの不毛さゆえにラッセルに肩入れしてしまったが、2幕でも繰り返されるガールズトークでは女子たちのステキさに肩入れし、「またしても…嫌だ」って思わせてからのハイパーカタルシス!こんな馬鹿でエロクてグロい映画は法律で規制されるべき麻薬映画だ。観賞後、即座に二度目を観たのは言うまでもないわ。
[DVD(吹替)] 9点(2012-12-17 23:44:05)
2.  ダイアリー・オブ・ザ・デッド
本作はモキュメンタリーが流行った最中に作られ、2012年現在ではもはや確立したひとつの手法として定着し落ち着いた印象はありますが、そんな新進の技法をロメロ監督が用いて撮ったのには、二つの理由がわかりやすく明示されていました。まずはモキュメンタリーが生み出す「現実と虚実の見境がなくなる」という効果。あたかも実際に起きた事を誰かが撮ったような実在感を安っぽいホームカメラ画面が生み出します。まさにYouTubeで「偶然」観てしまったようなショッキングさがあります。ある意味、等身大サイズのゾンビを同等の目線で捕えられる題材としては優れているのかも知れません。また、上記にも述べたYouTube等で「プロ=お金をもらって」やっている立場ではない者たちの挙げる情報・映像に対しての批評性を、もう如実に台詞でも映像でもグイグイ押し出してきます。ロメロ監督らしく、意義のある試みだと思う一方で、テーマに対する観客の能動性を妨げるほどの説明過多を感じずにいられませんでした。それに関して譲歩するならば、”登場人物達が素人でしかない”という根本的な設定から必然的に、あるいはあえての試みだったのかも知れません。つまり「素人には結局伝えたいことは伝え切れない」というようなこともあるのかも知れません。メタな情報社会へのアンチテーゼとも受け取る事ができます。しかしながらどれだけ譲歩しても終始、台詞により心情吐露は積み重ねられるほどに鬱陶しく、終盤での撮り続ける決意に関してもそれは作品上の都合でしかなかなったように思われ、どうも腑に落ちない終焉でした。個人的には前作「ランド・オブ~」ぐらいの明解さと、こちらに解釈の余地を残して下さった作りの方が好きです。それでもやはりロメロ作品の珍品としての意義は残るように思います。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-17 01:50:19)
3.  きょうのできごと a day on the planet
とても和める居心地の良い作品。この映画は群像劇であるが、群像劇を製作するのはとても難しいと思う。登場人物が多い分、一人一人の性格や個性が観客に伝わらず薄れてはならないし、かと言ってダラダラと長い映画を使って説明しては、飽きてしまい、このせっかくの穏やかな雰囲気が台無しにしてしまう恐れがある。だからこそこの映画は凄い。いや、行定勲監督の演出力が凄い。この映画の登場人物一人一人が個性的で、かと言って一人一人がでしゃばり過ぎていない。まさに絶妙だった。そして、若手俳優が数多く出ている。個性的な役者揃いで、とても豪華だったと言える。そして僕がこの映画を観ようと思った理由でもある、田中麗奈の存在。しかし僕が今まで映画で観てきた田中麗奈の役柄的な雰囲気、イメージとは大分違っていた。その今まで観てきた役柄的イメージは、全て真面目で冷静でしっかりとしたお姉さんと言った雰囲気が漂ったものが多かった。しかしこの作品での田中麗奈は違った。中沢の一言でパッと明るくなったり、突然また暗くなって落ち込んだりもする。まさに“可愛い女の子”と言った感じだった。さらに関西弁を話す事によって、明るさが何倍にも増し、柔らかさが生まれ、今までの田中麗奈になかった、純粋に“可愛い女の子”がスクリーンの中にいた。この映画はそんな田中麗奈同様、個性的な役者達の素晴らしさが光る作品だった。そして漠然とした、ありふれた日常の出来事の和めるストーリーと若手俳優達の演技の魅力によって包まれた素晴らしい作品だったと思う。
[映画館(邦画)] 7点(2012-09-04 14:30:55)
4.  フラガール
泣きました。とにかく泣きました。これでもかってほど泣きました。感覚で言えば、半分くらいの時間泣いていたような気がします。映像の美しさに涙し、役者の演技に涙し、ストーリーの素晴らしさに涙しました。そして、観客の多くが一体になって映画を楽しみ、また涙しているその空気にも感動しました。左隣に座る老夫婦のすすり泣く声や、右隣の強面のおじさんが涙を拭う姿が視界に入り、また涙しました。観客の思いを一つにしてくれる映画です。ひさしぶりに、映画館の巨大なスクリーンで映画を観る事の醍醐味というか素晴らしさを痛感させられました。できればまた映画館へ足を運び、あの感動をもう一度味わいたいです。
[映画館(邦画)] 7点(2012-09-04 14:30:11)
5.  善き人のためのソナタ 《ネタバレ》 
超国家主義のもとで、国粋に徹していたシュタージのヴィースラーは、孤独だった。仕事場は光の届かぬ暗い部屋で一人。仕事が終われば待っているのは、誰もいない夜の部屋。彼の人生はあまりにも寂しく冷たいものだった。人は、立場によって善悪の見方は変わる。ヴィースラーが正義と信じた世界は、あまりにも冷たい世界だったが、ヴィースラーはそれを当たり前と信じて疑わなかった。だが彼は、明るく透明な太陽の光が差し込む、暖かなゲオルクとクリスタの部屋に温もりを感じてしまった。儚く消え入りそうな不自由の中の情熱的な自由。一曲のソナタ。彼の心にジワジワと今まで感じたことのなかった温もりが、全身に広がっていく。自分の意思とは反比例するように、身体はその温もりを欲していた。失うことを恐れていた。だから彼は守ったのだと思う。だから彼は見失ったのだと思う。彼は、それを行っていた間、幸せだったのだろうか?ぼくにはそれはわからなかった。だけど、彼が最後に手にした一冊には確かに温もりがあった。間違いなくあの一冊は、彼の人生に幸せを刻んだに違いない。孤独な彼を救ったのは、他人の人生の温もり。彼はあの後、どうなったのだろう?それが気がかりだけど、そんな心配は無用なのかもしれない。ラストに彼が言ったあの台詞。あれが全てのような気もする。 (蛇足ではありますが)演出、ライティング、カメラは本当に素晴らしかった。特に、ソナタを演奏する場面のシーンバック。孤独と二人、抜けの画の暗闇と、対称的に明るい照明、無機質な盗聴器を入れ込んだ画とピアノを入れ込んだ画。全てが似ているサイズで撮られているが、そこに映っているもののあまりの違いに芸術を感じました。
[DVD(字幕)] 9点(2012-09-04 14:29:22)(良:3票)
6.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
作品の中で非現実的なタイムリープをやりたい放題行っているのに、目が向くのは、現実的な三人の行くへだけ。聞きたいくない事、やりたくない事、やられたくない事、やってしまった事。主人公の少女は自分の想い通りにしたいが為にタイムリープを繰り返し、ミスをやり直すためにタイムリープをし続けた。その結果、彼女は取り返しの付かないミスをする(ここでの葛藤は、観ているこっちまで苦しくなる)。無邪気に使っていた事を後悔し、やり直す事のできない現実に涙を流す。そして、彼女が最後にしたタイムリープは、自分の為じゃなく、大切な人の為。そして未来の自分の為。彼女は少女から大人になる為に、進むべき目標を見つけた。あぁ、この映画はなんて素晴らしいのだろう。今を楽しむという、青春の原点を思い出させ、そして見せ付けてくれる。あぁ、素晴らしい!あぁ、高校生に戻りてぇー!
[映画館(邦画)] 9点(2012-09-04 14:28:53)(良:2票)
7.  ディスタービア
ぼくはある問題を除けば大変楽しく観れました。主人公の見えるとても狭い空間の中だけで進む物語、序盤のティーン向けのラブコメから終盤に向けてまさかのスリラーになっていく構成、そして主要キャストの豊かな芝居。期待していた(突き抜けに馬鹿まっしぐらな映画?)よりもずっと考えて作られている作品でした。序盤の裏窓のような「覗き行為」から発展するラブストーリーと、目撃してはならないものを見てしまった故のスリラー展開。主人公の目的の移行と共に好奇心は絶やされる事無く目紛しく展開が変化するので、すごく新鮮さを得ました。その構成を思いつき、それを成立させた技量は関心せずにはいられませんでした。まさかD・J・カルーソー監督の作品でこんな新鮮さを味わえるとは思っても見なかったので大変満足しております。デビッド・モースの外見的に取り繕われた誠実さに潜んだ悪意のある役を演じる上手さは、本当にお見事です。ただこの作品には問題があり、それは指摘せずにはいられない問題です。それは冒頭の父親との離別の件が後半で伏線として回収されないのは小さくない問題だと思います。個人的に、あの事故に彼に過失はないのは一目瞭然だが、それによって後遺症のように彼の足を引っ張る要素を彼が背負っているようにまるで見えない。極端なほどの人格の落差もなければ、荒んでいる様子もない。それが彼の最終的な変化や葛藤に絡んでこないなら、いっその事、“一年後”の設定以降から物語が始まってもなんら問題ないと思います。ただ、それが上手く物語と絡んでさえいたらもっと良くなっていたと思うから、とっても残念です。
[DVD(吹替)] 8点(2012-08-03 04:28:03)(良:2票)
8.  マイレージ、マイライフ
常に出張続きの主人公の人生には、「背負う」ものが何もない。つまりそれは「何かの為には生きていない」ということの裏付けで、彼には「人生における目的意識や願望」がないというふうに見えました。そんな彼にある唯一の目的は「1000万マイル貯める」という、その件にまったく無関心な人からしてみたらあまりにもどうでもいいし、空しい目的のようにも思えます。が、彼にはそれしかないという寂しい現実です。そんな彼の内面的な部分を覆い隠すかのような爽やかでテンポの良い序盤で、“彼が紛らわしている内心”というのを重複的に表現しており、J・ライトマン監督の演出力を実感せずにはいられませんでした。ライトマン監督は「偽っている本心を無意識的に隠している偏屈な人」演出がとっても上手で、それだけでも映画を観ている実感を得られて気持ちいい。アナ・ケンドリックさんの多くを過信し、理想で心が埋め尽くされている姿はすごく普遍的で在り来たりに見えるけど、あのデフォルメなしにありのままの23歳の姿が映画内では妙に新鮮で親近感と愛しさを覚えずにいられませんでした。また、ヴェラ・ファーミガさんの心境は実に大人で、その心理を十分に理解するのは難しいけど、きっとそういう感情はあり得るんだろうなーっと関心。そして羨ましいと思うぼくの若さ!という具合に主要人物の心理描写がとても豊かで、それだけである意味成り立っている物語だと思いますし、落差を間違いなく産み、対立構造も発生するであろうその丁寧な人物設定が素晴らしい。ただ、落差はあるし、葛藤もあるのだけれど、クライマックスでもう少し彼らの今後を期待させるような情緒的な場面があっても良かったような気もします。
[DVD(吹替)] 8点(2012-07-28 05:27:28)
9.  かもめ食堂
この作品には基本的に葛藤が描かれていない。主人公である女性は常にポジティブで、例えお客がどんなに来なくても、文句も愚痴も決して言わない。だから観ているこっちといては感情移入できたとしても、心の揺れ動きが描かれていないためさほど感動はしないし、出来ない。だが、それでもこの作品を好きになってしまうのは、その主人公の女性が本当に魅力的なのだ。優しくて、穏やかで、上品で、まさに日本を見ているような心境になり、感情移入というよりは、応援したくなる。それはやはり作品の中でも同じ事が言える。店に入ることを躊躇していたフィンランド人も、彼女の穏やかな笑顔に釣られて、入ってしまう。入ってしまうと彼女の優しさに触れてしまい、離れられなくなる。彼女の周りには終盤に向かうに連れて、人が次々集まってくる。ぼくは不思議な心境にとらわれた。この作品は主人公に感情移入するのではなく、お客に感情移入してしまうのだ。ぼくらは画面、あるいはスクリーンという名のショーウィンドウの向こうから“かもめ食堂”を覗いているのだ。だから、観終わった後、無償に豚のしょうが焼きやおにぎり、玉子焼きや鮭の塩焼きが食べたくなるのだ。入りたい、あの店に行ってみたい、そう思ってしまうのだ。ぼくはこの作品は凄い作品だとおもう。
[DVD(邦画)] 7点(2012-07-27 19:56:03)
10.  サイン
脚本の起承転結のプロットポイントが明解で、その作りがとても計算された構成で丁寧かつ綿密な作りであるということを凄く感じましたが、問題があるとすればルックスにあるように思います。まず、シャマラン監督の良さは「既存の概念の裏切り」だと思っていますので、見せない演出に関してはとても巧みだと思います。見せないことで既存の想像力によって見えていることよりも豊かに緊張感や恐怖心を膨らませ楽しむことが出来ました。ただ、その逆の見せる演出となると逃げ腰で、ディテールに自信を持っていないのを露呈するかのような表現に終始走っており、その最大の問題点はそれがあまりにも表現ではなく誤魔化しているようにしか見えないことです。それゆえ終盤に向けて急速に緊張感と高揚感が薄れて行くのを感じずにいられません。ただそういった圧倒的なマイナス要素はありますが、重複的に重なり合う監督の描くテーマそのものは好きなので評価します。
[映画館(字幕)] 7点(2012-07-26 04:19:22)
11.  ごくせん THE MOVIE 《ネタバレ》 
注意事項①いずれの理由があるにせよ一般企業に許可なく立ち入るのは不法侵入になります。注意事項②生中継されるような状況で、許可なく舞台に関係者以外が登壇しようとした場合、警備はいずれの理由があるにせよ取り押さえる必要があります。注意事項③生中継がされるような現場では多数の来場者が予想される為、警察の監視下にあるべきです。また、不足の自体が発生した場合警察は迅速克つ速やかに自体の収拾に取り組む必要があると思います。注意事項④東京都暴力団排除条例で世間を賑わす今、やくざをある種、正当化する設定を基盤とした安易なこの暴力映画を地上波で放送する行為そのものをいかがお考えでしょう。注意事項⑤いわゆる“不良”と称される自ら物事を社会性を持ってして柔和かつ細部への情報分析のできない若者がこの作品を見た場合、最後の台詞が命取りとなります。説明しますと「お前ら良かったな、こんな先生に会えて」つまり、このような自由法認主義、暴力に暴力で解決する教師が不良と称される若者教育には正しいと言っていることになっているのと、このような教師でなければ「犯罪者」になる可能性すら暗示し、その根拠なき思想を押しつけています。ぼくにはどれもこれも納得いかない、まったくもって見当違いなことを延々、都合良くやり通すこの作品の人物たちに憤りや呆れを通り越して絶望しています。
[地上波(邦画)] 0点(2012-06-29 23:21:23)
12.  ぼくのエリ 200歳の少女 《ネタバレ》 
エリに尽くし続けた男は、エリを守るため、 自らの額に酸をかけた。あの男も、少年と同じように、 人付き合いの下手な弱気な男の子だったのかもしれない。 あの男の昔がもしかすると少年で、少年の行く末がもしかするとあの男で、それが何年も何十年も繰り返され、それさえもエリの中では計算されているのかも知れない。 などと、いくらでも深読みはできるし、観客に勝手気ままに想像させるために意図的な説明少なな内容にしているようにも捉えれる。 透き通るような白く透明なエリの立ち姿が血に染まった時の、 背筋が凍るような恐怖は、あまりにも新鮮で、 ある意味、どんなバイオレンスなシーンよりも衝撃的に見えた。 唯一、自分の本心に気付いてくれたのがたまたまエリなだけだった。 唯一、自分の身を真剣に心配してくれたのがたまたまバンパイアなだけだった。 唯一、エリの存在を知ったのが彼なだけだった。 小さな恋のメロディのように否応なく、惹かれてしまった無垢な心が引き寄せた愛情。 殺戮と捉えたのは人間。 猫がネズミを襲い、ネズミが虫を襲い、虫が植物を食らう、 その連鎖の人間の先にいたのがバンパイアなだけ。 思い込みの枷が外れた瞬間の人間は、きっとエリのために人を殺す。 悲しみに満ちた彼の未来を想うと心が痛い。 ただ、説明がほとんどないのは素敵だが、 最後があまりにも伏線なしで、唐突に思えた。 両親はどうした?二人だけで生きて行くの?プールでの殺戮はスルーできたの?様々なもやもやが残りながらのあのラストシーンの、モールス信号でのやりとりは素敵だけど、やりたいだけだでは全てを圧倒するほどの説得力満たしていなかったように想う。でも、クオリティーはすごく高い。日本こそ、こういったローバジェットで制作できそうな脚本勝負の作品にトライすべきだとすごく思った。 
[DVD(吹替)] 8点(2012-05-27 23:42:54)
13.  ローラーガールズ・ダイアリー 《ネタバレ》 
まず言いたいのは、映画におけるタイトルって映画の一部だよ、マジで!シーンを変えるのと変わんないよ?わかってるのかー!バカタレー!作者の意図を尊重しないやつは□ね!ということです。なんでそうも熱くなるかというとこの作品がムチャ面白かったからです。「JUNO」「アメリカン・クライム」で旋律なインパクトを世間に与え、最近では「スーパー!」に「インセプション」と見事なキャリアメイクにすでに成功しているエレン・ペイジちゃんの、唯一のスポコンものです。もはやぼくは彼女が画面の中で躍動しているのを見れるだけで若干満足してしまう節があるのですが、そんな彼女の長いと言い切れないちょい太めな足や、背が低くて豊とは言えない胸など、“色気”の類いのパーツは弱いとは思うけれど、気が強そうで不器用そうな存在感にぼくは愛おしさを感じずにはいられません。それはまさにちょいブサかわいいドリュー様の後継者としてその姿が重なってきます。ドリュー様がティーンの時に演じたかった姿なんだと感じずにいられません。つまりこの作品における母子の構図とダブるわけです。また、エレンちゃんが己で見つけた、己の最も輝ける場所に立ち続けることを決めるわけですが、そこには多くの他者がいます。そこで学ぶのは、何歳になろうと青春は訪れるし、いつだって遅くはない、そして誰だってやっていいのがスポーツの素晴らしさであることを教えてくれます。さらにはローラーゲームの魅力もあますことなく表現し、ルールを知らない観客でさえゲームの成り行きに唾を飲み、興奮できるように鮮やかに描き、エレンちゃんのみならずドリュー様自身も身を以て画面の中で躍動してみせてくれます。構成としては使い古さているといえばそうですが、その中に散りばめられている要素は心震わす物ばかりです。特に好きなのは、プール!澄んだ水、必至に相手の元へ向う様、衣類が一人で脱げない姿。全てが初恋のメタファー!そしてタイトル「Whip it」仲間の力を借りて加速するスーパープレイであると同時に、この作品自体を比喩しています。家族、友人、仲間、初恋、失恋が人生におけるwhip it。ダイアリーとか、過去にしてんじゃねぇ!今この瞬間もwhip itじゃ!
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-24 17:02:45)(良:1票)
14.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 《ネタバレ》 
旧4,5,6の三部作で息子ルークを語り、新1,2,3の三部作では父アナキンを語り、そしてこの最終作で新三部作と旧三部作がパズルのピースのようにしっかりと重なり合うのをこの目で見届けました。アナキンのパドメに対する純粋な愛の強さ、これが暗黒面に落ちてしまった一番の要因でしょう。アナキンは元々歳の行き過ぎた状態でジェダイになった為、暗黒面に繋がる悲しみや不安を多く知り過ぎていた。さらにアナキンは生命体の源であるミディ=クロリアンの集合によって生まれた事によってジェダイの中でもずば抜けた素質をかね揃えていた。その為、2では自身過剰で傲慢な青年になり師であるオビ=ワンを酷く困らせていた。そして今作では自分の力を認めようとしないジェダイ表議会に強い不満を抱き、さらに愛する母シミを失った時の苦しみを二度と味わいたくないというアナキンのパドメに対する想いと、パドメに対する深い愛情がアナキンを一瞬にしてダース・ベイダーへと変えてしまったのでしょう。こんなにも丁寧にアナキンを描き、そして旧三部作へ少し無理矢理っぱさも感じたものの、最終的にしっかりと合致させたあの終わり方にはとても満足しています。今思えば、僕にとってスター・ウォーズを始めて目にしたのは今から丁度6年前、父に連れられて二人で映画館へ行ったのを今でも憶えています。父は旧三部作をリアルタイムで映画館へ行った世代だったので、1を見に行く時にスター・ウォーズを楽しそうに熱く語った父の表情は今も忘れられません。さらに三年が経ち、2を観に行く時もやはり父が楽しそうな表情だったのは言うまでもありません。そしてこのEP3観賞後、六年前ならば興奮気味に僕と感想を言い合っていた父は、今回何も喋ろうとはしませんでした。新スター・ウォーズ世代の僕にとってはたったの6年ですが、旧スター・ウォーズ世代の父にとっては28年が終ってしまったのです。僕も落ち込んではいますが、父の落ち込み様から察するとそれはもう波半端なものではないようです。しかし、このスターウォーズという作品に出会った事で僕と父は共通の楽しさを共感し、それは旧新世代を結び付け、そしてこのスター・ウォーズによって僕と父との間に“友情”が生まれたような気がします。そんなスター・ウォーズに僕は心から感謝しています。そして今、スター・ウォーズが父と子の物語りである事を深く理解しました。
[映画館(字幕)] 10点(2012-04-25 13:18:48)(良:7票)
15.  純喫茶磯辺 《ネタバレ》 
この作品は、はっきり言って吉田監督の前作「机のなかみ」ほど“何か”がある作品ではありません。「机のなかみ」には痛みがあります。青春の痛みです。誰もが少なからず経験する痛みを鑑賞中はしっかり共感し、共有し、主人公の少女に自分をダブらせ観る事ができます。でも、今作はそれが難しいです。 一貫してあるのは、ギャグというか、「机のなかみ」でもありましたが、吉田監督がやりたいことをやっているというのはわかります。例えば、主演の仲里依紗さんに不細工なイビキをかかせたり、宮迫さんに輪ゴムをぶつけたり、麻生さんが片足素足だったり、コスプレであったり、まぁ、とにかく女の人を好き勝手に扱いたいのだと思います。ある種の理想を描いているのでしょう。ですが、この作品ではそれがあまり上手くいっていないと思います。「机のなかみ」ではラストに向かうに連れて怒涛の理想像が爆発しています。可愛い女子高生が(大量の鼻血&オケツ丸出し→可愛らしく抱きしめたくなるような号泣→豪快に、爽快にホームラン!)という流れです。理想(あるいは妄想?)がちゃんと連なって感情を乗っけています。でも、この作品ではそういった連結した感情のシーンがありませんでした。麻生さんはその存在だけで魅力的だけど、問題は娘を演じた仲里依紗さんです。彼女の人物像だけが妙にキチッとしすぎていて、あまり奥行きがないというか、とにかく面白くないのです。イビキや自分の足の臭いを気にして引っ繰り返ったり、危うく盗撮されかけたりするのはいいんですが、もっと感情で連なっていて、尚且つ面白くて魅了的であって欲しかったのです。ナレーションとか微妙な回想とか使うのではなく、「机のなかみ」のように強引でもいいので引っ張っていて欲しかったです。結局、面白みも魅力もないので、彼女が父と仲良くなるってだけの話で終わっているので、「机のなかみ」の少女ほど面白くも魅力的にも感じれなかったのだと思います。期待してしまっただけに残念です。次作の女性に期待致します。
[映画館(邦画)] 6点(2012-03-27 14:10:05)(良:1票)
16.  アポカリプト 《ネタバレ》 
タイトルからもわかるように、この作品の主にしてあるのものは宗教的な観念であることは疑いようがありません。メル・ギブソン監督の前作「パッション」同様、宗教の概念があってこその作品でありつつ、それを持たぬ人にもそれの齎す力と恐ろしさが一挙に押し寄せてきます。宗教の善し悪しについては文化的宗教観のないぼくに語るべき言葉もないのですが、頼らざる者の強さと縋り付く者の弱さははっきりと脳裏に焼き付きました。という作品を覆う観念と平行に進み描かれるのは、人類とその人類の歩んで来た歴史の表裏です。冒頭の穏やかな分明なき日常の幸福感、満足感を一気に理解するものの不吉な予感は映画全体が放つただならぬ緊張感によって常に感じていました。そしてそれが滝から急降下し落ちて行くかのごとく、怒濤のように恐怖が押し寄せます。そこまでの一連の平穏な日常の崩壊と共に押し寄せてくるのは、もはや人類の歴史の早送りです。侵略による虐殺と人身売買、そして奴隷化(戦争のメタファー?)。奴隷と同様に肌の色を変える事での人種差別の比喩。その全てが歩んで来たのは人類の不毛の歴史です。それらを怒濤の如く体感し、あげくの果てには生贄の石台に乗せられ心臓を抉り出されそうになりますが、そこで偶然が起こり、一度姿を隠した太陽がまた地を照らします。歴史的に干ばつによる飢餓が進んだ頃にそういった生け贄の儀式がアステカ文明の頃にあったという説もあるようですが、そんな儀式に唐突に出会った人類が何を思うかと言えば、映画鑑賞者と同等に人間とはなんて愚かな生き物なんだろうという意識のただ一点。神に縋り付く意思とその存在への不信感。つまり人間が作り出した虚像の恐ろしさです。つまり人類とは己の都合の良いように情報を操作し、民を操り、また情報を共有できぬ者を排除し、殺戮してきたのです。そんな人類が歩んで来た人類そのもののリテラシーを一気に考えさせられるのです。それらが含んだメタファーだけでも凄いのに、そこにエンターテイメントの醍醐味まで入っているこの作品の構造!追われるストーリーから一転して追うストーリーへ(恐怖が一変して高揚感へ)。主人公の生きたい気持ち、生きなければならない責任感と緊張感。つまりスリル。それらを通過して最後にもまた問題提起をするこの仕組み。娯楽性、社会性の完璧なまでの融合を果たしているように思います!傑作です!
[DVD(吹替)] 10点(2012-03-23 22:52:13)(良:1票)
17.  愛より強く 《ネタバレ》 
最後のベッドシーンが脳裏に焼き付いてはなれない。平穏な暮らしの中で、真に清く美しなった彼女を抱く男。彼女がここまで美しくなれたのは男がいたからにほかならないが、その反面で、確信的に感じるのが彼の傍にいたら彼女はきっとここまで美しくなってはいないということ。何かを捨て、何かを得る。何かを捨てないで、何かがこぼれる。その人にとって最も重要な決断が、ジェットコースターの登り坂の如く、上に上がれば上がるほどに急降下のカタルシスに「ウギャー!」ってなれる。この映画の上げては、落とす。上げては、落とされるの心地良さがたまらなく好きだ。そしてあの最後のベッドシーンでぼくの期待値、興奮度はマックスに達し、その瞬間ぼくの脳裏にあの画面が強く刻まれた気がする。
[DVD(字幕)] 9点(2012-03-17 09:18:45)
18.  おいしい生活
たった一時間半に詰め込まれたお馬鹿夫婦の紆余曲折物語。馬鹿も、真剣にやっている馬鹿と、馬鹿っぽくやっている馬鹿とでは雲泥の差があるわけですが、ウディ氏が演じているクソ真面目な馬鹿は笑って観ていられます。日本の漫画でもありそうな、わかりやすく明解な人物設定であるがゆえ、“偶然的な出来事”をくっつけてゆけば延々2人の物語を続けてゆけそうな構造です。シリーズ化さえ出来てしまいそうです。自分たちの真面目な意思や思惑が真剣になればなるほど、加速度的に真逆に転がっていく様に、人間の愚かさと可笑しさがコミカルに描き出されています。また、終盤に物語が進むほどに、やることなすことすべてが身の丈にあっていないのが、比喩して衣装にも描かれだされ、それもまたすごく滑稽で良い。ただ、おいしいけど灰汁の強い後味の悪さもまたウディ映画の特徴です。
[DVD(吹替)] 7点(2012-03-14 02:26:03)
19.  銀色の雨 《ネタバレ》 
これは劣悪です。まるで素人が演出したかのような安直なシーン構成の連続。人物の感情の起伏を描くということがどういうことなのかわかっていないのではないか、と思ってしまうほど、常によくわからない。最も腹立たしいというか、その都度興醒めさせられたのが回想。セピアって!高校生の作る自主映画か!もろにただの説明で、あざとく、押し付けがましい。「はい、ここからは中村獅童の記憶の話ですよー。これから観続ける上で重要ですよー」回想の重複に舌打ちし、台詞で言った事をさらに見せる。説明に次ぐ、説明。観客の想像力を馬鹿にしてます。また、カメラが酷い。サイズもいちいち中途半端だし、カット割りも酷い。そこでヒキになる意図は?うわっ、寄っちゃったよ。という具合にいちいち気になってどうしようもなかった。そもそも俳優の立ち位置に常に問題があり、常に不自然。つまり、人間と人間が同じ空間で、ある内容のことを話していたら、または考えていたら、人間はどう動くか、ということを炙り出すつもりがない演出が現場で行われていた事が画面からヒシヒシ伝わってくる。脚本も酷いです。主人公と母親の対立、関係性の構築がメインの変化部分になるはずなのですが、主人公と母親が対峙するシーンは序盤以降一切ない。間接的な関わりはあるけども、最後の最後まで対峙せず、修復すべきこと、歩み寄るべき事など、もろもろをすっ飛ばしてまるまるOKになりました、という状況だけを見せる。今頭の中に浮かんでいる不満、指摘ポイントを挙げていくと多分、全シーン、全構成、全登場人物に対して言えてしまう気がします。この映画には何もいいところがない、雑な思想の結晶体のようなものだと思います。観ない方がいいです。時間の無駄です。1点は雨降らしをがんばった監督、カメラマン以外のスタッフに贈ります。
[DVD(邦画)] 1点(2011-12-23 13:50:13)
20.  マイ・ブラザー(2009) 《ネタバレ》 
本人たちが意図せぬ事を原因として、翻弄され揺らぐ家庭という関係図を好んで撮るジム・ジェリダン監督の新作。 この作品に置いて、不謹慎だけど最大のカタルシスを抱けるのは、子どもの感情が爆発する瞬間にあったと思う。 子どもの見ている目線が最も観客の立ち位置に近く、まさに三人の人物たちが触れ合い、ぶつかり合う摩擦熱を子どもを通して直に感じたような気になる。 父を失うも、父の弟を実の父のように思えるようになったころ、豹変した父が生還するが、まったく快く思わない心情の変化。 まさに観客の立ち位置と重なってくる。 当事者だけど、一歩離れた位置にいる感覚は、まさに観客のそれである。 話を元に戻して、子どもが豹変した父に向けて「二人はセックスした」と言い放った瞬間、家庭の秩序が完全に崩れた。 生きて帰ってきた事を絶望する瞬間、兄弟の絆が喪失した瞬間、偽りの名の下に愛がすでにそこにないことを証明してしまった瞬間。 子どもの意図的な失言は、意図した通りか否かはわからないが、簡単に修復できないところまで関係性を崩してしまった。 絶望の予感に胸を締め付けられ、そこからの修復、復活へのカタルシスに期待を寄せずにはいられなかった。 しかしながら結末は、そのプロセスの過程で終わりを迎える。 例えるなら、下り坂を転がり落ちて、そこからまた登ろうと顔をあげたその瞬間に終わる。 しばしば映画では、その後は想像にお任せします、で終わることもあるけれど、流石にこの作品に関しては想像の範囲が広すぎて困ってしまう。 あそこで終わるなら、今後彼がすべきである、子どもとの関係性と兄弟の関係性の回復、彼自身の心の修復と再生、夫婦の絆の再確認、そして三人の関係性の再構築の5点を、観客が想像できるように、ある程度の説明、ないしは道しるべになるようなヒントを描いてから終わって欲しかった。 もう一本映画が撮れそうな材料を残し、もっと観せて欲しい、という願望が心にふわふわと残されるのは、流石に後味が悪い。  ただ、主演三人を含め、キャストの芝居が魅力的で、とくに「父の祈りを」を彷彿とさせるシリアスな芝居は大変見応えあった。 
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-15 20:55:43)
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