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山の木屑さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 62
性別 男性
自己紹介 良いと思える映画につき、多くの人に関心を持ってもらえるようなレビューを投稿していきたい。ある時期から、「けなすことは安易である」と考え、印象が悪い映画はできるだけ投稿しないようにしている。感想の言語化が難しい映画も投稿していないので、投稿しない映画イコール低レベル、というわけではない。
最近はブログに映画評を少し書くようになり、こちらへの書込みが減っている。

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1.  E.T.
小学生の頃、満員の映画館に家族で観に行った。それ以来、ほとんど目にしていないんだけど、色んなシーンが頭に残っている。わからない人には徹底的にわからない映画らしいですが(例:うちのオヤジ)、私の心に「何か」を刻んだ映画である。それは空想世界のもたらすwonderの感覚であったり、映像や音楽の与える感銘力であったり。小さい頃にこういう映画を観たかどうかで、長じて後に映画館へ足を運ぶようになるかどうかが決まるんじゃないかな。
10点(2003-04-30 21:08:45)
2.  デッドマン・ウォーキング 《ネタバレ》 
こういう映画ですから、死刑制度の是非に目が奪われがちなのは仕方のないことかもしれません。しかし、この映画は、死刑囚の魂の救済はいかにして可能か、というテーマに取り組んだものと私は解釈しました。その救済は、犯罪者が自己以外のもの(外在的要因)に責任を転嫁しようとする性向を持ちがちであることと、被害者の心情(魂の平穏)への配慮が必要不可欠であることから、必然的に困難とならざるを得ません。ティム・ロビンスはその辺りを的確にえぐっているといえるでしょう。もっとも、キリスト教の素養がない限り、魂の救済といっても理解されにくいかもしれません。そういう意味では、観客を選ぶ映画です。ともかくも、死刑執行に至る一連のシークエンスは圧巻。これほど心を揺さぶられる場面には、なかなかめぐり逢えません。この場面では、映画館全体が張りつめた雰囲気に包まれたことを思い出します。
9点(2004-08-27 11:01:41)
3.  マトリックス リローデッド 《ネタバレ》 
1作目を凌駕するできばえ。完結編が持ち越しになった点にはあざとい商業主義を感じるが,結果的にはシリーズの楽しみが増加したように思う(エヴァンゲリオンの時のように)。 本作では私怨を晴らすために行動していたように見えるスミス(すでにエージェントではない)が,予告編を見る限り,実は重要な役割を果たすことになるようである。ここから察するに,次作ではスミスというシステムのバグを利用してネオがシステムの外に出るのではないだろうか。システム内部にいる限り,システムによって決定づけられた行動しかできないのであれば,第3の道をひらくためにはシステムの外に出るしかない。その手段としてスミスを利用する,と考えるわけである。しかし,レボリューションズでは,この発想を遙かに超える作品を観させてもらえることを期待する。 モーフィアスよりも重要な役柄の人物が登場する割に,ローレンス・フッシュバーンよりも存在感のある役者が登場していないことが,この映画の欠点であろう。特に,アーキテクチャーの「口先だけの男」的な軽さはいただけない。これは演出の問題かもしれないが。 最後に。ベインにはスミスのプログラムが憑依しているという明白な事実にすら気づかずにぼんやりと鑑賞している観客には観る価値のない映画であろう。この映画で本シリーズの表面的な(単に話題作だからという理由で映画館に蝟集する)ファンが一掃され,レボリューションズを快適に鑑賞できることを願う。
9点(2003-10-31 10:45:16)
4.  ディーバ
好きな映画は、たいてい「わけのわからない迫力」のあるものなのだが、この「ディーバ」は例外。非常に真っ当な作りである。というより、ほとんど完璧な作品といってもいいのではないだろうか。サスペンスでもあり、ロマンスでもあり、ドタバタコメディでもあり、刑事ドラマでもあり、青春映画でもある。さまざまな要素を詰め込みつつ、一本スジの通ったストーリー展開。緻密に構築された端正な映像。ディーバと主人公との恋にリアリティを感じられるかが評価の分かれ目だと思うが、さすがにそれを感じられない無粋な人はここにはいないようで、嬉しい限り。フランス映画にありがちな、「話のわかりやすさよりも画の美しさを優先する」部分が見られたことだけが減点事由。そこがフランス映画のいいところ、という人もいるとは思うが。
9点(2003-08-01 21:07:29)
5.  イル・ポスティーノ
詩は人生を変える(こともある)。そんな一見陳腐なテーマを生真面目に取り上げた映画。「ニュー・シネマ・パラダイス」が映像的とすれば、こちらは文学的。淡々としつつ、終盤、静かに盛り上がっていく。この流れがすばらしい。そしてユーモアの込められたシーン・台詞の数々が、この流れの中に控え目ながら散りばめられている。同じような時代を扱った「ニュー・シネマ・・・」と比べても、数等お気に入りです。イタリアでは、当時、良くも悪くも政治の季節だったわけですね。それをドラマのネタにしているだけであって、政治的なメッセージがあるわけではないと思います。
9点(2003-05-02 18:03:31)(良:1票)
6.  ウォーターボーイズ
矢口監督には評価が甘くなってしまうんだよなあ。ゆくゆくは、アメリカあたりでヒットするようなコメディを撮って欲しい。応援料込みです、はい。伊勢崎町ブルースのシーンは、劇場中が爆笑。水平跳び蹴りシーンもウケた。DVD特典ディスクの「チェリーズ☆エンジェル」も面白いよ。
9点(2003-05-01 21:36:01)
7.  メメント
意味に満ちた映画を作ろうというノーラン監督の志向は、庵野秀明と共通しているといってもいいでしょう。ストーリーはちょっと思わせぶりなだけで、大して奥行きのあるものではありません。しかし、この映画はストーリー云々が問題なのではなく、「見せ方」が問題なのです。一見、観客の見方を拘束するような映像の呈示の仕方ですが、観客が満ち満ちた意味の中から何を選択するかは、実は自由。とするならば、やはりリバース再生なるものは無粋と言わざるをえないでしょう。といいつつ、DVD買ってリバース再生で観てしまいましたが・・・。
9点(2003-04-30 20:55:47)
8.  刑事ジョン・ブック/目撃者
少年が鐘を鳴らし、村人が集まってくる。そのシーンでいつも泣けてきてしまう。別に理由はないんだけど。この監督の映画ではそういうことがしばしばある。「キャプテン、マイキャプテン」とかね。音楽も良かった。 (2004年9月27日追記)最近、久しぶりにDVDで鑑賞してみた。年齢を重ねると少し印象が変わるもので、美しい風景と、ゆったり燃え上がる恋愛がこの作品の中核を成していることがよくわかった。あと、ハリソンの殴打シーンでも、ケリーが矢も盾もたまらず外へ飛び出していくシーンでも、アーミッシュの「帽子」が「戒律」のメタファとして使われていたことも。
9点(2003-04-28 20:42:25)
9.  12モンキーズ
テリー・ギリアム監督は、音楽の使い方も印象的ですよね。この映画の影響で、一時期アストル・ピアソラにハマってしまいました。suit punta del este、名曲なので全曲聴いていただきたい。 映画の方は、監督の撮りたい映像を好きに撮っているようでいて、ちゃんとエンターテインメントになってます。マデリン・ストウも美人ですよ。「すべてを見そなわす目」の存在が示唆されているところは、PKディックのヴァリスを連想してしまいました。劇場で一回観たきりなので、もう一度観たい作品です。ところで、ギリアム監督って、対人関係に違和感を感じたりしているのでしょうか。間の取り方や役者の視線の使い方などが普通とは違っているような気がするのですが。
9点(2003-04-28 16:04:16)
10.  デューン/砂の惑星(1984)
中学生のときに映画館で観てぶっ飛び、以後10年にわたりSF漬けにされました。我が心の一本。初見の時の感覚を今になって分析してみれば、「世の中にはこういう世界を構築する頭脳があるんだあ」という驚嘆の念だったと思います。
9点(2003-03-24 16:44:03)
11.  白と黒のナイフ
この映画は、「羊たちの沈黙」以後のサイコ・サスペンスものを観た経験のある人には、あまり新味がないかもしれません。中学生のころ劇場で観たときは、ちょっとした衝撃作でした。オチよりも、殺害方法とか犯人のメンタリティとかがね。点数は、当時だったらこの点数をつけられました、という意味合い。
[映画館(字幕)] 8点(2006-03-17 15:04:29)
12.  トゥルーマン・ショー
初めて映画館で観たときは、ピーター・ウィアー監督にしては作家性が稀薄な映画であり、面白くはあるけれども深みがないという感想を持った。しかし、そのときは設定の面白さに目を奪われていたようで、改めて観直してみると、それなりにピーター・ウィアーらしさも見受けられる。とりわけ終盤の演出には、この監督に特有の感性が表れているように思う。この結末は本当にハッピーエンドといえるのか? などと考えさせられるところもあるが、神の牢獄を打ち破ったトゥルーマンには喝采がふさわしい。素晴らしいもの、あるいは理想といったものは自分で選ばなければ意味がないのである。  なお、本作品の論評においては、筒井康隆氏のある短編に言及されることが多いが、私は、むしろ「将来、誰もが15分間だけは有名になれるであろう」(1960年代半ばのアンディ・ウォーホールの言葉)の「15分間」を「30年間」に拡張してみた作品と理解している。
8点(2005-02-04 11:26:38)
13.  ラスベガスをやっつけろ
メタファーやレトリックではない「サイケデリック」を観せてくれる映画。こんな映画をメジャーで作れてしまうんだから、テリー・ギリアムは只者ではない。キャメロン・ディアス、クリスティーナ・リッチの使い方が非常に贅沢。迂闊にも、トビー・マグワイヤに気付いたのは、ここの映画評を見てからであった。あれだけの狼藉を働きながら、なんのお咎めもないジョニー・デップとデルトロが愉快。したがってここから教訓を導き出すことができないのはもとより、そもそもストーリーらしいストーリーもない。それをこれだけ観れる映画にしたのは、やはりテリー・ギリアムの超絶技巧であろう。
8点(2004-11-24 13:32:45)
14.  エネミー・オブ・アメリカ
社会派のメッセージをエンタテインメントの衣にくるんだ秀作。「エシュロン」という名前こそ登場しませんが、この映画ですでにエシュロンが紹介されていたのですね。そういえば、「24」では、監視カメラを犯罪者が悪用するところまでいってしまっていました。政府が社会不安を煽っても、なお伝統的なプライバシーの価値を尊重する心情は、彼の地では根強いものがあるのでしょう。片や日本では一般市民が監視カメラやNシステムの導入に諸手を挙げて賛成し、プライバシーを声高に主張すれば反日非国民(エネミー・オブ・ジャパン)、犯罪者の疑いまでかけられかねません。映画製作の話に限っても、「踊る大捜査線2」での監視カメラの扱いに思いを致せば、彼我における志の違いは明らかといえましょう。
8点(2004-11-16 14:50:17)
15.  デーヴ 《ネタバレ》 
噂に違わず、良い映画でした。大統領職は、意外にあれで勤まってしまうものなのかもしれません。細かいことは周りがみんなやってくれるでしょうから。シャワールームのあれとか、オリバー・ストーン等の有名人の顔見せとか、小ネタも面白かったです。あと、ボディガード氏の決め台詞は"I will take a bullet for you."(君のために弾丸を受けるよ)と聞こえました。これまた格好いい。
8点(2004-08-24 15:41:48)
16.  バッファロー'66
手触りも物語もやさしい映画。起承転結の「転」のところで衝撃的展開を迎えるのですが(その先の展開は観てのお楽しみ)、全体としてはほのぼのとしています。映画全体が、C・リッチのほんわかした雰囲気に包まれているとでも表現できるでしょうか。なにより、主人公のキャラクタ設定が秀逸。風貌はワイルド、そしてキレやすい直情径行型の性格。にもかかわらず、変なところで神経質なのがおかしい。この映画の面白さは、主人公と周囲とのどこかずれた会話に負うところが大きいと言えるでしょう。主人公の両親の描写も、「この親にしてこの子あり」と納得できるものです。
8点(2004-05-25 15:34:22)
17.  マルホランド・ドライブ
この映画はそう単純ではない。しかし、内容の分析については、ネットで検索すればいくらでも見つかる。そこで整合にして緻密な解釈を発見し、本作が細部まで作り込まれていることに気付いて感心したが、逆に理解してしまったことで、この作品への評価が下がってしまった(それでも8点)。やはり、いくつかの手品のタネのように、わかってしまうと面白くないことがある。人生はそう単純ではないものだ。もっとも、もう一度見てみればまた印象が変わるかもしれない。繰り返し見る気が起こらないという方は、奇矯な言動や性的倒錯が生み出す「濃さ」に辟易してしまったのだろう。10年以上前、映画「ツイン・ピークス」を見た時、私も同じように感じたと思う。しかし、年を経て色々なことを見聞し、体験していくうちに、多少の刺激では動じなくなった。今後、本作を繰り返し観ることになるとすれば、それは自分が鈍感になったからというわけだ。鈍感であるからこそ、物語の奥深くに向けて鋭敏になれる。人生はそう単純ではないものだ。
8点(2004-05-20 13:29:25)
18.  黙秘
暖かい過去。寒々とした現在。自らの老い。町の変遷と離れていく娘。閉ざされてゆく心。そして輝きを止めた太陽の下で起きた事件。パズルのピースがあるべき所に収まったとき、ドロレス・クレイボーンの行動の「なぜ?」が明らかになる。幾つかのトリックが仕掛けられていて、本質的にはミステリィと言えるだろう。J・J・リー目当てでDVDを買ってみたが、キャシー・ベイツの老け役が秀逸。ラストの「投げキッス&手振り」は一時期わが家で流行った。
8点(2004-05-12 12:48:19)
19.  未来世紀ブラジル
高校生ぐらいで初めて観た時には、その後味の悪さが嫌いだったが、世の中なんてこんなもの。社会の「変わらなさ」を思えば、この映画を観なくても鬱になる。歳を経れば、この映画も奇想妄想詰め込んだ楽しい「未来図」と思えるようになった。おじさん達に必要なのは「夢」なのだ。それが決して現実にならなくても。テリー・ギリアムの悪趣味は、観ていてとっても好ましい。
8点(2004-01-24 12:13:10)
20.  Avalon アヴァロン
マトリックスをDVDで観る前に、これを映画館で観たせいか、映像面での衝撃度はこちらの方が上でした。一般には、逆の評価なんですね。分析すると、映画内世界は(1)映画内現実、(2)ゲーム「アヴァロン」のフィールド、(3)class-realの3層から成っています。ストーリーを簡単にいえば、「世界1から世界2を通して世界3に至る」というもの。映画の描写では、世界1も非現実であることがほのめかされていますが、世界3も、存在するためには大量のデータを必要とするシミュレーション領域とされています(世界3=マトリックス?)。確かに、class-realは仮想世界であることが判明するのですが、世界3がそれまでの世界1及び世界2とは異なり、あまりに鮮やかに描写されているため、世界3=現実界(real-field)のように思えます。ここからは、現実界もプログラムされたものに過ぎないかもしれない、というイメージが得られます(ビューティフルドリーマー?)。それを作者が意図したかどうかは分かりませんが。で、結局のところ、ラストなんかはよく分からなかったのですが、メタフィクションっぽい物語構造と、迫力ある戦闘シーンに圧倒されました。しかし、実は、この映画で一番スゴイのは、川井憲次の音楽ですよね。未だに、アヴァロンで使われた楽曲をTVで聴かない日は無いんじゃないかっていうくらい、広く使われてます。
8点(2003-06-18 22:19:42)(良:3票)
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