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1.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 
青臭かろうが、むず痒い感じがしようが、OKでしょう。北野武監督の少年論って、なんか少年を神聖視しすぎていて繊細すぎて、観ていて(聞いていて)逆にこっちが恥ずかしくなってしまうんですが、この作品はそのバランスが絶妙ですね。いくつもの少年たちの生き方や悩みが同時進行で進んでいき、時には絡み合っていく。喫茶店で、やくざになっちゃったマサルと再会するシーンのあの微妙な空気と距離感がウマイですね~。ああ、また観たくなってしまいました。
9点(2003-11-25 10:08:38)(良:1票)
2.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 
どうしてコレがメジャー配給じゃないでしょう?まず、それが素朴な疑問。配役も何気に豪華だし、何より演出と脚本に隙がなかったですね。いや、演出の手法としては、さほど斬新でもなく、文法どおりですが、その手堅さが逆にイイですね。ケイト・ウィンスレットがため息をつけば、観客も同じようにため息をつき、息を呑めば、皆息を呑んでいたのが驚きでした。俳優の演技が観客と同調するような映画は余りありません。本当に楽しめる上に、考えさせられる映画でした。
8点(2003-11-25 09:56:56)
3.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
ハリウッド系の作品に飽き飽きしていた頃に観たので、そのハジケッぷりにハマってしまいました。ドイツ映画、格好よくてイイ作品が多いじゃないですか!主人公が美男子でもないオッサン二人っていうのがさらにイイ。
7点(2003-10-28 14:36:33)
4.  北京ヴァイオリン 《ネタバレ》 
映画館のあちこちから鼻をすする音が聞こえました。 自分も恥ずかしながら、ハンカチで、号泣しそうな顔の筋肉を押さえて涙を拭きました。 チュン少年役のタン・ユン君、彼の演奏する姿だけでなく、バイオリンを抱えて走る姿に、十代の少年だけが持つ生命力や躍動感が満ち溢れ、私も彼と一緒に北京の街を駈けている気持ちになりました。 それにしてもチェン・カイコー監督、巧いですね。劇中の音楽に関しては様々なことがパンフレットにも記載されていたのであえて書きませんが、私が心惹かれたのはカメラワーク。この映画にはナレーションがまったくありません。必要ないからです。すべて映像と音楽で説明されます。それでも十分なのです。たとえば、チュンのためにビクビクしながら高層ビルの清掃の仕事をする父リウのシーン。その赤茶けた素朴な横顔と無機質なコンクリートの対比で、見ている我々は、改めて中国の急激過ぎる変化を実感させられます。 また、細かいカット割りの部分とワンカットで綴る部分の緩急のつけ方が絶妙でした。田舎に帰る父との別れのシーンは観客の視点そのものとカメラの視点が見事に一致して、さらに涙腺を刺激されてしまいました。 ぜひぜひ、もっと多くの人に観て欲しい一本だなと思いました。 
9点(2003-10-28 14:29:16)
5.  プリシラ(1994)
落ち込んだとき、悩んだとき、必ず観たくなる映画の一つです。「バグダッド・カフェ」も大好きなので、「90年代の“バグダッド・カフェ”」のキャッチコピーも許せます。ショーのシーンは一緒になって踊りたくなります。DVDもサントラCDも買ってしまいました。エンディングの「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」を最後までご覧になってない方、笑える最後のネタを見逃してますよ。要チェックです。
8点(2003-09-24 09:02:21)
6.  セントラル・ステーション
最後には、切ない涙が流れました。何度も何度も劇中に繰り返される「いつか忘れる。」「出会ってもソレっきり、二度と会えない。」などの会話が積み重なっていって、最後のドーラの手紙に集約されていく描写がさりげなくて素晴らしかったです。単なるお涙頂戴ではなく、現実のブラジルの経済状況の厳しさなんかが描きこまれていて、リアリティが感じられました。子役が可愛いですね。
7点(2003-09-24 08:45:10)
7.  十二人の怒れる男(1957)
12人の表情がどんどん変わっていくのが面白いし、また、そこに俳優たちの力量が伺えて非常に面白かったです。12人それぞれの声にも高低様々な特徴と抑揚があって、それが不協和音(評決不一致)から和音(評決一致)に変わっていくさまが如実に描かれており、BGMや効果音がなくても十分な演出ができることが伝わります。もっと時間をとってラストにむけて盛り上がって欲しかっなと思うので、8点献上。
8点(2003-09-16 14:18:49)
8.  HERO(2002) 《ネタバレ》 
「紅いコーリャン」「菊豆」「初恋の来た道」とチャン・イーモウ監督をこよなく愛してきた私には、観る以前に不安があった作品でした。なぜなら、「いつか晴れた日に」で繊細で瑞々しい人物描写をしたアン・リー監督が、「グリーン・ディスティニー」で間延びしすぎた作品を作ってしまったから。…結果は、満足して映画館から出られる作品でした。2時間強、引き込まれてあっという間の作品でした。観ながら強く感じたのは、黒澤明監督の影響でした。交錯するストーリーは「羅生門」、色彩は「乱」そのものだなぁと。「書」を極めることは「武道」を極めること。「暗殺者」として切り開いた境地は「小事(個人の恨み)にとらわれ、大事を見失うな」ということという、非常にアジア的な考え・思想に心打たれ、どこまでもすれ違ってしまう飛雪と残剣の最後に涙しました。今回初めて、ジェット・リーを格好良いと思いました。武道は強いがそれ以上でもそれ以下でもない俳優と思っていましたが、座っているだけでも無名の心が伝わってきました。そして、「私を狙う暗殺者が、私の一番の理解者だったとは」という、その器の大きさを示す始皇帝の言葉を、某国のお坊ちゃん大統領に聞かせたいと思いました。ただどうしても、あのアクションにはなじめなかったので、そこが減点です。ハリウッドのアクション指導者に、中国武術はああ見えるのかなぁと残念でした。
8点(2003-09-10 14:54:41)
9.  アイリス(米英合作映画) 《ネタバレ》 
まず、配役が素晴らしいというのが第一印象です。どの俳優も若年と老年とすぐにつながる雰囲気や容姿をしているのに驚きました。(友人だけでなく、モーリスまで!)また、それぞれ演技が巧み!コレだけでもかなり高得点ですね。生気に溢れ、美しく、奔放で知的なアイリスには、ジュディ・デンチとケイト・ウィンスレット以外ありえないと感じられました。こんな形の愛もあるのだなと考えさせられる作品でした。何故、アイリスがジョンを愛したのか?ソレこそ「言葉で語ればウソ。」になってしまいます。モーリスを含め、他の男友達は、アイリスを下世話な言葉で定義し、自分のものになるようにおとしめようとしているように感じました。でも、ジョンは違います。彼女のことを簡単に言葉で表現したりしません。彼女の著作、行動、言動すべてを受け入れ、追いかけていきます。彼女も追いかけられることを望んでいるように思われました。だからジョンには過去を話し、秘密も語り、小説さえも渡しました。すでに言葉を失ったアイリスに、ジョンが「うちへ帰ろう。そして明日、明後日、その次の日と、僕らはだんだん一つになっていくんだ。」と語るシーンに涙が止まりませんでした。欲を言えば、もう少し長く時間をとって、二人のこの恋の余韻に浸りたかったので8点献上。
8点(2003-09-10 14:25:20)(良:1票)
10.  パイナップル・ツアーズ
ほのぼのしました。お休みになってまったりとしたくなるときに観たくなる一本。おばあ(平良とみさん)大好き。
7点(2003-05-19 13:19:30)
11.  みんなのしあわせ
その辺にいそうな(?)おばちゃん、おじちゃん、おばあちゃん、オタクの青年が織り成すブラックコメディ。自分があの場にいたら友達を裏切るかな、とかいろいろ想像しちゃいました。とにかくすごく楽しませてもらった一本です。
8点(2003-04-21 20:29:27)
12.  オー・ブラザー!
それぞれのキャラクターが濃くて濃くて、それだけで一本映画が作れちゃうんじゃないかってくらい。その分まとまり感のなさ多少があったけど、たくさん笑って、見終わった後スカッとした。コーエン兄弟の昨品は、私は好き嫌いがあるけど、これは大好き。
8点(2003-04-21 20:16:28)
13.  サイン
ホラーとか、SFとか分類してはいけない作品でしょう。無神論者が多い日本人には分からない作品でもあると思います。今まで起きた不幸や偶然を、「運命」と捉えるか、ただの事実と捉えるか。信仰心を失った神父と家族の再生物語であって、そのきっかけの題材にたまたま宇宙人が使われただけでしょう。題材に宇宙人を持ってきたあたりが、この監督らしいと思います。私は好きです。
7点(2003-04-21 20:11:45)
14.  ハッシュ!
長かったですが、それをしのぐ繊細で瑞々しい人物描写に引き込まれました。橋口監督の作品にはいつもいらいらさせられる女性が登場しますが、今回は本当に腹ただしい位でした。ここまでするか?でも、こんな女、いるよなと思わせてしまう、こういう女性像を描けるのは、ゲイである橋口監督ならではかなぁと思いました。なんにしても、いつもいつも、当たり前のコトだと思っている価値観に疑問を投げかける彼の作品に、また、新しい目を開かせてもらいました。貴重な監督だと思います。次の作品も期待してます。
8点(2003-04-21 19:56:49)
15.  PERFECT BLUE
本当によく出来た脚本と演出、何より、伏線のはり方が素晴らしい。アニメ札はもったいない気もするけど、あの鬼気迫る演技が出来る若い女優さんが少ないから実写では無理だと思う。観ているうちにだんだん自分も、現実とドラマの区別が分からなくなり、完全に主人公と一体化した気持ちになった。しばらく、夢にまで観るくらい、鮮烈な作品だった。
9点(2003-04-21 19:32:38)
16.  プランケット&マクレーン
結構好きです。湿気がこもってそうなのにどこか乾いた感じのセットと衣装、グロテスクだけど格好いい演出。《ネタバレあり》最後、絞首刑になった主人公を迷いながらも助けに来るシーンと、地下水路で敵をとるシーンには興奮しました。こうでなくちゃ!と思わず口に出してしまったくらいです。
8点(2003-04-21 19:20:56)
17.  レッド・ドラゴン(2002)
よく出来たサイコサスペンス風”アクション”映画という感じ。それ以上でもそれ以下でもありませんでした。それまでの2作品があまりハリウッド的な演出でないところが気に入っていたので、お約束の演出の仕方やカメラワークにがっかり。役者がよかっただけに、残念です。
4点(2003-04-21 19:08:10)
18.  中国の鳥人
心が洗われる映画でした。怪しい中国人ガイドに笑い、チンピラ親父の心変わりに苦笑させられました。お祭りの由来と青い目の少女の秘密が、うまい具合にマッチしていたと思います。また、同時期に『双生児』も観たので、本木雅弘の演技のうまさと存在感に感服しました。
8点(2002-12-25 22:09:00)
19.  呪怨<OV>(2000)
ホラー作品としては、今まで見た中で一番怖かったです。観ながら半分泣いてました。一見こぎれいな現代日本住宅の中のジトーッとした湿気。理由のわからない怨念。そしてデジャヴのようにリンクする舞台(家、学校、マンション)。ホント、怖かったです。
9点(2002-12-25 21:57:11)
20.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
きもかわいい!映画です。毎年クリスマス前になると観たくなります。すべてのキャラクターが個性的で生き生きしていて、夢の世界へ迷い込んだような気がします。ジャックの家のドアベルや歩くバスタブなど、小物や背景も独特で、しっかりした世界観が貫かれていて素敵です。音楽も最高。思わず口ずさんでしまいますね。間違って、イースターのウサギを連れてきちゃうところもご愛嬌。普通なら嫌われるお化けたちを、愛すべきキャラに変えてしまうティム・バートンの頭の中ってどうなってるんでしょう?
8点(2002-12-25 21:44:37)
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