1. 告白(2010)
《ネタバレ》 公開前に本屋で流れていた予告編があまりに狂気に満ちていて、続けて3回見てしまったけど、気がついたら隣のおっさんも同じように見ていた。本編観賞後、予告編に偽り無しと思いました。オープニングからの緊張感、同時に感じる生徒役たちへの苛立ち、告白は怒濤の展開へ。でもこれで終わらない。メインキャラの存在感はもちろんですが、この映画の真の立役者は生徒役達だと思います。メインキャラ達の周りでドミノ倒しのように動き、あるいはマスゲームのように静止する彼らが、個のなさ、集団になると暴走する姿、狂気が加速していく様子に背筋が冷たくなりました。教室でのキスシーンなんて残酷すぎて直視できなかった。この映画はメインキャラたちの「告白」を繋ぎ合わせて成立していますが、映画本編自体をその他生徒役達からの「告白」だと思って鑑賞すると面白いかもしれません。最後になりましたが、やっぱりレディオヘッド最高。 [映画館(邦画)] 10点(2010-06-08 01:58:12) |
2. シャッター アイランド
《ネタバレ》 私がディカプー贔屓であることは別にして、この映画には10点をつけさせて頂きます。すっごい面白かったです。精神世界⇔現実のいきなりスイッチは私はすんなり受け入れられました。ディカプーはもちろんですが、周囲の精神病患者の演技力の素晴らしいこと!オチは私は想像しませんでしたので驚きです。観賞後に考えてみれば、医師や看護師の証言が不自然なのは「突然で質問に対する答えを用意してない」「適当に喋って治療が失敗したら大事」だからなのにそれを「何かを隠している」としたディカプーの解釈や、カルテの写しや「囚人が暴行を受けた」とした報告も、職員たちがその情報をディカプーに与えることで、反応を観察していたんだなと気づきました。私は主人公に感情移入して見ているから、「相棒が裏切った」「暴行がばれたら面倒だから黙ってたほうがいい」と思っていて、これがオープニングの線の話のことなんだなと気付くのに時間がかかった自分の頭悪さにげんなり。ラストシーンは印象的です。①想像の世界②苦しい現実③無感動な世界 どれかひとつ選ばなければいけないとしたら?私的には①>②>③だけど、主人公はラストシーンで②の状態であったけど、③を選んだんだと想像します。つらい②を持つ人は、選べるものなら③を選ぶのかもなと思いました。 [映画館(字幕)] 10点(2010-05-13 02:38:39)(良:1票) |
3. 市民ケーン
富も名誉も女さえも望むまま、っていうのがどんな人生なのか分かった気がします。こんな孤独に自分は耐えられないや。 10点(2004-11-22 00:24:36) |
4. 天空の城ラピュタ
大人になってこの映画を再見して以来、テレビ等で海外の古代遺跡の映像を見るたびに、空に浮かぶ伝説の城を思い出して物思いにふける癖ができてしまいました。 [映画館(字幕)] 10点(2004-10-14 00:29:04) |
5. 大脱走
面白かった!面白かった!脚本最高!音楽最高!脇キャラ最高!スティーブ・マックイーン最高!ベッ●ムとかヨ●様とか下らないよね。いい男ってのはこういうのを言うんだ! 10点(2004-09-14 16:50:53)(良:5票) |
6. ライフ・イズ・ビューティフル
《ネタバレ》 夫婦の出会いが長くて、『ここってそんなに必要なんかなぁ。ホロコーストの映画なんじゃ?』と思ったけど終盤銃で撃たれる場面で納得。長い前半は、あの男が死ぬまでああだったって説明するために不可欠。これは親子愛映画でも戦争映画でもなく、あるひとりの男の生き様が描かれた映画だと感じました。 10点(2004-08-30 21:38:53) |
7. 奇跡の海
「ほんとう」って言葉が嫌いです。ほんとうの恋愛、ほんとうの優しさ、ほんとうの理解・・・。真実の意味にはあまりに漠然としているし、なんだか説教くさくて、それを言う人の傲慢さすら伝わってくるから。思うんですけど、恋愛とか優しさとか理解とか、そういった種類のものに『これが正解だ!これ以外は認められない!!』って答えがあるはずないんですよね。でも、世の中を見渡してみると、そういった種類のものにこそ倫理観や善悪を持ち出して、あるパターンを賞賛してまたあるパターンを批判する(したがる)人が多い、そんな気がします。エミリー・ワトソン、ありがとう。いつか本気で惚れた男ができたらアンタのことを思い出すことにするよ。 今はまだいないけど。 10点(2004-07-04 00:28:17)(良:2票) |
8. ダンサー・イン・ザ・ダーク
友達の男子が「エンディングで思わず泣いてしまった」・・・お前わかってねえな。この映画。 10点(2003-09-18 00:58:30) |
9. 情婦
「終わった」と思ったら「ええええええええええええ!!!」 そして最後はしんみり。すげー。どんでん返しの女王アガサ・クリスティ。しかもオチは、単に客をビックリさせて終わらせるんじゃなくてきちんと物語として上手く終結してる。まじすげー。見たことない人見て下さい!本当に!! 10点(2002-11-18 10:00:27) |
10. 母なる証明
《ネタバレ》 キャラクター設定は秀逸だと思います。自分の指を切っても気づかないくらい子煩悩な母、ハンサムな知的障害のある息子、友達のようでいながら都合の悪いときは責任を押しつけるチンピラ青年。(この青年が中盤以降、母を手助けするのたびに金を取るところがリアルで良かった)シナリオも秀逸です。後半の、犯人と殺人の理由が明かされる場面には痺れました。 ●以下完全ネタバレです。● 母が、真犯人を知る人物を自分が殺した事より、息子がその事実となる証拠の品を持っていた事にショックを受けているように私には見えました。そこが面白かった。息子に知的障害があって正しくは理解していないとしても。この人は母なんだなぁと思いました。殺人より、息子にどう思われるかのほうが怖いんだ。あと、冤罪で息子の代わりに捕まった青年と面会して、母親がいるかどうか質問する場面はなくてはならないと思います。細かいところまでぬかりがないぜ、ボンジュノ。 [映画館(字幕)] 9点(2010-01-11 23:36:31)(良:2票) |
11. マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
エンドクレジットをじっくり見るために、本編中の飲み物は控えることをお勧めします。マイケルジャクソンはとてもかっこよかったです。一番印象的だったのは、ギタリストの女の子がソロで演奏する所でマイケルが声をかける場面です。『もっと高いキーをだしてごらん』『ここが君の見せ場だよ』『君がいちばん輝く所だ』『僕は隣にいるよ』普通の人はこんな事言いませんよね。マイケルは多くの才能を持った人で、自分が輝くのと同時に、自分の才能を周囲の人に与えて、成長する手助けをしてきたんだろうなと思いました。リハーサルでの細部までのこだわりを見ていると、マイケルが多くを求めて、実際に手にしてきた理由が分かります。世間を騒がせた何度にも及ぶ整形手術すら、マイケル本人からしたら、自分で求めた納得のいくものだったのではないのかなぁと思います。この人のいる世界はいつも輝いていたでしょうね。ご冥福をお祈りします。 [映画館(字幕)] 9点(2009-11-12 01:59:38)(良:1票) |
12. ダークナイト(2008)
《ネタバレ》 ひとりでレイトの時間帯に見に行ったのが正解でした。めっちゃ怖い。ジョーカーめっちゃ怖い。指の動かし方まで怖かった。クリスチャンベイルは相変わらずセクシーで、ゲイリーオールドマンやモーガンフリーマンに関しては言うことなしです。ビギンズと同じくアルフレッドには萌えました。私はレイチェルは可愛いと思う。私がレイチェルだったらデントを選ぶはないけれど、デントもいい仕事してたと思います。役者さんが豪華で爆破シーンも派手なのですが、『ハリウッド映画ですか』党の私は別に食傷を起こすこともなく、むしろ毎秒感心して鑑賞していました。引き込まれてました。(上映時間が長くて、途中でトイレに立ったのが後悔ですが・・・。)自宅に帰ってwikipediaで初めてヒースレジャーの顔写真を見たら、普通の優しそうな男性で驚きました。28歳での夭折。ご冥福をお祈りします。2回目行こうと思ってます。 [映画館(邦画)] 9点(2008-08-21 23:47:17) |
13. パリ、テキサス
《ネタバレ》 地元の美術館内にあるシアターで見ることができました。皆さんおっしゃっている通り、こんだけの内容で2時間半飽きさせないのは凄いと思いました。トラビスも奥さんもお互いを愛していたけど、正しい伝え方を知らなくて、それが一連の不幸を招いてしまって今に至るんですね。再会できたし話せてお互いを理解できたけど、前の関係には戻らないんですね。すごい悲しい映画でした。映画が終わって自宅へ帰って、彼氏に電話をかけました。見て良かったです。 [映画館(字幕)] 9点(2007-04-06 01:15:47) |
14. ごめん
《ネタバレ》 セイがナオコさんの親父に啖呵きるときがかっこよかった。『お前みたいなええ加減な大人に××(よく聞こえなかった)されたらたまらんわ!』自分が言われたような気がした。ついこの間まで私自身小学生だったような気がするのに、もう21歳。大人と呼ばれる年齢になったし、4月からは社会人。この映画の主人公は小学生だけどめちゃくちゃカッコイイ。顔はポーッとしてるし特に目なんてちょっとフットボールアワーの岩尾に似てるけどカッコイイ。セイはナオコさんが中学生だと知っても『年の差なんて関係ありません』と言える。セイはナオコさんと別れたくなくて、自分の住んでいる大阪からナオコさんの住んでいる京都まで剣道着来たまま自転車に乗って会いに行く。セイは必死に自転車をこぐ。セイはナオコさんが大学生にからまれたら『ナオコさんに何するんや!』と言って棒切れで大学生に向かっていく。私が最後にがんばったのっていつなんだろう。セイ、あんたいい男だよ。あたしもあんたを目指してがんばるよ。 9点(2005-02-24 23:28:39) |
15. アザーズ
この映画が公開されたばかりの頃、スマステーションでおすぎさんが興奮しながら解説していたのを思い出しました。でもそのおすぎさんの解説がすごく辿々しくて、聞いていて「興奮しているのは分かるけど、おすぎさんって話すのが下手な人だな」と思ったんです。それから4年。2005年2月20日。見ました。テレビ朝日によって。あのときのおすぎさんの気持ちがわかるー。こういうすっごい上手いどんでん返しって、内容を喋るとき何を言ってもそのネタバレになりそうで自分の興奮しか伝えられないんですよね。上映時間はそんなに長くない映画。前半のひとつひとつのエピソードがすべて驚愕のラストへ繋げるために不可欠なようになっています。計算されたプロット、ニコールの美しさ、演技力、デビット・フィンチャークラスの映像美、それらが貴方を「アザーズ」の世界にお連れします・・・。 9点(2005-02-20 23:54:55) |
16. Kids Return キッズ・リターン
来春社会人である自分の心理状況にうまく重なりました。見て良かった。 明日も頑張ろう。まだ始まってもいないんだから。(涙目) 9点(2005-01-01 23:49:05)(良:2票) |
17. 地獄の黙示録
この映画を見て以来、外を歩いていてヘリコプターの音が聞こえると「あれ?」って違和感がありました。ワーグナーが足りないからだということに気づいたのはずいぶん後です。きっかけは「クレしん」ムゥーヴィー。 9点(2004-12-04 17:13:03) |
18. カッコーの巣の上で
《ネタバレ》 名優揃い。船の場面とか良かった。精神患者たちが、見ようと思えば教授に見えるのが面白かった。みんな楽しそうだった。あたしもデカイ女になりたいです。グッドラック、チーフ。 9点(2004-11-25 00:10:58) |
19. フルメタル・ジャケット
海兵隊シーンは松本人志によるコントのようだった。「ごっつ」を思い出した。シュール。 9点(2004-10-31 20:57:21) |
20. 東京物語
《ネタバレ》 「親孝行って何?」って考える♪でもそれを考えようとすることがもう♪親孝行なのかもしれない♪・・・この映画の子供たちは誰ひとり「親孝行って何をしたらいいんだろう?」って考えてない。「熱海なんてどーお?」「いいんじゃない?温泉あるし」って爺婆と話しろよ!めったに会えないんでしょうが!!そんな実の息子娘と対照的に爺婆に親切な亡くなった息子の嫁。そんな彼女も「私ずるいんです」と言う。いま日本国内では映画にしろ小説にしろ「泣ける」という要素がないと売れない空気ですけれど、私がこれらの作品に触れて感じたことは、「泣ける」映画は往々にして観客を泣かせることを最終目的にしているためにそこから先に進めないということです。泣いてスッキリしちゃう。日本の皆さん、小津安二郎を見なさい。これを同じ日本人が創ったんだよ。と言う私も「東京物語」しか見たことないですけど・・・。 9点(2004-10-27 23:19:27)(笑:1票) (良:1票) |