1. 近松物語
一言で言うと「衝撃的」だった。これ程までに美しく洗練されている構図は観たことがない。本当の意味で映像美とは、こういうものなのだろう。溝口映画が賞賛される理由がよく分かる。「マトリックス」ファンの人にも是非観てもらいたい(マトリックス・ファンの人がこのページを見ているかは疑問ですが・・)。 [ビデオ(字幕)] 10点(2004-09-18 10:21:57)(良:1票) |
2. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 この映画に対する大方の評価は、「序盤の戦闘シーンはスゴイが、それ以降は見る必要なし」、「リアルな戦闘シーンが撮りたかっただけの映画」といったところだろう。しかし本当にそうなのだろうか?私は、この作品のテーマは、スピルバーグによる、戦争で命を落とした全ての兵士への「レクイエム」だと思っている。「1人の二等兵を帰還させるために8人の兵士が命を懸けて探しに行く」という、誰がどう考えても「理不尽」としか言いようのない任務。しかし、戦争は、それ自体理不尽なものであり、戦場では程度の差こそあれ、全ての兵士は理不尽と思える任務を坦々と遂行していたはず。スピルバーグは「ライアン二等兵を救う」という行為を戦場における数多くの理不尽さの「象徴」的な出来事として描いたのではないだろうか。序盤のリアルな戦闘シーンは単に「これを撮りたいがため」ではなく、戦場が生きるか死ぬかの「修羅場」であることを見せつける手段にすぎない。その「修羅場」の中で文句も言わず忠実に任務を遂行し、「元の世界」へ戻ることを切望しながらも命を落としていった兵士の姿を描くことで、これらの人々へ敬意を示すとともに、その犠牲のもとに現在の世界が成り立っているのだ、ということを語っている作品と捉えられる。トム・ハンクス演じるミラー大尉が死に際に言った「無駄にするな、しっかり生きろ(earn it,earn this)」の言葉は、まるで戦場で死んでいった兵士が平和な世界で生きる我々へ語っているようで心に響くし、又心苦しい思いさえする。スピルバーグの真意は不明だが、この映画を「戦争で亡くなった父へ捧げる」とスピルバーグ自身が語っていることからすると、決して的はずれではないと思うのだが・・。 10点(2003-11-14 00:05:24)(笑:1票) (良:9票) |
3. サウンド・オブ・ミュージック
老若男女、誰が見ても楽しめる名画。今や、スタンダード・ナンバーの宝庫。 10点(2003-11-13 22:38:07) |
4. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
街を歩いていて、いいニオイがすると、思わず「フ~ア~!」と叫びたくなる。そんな映画です。 10点(2003-11-13 21:20:27) |
5. ライムライト
喜劇王として頂点を極めたチャップリンだからこそ表現できる悲劇。これまでの作品はこの一本のための布石であったと言っても過言でないくらい。チャップリン映画の有終の美を飾るに相応しい作品。 10点(2003-11-13 21:18:10) |
6. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
10点(2003-11-13 21:16:48) |
7. ニュー・シネマ・パラダイス
10点(2003-11-13 21:16:16) |
8. セブン
受け入れ難いが、それでも納得のエンディング。「許せる」バッドエンドだ。車で現場へ向かうシーンの「焦らし」は見事。車中の会話も圧巻。 10点(2003-11-13 20:55:23) |
9. 東京物語
「家族の崩壊」が表向きのテーマだが、実際に描きたかったものは違う。それは、笠智衆の達観ぶりとその「背中」が物語っている。長年連れ添った妻が亡くなった朝、外で朝焼けを眺めながら「きれいな朝焼けじゃった。今日も暑い日になるぞ。」と言いながら家へ入っていくシーンが象徴的。この無常観の描き方には鳥肌が立つ。人間、家族を築いても最後は自分一人、そして朽ちていく・・。それでも、それを受け入れて生きていく姿、悟りの境地が笠智衆の背中に表れている。 10点(2003-11-13 20:54:45)(良:1票) |
10. 自転車泥棒
《ネタバレ》 ラストは「驚き」と同時に、ストーリーを丹念に追っていくと「必然」とさえ思えてくる。主人公、子供それぞれの心の動きを的確に表現している。すばらしい。 10点(2003-11-13 20:08:48) |
11. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
公開当時の情勢を考えると、ジョークでは済まなかっただろう・・。 10点(2003-11-13 06:51:00) |
12. サイコ(1960)
公開当時、最も震撼したのは、米国モーテル業界関係者とアンソニー・パーキンスの隣人だろう。 10点(2003-11-13 06:12:55)(笑:4票) |
13. ジョー・ブラックをよろしく
ブラピが出ていることで誤解されている映画。ブラピのプロモでもなく、単なる男女のラブストーリーでもない。「死」の存在を背景に、生きること、愛することの意義を丁寧に語っている名画。主役はむしろホプキンスと考えた方がいいだろう。「死」を目の前にしてもなお「生」を全うしようとする姿勢は心を打つ。クレア・フォラーニをはじめ脇役陣の好演も光る。静かな展開も特有の「間」と「リズム」を堪能できれば、3時間の長さを感じず、自然とストーリーに引き込まれていくはず。低評価の人は、見方を変えて、もう一度ご覧あれ。 10点(2003-11-11 21:59:28) |
14. 誓いの休暇(1959)
帰郷途中のエピソードの一つ一つが切ない。それだけにラストのナレーションはあまりにも悲しい。戦禍の中でも純粋さを忘れない人々の姿が印象深く、いつまでも心に残る。 10点(2003-11-11 21:23:38)(良:1票) |
15. サンライズ
「声」なしで十分伝わる作品。むしろ「声」は不要だと思う。仮にトーキーが可能な時代に撮影されたとしてもサイレントにしただろう。その意味でサイレントであることに必然性がある。正真正銘のサイレント映画。 [ビデオ(字幕)] 10点(2003-11-11 20:52:29) |
16. アパートの鍵貸します
「感動」よりむしろ「感心」する映画。見終わって、ここまで出来の良さに感心させられた映画はないくらい。どうって事ないような話をここまで面白くするとは・・。ビリー・ワイルダーの力量をとことん見せつけられた。40年前の映画だが、現代でも手本とすべき事は山ほどある。この映画と比べると40年間で、映画のレベルは上がるどころか下がっていると思えてしまう(比べるのが酷かもしれないが・・)。映画製作者(特にラブコメ)は「ワイルダーならどうするか」を考えて創って欲しいくらいだ。 10点(2003-11-11 20:47:20)(良:1票) |
17. 情婦
完璧すぎる。アガサ・クリスティの原作、ワイルダーの脚本、ディートリッヒをはじめとする俳優陣の演技、全てが完璧でしかも調和している。どうしても「ラスト」が話題の中心になるが、毒舌弁護士と看護婦のやり取りやワイルダーお得意の小道具の使い方等見所が多いので、2回目以降も十分に楽しめてしまう。真に「出来過ぎ映画」。 10点(2003-11-11 12:39:33) |
18. ダイ・ハード
アクション映画の最高傑作。「ダイ・ハードが好き」と言うとバカにする人がいるが、この映画の出来の良さは誰も否定できないはず。 10点(2003-11-11 12:34:57) |
19. 生きるべきか死ぬべきか
あらゆる意味で驚嘆する大傑作。驚嘆のストーリー展開、伏線の見事さ。「鬼」のナチスを徹底的に笑いにするルビッチの根性にも驚嘆。しかも戦中に撮った執念には、さらに驚嘆する。これだけの名画が世にあまり知られていないのは残念なこと。是非、多くの人に観て欲しい。 10点(2003-11-11 12:28:14)(良:1票) |
20. 人情紙風船
江戸時代の長屋における「チトサビシイ」お話。浪人夫婦の境遇が「チトサビシイ」。ラストの紙風船が転がり落ちるシーンも「チトサビシイ」。紙風船の如く、才能を「膨らましていた」山中監督にとって、この作品が遺作となったことも、やはり「チトサビシイ」。そして、戦争の所為で、その紙風船が割れんばかりに「膨らみきった」姿を見せることなく萎んで落ちたのは、「非常にサビシイ」。それだけに紙風船のシーンがいつまでも目に焼き付いて忘れられない。 9点(2003-11-27 00:08:26) |