1. 富士山頂(1970)
《ネタバレ》 1970年といえば、邦画界がTVに押されて凋落を始めた頃、しかしそれでもこのクオリティの高さには恐れ入った。 まずは俳優陣がとてつもなく豪華。 主演の石原裕次郎はもとより、勝新太郎、東野英治郎、宇野重吉、渡哲也、田中邦衛、山崎努、市原悦子と、実力派、重鎮がことごとく出演のオールスターキャストだ。 戦争を体験した昭和の俳優の引き締まった立ち居振る舞いと、1970年当時の風景。演出はスーパースターの裕次郎を主演に据えているからといって軽薄で観客に媚びることがない、重厚で抑制されたもの。 昨今の製作側の政治的な都合だけのミスキャストや場違いなタイアップテーマソングもない。 三菱重工社員の役所である裕次郎は台詞は少なく、表情で語る場面が多い。 僕は俳優としての彼をじっくり観たのは初めてだが、彼の並々ならぬ才能を垣間見た気がした。 安易なセット撮影に逃げることなく、果敢に富士山でのロケ撮影を敢行したことも画面に奥行きと重厚感を加えている。 本作の権利は石原プロモーションが持っているのだろうが、現在に至るまでDVD化されずに人々の目に触れなかったというのがつくづくもったいないことだと思う。 同じく幻の作品「黒部の太陽」もそうだが、ハイビジョンやBDの普及で家庭での視聴環境が整ってきた現在、そろそろソフト化して多くのファンに作品を観てもらう機会を設けるべきではないだろうか。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2010-12-09 13:41:02) |
2. レッド・サン
《ネタバレ》 本作は日本側が企画段階から参加しているので、良くある欧米映画にある珍妙な日本描写はありません。 北米大陸を旅する日本全権一行の姿、立ち居振る舞い、着物や所作、ディティールに至るまで、我々日本人が時代劇で親しんでいるそのままが再現されています(勿論それが史実と合致するかは別問題ですが)。 しかしそうであるが故に、「日本文明」と「西欧文明」の大きな違いというものが鮮明に描写されているように感じます。 おそらく本作を鑑賞した米国人はじめ西欧の人々は、あけすけで、表情豊か、率直でわかりやすく、自分たちのカルチャーそのもののメンタリティを持つブロンソンやドロン達には素直に感情移入出来たと思います。 しかし全く異なるルーツを持つ日本人からすると、一見無愛想、無表情で何を考えているかわからないような、三船敏郎演じるサムライにもその、うちに秘めたほとばしるような感情、情念を感じることが出来ます。 そういう部分は欧米の鑑賞者に理解させるのは難しいのかもしれません。 本作は単なる東洋趣味の物珍しさばかりを追求したゲテモノ映画では無いのですが、本作が公開された1971年当時、そろそろ日本の経済力が米国で存在感を増し始めていた頃。 これを全く異なるルーツを持ちながらも、同じ「人間」としての共通点を見いだすきっかけとして鑑賞した人々がどれ程居るのだろうか、と考えてしまいます。 この後80年代に向かって日本は現在の中国の如く世界を経済で支配するが如く席巻していくわけですが、その端緒、西欧人の日本に向ける微妙、複雑な目線を感じさせる興味深い作品だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-09 13:18:33) |
3. 幸福の黄色いハンカチ
不器用でダメな自分でも、それでも愛してくれて帰りを待っていてくれる。男性からすれば天使のような女性だけど、女性から見てどうなのでしょうかね。御伽噺と言ってしまえばそれまでだけど、山田洋次の不器用な人間に注ぐ暖かい視線が心地よい映画でした。高倉健はじめ桃井かおり、武田鉄矢の存在感が素晴らしい。ただ気になったのはズームを多用した雑なカメラワークと、巨匠の仕事とはいえ、どうしても違和感のぬぐえなかった音楽。山田洋次の繊細な演出の足を引っ張っているようで残念でした。 [DVD(邦画)] 8点(2006-07-29 19:03:40) |
4. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 ジョバンナの身勝手さが許せないと言う意見はすごく良くわかります。そうやって見てみると彼女の行動は自分のアントニオへの愛だけでいっぱいになってしまっていて、他者への思いやりに欠けているかもしれません。でも自分は彼女への怒りは湧きませんでした。怒りというよりも身勝手で不器用な彼女の生き様がとても哀しく胸に迫りました。そしてアントニオがミラノまで逢いに来て、自分の家族のことも振り切って一緒に行こうといってしまうその弱さにも。人間って弱い生き物ですね。 ろうそくのの中にぼんやり浮かぶジョバンナのうつむいた顔、息を呑むほど美しかったです。 8点(2005-01-08 13:44:00) |
5. ハロウィン(1978)
今気がついたがカーペンター作品だったのか。なんだか全然怖くなくて拍子抜けした覚えがある。 5点(2004-07-30 20:33:32) |
6. 惑星大戦争
スター・ウォーズの世界的ヒットに乗って急造された和製SFという趣。スター・ウォーズとどちらを先に観たか忘れてしまいましたが、なんでこうもショボイ出来になってしまうのかとがっかりした思い出があります。 5点(2004-04-10 22:14:24) |
7. 仁義なき戦い
当時最高のスター達を使った強烈なバイオレンス映画。生々しい暴力シーンとドキュメンタリータッチのカメラワークが斬新。とはよくいわれることだが、「血糊」があまりにも嘘っぽくてがっかり。 6点(2004-04-08 08:26:34) |
8. 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち<TVM>
何から何まで全てが破綻してる。日本にラジー賞があったら推薦したい。 0点(2004-04-01 01:41:23) |
9. 宇宙戦艦ヤマト
TV版のDVDBOX買いました。今観ると突貫で製作された故か、画の仕上げが非常に雑なんですね。当時は全く気にもならなかったのですが。しかしそれまでのお決まりロボットアニメと違い、一人一人のキャラクターが非常によく描きこまれており、それに加えて重厚な戦闘シーン、今観るとこっぱずかしいが、それっぽい専門用語が飛び交う艦内。スターウォーズと並んでもう大興奮して土曜日19:30を迎えたものでした。そしてこの劇場版ですが、いかんせん2時間にまとめるには無理があり過ぎ、単なるダイジェスト版となってしまいました。それも仕方なしですが。 TV版は点数をつけられるなら文句無の10点ですが、劇場版は残念ながら半分の5点とさせていただきます。 5点(2004-03-16 17:49:11) |
10. エクソシスト
公開時に見たきりですが、もう本当に恐ろしかったです。当時小学生だった自分にとっては背筋も凍る恐怖を感じたものでした。ほとんど覆った手の隙間から見ていたという(笑)。今見ればもう少し冷静に見れるような気がしますが、でも頼まれても絶対に見ません! 9点(2004-03-09 22:31:30) |
11. 八甲田山
題材としては非常に衝撃的でおもしろい。実際に八甲田でロケするなどリアリティにこだわっているのに、役者の演技がどうも芝居がかってて感情移入できず、ちぐはぐな印象が残った。 5点(2004-02-09 17:05:50) |
12. アンドロメダ・・・
さっきレンタルで借りてきて観ました。さすがに今見ると古臭いけど、これはこれでひとつの世界が出来上がってていい味出してます。原作も読んでみたいですね。 7点(2003-12-23 23:58:50) |
13. ヘルハウス
これ、小学生の頃テレビで見ましたよー。コタツに入りながら。怖かったなー。当時の印象のままの点数です。ホラーは苦手なのでもう観ることも無いと思いますが・・・。 6点(2003-12-22 00:08:23) |
14. ペーパー・ムーン
テータムの天才子役ぶりが爆発してる作品。実の親子で親子の役・・よく似てるし(笑。観た後心がぽっと温かくなりました。また観たなあ。 8点(2003-12-13 16:43:03) |
15. ビッグ・ウェンズデー
中学生の時はじめて見たのかな。みんな当然のように可愛い彼女がいていちゃいちゃしてるのがとても羨ましかった・・・ 6点(2003-12-13 01:42:56) |
16. 太陽を盗んだ男
しかしド派手なカーチェイスや群集シーンをよく撮影したものだと感心する。映画ロケに対しては日本のお役所は非協力的なのにね。 8点(2003-12-13 00:58:23) |
17. ダイナマイトどんどん
学生時代友人に薦められて観た。テンポはいいけど、映画にするほどの内容かと正直思った・・・ 5点(2003-12-13 00:57:36) |
18. ブラックホール(1979)
出てくるロボットがどうしてもロボコンを連想してしまうので困った。古風なつくりのSFですね。 4点(2003-12-12 23:45:59) |
19. バリー・リンドン
確かNASAから手に入れたと聞きましたが、非常に明るいレンズを使って、ろうそくの火のみをつかって屋内シーンを撮影しています。こういうチャレンジを彼はよくしますね。スコットが「決闘者」で同じ試みをしたかったそうですが、断念したそうです。 8点(2003-12-12 22:46:09) |
20. ロッキー
スタローンは数日でこの脚本を書き上げたと聞く。傑作と呼ばれる作品というのは、関係者の努力や才能ももちろんだが、何かが「降臨」したかのように奇跡的に全ての要素が良い方向にかみ合って出来るのではないかと思うときがある。この作品にはそういう勢いというか、オーラを感じる。 7点(2003-12-12 16:28:28) |