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1.  DUNE デューン/砂の惑星 PART2 《ネタバレ》 
前作に引き続き圧倒的な映像。サンドウォームは言うまでもなく、全体のスケール感、中東情緒を昇華したデザイン、その質感が凄い。ジェシカやイルーランがまとう衣装デザインも素晴らしい。汚れる場所は必ず汚れているし人間描写のリアリティは昨今の映画では比類がない。映像に関しては10点満点中20点を献上する。  人物ということでは救世主に覚醒するシャラメの演技はお見事。普通の女から恐ろしい教母に豹変するレベッカ・ファーガーソン、そして原作からして存在意味が危なっかしいフェイド=ラウサに存在感を与えたキャラ造形には唸らされた。  で、言いたいことは結構あります。レーティングのためか血がほぼ一切出ない。状況的に超残虐シーンが多いからそのものズバリを映すとキツすぎるだろうが、だったら終盤何度も出てくる体にナイフをブサブサ刺す場面はもっと他の描写にすべきでは?フレメンの大反攻も妙に「小出し」でカタルシスが足りない。フレメンvsサーダカーの最強軍団対決は遠目にはお互いの衣装が似てるので状況が分かりづらい。特に最後サーダカーを血祭りに上げるシーンは作るべきだったのでは?前作で散々やられたんだから。  ラッバンを追い詰められた気の毒な男として描いてラウサと対比させるのは良いと思ったが、それでもあれほどの暴虐を働いてきたのだから劇中できっちり惨死させるべきだろう。その上の暴虐どころではないハルコンネンもきれいに死なせすぎ。今回一度も宙に浮いてないし。やはり全体的にカタルシスが足りない。  そして最大の問題、チャニはあれでいいのか?いつ仲直りするのかと思っていたらラストまでそのままかよ!ゼンデイヤが中盤からずっと仏頂面なのであれじゃまるでポールが急に金持ちの美人に乗り換えたように見える。続編(『砂漠の救世主』)への伏線なのかもしれないが、それならむしろ今作ではラブラブエンディングじゃないとおかしいのでは?ていうか『砂の惑星』は一応ここまでは完結した物語なのでスッキリ終わらせてくれよ。  途中までは大絶賛する気満々だったので本当にもったいない。
[映画館(字幕)] 6点(2024-03-18 19:26:31)
2.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》 
どんな映画か全く分からずに、それも映画館で観る、これが意外に面白かった。安心のジブリ印だし。劇中で普通ならジャンプスケアがありそうな場面でビクビクしてしまったが、ジブリなので当然そんな心配はいらない。  そしてジブリが得意な日常の描写、詳細なディテール(←重複表現)がしつこーーーーく描かれる。何の話か分からないからそのディテールに目が行ってしまう。おそらくこの映画は最初から情報を出さないプロモーションで行く企画で作られたのだろう。もしかしたらディテール表現をこれでもかと詰め込むために作られた映画なのかもしれない。  キャラクターはどれも練られていて、声優陣の演技も秀逸。キムタクもハウルと同じくジブリでは良い演技で、実はあれが素の実力だとしたら実にもったいない。  その「キャラクター」が、良く出来てはいるのだが既視感がある。生真面目で熱い少年、きっぷのいい姐さん、万能の少女、憎めないセコいヤツ、自分ではなんにもできない普通の中年男女、自らの限界を知る孤高の老人、そして異生物のような老婆・・・。いわば人間を性別と年齢で切り分けたスターシステム。昔からそうだが宮崎駿は80歳超えてまだそういう世界の見え方なのか?  世間的に評価が高いが自分はすごく苦手な、あのヌトヌトとした食べ物描写、そのぶしゃぶしゃした喰い方、そういう質感も含めて宮崎駿の集大成的作品ではあるんだろうね。大風呂敷を思わせぶりに広げたあげくクルっと丸めてはい畳みましたーという展開も嫌いじゃない。主人公の空虚さも品があって好感が持てる。君たちはどう生きるか、俺はこう生きたぞという自作戒名発表的作品なのかも。  全体的には好きだしストレートなエンタメ作品として人にもおすすめできるが、音楽だけはいただけなかった。思わせぶりなミニマムな楽曲。これがどう展開するのかと思ったら同じものが何度も、けっこうな頻度でかかる。久石譲がお疲れなら別の人に頼んだら良かったのでは?エンドロールの米津玄師の曲も本編との繋がりがピンと来ないし、手書き風フォントにするのは良いとしてバックを青にする意味がわからない。本編が詰め込み過ぎなのにラストのラストが放り投げというのはいかがなものか。
[映画館(邦画)] 7点(2023-07-19 22:00:26)
3.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 
設定からふざけたノリのアクション映画は嫌いじゃない。トンデモ日本が出てくる映画も嫌いじゃない。説明のために「前日譚」がぶちこまれる雑な展開や新キャラ登場時に名前を大きく出すのも面白い。しかし・・・どうもこれには(文字通り)乗れない。  面白いアクション映画を作ってやろうというのはわかる。ふざけを全力でやっていて手抜きはない。役者の演技もみんないい。ただ何だろうな?漫画だったら、小説だったら許される「書き手の癖」みたいのが映画だとどうもノイズになってくる。  とはいえすべての伏線(?)がつながってくるラスト30分からは面白くなる。画面の中で起きる事はめちゃくちゃだが、爆走する新幹線のごとく1本の線にまとまってくる疾走感が細かい疑念を吹っ飛ばす。そこに真田広之の冴えた殺陣で否が応でも盛り上がる。  ただその後、ラストシーンでまたダレる。「仲介者」はそれまで顔を見せないので突然出てきても反応に困る。ラストシーンに新顔出してどうする。最後のアレは実はこうでしたみたいな話が出るが、それ普通に時系列で出来ない?なんか、全体的に上手くない。  どうも『ジョン・ウィック』を撮った監督とも思えないんだよな。もっと構成を練って90分にまとめて、なんならコメディ仕立てにしないほうがかえって笑える作品になったかもしれない。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-06-06 22:11:25)(良:1票)
4.  NOPE/ノープ
劇場で観ようと思って観そびれた映画。ようやく観てみました。  おおなんだこりゃ!引き込まれる!でもなんだこりゃ。でも引き込まれる!登場人物も文字通り引き込まれてる!でも何だこりゃ・・・で最後まで行くのかよ!  途中で気が付いた。これは見たいものを順に見せてくれるデザート映画じゃないんだ。シェフが腕組みすらしていないレストラン。料理は抜群に美味いが何が出てくるのかわからないし何を食わされているのかもわからない。シェフに聞きたいがテーブルに出ては来ないし厨房で顔すら上げない。  この映画を観るまでネタバレレビューに接するのは極力避けてきたが、「ネタ」って実際何だったのだろう?美味かったし腹はふくれたが何の肉だったのかわからないものを食った後の気味悪さが残る。あの130分で一体何を見せられたのだろう?幸い音楽が絶品のソースのように安心感を与えてくれるが。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-05-08 22:23:58)
5.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 
『シン・ゴジラ』には乗れなかった自分としては世評も微妙なこの映画はスルー予定でしたが、あまりに色んな人が話題にするのと、予告編がかっこいいので気になって観に行きました。うむ、予告編通りかっこいい!とこもある!  まずライダーキックが必殺技であるというのを迫力ある映像として見せているのが良い。特撮で見ていたあのキックは本当はこんなに凄かったんだなと思える。他にも新鮮なアクション、怪人やそのアジトの美麗さなど魅せられる要素は数多い。  一方問題点は挙げればきりがない。登場人物が全員思っていることをぜんぶしゃべる、しかも嘘がつけないようで裏腹なことは言わない、というのはこの監督の作家性らしいが、にしてもほんと会話が多い。そして場面展開の強引さは昭和の特撮を越える。そこまでこまけぇことに気にしないんならいっそ採石場で戦ってほしかった。  121分は今どきの映画としては長い部類ではないが、それでも長いと感じる人は多いようだ。が自分は意外と気にならなかった。それはやはり全体の玉石混交ぶりにあるだろう。良いシーンではアガるし駄目なシーンではリラックスできるのでメリハリがあって疲れない(笑)。だったら編集し直して切り詰めれば名作になりそうなものだが・・・残念ながら肝心のクライマックス、ラスボス戦が映像としてグダグダなのだ。  演じた森山未來のキャラ造形は本当に素晴らしかったのだが、そのラスボスとしての凄さはFXではなくちゃんとアクションで見せてほしい。映画全体として後半になるにつれアクションはどんどん何やってるのか分からない誤魔化しになっていくのが辛いところ。一本足したぐらいでは幸せになれない。  この映画を端的に言うと幼稚。かっこいい人物をかっこよく登場させてかっこさよさげなセリフをクールに(?)言わせる。漫画みたいなカット割りに解説セリフ。子供が考えた大人の世界。とはいえ本当に光るものはいくつもあって、これを「大人の鑑賞に耐える」レベルにまとめられなかったのは残念だ。決して駄作ではないが、とにかく惜しい!映画。
[映画館(邦画)] 6点(2023-05-01 22:21:20)(良:3票)
6.  AIR/エア 《ネタバレ》 
開始いきなりかかるダイアー・ストレイツの『マネー・フォー・ナッシング』でわけもなくアガる。この曲を知らない人はどう思うのかわからないが、とりあえずなんかわからんが盛り上がる気分になるのではないだろうか。80年代のPVやニュース映像が流れてそのまま映画のストーリー画面へ。古い画質から現代基準の映画の品質にゆーっくり戻していくのだが、このさじ加減が上手い。  話自体は一本道だし史実だからどんでん返しもない。その合間を80'sポップが絶妙に埋めていく。歌詞がわかる人ならもっと感じ取れるものがあるかもしれない。その他のガジェットや車、建物、もちろんファッションや髪型に注意が払われていて観客を自然に1984年に連れていく。  感心するのはキャスティング。ジョーダンの父役の人は現実のジェームス・ジョーダンには似ていないが、マイケル・ジョーダンに似ているので登場した瞬間にこの人があのジョーダンの父だとわかる。母役もやはり本人には似ていないがこれは演技重視ということだろう。ちなみにこの母役ヴィオラ・デイヴィスの配役はマイケル・ジョーダン本人の希望だったらしい。  この映画に登場する本当の人物像には、たぶんマット・デイモンやベン・アフレックのような輝けるスター達のようなオーラはないと想像する。そこにもしマイケル・ジョーダンという、どんなスターも居るだけで圧倒する存在を放り込むなら誰を連れてくればいいのか。当然ながらそんな役者は存在しないからジョーダン役の人はほぼ顔を映さない。この中心になる人物を空白にしておく構成も実に上手いと感じた。  この映画は大画面や大音響がなくても十分成立する。2023年にそんな映画を映画館で観るのも乙なものだと思った。そして1984年の空気感に浸らせてくれて、家に帰ってもその空気が漂っている気がした。実はこの空気感がこの映画の隠れた主役なのかもしれない。
[映画館(字幕)] 7点(2023-04-26 23:02:04)(良:1票)
7.  ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り 《ネタバレ》 
まず最初からあまり説明しないのが良い。冒頭の恩赦請願シーンは説明用だな、とはわかるが基本的に用語の説明はせず見てりゃ分かるよという感じでサクサク進めるのは小気味良い。かと言って最近多い観客置いてけぼりで雰囲気重視な映画ではまったくなく、ファンタジーに関してはごく軽くしか通っていない自分でも十分楽しめた。  とはいえ元がテーブルトークRPGであることは知っておく必要はあるかもしれない。キャラクターには能力値が割り振られているので基本的に平等でパーティを組んで力を合わせる必要がある。途中に出てくる無敵のお助けマンはNPC(ノンプレイヤーキャラクター)なので仲間にできない。  全編ギャグ満載なのでそういう設定上のメタ発言が飛び出すかと思ったらそうでもなかった。全体としてこの映画はとても丁寧。雑なのは鳥人間の造形くらい。(あれも笑うとこなのだろうか?)  そんな丁寧な中で気になったのはクリス・パインの髪型が一切乱れないところ。汚し表現は最初の牢獄シーンくらいで後はずっとぴっかぴかだ。やりすぎると雰囲気が重苦しくなるだろうが暴れまわった直後でも髪一つ乱れないとかこの映画にかぎらずなんとかしてほしい。  しかしとにかくよくできた映画で評判も良いのでこれは一大シリーズになるのだろう。コメディにしたのも良かった。今更この伝統的設定でシリアスな話してもね。ただしコメディにしたことで続編のシナリオはより難しくなったと思う。きっとどこかで大コケする。それを見て笑う準備もしとこう。
[映画館(字幕)] 7点(2023-04-20 18:15:12)
8.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 
面白かったー!よくこんな映画作ったな。しかし観てる間中「これはいったいなんなんだ」という思いが消えない。そして観終わった後もやはり消えない。なんでこんな映画がアカデミー作品賞なんだ。フルチンでカンフーバトルやる映画だぞ(笑)。  めっちゃくちゃな話をぐいぐい引っ張って観客を巻き込むテンポ感と見栄えのする映像で見せる構成は大したものだが、その中で俳優の演技がリアリティを与えている。登場人物は突然人格が入れ替わる役が多いのだが、特にキー・ホイ・クワンは一言もしゃべる前から「あ、今あっちの人になった」というのがはっきりとわかる。ジェイミー・リー・カーティスの極端な変化も凄い。この映画の成功は役者に多くを負っているのは間違いない。  ところで誰しも「あの時ああしていれば今ごろはどうなってたか」と考えるものらしいが、自分はそういうのがあまりない。だからこそこの映画のバースジャンプ、とんでもなくばかげたことをやらないと次元を移動できないという設定は腑に落ちるところがある。順調にいっている仕事を辞めたりいい歳して別の分野を学び始めるのは外から見れば狂った行動だ。実はそんなリアリティにあふれた作品なのかもしれない。
[映画館(字幕)] 8点(2023-03-28 20:59:53)(良:1票)
9.  劇場版 センキョナンデス
ラッパーのダースレイダーと時事芸人のプチ鹿島が主に政治について語るYoutube番組「ヒルカラナンデス」の選挙特番である「センキョナンデス」の劇場版。毎週観てる視聴者としてはこういう前説はもう食傷なのだが、自分で何か書くとなるとやはり外せないハイコンテクストな作品ではある。  正直言って観に行く前は「iPhoneで撮った動画配信でやってる映像がスクリーン視聴に耐えられるのか」「さんざん観てる映像や同じ話をまた聞かされるのか」という不安があった。その懸念自体はそう外れてはいないのだが、109分の映画になると大きな「ストーリー」が鮮烈に浮かび上がる。それはこの映画の編集の上手さなのはもちろんだが、取材対象である「政治家」という特殊な職にある人間のパワーが自ら紡いで突き出してくる。  この映画に登場する政治家には名優もいれば大根もいるしその中間もいる。そしてやはり政治なのでみんな政党の戦略の中で自分の役を演じざるを得ない。その葛藤が白日の下にさらされて実に面白いのだが、中盤以降この「物語」の中心をさらっていく人物が現れる。もちろん監督二人の政治的スタンスははっきりとしているし、どれほど中立を掲げてもどうしたってバイアスはかかるが、カメラの前で誰がどんな条件で自分の言葉で話をするか、それともしなかったかは明白だ。  この映画を観れば政治家という人々、我々の生活を直接左右する仕事をしている人々に興味を惹かれる。その人々が人前でありのままをさらけ出されるのが選挙であるということが分かる。だから選挙に行こう、その前の選挙活動を見に行こう、会いに行こうという気にさせられる。
[映画館(邦画)] 7点(2023-03-12 20:36:47)
10.  ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 《ネタバレ》 
あらかじめアナウンスされていたことではあるが、ジョニー・デップ降板でマッツ・ミケルセンが登場。前作で散々濃いキャラを振りまいた役を交替させて大丈夫か?そして登場したマッツ・ミケルセンが白塗りもカラコンもホワイトブロンドもなしの素のマッツ・ミケルセンのまんま!  これには驚いたが、観終わった後では英断だったと思う。前作までのあのキャラ造形はジョニデならではのもので、誰がやっても陳腐になったはず。映像的な連続性は失われたが一つの物語としての整合性はむしろ保たれた。やはり役者というのは凄いものだな。  さて前作ではあまりに分かりにくくなった話を分かりやすくするために今作では「説明」に時間が取られる。あまりに暗い話にしないようにコミカルな演出も出てくる。そして今回は「動物」が決定的役割を果たし、その動物専門家としてニュートの役割も重要になる・・・か?  一作目で素晴らしいキャラクターを演じたエディ・レッドメインだが、今作では数多い登場人物の中で個性を際立たせるためなのかずっと同じ演技をしている。不器用な歩き方はわざとらしいし、表情に至ってはずっと同じびっくり顔。いつの間に大根役者に成り下がったのか。  そして終盤、どんでん返しが好きなハリポタシリーズらしい展開だが、だいたい読めるという落ち。次に今どきの映画なので覚悟はしていたが、ラストシーンが長い!なぜそこで長々と会話する?あんなの結婚式をダンブルドアが外から眺めるという一瞬で終わらせれば素晴らしいラストになったはずじゃないか。  あと戦前の状況とはいえドイツやドイツ人を悪としか描かない描写にも違和感がある。思うにローリング先生には脚本用の「原作」を書いてもらって、脚本は映画の脚本として別に仕上げればよかったんじゃないか?それで先生が不満ならそれこそ「原作」を書いて出しゃいいわけで。
[映画館(字幕)] 6点(2022-04-21 23:19:29)
11.  DUNE デューン/砂の惑星(2021) 《ネタバレ》 
リンチ版、原作、TVドラマ版、ホドロフスキー(?)を通ってきた自分にとってにとってこの映画は・・・完璧な作品でした。今まで想像で、あるいは脳内補完でしか見られなかった風景、それ以上のものが眼前で展開されている!  それまで断片的にしか表現されてこなかったカラダンの自然、ジェディ・プライムの禍々しさ、サルダウカー(サーダカー)の恐ろしさ、アラキスの広大さ・・・etc。そして「コンピューターのない未来世界」といういびつなテクノロジーの表現が素晴らしい。  省略されているプロットもあるとはいえ、話運びはとにかく丁寧。できるだけ解説を避けて映画的表現で世界とキャラクターを説明していくのでとにかく時間がかかる。「パート1」と言うからにはそろそろ終わりかな?と途中(たぶん半分ほど)で思ったら甘かった。僕は基本的に長い映画は苦手なのだが、これはなぜか浸っていられる。とにかく圧倒的な映像と音響の世界。それでいて満腹にはならない。この長さがないと途中の展開があっけなく感じられるだろう。  原作と映像化2作で観てきた『デューン』だが、個人的には中盤の展開で初めて喪失感を感じた。それはこの長さと丁寧な描写あってこそ。予備知識なしで観た人にはさぞかしショックなのではなかろうか。  キャスティングはすべて完璧なのだが、特にジェシカ役のレベッカ・ファーガソンが素晴らしい。公爵妃の高貴さ、人外の能力を持つ修道女、その中で自分の意思を貫く勇敢さ、母親、「女」・・・すべてを併せ持ってそれでいて超人ではない絶妙のバランス。ただ純粋な悪の塊であるキャラクター”ビースト”ラッバン役にデイヴ・バウティスタというのはどうなんだろう?なんとなく良い奴というか「実はちゃんと考えてる人」に見えてしまいそうで不安なのだが。  個人的にはこんなに長い映画を飽きずに観続けられたのは初めてなのだが、それはもちろんサウンドの力が大きい。以前からハンス・ジマーは作曲家と言うより音響クリエイターだと思っていてその安直な「楽曲」があまり好きではなかったのだが、今回の「音響作品」は凄い。それこそ作中の設定のように音で人間の精神を操ってくる。  この映画は後で配信やメディアで観た人に長すぎるだの退屈だの話のテンポが云々と言われてしまうのだろう。この映画を「感じ」られたのは映画館で見ることのできた我々の特権だ。
[映画館(字幕)] 10点(2021-11-29 22:35:24)(良:1票)
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