1. パリ、テキサス
《ネタバレ》 ロードムービー、寡黙な主人公、親子愛、荒野、音楽、その全てがツボにはまった。マジックミラーを用いた間接的且つ一方通行的な再会という手法には思わず唸らされてしまう。うっ、うまい!うまいぞよー、てな感じ。あとはとにかくキンスキーが綺麗!綺麗ぞよー、てな感じでもある。良い映画ぞよー。 10点(2004-07-02 21:01:22) |
2. 靴をなくした天使
《ネタバレ》 高校時代に感動して何度も見た。初めて泣かされた映画かも…思い出プラスで10点です。とにかくダスティン・ホフマンがいい!シンデレラのパロディーのストーリーもわかりやすいく飽きない。この映画を見て真実って何個もあるんだなぁ、と考えさせられたような気がする。 10点(2004-06-10 20:57:13)(良:1票) |
3. 嫌われ松子の一生
人物造詣やストーリーなんてものはこの映画にとっては些細なことなんじゃないだろうか。松子が不幸だからかわいそうなんてこれぽっちも思わない。ポイントは幸・不幸のその落差、非常にテンポの良いローラーコースターに乗っているようにスリリング且つ軽快。また、じっとり湿った暗い話をコメディやおとぎ話のようにアレンジしてしまう映像のセンスは素晴らしい。テンポの良さが薄れてくる後半は普通の二時間ドラマ染みてきて、退屈。しかし、後半の退屈さを差っ引いてもそれでもなお傑作といえる素晴らしさがこの映画にはある。監督の監督による監督のための商業映画。まるで気まぐれな神が映画を作って終いの方で飽きてしまったかのような出来映えである。 [映画館(邦画)] 9点(2006-11-24 00:06:22) |
4. ビヨンド the シー/夢見るように歌えば
一人の男の人生を音楽を触媒にエンターテインメントとして見事に表現している映画。ボビー・ダーリンについての知識も全く無く、正直そこまで期待していなかったのだが、いやはやこれは私の想像をはるかに超えた名作だ。観終わって即行でサントラを買ってしまった。ミュージカルにあまり興味が無かったのだが本作のミュージカルシーン(特に『BEYOND THE SEA』をBGMに求愛するシーン)にはぐぐぐっと惹きつけられた。音楽ってすごいや!(なんと陳腐な表現だろう、けれども真実) [映画館(字幕)] 9点(2005-03-21 01:11:23) |
5. 夜霧の恋人たち
映画の登場人物と自分を重ねてしまう、そんな経験は今までにはなかった。虚構は虚構、現実は現実であり、明確に隔てられていた。だが本作は物語と自分との間にあった膜のようなものを破った。アントワーヌ・ドワネル、この男は色んな意味で危ない男である。もちろん彼と自分が全く同じというわけではない。ただ彼の引き起こすトラブルに「大変だなぁ」と思いつつも、ふとそこに自分を見てしまうのである。そう思わせるだけの吸引力を彼は見事に持ち合わせている、真に危険な男である。全体的に言えばくどくないユーモアが漂った作品である。決して強引ではない人間らしさのあるおかしさである。夫人が話す礼儀と機転に関するエピソードは実に良い。これだけでイメージが拡がる。御飯に対してのお漬物みたいなポジションである。 9点(2005-01-12 00:35:53) |
6. 家庭
この映画を好きだと言ったら、マザコンと思われるかもしれない。しかし、それでも好きだと言いたくなるような映画である。冒頭の幸せそうな雰囲気には「アントワーヌ・ドワネルよ、おまえ本当に良かったなぁ」と微笑まずにはいられない。ラストの食事のシーン、ドワネルのやはりとも言うべきどうしようもなさには、なんとなく自分を見ているようで恥ずかしい。クリスチーヌの深い深い優しさに包まれた、じんとくる話。 9点(2005-01-12 00:06:14) |
7. バリー・リンドン
とても哀しい映画である。物語と観る者の距離があまりにも遠いがために哀しい。 9点(2004-11-11 23:51:41) |
8. フライド・グリーン・トマト
見ているときは、そうでも無かったがこれを書くべく思い出しているとホロリとくる。イジーはなんてかっこいいんだ!事故ったルースの子供にかける言葉とか絶品。行き詰まった人たちや、自信をなくした人たちにぜひ見てもらいたい。女性の方々には特にオススメ。心の肥やしとなる映画です。 9点(2004-08-09 18:30:20) |
9. あのころ僕らは
映画でしかやれないことをやっている作品、こういう作品を見ると無性に嬉しくなる。人生の最も輝かしい時代を上手く切り取っている。虚勢や、自己肯定、他者への牽制など尖った会話が繰り広げられるクラブのシーンと、時々挿入される、鏡に向かって登場人物がありのままの自分をさらけ出すトイレのシーン。この虚実、二つのシーンが絡み合い、一見単純な物語をより深く、濃いものへと醸成している。加えて、キャスト、音楽も実に良い。偽らないディカプリオが天晴れ! 9点(2004-07-22 00:51:15) |
10. アマデウス
《ネタバレ》 父の束縛と己の才能から来る傲慢さにより孤独を抱えたモーツァルト。彼の才能を認めるがゆえに憎悪せざるをえないサリエリ。二人の孤独と嫉妬は重なり合いそうで重なり合わない。そして、天才は先に逝ってしまう。残されたサリエリは晩年狂う。精神病院の患者による告白という設定は物語のフィクション性を上手く演出している。 9点(2004-06-11 14:20:34) |
11. 素晴らしき哉、人生!(1946)
目先の欲に目がくらみそうになるジョージの弱さがとても人間らしい。単なるいい奴じゃない所が良いです。中身は完璧に近いんです。でも、女優さんのアップをやたらにキラキラさせる部分は萎えます。-1点。 9点(2004-06-05 01:42:00) |
12. 幕末太陽傳
《ネタバレ》 サゲは観る者を虚構から現実へ引き戻す。そして、活き活きと動いていた登場人物たちは一人の噺家へと戻る。彼らは彼となり、高座から消える。語ることを終えた噺家はその場を去るしかない、何かを付け加えることは蛇足だ。この映画のラストで佐平次は「お見立て」のサゲを言い放ったあと、逃走する。監督の考えていた、逃走した佐平次が「現代」の品川へと流れ込んでいくという案は、マクラとしての冒頭のナレーションとセットとして考えれば、現実→虚構→現実という落語の流れをうまく踏襲している。「現代」のシーンをいくつか加えるというのは蛇足だと思えるが、お話が終わった後に「現代」に戻るという案は悪くないと思う。まぁ『幕末太陽傳』はあくまで映画であって、落語ではないので落語のものさしで測れるものではありませんけどね。生きるために逃走した佐平次の背中と、同じく生きるために高座に上がり、そして下りていく噺家の背中が重なる、清々しくて気持ちがよい。 [DVD(邦画)] 8点(2006-08-12 23:40:25) |
13. ピアニストを撃て
映画史上最も悲しい死に方をした老婆の魂の平穏を祈って、8点捧げます。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-06 23:44:28) |
14. キャスト・アウェイ
『十五少年』や『ロビンソン』など無人島ものが好きなんで楽しめました。一言で言ったら、非常にセンチメンタルな映画。ボールを擬人化することで自らが人間であることを保つ、こういう設定はぐっとくる。全体の筋自体はありがちだけれど、細部がうまい。漂流物の利用に無駄がない、こいつぁ見習うべきですな。 8点(2005-02-01 23:59:32) |
15. レザボア・ドッグス
かっくいいよぅ!あそこまで人を信じられることが羨ましい。 8点(2004-08-25 02:21:20)(良:1票) |
16. レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ
あの狂った男達はなんなんだ!純真無垢な赤ん坊までもがとんでもないことに!さりげない小細工的な笑いに好感が持てる。独特の雰囲気漂う良質なロードムービー。 8点(2004-08-23 18:31:13) |
17. ゆきゆきて、神軍
奥崎謙三は我々に色んな姿を見せてくれる。ある時は「神」がかった存在であり、またある時は単なる狂人であり、そして、またある時はエンターテイナーにも姿を変える。この映画が彼のポジを描いているとすれば『神様の愛い奴』は彼のネガを描いていると思う。奥崎謙三に興味のある方は是非オススメする(本作で気分を害された方は勿論観ない方が良い)。この映画の凄いところは、奥崎謙三以外の元軍人の言葉、表情を押さえたところである。過去を語るのを躊躇う、彼らの表情はどんな戦争映画よりも戦争の凄惨さを語っている。この映画で描かれる戦争の凄惨さの前では、奥崎謙三の奇行すらかすんでしまっている。 8点(2004-08-17 21:18:42) |
18. バグダッド・カフェ
偉大なる画家・コックス氏よ、あんたは超一流のエンターテイナーだ。あんたのやったことは、他のどのマジックよりも鮮やかで衝撃的だった。度肝抜かれたました。まっ、ええもん見してもらいましたわ((笑))げふっ。 8点(2004-08-12 22:30:28) |
19. オールド・ボーイ(2003)
悲劇、喜劇、活劇の要素を兼ね備えたエンターテイメントとしてよくできている。下手に登場人物に感情移入などせずに(すれば人間不信になるかもね)、ただただそのどんでん返しを楽しもう。どんでん返しに関しては『情婦』よりも面白かった。ネタバレ禁止確実!観終わった後、とても餃子が食べたくなった。 8点(2004-08-11 00:04:29) |
20. クレイドル・ウィル・ロック
後半の舞台は必見。役者魂に震えます!冒頭の「Almost True Story」というのが実にいい。 8点(2004-08-09 18:06:55) |