1. エレファント
観ていく内に次々と断片的に映し出される各生徒の風景。映し方はおもしろいのだが、執拗に顔をアップにする意味は何だろう。冒頭部分から中盤にかけて映し出されるのは高校生のごく普通の日常生活のようだ。ただ、ある生徒が映し出された時から違和感というか、何か不純物が混じったなという感じがした。そしてどうもその辺りからこの映画の内容が大体つかめてくるのだが・・・。 まずこの映画には主人公というものは存在しない。監督の視点がそれなのかというとそうでもない。後ろから追い続けるカメラはあくまで我々の視点なのであって、どうやら何がどうという事ではないらしい。そして見終わって気付くが、映画の冒頭で感じた、「何故顔を執拗に撮り続けるか」という疑問に対して意味はないのだ。後に死にゆく者の言動でさえも意味は無い。この辺りが実に本作の憎らしい所だ。一見何気ないようで、ん?っと思ってしまう場面(カフェテリアでの女生徒達のいざこざや、写真を撮らせてくれと頼む場面等)は本当に何気ないだけなのだ。だが撮り方が巧いだけに、ぐっと見入ってしまう。 要するにこの映画は、良く言えば実に良く出来た再現VTRなのであるが、悪く言ってしまうと、あまりに手放し過ぎるのだ。一応、コロンバイン高校という所で起きた事件について、再現VTR巧く撮れたから、後は勝手に見といて、なのだ。もう感情がなければ思想も伝わってこない。これで何かを感じとれという方がおかしい。あ、感じ取らなくていいのかね、、 [DVD(字幕)] 2点(2005-07-26 01:27:31) |
2. ディボース・ショウ
今回コーエン監督の作品でサスペンス以外のものを観るのは初。まあブラッド・シンプル・ファーゴと観て、当然期待は大きかった訳だが。3日前にみたばかりで、あまり記憶にないというのも・・。 基本的にこの話は何かがおかしいと思う。弁護士のクルーニーが、結婚詐欺師のゼタ・ジョーンズと会って法廷でいろいろやりあったりしていく内に徐々に惚れていくという話だった気がするが、どうにもこうにも最後のオチまでに何故そうなるのかよく共感できない。どの会話でどう心情が動いていて、どの行動でどう感じているのかイマイチ謎なのだ。これは脚本がミスなのか演出が下手なのかよく分からないけど、問題は監督は明らかにこの手のジャンルには向いていない事だ(向いてないというかこのラブストーリーというジャンルに関して、よく知らないのかもしれない)。 だから観ているこちらも熱くなる場面や共感できる場面を探しながら終始キョトンとした面持ちで観てしまう。一方、笑いどころはというと、そんなに無い訳ではない。いつも歯の状態を気にしているマイルズや、頭のおかしい事務所の社長は、多少笑って観ていられた気もする。どこか気の抜けた世界観も悪くなかったけど、やはりどこか大事なとこが欠けている様な気がしてならない。まあ、もっと軽い気持ちで、ノリを楽しめってこともあるのかな。それでも、これでは次の作品を見ようとは思わないなぁ・・。 [DVD(字幕)] 3点(2005-07-25 06:57:40) |
3. ダニー・ザ・ドッグ
さて、久しぶりの格闘アクション観賞。前回観た「マッハ!!!」であまりにドギモを抜かれた為、このジャンルはお腹一杯という感じだったのだけど、主演がジェット・リーとモーガンフリーマンてんだから見逃す訳にはいかない。 ストーリーはやはり簡単なもので、ダニーの失われた記憶と人間性を取り戻していく――という感じ。まあそこにはハナから期待してなったのだけど、大筋としてはそんなに悪くなかったと思う。ただ要所要所で笑える場面が多く見られた所が残念というか何というか。例えば、車が二度もひっくり返った(しかも一度目はマシンガンの蜂の巣というオマケ付き)のに何故かバートがぴんぴんして再びダニーの前に現れると場面や、闘技場で観客のバートがダニーの相手選手を撃ち殺した事など。ジャッキーやジェットの格闘映画だからこういった場面でも笑って観ていられるのかな。とは言うものの格闘は期待通り凄かった。。(倒れた相手を何度も殴りつける所は「マッハ!!!」を思い出して少しニヤっとしてしまったが) あと案外良かった事は、ジェットリーの表情。題名の通りダニーは飼い犬という存在なのだけど、あの純粋でボーっとした虚ろな目がそれにぴったりマッチしている。そしてそこから徐々に感情を取り戻していく時の表情もまた、良い味が出ていたと思う。ジェット・リー、以外と犬役もいいかもしれないね。 [映画館(字幕)] 6点(2005-07-24 22:59:30)(良:1票) |
4. ドーン・オブ・ザ・デッド
本作のストーリー自体はそんなに目新しいものはない。この作品の感想を書こうとすると、どうしてもロメロ監督の「ゾンビ」が先行して頭に浮かんできて、どうも書き辛い。ただ、この作品独自の売りの、ゾンビの移動速度と量はなかなか見応えがある。映画の冒頭部分に猛ダッシュで襲ってくるダンナのゾンビは圧巻で、車を追いかける最中に進路を変え他の住民を襲うというのもヤケにリアルで怖かった。また噴水付近でゾンビと揉み合うシーン等もゾンビの凄まじい迫力を見せてくれる。 やはりこれらのゾンビアクションがとても新鮮味に映ったのは、本監督が今までにないゾンビの概念を切り開いた事だ。それは同時に監督の、ロメロやゾンビに対しての強い思い入れや畏敬の念があるからなのだろう。ゾンビを歩かせていては、「ロメロゾンビ」以上の恐怖を描くことはできない。だったらいっそゾンビを走らせてみよう、というのがおもしろい閃きだ。しかしだからといって、量は減らさないし頭を撃てば死ぬ。ゾンビのルールを守りつつ新たなものを切り開いてみせた。これだから「ゾンビ」ファンにはたまらないであろう。 これからのゾンビ映画はどうなるのだろうか。このゾンビ全速力を踏襲していくのか。又は、より新しいルールを打ち立ててくれるのか。それともここが終点なのだろうか。本作を見た限りでは、まだまだ不完全なのではないか、と思う。それだけに期待感も十分な訳だ。もっと見せてくれ。 [DVD(字幕)] 10点(2005-07-24 19:44:22) |
5. 宇宙戦争(2005)
いやぁー、宇宙船地中から来襲してくる場面や船がひっくり返されて人間が捕まるシーン等は、おおーーと感動。期待してた通り感動できる映像はいくつかあって、そこは大満足! ただやはり予想通り、空振りというところも‥‥というかストーリーが予想以上にチンケ。原作を見た事がないからこんな事言うのは駄目な事かもしれないが。もし原作と同じストーリー構成をたどってんなら、アリキタリなんじゃないの?といいたい。異星人ものが数多く出回る昨今、宇宙戦争という壮大な題名に見合った2005年の宇宙戦争を観せて欲しかったかな。ツッコミどこは数多くあり過ぎてアレなんですが、ラストもなかなかの酷さですね。観た人ならどう酷いか理解されていると思うのでわざわざ説明しませんが。何故こんなに酷くしたのか首の骨が折れるほど首をかしげました。簡単な総評としては全体的に酷いです。オススメはできませんが、観たい人は劇場で。自宅観賞等では睡魔に勝つ事ができないでしょうからお早めに。 [映画館(字幕)] 3点(2005-07-03 18:01:36) |
6. オープン・ウォーター
シュチュエーションは良かったものの全然駄目。まず第一に大海原の真ん中に取り残されたのが主人公2人、という時点でもうサメに喰われるシーンはラストに至るまで無いといっているようなもんだ。だからまあそこは観る前からある程度承知して、その喰われるまでの過程をどう観せてくれるか、が最大のポイントだ。もし広い海の真ん中に投げ出され、その周りにはサメがウジャウジャいる時どうすればいいだろうか。他の動物パニック物の「グリズリー」や「ジョーズ」の様な設定ならばどうだろう。必死に逃げるか戦うかしかない。しかし本作にはこんな状況で追い帰したなどあってはならないし、逃げ切った等は愚の骨頂だ。始まりから既にゲームオーバー的なものを、どうやっておもしろくしていくのか期待してたのだけど、どこか小じんまりしててスケールの小さい作品になってしまっていた。実話を忠実に描いた訳でもなさそうだし、どういうジャンルを描きたかったのかもいまいち分からない。 観ていて、発見してくれるハズもない船に助けを求めるシーンを繰り返したり、サメが何すると無く追ってきては足をつついたりするシーンに少々退屈を覚えたのも残念。演出と映像があまりに見応えがないのだ。 [試写会(字幕)] 2点(2005-07-03 16:57:46)(良:1票) |
7. インビジブル(2000)
もし自分が透明人間になれた時、一体どんな行動をとるだろう。人間ならばそれは即ち悪さ、しかないハズだ。この作品の主人公は、もともと悪巧みの目的で透明になった訳ではないのだが実験のミスによって心が歪み、最後には最悪の行動までに至ってしまう。中でも、終盤での口封じの為に仲間達を残酷に殺し続ける姿は異常だ。人間は優越感を得ることで心が満たされるが、それが傾き絶対的な立場になった時その心理状態はどうなるのか?という答えが生々しく出ている様に思える。早い話がこれは悪意ある「es」だ。犯罪者に対する優越感と同じ様に、見えている者に対する優越感。本作での透明人間である主人公が他者と交わす言動から、それが序所に明るみになっていくところがおもしろい。映像の面では、透明人間に至る過程のグロCGは見応えがあった。透明になるとすれば僕の頭の中のイメージだとパッと消えるぐらいのものしかなかっただけにこれはとても斬新だ。水をかけたり消火器をかけたりして姿を現す場面もなかなかいい感じ。少し不満なのが、ラスト。火炎放射器や電流を浴びせられかけても死ななかったのはどういう事か。相手は透明なだけで生身の人間の筈では‥‥あんなにホラー的にしなくてももう少し、らしい倒し方があったとおもうのだけど。ただこの作品を見て透明人間に対して思ったことがある、というのは透明人間なんて自分だけがなれるから甘美に思うものであって、それは人間の究極的な優越感の探求の産物なのかもしれないという事だ。 [地上波(吹替)] 7点(2005-06-24 06:51:44) |
8. ジーパーズ 恐怖の都市伝説
大分前に見たのを今更ながらレビューしようと思うんだけど、コレって一体なんだったんだろって感じです。純粋にぱくりなのかな。とりあえずジーパーズクリーパーズより面白くないんだけど、酷似しているためそこまで酷いわけでもない。程度で。 [DVD(字幕)] 3点(2005-04-17 22:52:28) |
9. 増殖
世界一面白くないです。 [DVD(字幕)] 0点(2005-04-17 22:38:17) |
10. 血と骨
出演者の演技にはやはり見応えがあった。まぁ良かった所と言えばそんなもんだ。とにかくこの作品には見所というのがまるでない。終始心情に変化無く暴れ続ける金修平という男と、終始夫又は父親を憎しみ、悲しみという視点で見続け怯えながら暮らす家族を見せられ続ける我々は不快の他、感想はない。昔、北野武の実際の昔話をドラマ化したものが、陣内孝則と室井滋主演「菊次郎とさき」という題名で放送されていた。その中の主人公ともいえる武の父、菊次郎も俊平の如くどうしようもない飲んだくれ暴れん坊亭主で観るに耐えない様に映っていたものの、息子である武の視点からの話を元に、毎週このろくでなしが実におもしろく描かれ、味のあるドラマに仕上がっていた。俊平と菊次郎とを比べるつもりは無いし感情移入させろとも思わないが、このように一人の人間を物語にするのであれば、そこにドラマを作らなければならないのではないか。この作品にはひたすら感情の不明なモンスターが傍若無人に振舞っているようにしか見えない。原作者の父をもとに作られた話らしく、本当のろくでなしだったのかもしれない。だが、息子である作者からの視点が元なのであれば(武の様にと言ってはなんだが)、自分が見た、感じた父親像をもっと膨らませて描く事ができなかったのか。もっとも息子である作者からのそれが本作の様に本当に憎しみや悲しみしか込められていないのであれば、こんな作品は作らなくていいし見たくもない。 [映画館(字幕)] 1点(2005-04-17 17:21:59)(良:1票) |
11. 予言
呪怨やリングの様に、今度はどういった恐怖を与えてくれるのだろうと楽しみにしていました。前に見た感染は、期待以上の怖さはなかったものの、結構おもしろくてコチラの予言にも期待していました。しかし観ていく内に、以外にも物語がドラマ仕立てに変わっていき、リングの謎解きシーンのような展開になり、テーマが読めてきて恐怖への期待は殆ど無くなりました(^^; とはいうものの見応えは十分あり、三上博史の怪演ぶりに圧倒されたり、ストーリーの巧みな構成に飽きさせられませんでした。そしてラストはホラーの要素を加えた感動?です。家族を守ろうして何度も過去に戻り必死になる姿と、未来の惨劇を知り続ける三上の哀れさには目頭が熱くなりました。未来を知るなんてことは残酷なものでしかないですよね。 [映画館(字幕)] 7点(2005-04-12 23:59:50) |
12. es[エス](2001)
観ている間も見終わった後もどことなく何か不満が残る作品でした。本当にあったことなんだろうけど、どこか非現実的に思えてしまう事と、へーそうなんだと思いたくないことが混ざってとても複雑な心境になりました。人間の心の中には正義感や責任感に相まって、圧倒的優越感というものを得たいという心理が芽生えるものらしいですね。これを見ていると。それは人それぞれ個人差があるのだろうけど、責任感が異常に強い人が、危ないんじゃないかなと思いました。この作品は、偶然そんな人が選ばれ、引き起こしてしまった事件なのではないでしょうか。それ以上はあまり考えたくないです。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-12 22:22:09) |
13. イベント・ホライゾン
久しぶりにゾクッとくるような作品を見せてもらった。こういった種類の怖さはなかなか珍しいよなぁ。何に似ているかと言われると、ずばり以前見たドグロ映画、フロム・ビヨンドが思い浮かぶ。そちらの作品は、大した怖さは無かったが、徐々に気が狂っていくというものとキモチ悪いのが満点という点で、どことなく通づるところがあるのではないだろうか。だがしかし、こちらの作品、イベント・ホライゾンのカタチ無き恐怖という点については、フロム・ビヨンドを始め他の作品を圧倒する怖さがある。宇宙船で次々に起こる異常事態、幻想を見続ける乗り組み員、観ているコチラはまるで理解できない。襲っているものは悪魔か、異星人なのか?何故殺されていくのか?目的は何なのか?イベントホライゾンが潜った地獄以上の場所とは一体何のことなのか。全ての謎が謎のままイベントホライゾン号は飛び続ける。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-11 17:40:54) |
14. クルーエル・インテンションズ3<OV>
登場人物の学生さんが作ったといってもおかしくないような軽さです。とりあえず見所ゼロのもりだくさんです。 [DVD(字幕)] 1点(2005-04-11 16:33:26) |
15. サウンド・オブ・サイレンス(2001)
そこそこ面白かったかなぁ。けど、何か物足りない感じがするのはどうしてだろう。話の筋はなかなか面白かったんだけど、イマイチ引きこまれなかったんだよな。テンポが良すぎたのか。あるいは見せ場として、誘拐犯との駆け引きか又は精神障害の子供とのやりとりのどちらに重きを置きたいのか、という点でどちらもどこか中途半端な感じで仕上がっている所が少しマズかったのかもしれない。そのどちらかで観ているコチラ側をもう少しハラハラさせてもらえれば尚一層楽しめたと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2005-04-10 14:56:00) |
16. 恋愛適齢期
おじいちゃんとおばあちゃんの恋愛映画か・・・ちょっと敬遠気味な感じがしたけど、まあ、こんな感じになるのかと別に予想してたよりかはつまらないものでもなく、ぼんやり観てました。それ相応の年齢に近づいてくるともっと面白く観れるのかな?とりあえずストーリー的にはそんなひねった所は見当たりませんでした。ジャックニコルソンの老後のお話だったらジャンルは違うけど、アバウトシュミットを観たほうが何倍も感じるものがあるかと。 [DVD(字幕)] 5点(2005-04-09 22:28:12) |
17. ターミナル
面白かったです。トム・ハンクスにやってもらったーといった感じです。ただ、彼の役柄が、ミスタービーンを思い起こさせる様な変人ぶりで、そこが少し納得いかなかったかな。かわいいキャラは良いので、変人度合いをもう少し弱めてくれれば、もっとつじつまが合ったと思います。あと空港のみんなはトム・ハンクスを持ち上げすぎです。全編通して、彼がそんなに素晴らしいキャラというようには映ってなかったですよ。 感動はしなかったですが、トム・ハンクスやその周りのどこか暖かい世界感に心温まるものを感じたという気分です。こういう映画ならもう一度見てみたいです。 [映画館(字幕)] 7点(2005-04-09 14:07:03) |
18. ブラッド・シンプル
レンタル店のコーエンコーナーにて発見。何でも、処女作ということらしいので借りて見てみました。内容的には面白味のないものでしたがコーエンワールドの入り口といった感じです。後のファーゴやバーバーの様な作品でその世界観を完成に近づけているようですが。まだこの作品は、その枠組みだけを完成させようとして、少し強引さや物足りなさを感じる場面が多いです。まあ、んで、ファーゴで見事、やられてました。 [地上波(字幕)] 4点(2005-04-09 13:43:12) |
19. コンフィデンス
なかなか見応えあっておもしろい作品でした。こういう映画に騙され続けても、まだまだ騙され足りない自分にはぴったりです(笑 なんか、ラストはあのスティングという作品に似てるけど、ストーリーの展開はちゃんとしていて最後まで飽きさせられませんでした。こういうの大好きです。 8点(2005-02-12 23:39:21) |
20. ユージュアル・サスペクツ
久々にVHSにて観賞。序盤から中盤まで、どこら辺がサスペンスなのかよくわからず、とりあえずジーっと観てました。なんだか、説明臭くてやたらひっぱるなあと印象も受けながら観て、少し飽き始めてたんですが。なんたらとかいう犯人はちっとも姿見せないしね。 さて、そんな中迎えたラスト。霧が晴れるというより、びっくり仰天というより、なんか笑っちゃった。いやあ見事。まさか、こんな無駄話を1時間ちょっと、こんなに真剣に聞かされるとは思わなんだわ。顔が赤くなっちゃった。こういう映画は最初で最後にしてね。 7点(2005-02-12 23:24:50)(良:1票) |