1. DESTINY 鎌倉ものがたり
鎌 倉 す げ え な !? 原作は未読、てか原作あるのは知ってたけれど、なぜか小説だと思ってて、最後ロール中にまんがと出てきたのでびっくり。原作がどういう形式か知らないのだけれど、毎回1話ごとのショートストーリー、最後にまとめ合わせて何話かに続く大きなストーリーにするっていう、週刊・月間漫画誌によくある構成。その各エピソードが個人的にもかなりツボ。キャラもみんなよく立ってるし、世界観もちゃんと作りこんでいる。 会話のテンポが実写映画とは思えないくらいアニメ的な早いテンポ。最近の流行なのだろうか。ドラマって会話間でけっこう変な間を作るじゃない、それがまったくなくて観ていて自然(どう考えても黙って話聞いてるだけの人なんかいないよなーって)。 良くも悪くもアニメチックなところが多いけれど、逆に下手にアニメにしなくてよかった例かもしれない。 作家先生、アナタ曲がりなりにも民俗学の知識あるなら桃出せ桃! と最後ずっと思ってますた。 ちなみにわたくし豪州在住なのですが、毎年やってる日本映画祭の今年のOPでした。たまたまだと思うけどハロウィンとバッティングしたのがまたいい感じ(外にハロウィン仮装の人が数人いた)。ううむ、来年は日本妖怪でもやるか…。 [映画館(邦画)] 10点(2018-10-31 23:50:13) |
2. 下妻物語
《ネタバレ》 この映画スゴイですよ。こんなバカバカしい演出なのに、「女(乙女)の美学」がぎっしり詰まってる。監督がおっさんだというのがホントに信じられない。よくぞここまで「乙女」を描いた!と思うもの。 ネタバレだけど、この話のオチは「ヒミコ伝説がウソだった」ということじゃなくて、「ウソだったヒミコ伝説を2人でホンモノにした」ってことだと思う。レディースと刺繍屋がくっついたってところで桃子・イチゴの関係に符合するし、そこから生まれた一人娘=ヒミコ伝説をホンモノに昇華しちゃったことと思えば合点がいく。だからこそ、この作品は面白い。「ロココ時代のおフランスに生まれたかった」と宣う桃子に対して現実的に見えるイチゴも、結局乙女の空想癖の中に生きてた、ということでもあるし。 ただ、「乙女の空想癖」が心情的に理解できてないと厳しいものがあるのかも・・・。 というわけで、面白い作品だとは思うけど、あえて男性にはオススメしません。 [DVD(字幕)] 9点(2006-06-05 10:45:39)(良:1票) |
3. ピーター・パン(2003)
《ネタバレ》 常々「ファンタジーとは哲学である」と思っているが、これには度肝を抜かれた。ピーターパンといえば小さい頃に子供向けに編集されたものを読んだのと、アニメ劇場(ハ●スだったっけ?)で見ただけで、舞台も見たことがないし、一般のノベライズも読んだことがなかった。だがまさか、あのピーターパンがこんなにもバリバリの哲学ファンタジーだったとは!(原作にかなり忠実と言われているくらいだから原作もこうなんだと思う・・・) 腐るほどの財宝を持つが孤独なフックと、裕福とは言えないが家族に囲まれるウェンディの父(キャストは必ず同じでなければならないらしい)という大人ふたり。永遠に子供のピーターと、時計(=時間=死?)に追われ続けるフック。ピーター(子供)とフック(大人)の間で揺れ動くウェンディの心と行動。それから「大人になったウェンディの横にいるのはお前でなく”夫”だ!」というフックの突き刺さるような台詞。すげぇですよ。これが原作通りであるなら原作の質の高さも窺い知れるというものだが、それをファンタジックさを壊さずに無理なく映像化できたんだからこの映画化の意味は大きかったと思う。もっとも、エンターテイメント性よりは哲学を優先した気がしないでもないけど。 そんなわけだから、当然ながら子供向けとは断じて受け取れなかった。冒険活劇の要素は少ないから、子供が観てもあんまり楽しくないと思うし。それくらい哲学ですよこの話。 でもこの作品がピンポイントに心に来るのは、もしかしたら人生のある一定の期間だけなのかもしれないとも思う。そのピンポイント期間に観られたのは幸運だったかも自分。 [映画館(字幕)] 9点(2006-04-29 00:22:16)(良:1票) |
4. キング・コング(2005)
《ネタバレ》 ぎゃーーーー虫ムシむしーーーッ!!! アンタだってweta嫌いだろPJ~~~ッッ!!(※注・NZにいるバッタみたいな虫)アレだけは元旦の朝っぱらから観るには耐えんかったとです。 という混乱はおいといて。 前半は寒気が、後半は身体が熱くなったとです(※注・発熱してるわけでなし)。やっぱりPJてお人は緊張感高める演出と作りが丁寧。一個世界作らせたらこれだけ描ききる人いないんじゃないの? キングコングに対しても徹底的に同情的。運命(結末)を変えるわけにはいかないからアンとの交流をメインに置いたんだろうなあと思う。そりゃ誰にも理解されずに嫌われて死ぬより、ひとりでも心が通った人がいて死んだ方がずっと幸せだもんなあ。それもある種のメッセージだと思うし。 というように概ね好印象です。ところが欠点が一カ所。 アンと脚本家のジャック。ジャックの後の行動の動機になるため必須になるとはいえ、あの恋愛は唐突すぎ。他の部分が丁寧なだけにかなり浮いてる。まるで「オレこの部分興味ないから~」って言ってる感じ。 号泣はしなかったけど、終盤グズグズ言い続けていたわたくし。 あ、すいません。オリジナルは観てなかとです。 [映画館(字幕)] 9点(2006-01-01 14:17:12) |
5. シン・シティ
素晴らしき哉騎士道精神! 惚れた女のために命を掛け、守るために死ねず、守るために死ぬ。 でも女も守られるだけじゃない。自ら戦う意志と選択する意志を持っている。 そして敵は、通せんぼする醜い大男ではなく、言ってみれば神にも等しい権力者たち。権力者が悪と言えばそれが人道的に正義であろうとも悪とされ制裁されてしまう。 (思えば、ケヴィンが聖職者関係であり、戦っているのをよそ目に聖書を読んでいるというのも暗示的だ) 民衆は、何が悪で何が正義か、欺かれる。 それでも彼らはただ一人の女を守るためにひたすら戦い続ける。 これぞ現代の騎士物語と言っても過言ではなかろう。 映像センスについてはもう言うことはあるまい。 個人的に好きなのは「Basin City」と書いてある看板の「Ba」の部分がぐちゃぐちゃっと消されて「sin City」となってるところ。 [映画館(字幕)] 9点(2005-12-08 11:23:16) |
6. ロケットマン
《ネタバレ》 Sir Elton Johnの半生を描いた伝記映画…とはいうものの、知っていればニヤリとするとこはそこそこありつつも、ミュージカル的ドラマ映画として評価できる。今年末から生涯最後のツアーをやるから時期的にはベストな公開だと思うが、PVくささはない。盛ってるところはもちろんあると思うけれど、才能ある青年が親や恋人なんかの人間関係に苦悩しながら成功して挫折して復帰しようという話。これフィクションだったら、すっげー俺TUEEEE的な主人公よ。なにこのピアノの天才。 で、その中で個人的には、同性との恋愛を普通に異性愛と同じように描いたことを大きく評価します。もうね、Eltonはすごい乙女で、Taronがすっごい乙女顔するのよ。というか映画の方向性なのかなあ、同性愛者であるってことにはあまり苦悩してる様子はなし。母親に告白するときだけはすごい顔芸してたけれどw、ある意味開き直ってるというか、同性愛だろうが異性愛だろうが、気になる相手に振られたら悲しいし、恋人が浮気したら怒るし、というような当たり前なことを当たり前に描いてるのが本当に眩しい。子供ができないことだけ母親になじられるけど、それは一部の異性愛者だって同じだしねえ。この部分を日本の市場がどういう風に判断するのかは実は個人的に見ものです(日本での公開が異様に遅いのって、その辺のマーケティングも関係してるのかしら)。 [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2019-07-21 20:29:51)(良:1票) |
7. バベル
《ネタバレ》 ものすごく見応えのある1作。環境が環境だったので英字幕追うのが大変だったけど、各シーンの継ぎ接ぎ程度がうまいので、間延びもせずただただ緊張感。その分疲れるけど。 まったくハッピーエンドではないので(それどころか絶望的なエンディングも)、観るときのコンディションは選んだ方がいいかも。 さてさて色んなところで話題になっている日本パート。設定的には非常にキーポイントとされているような感じ。他の場所、メキシコとかモロッコのシーンと比べるとまるで異世界。親娘の住む高層マンションはまさしく「バベルの塔」。(アメリカ人であるブラッドとケイトがモロッコにいるのは、日本サイド世界からモロッコサイド世界に紛れ込んだ人間としての描写だと思う) その中でも更にキーポイントとなるのが菊地凛子の役どころなんでしょうが、聾唖の演技はともかくとして、あの性衝動に至るまでの心情がまったく読めないんですが(汗)。あとで公式サイトのキャラ紹介ページ見て「あーそういうコト?」と思ったんですが(大汗)。疎外感を持っているというのはわかるんだけどね・・・それは演技でじゃなくてシナリオ上でわかること。・・・よく脱いだで賞50%? あと日本パートに関してどうしてもこらえきれないツッコミ。 今時診療中にマスクをしない歯科医などおらん。今時診療中に、スカートの患者の脚にタオルをかぶせておかない歯科医などおらん。 個人的にはブラッド&ケイト夫妻という組み合わせが新鮮でしタ。 [映画館(字幕)] 8点(2007-02-10 15:48:25)(良:1票) |
8. SPIRIT スピリット(2006)
ともすれば説教くさくなりがちな話の割に、全然説教くささを感じさせないのが好感持てた。でもちょこっとさらっとし過ぎてたかなという気はする。メガネのおっちゃんとの友情と、あの大会のウラについては、もうちょっと説明がほしかったかな。月慈ねーちゃんカワイイ~v [映画館(字幕)] 8点(2006-04-04 20:28:47) |
9. 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
《ネタバレ》 アニメは全編見て、原作のマンガはなし。個人的に鬼滅アニメは「話が面白い」というより「見せるのが上手いアニメ」という印象で、これマンガでどう表現してたの!?と思うことが多い。 で、この映画ですが、アクション映画という視点では非常に優秀。たぶんここを否定する方はほとんどいらっしゃらないと思う。だがしかし、全体の構成としては疑問あり。 そもそも鬼滅の売りの一つと言われている、「鬼が死ぬ際に人間だった頃を思い出す」が最初の鬼に適用されていないこと。恨み言だけ言って死ぬのは珍しくない? いや構成上アカザへの伏線(次が来るよ!)だったのかもしれないけど納得いかない。正直期待してたのに。 あと煉獄さんね。炭治郎が戦ってる間に奮闘してたんだろうけど、そっちの視点が全然ないので、なんかぽっと出の人が場を掻っ攫ってった感がすごい。なに、炭治郎の死闘は前座なの? 戦ってる最中に過去話をちらちら出して感情移入させようとしてるのはわかるけど、炭治郎の人間離れした精神力の方がわたしには印象強かったせいか、なんかーあんまりー、アッハイって感じー、で感情移入できなかったです。煉獄さんのお母さんだけは尊敬しますが。(父ちゃんと弟と髪型いっしょかよどういう遺伝子なんだよと突っ込んでたせいもあるかもしれない) アクション映画としては9点献上しますが、一作品としては普通かなあ。なんか大事なことを全部セリフで言っちゃうのが個人的に好きではなく。 [映画館(字幕)] 7点(2021-02-27 13:48:06)(良:1票) |
10. ボヘミアン・ラプソディ
《ネタバレ》 Queenファンです、というのは先に断っておきます。 まずファンとしてはですね! 各メンバーが似過ぎで似過ぎで! Brian役のGwilymくんとかね! Brianそういう表情するしそういうしゃべり方するよね!っていう系統が多くてですね(わたくしBrianファンです)。Queenファンは間違いなく満足すると思うんです。小ネタっぽいのも多いし。一番最初の20th C Foxロゴの音楽、思いっきり弾いてるし、もうこれでテンション上がる上がる。てかI'm in Love with My Carネタとか、ファンしかわからんだろメジャー曲じゃないし(ファンはライトファンでも絶対知ってるけどそうじゃなければ絶対知らないだろう曲)。 話としてはFreddie Mercury物語です。1970年のSmile(Queenの前身)加入から85年のLive Aidまで。ホント邦題これにならなくてよかったなw あ、あとFreddie先生はバイなので、男性同士の・・・ってシーンもあるのでそういうのが嫌いな方は気を付けられるとよろし。 ストーリーボード自体はありがちで、成功したぜ! からの 俺は一人だ・・・ ってパターン。難点としては、Queenって最初成功するまでに挫折がないんです。そのため成功のカタルシスがない。マネージメントと大喧嘩したりはしてるけれど。なもんだから、前半はファンから見ても単調。後半80年代入るころから、自分がバイであるということを認識し始めておかしくなってくる。コアファンの方ならその辺のことはご存知かと。あとかなりの自由人として描かれてるから、勝手な人に見えるかも。 ということで、ファンとしては9点(Queenを最初に評価したのは日本で、来日後に衣装とか日本意識してるものも多いのに日本のにの字も触れてなかったのは日本人ファンとしては減点じゃ!)、ファン以外には勧めにくいという意味で5点。間を取って7点にします。音楽の伝記ものって大抵こんな感じよね・・・。 個人的には、最後のカットからスタッフロールの終わりまで、Don't Stop Me NowからShow Must Go Onに流れたのはセンスいいなあと思いましたが! ================ 二度目の鑑賞。これはファン視点をできるだけ排除してみました。 やっぱりストーリー自体は雑。たまーに伊東四朗に見えるお父さん+家族の存在がどうも中途半端なので、「家族」と呼んでるバンドに対する愛着もぱっとしない、というか筋が通せてない? メタ的には対比なんだと思うのだけど。お父さんともっと決定的に仲が悪かった、とかならまだわかるんだけど、普通の保守的なお父さんだからなあ。最初にPacky Packy(パキスタン人の蔑称。インド系なので当然それも間違っていて、インド人もパキスタン人も区別つかないってことの暗喩)言われてて、差別的なものもあったんだろうなあと匂わせてはいるけど、パールシーバックグラウンドを名前を捨てるほど嫌悪する程のコンプレックスは感じない。初見のレビューで「かなり勝手な人に見える」と書いたけど、そこに起因してると思う。「何があっても音楽だけは!」って人を描こうとしてるのは最終的にわかるんだけど、途中で曲の権利勝手に売っちゃったりとか、なんか口ばっかり「バンドは家族だ!」って言ってるけど、バンドを利用してるだけにしか見えないんだよなあ。「お前にとってfamilyってなんだよ」って何度突っ込みたくなったことか。 ゲイコミュニティについても同じ。よくある音楽関係の伝記だとドラッグか酒ってところが男、にすり替わってるだけ(実際乱交パーティはよくやってたらしいが)。正直、ゲイの偏見余計強くしないか? と不安なのですが、この辺はゲイの友人にそのうち訊こう。 最初のバンド探しの時にどっかで「やだよPackyなんて入れたくないね」って断わられるシーンが一つあれば劇的に違ったと思う。それでゲイコミュは民族なんか気にしないぜ! 仲間は仲間だぜ! だと説得力あったと思うんだ。全体的に言葉足らずな物語なのよね。 Queenの音楽は偉大だ! ってのは最初からわかってるのでレビューには含めません。むしろそれは前提。わたしミュージカル映画でよく書いているのだけれど、音楽がいいだけならCD聴けばいいだけの話。 というわけで、わたしの評価はやはり「壮大なQueenのPV」。Queenファンとしては嬉しいけど、映画ファンとしてはこの映画が受賞っていうのはなんか違うと思う。点数は変更なしです。ファンとしては9だけど映画としての評価は5。 でもブルーレイは買ったし、4回は観たけどね! [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2018-10-28 00:01:54) |
11. ヘアスプレー(2007)
映画と言うよりは2時間の壮大なミュージッククリップ。それくらい歌とダンスばっかりで逆に清々しい。「歌の間にちょっと演技」と言う感じ。ミュージカル映画というとあの"シーンを間延びさせる歌とダンス"を苦痛に思うタチなモノで(もちろん間延びしてなきゃ問題ないんだけど)。悪役もわかりやすく、単純と言えば単純な王道サクセスストーリー。でもミュージッククリップだから細けぇことはいいんだよ!!と思わせられるのは一番の強み。これもっと歌少なくして、一般的な「演技の合間に時々歌」というミュージカル映画だったら、多分わたしキレてたと思う。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-07-22 22:05:09) |
12. ワルキューレ
もう世の中でナチスについて語られ尽くしたせいか、ヒトラー政権がどうこうという背景はなし。ただもう淡々と事実だけが述べられていくといった感じ。各キャラクターの心情や性格などはそれほど描写されておらず、そのせいか丈も短く、感情移入もそれほど出来るというわけでもない。 でもこの丈の短さが逆に好印象。よくある戦争映画みたいにやたら長かったりいかに戦争が悲惨なものかというのを淡々と見せつけられる説教くさい作品ではまったくない。エンターテイメント性も高いものではないが、ほとんど歴史上伝えられている通りの事実であるらしいので、歴史を知るためのとっかかりとしてはさっと見られてされていいと思う。 まあ歴史物なので「結果がわかっている」という点だけがね・・・。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2009-02-28 00:51:16) |
13. 007/慰めの報酬
《ネタバレ》 話そのものとしては面白いんだけど、作りが硬派すぎて、JBが躊躇なく人殺したり最後の敵への仕打ち(砂漠のど真ん中で・・・)なんかもすごくエグく感じる。これがMooreだったりするとおそらくギャグで済むんだろうけど。 アクション中の画面のブレがひどいのはどうにかならないのだろうか? 誰が何やってるんだかさっぱりわかんなかった。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2009-01-25 14:12:13) |
14. ディパーテッド
豪州での鑑賞(豪州では15+指定)。 オリジナルの1部をベースに、2部と3部の設定説明部分を、時間軸を直して挿入してあるという感じ。やはりオリジナルのプロットがいいせいか、悪くはない。スコセッシだし、まったく軟派になっていないのは良い点ではある。手堅くまとめられたのも評価できる。 しかしターゲットは、所詮原作を知らないアメリカ人。日本及びアジア市場で観客となるのは90%原作ファンでしょ。または100%儒教・仏教文化圏の人間だし。原作ファンが見てどう思うか?と言ったら、せいぜい「悪くはないが原作の方が良かった」が限度。原作ファンが好きな部分(シーンではなくて構成とか、観念的なもの)を悉く破壊してある感は否めない。原作を知らないまっさらな人が見たらどう思うかはワカリマセンのであしからず。 また血みどろのエグイシーンがいくつかあり、いかにレオ様効果を考えても、ライトな女性映画ファンも見込めないかと(TVCM次第か?)。日本での観客にこれほど制約があることを考えると、最終的な評価はそれほど高くならないんじゃないかと個人的にはすごく思ってる・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2006-12-01 22:29:51) |
15. ネバーランド
この作品がマズイなあと思うのはね、ピーターパンの話そのものの説明が全然ないところなんですよ。だからせっかく”ごっこ遊び”を現実のように織り交ぜた演出をしても、あまりピンとこない。原作や、原作に込められた思いっていうのを知っているのと知らないのでは理解度はまったく違うと思う。 前年公開のP.J.ホーガンの「ピーターパン」を見ておくことをオススメします。タイアップしてるんじゃねーのかと思うくらい、ピントがピッタリ合いまくってます。わたしも←コレ観てなかったら、多分点数はもっと低かったかと。 [映画館(字幕)] 7点(2006-05-26 23:29:11) |
16. ROCK YOU! ロック・ユー!
ジャケ写の割に、ヒースって爽やか青年よね。ジャケ写で損してるってこの映画。 成り上がり映画というか、中世スポ根青春コメディ。 全然ファンタジックなわけじゃないけど、中世風ファンタジーとか好きな人なら絶対好きそうな風味(わたしがそうだからね!)。 それにしても「カンタベリ物語」の著者チョーサー、あんなに遊んじゃっていいのか・・・。登場シーンに唖然。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-21 12:34:50) |
17. 劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉
《ネタバレ》 アニメシリーズ大好きでした。 で今回公開前の情報見る限りで、キャラデザはリョウちゃん線が細いなーとか、香今風過ぎないかと思ってましたが、動いてるとこ観たらそうでもなかった。ちょい来生三姉妹が残念だったけど。 メインのシナリオボードはちょいJames Bondすぎませんかねえ。劇場版で派手なことやりたいのはわかるけども。そもそも最初の導入が「別案件のクライマックス」ってのがまんまJBの構成だし、だいたいこの人裏社会の人なんだから一般通行人の目に付くところで派手なことせんでしょ。どこのCraig-Bondだよ。元々この手の裏社会スイーパー系の作品(ゴ○ゴとか)はJBの影響かなり受けてるのは分かるんだけど、ちょっと目に見えてわかりやすすぎる…(わたしが年取っただけかもしれないけど)。最終的な敵が、最初大物に見せといて実は相当な小物なところまで真似せんでいい(笑)。あとEDの、エピソード描き直しのep01、どっからどう見てもCasino Ro…… あの最後の(Get Wild入るところ)セリフは蛇足。昔からのファンなら絶対わかってるし、野暮も野暮。これで大減点。他に気の利いた言い回しできなかったのか。 とはいえ、すごくいい意味で「久々にCH観た!」って満足感があったのも確か。昔から引き続きの声優さんたちがみんな演技固かったのもまあご愛敬ということで。 海坊主は癒し。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-11-23 17:22:06) |
18. ウルヴァリン:X-MEN ZERO
《ネタバレ》 決してつまらない作品ではない、というのを先に明記しておくとして。個人的にX-men(映画本編及びアニメ版)は「マイノリティが、忌み嫌われているにも関わらず共存を目指し、且つ差別者を守ろうとする」というジレンマがキモだと思っているので、それがほとんど描かれていない今作はかなり薄味で比較的ありがちなSFモノだと感じた(その意味でマグニートじいさん編に期待)。アクションと、キャラクター作品を第一に期待しているならその点はあまり気にならないかもしれない。 本編を観ていれば「アレってどうなってたっけ?」と思うような仕掛けがかなり入れてあるので、本編を観ていた人の方が楽しめると思う。 どうでもいいけど、なんでこの実写版って人気キャラ使いつぶしちゃうんだろうなー。 [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2009-09-06 13:16:52)(良:1票) |
19. ベルベット・レイン
《ネタバレ》 最初はともかく、途中から混乱し「???」状態で話が進むものの、最後に「ええっ! そういうことだったの!?」とわかると一気にそれまでの評価が覆される。 いやマジでトリッキーですよこれ・・・。もう一回観ようかな・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-05 17:06:18) |
20. 300 <スリーハンドレッド>
キルビルとかシンシティとは違って残虐とかグロイとは思わなかったが、半分以上は槍やら剣やら使った血生臭い戦闘シーン。おそらく「『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラー」と銘打たれての宣伝が行われそうだけど、あのジェラルドを期待して行くような純粋な娘さんたちを完全に拒否してますよこの映画。何しろ武器萌え戦術萌え肉弾戦萌えなわたくしですらおなかいっぱいになったくらいだからして。まあ「きびしーいトレーニングのあとの軽食がアーモンド5粒だけだった」(by D.Wenham)というように作った割れてる腹は拝めますが。スパルタ人男性パンツ一丁と赤いマント。ある意味美しくてある意味笑えるが、どっちに転んでも汗くさいのは確かだな。 話の元ネタは古代ギリシャのテルモピュレーの戦い。ペルシャの王様が悪趣味なんだこれが。登場シーン、館内から笑い声が上がった豪州の映画館。 美味しいところをかっさらっていく豪州の名優D.Wenhamに1000点。 [映画館(字幕)] 6点(2007-04-28 18:16:11) |