1. 秋刀魚の味(1962)
《ネタバレ》 ○午前十時の映画祭にて鑑賞。○小津監督の遺作にして、得意としてきたテーマで傑作ともいえる作品だった。○演者の撮り方にしても、間の撮り方にしても絶妙。各演者の登場するバランス等も素晴らしかった。○周平と川合が堀江を死んだと冗談を言うシーンがいい伏線になっており、好きな男性には女性がおり、縁談もうまくいかないのかとがっかりさせて堀江が周平に仕返しをするところが良い。○にしても当時20歳過ぎの岩下志麻の艶美さ。親に対するぶっきらぼうさと目や表情の色っぽさがアンバランスで良い。 [映画館(邦画)] 9点(2016-02-22 22:55:07) |
2. 日本のいちばん長い日(1967)
《ネタバレ》 ○なんと濃厚な2時間半。恥ずかしながら知らないことも多く新鮮な感覚で見ることができた。○結末は分かっていながらの緊張感。畑中演じる黒沢年男の無鉄砲で実直な演技があってこそえもある。○厚木基地の話が若干浮いた印象ではあるが、各登場人物が存在感があり、見る者を引きつける。○日本にとって大きな節目を迎えた日から68年。戦争とは何か、いろいろと考えさせられる。 [DVD(邦画)] 9点(2013-08-16 13:23:27) |
3. 未知への飛行
《ネタバレ》 ○これぞ究極のサスペンス。鳥肌が立った。○徹底した訓練が招く破滅。○ただの電話シーンだがもの凄い緊張感。高音が鳴り響いた瞬間の空気感も凄い。○キャストの好演も光る。ヘンリー・フォンダはやはり名優。○序盤の冗長さがもったいなかった。 [DVD(字幕)] 9点(2009-06-12 13:56:27)(良:1票) |
4. サウンド・オブ・ミュージック
《ネタバレ》 ○3時間と言う長さを感じさせないミュージカルと言うのはなかなか凄い。○ストーリー展開、歌、キャラ付けとも見事。○知ってる曲がたくさん流れ、非常に聞きやすい。 [DVD(字幕)] 9点(2008-08-16 13:27:54) |
5. 椿三十郎(1962)
《ネタバレ》 これぞ娯楽大作。文句の付けようがない。三船敏郎はカッコいいし、面白い。ピリッとした決闘シーンに、してやったりの決着。そして、このまま終わると思いきや、まさかの決闘シーン。びしっと引き締めてエンディング。緩急を非常に上手く使い分けている。約1時間半と言う尺でもこれほどのものを作れる辺りが黒澤明の強さだろう。本当に後世に残したい作品だ。 [DVD(邦画)] 9点(2008-04-15 11:17:24) |
6. 男はつらいよ
《ネタバレ》 これから続いていく「男はつらいよ」シリーズの寅さんの位置づけとして素晴らしい作品に仕上がっている。これほど個のキャラを活かした役というのも珍しいぐらいのはまり役で、終盤はすっかり心を奪われてしまった。脇を固める役者たちもなかなか魅力的で、これからも暖かく見守っていきたいシリーズだと思った。 [DVD(字幕)] 9点(2008-03-19 13:52:45) |
7. 暴力脱獄
《ネタバレ》 ○ポール・ニューマンのスクリーンに惹きつけさせる魅力。アカデミー賞が絶対というわけではないが、ジョージ・ケネディと共にオスカーをこの作品で取ってほしかったな。○どこか彼の影を落とした彼の雰囲気はアメリカンニューシネマにふさわしい。○無骨な邦題が観客を遠ざけてしまっている印象だが、日本で彼の代表作とまで言われていないのは残念。邦題は「クール・ハンド・ルーク」で良かったんじゃないかな。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-08-15 23:16:02) |
8. 真夜中のカーボーイ
《ネタバレ》 これぞニューシネマの傑作。夢を持って上京してきたジョーだが、そこでであったリコとの相補性が絶妙。二人とも憎めないキャラだった。救いのないエンディングにも見えるが、ここでリコが死んでいなければ、ジョーはまた現実とかけ離れた理想を抱き続けていただろう。こういう後を想像させるエンディングは良いと思う。夢を抱くことは良い事だが、叶いもしない夢を抱かせるメディアも悪いし、それに気付かないのもどうかと思える。それでも夢を諦めきれない主演の二人の演技もさることながら、爽やかなニルソンのメロディも夢の実現を予感させるもので、この映画に見事にマッチしている。 [DVD(字幕)] 9点(2007-07-28 11:50:45) |
9. 猿の惑星
《ネタバレ》 ○SF映画の金字塔。それまでのものとは違い設定、キャスト共に安っぽくない。○猿が黒人として描かれていたとしても、日本人としてももの凄いインパクト。○何より衝撃のラスト。抜群のセンス。ただ、テイラーがそこに辿り着くまでにそこが地球だと気付いていても不自然ではなかった。○ジェリー・ゴールドスミスの音楽が秀逸。 [DVD(字幕)] 9点(2006-09-01 21:32:40) |
10. 肉弾(1968)
《ネタバレ》 ○反戦をここまでコミカルに描いた作品もそう巡りあうことはない。○画面のほとんどを寺田農が占めていたが、目が離せないほどの熱演だった。○軍国主義を否定していた主人公だったが、彼もそれに教育された人間だった。結局彼にとって戦争は最終的に仲間のためだったのだから。○ドラム缶の中で知らぬ間に終戦を迎え、そのままそこで最期を迎えるなんて。○寿命の話から本題に入るオープニングは見事だった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-03 15:51:12) |
11. 奇跡の人(1962)
《ネタバレ》 ○午前十時の映画祭にて鑑賞。○前知識なしで観たが、名前と目耳の障害で誰の話か容易に想像がつく。○サリヴァン先生がヘレンをしつける場面は割と長回しで見せ、迫力があり引き込まれる。○またサリヴァン先生はヘレンだけでなく、彼女の家族にも諦めずに立ち向かう。○粘り強く諦めない姿勢は観ている者の胸に強烈に刻まれる。 [映画館(字幕)] 8点(2017-02-18 22:19:34) |
12. ウエスタン
《ネタバレ》 ○3時間近い上映時間なのに、時間を忘れさせてくれる傑作西部劇。間の持たせ方、とにかく雰囲気が良い。もちろんのことE・モリコーネの音楽も良い。○ゆったりとした流れの中、徐々に分かってくるストーリーもなかなか面白い。○C・ブロンソン、H・フォンダ、C・カルディナーレ、J・ロバーズと主要キャストが素晴らしい。 [DVD(字幕)] 8点(2009-08-17 11:36:09) |
13. 悪い奴ほどよく眠る
《ネタバレ》 ○後のニューシネマを髣髴とさせるほどのバッドエンド。しかし見応えがあった。○構成が素晴らしい。後の「ゴッドファーザー」で参考にされた結婚式のシーン。マスコミがあんな所まで入るのを許可されていたかは不明だが、実に上手いシーンだった。○バッドエンドにすることで社会に対する訴えが倍増したように思える。普通の監督ならハッピーエンドにするよう言われているところだが、さすが黒沢監督。この映画のためにプロダクションを作ったとも取れるね。 [DVD(邦画)] 8点(2009-07-21 09:33:12)(良:1票) |
14. チェブラーシカ(1969)
《ネタバレ》 NHK教育でやってそうなアニメ。ある目的を達成するためにしたことが、その過程で達成されていた、など教育的要素が存分に入っている。工具を盗むのはどうかと思ったが。にしても、チェブラーシカの魅力が一番。 [DVD(字幕)] 8点(2009-06-12 14:49:28) |
15. 座頭市物語
《ネタバレ》 座頭市の話も勝つ新太郎も全然知らなかったこともあり、非常に新鮮であった。多くを語らない序盤から、勝新太郎の魅力が全開でぐいぐい惹きつけられる。ストーリー展開も無理なく、要所をしっかり押さえている。続編のことはよく知らないが、座頭市が超人のようになっていくような気がしてしまう。 [DVD(字幕)] 8点(2009-06-12 11:57:27) |
16. 招かれざる客(1967)
《ネタバレ》 正直なところ、白人のリベラル派の作品という位の位置付けだろうが、なかなかの秀作。ストーリー展開も小気味良い。キャストもそれぞれ好演。また、これだけ邦題がきれいに決まる作品も観たことがない。 [DVD(字幕)] 8点(2009-06-12 11:04:23) |
17. ニッポン無責任時代
《ネタバレ》 時代と無責任という言葉のマッチングが絶妙。一見おちゃらけ映画だが、この映画におけるテーマ性は非常に面白いし、的を射ている。それに植木等の個性は素晴らしい。まさに俳優とは個性だな。 [DVD(字幕)] 8点(2008-10-25 16:20:30) |
18. アパートの鍵貸します
《ネタバレ》 出世のためにいけないことをした結果、自分の好きな人が死にかけてしまうという皮肉。「人間になれ」の言葉通り、自分の意思で会社も辞め、引っ越そうとしたところのハッピーエンド。拳銃の伏線が効いている。主演の二人も良いが、ドレイファス医師が良い味出してる。ラストでフランに夢中でカードを配りまくるバクスターと、告白に言葉で答えようとしない二人の画が良い。 [DVD(字幕)] 8点(2008-09-29 09:35:12) |
19. 泳ぐひと
《ネタバレ》 当時のアメリカについて知っていなければ(と言っても自分はそんなに詳しくありませんが)、観ている人にとってはチンプンカンプンの映画でしょう。これもニューシネマ映画の一つで、どこか同年公開の「猿の惑星」に似たようなオチ。変人であり、ラスト近くの爆撃音からしてベトナム帰還兵の話だと思ったが、バート・ランカスターの年齢や公開年を考えると違うかもしれない。しかし、昔は全てを受け入れていたが、夢が覚めると厳しい現実が待っていたのだというセリフや、変な人には気を付けろと言いながら自分が一番変な人間になってしまっている辺りを観ると否定もできない。まぁプールを持つブルジョアへの批判はわかりやすいし、中年のおっさんのラブロマンスでもない。あまりわかりやすい映画ではないが、時代背景がわかれば非常に興味深い映画だと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2008-06-02 22:28:23) |
20. 続・男はつらいよ
今作は少し悲しい話となっているが、なかなか笑える。あと、京都の人間からすれば、昔の京都の景色が伺えるのはうれしい反面、今と昔の景観の差に愕然として残念でもある。 [DVD(邦画)] 8点(2008-04-20 12:59:57) |