1. 愛のむきだし
ここ5年くらいで一番面白い邦画でした。この監督を知ったのは自殺サークルからでしたが、紀子の食卓くらいから映画の完成度は急激に上がっていました。そして監督の集大成的な映画がこの愛のむきだしだともいます。「愛とはなんなのか?」「罪とは?」といった深いテーマをエンターテイメントとして映画化した手腕はさすがですね。結論はくだらないですが(笑) 親の愛情を受けれなかった子供たちがどうなっていくのか、ってところはエヴァと共通してますね。しかし、これが日本アカデミー賞にノミネートされない邦画界はおかしいですね。まあ、あんな賞はいらないでしょうが・・・ [DVD(邦画)] 10点(2010-10-19 17:58:49) |
2. ハート・ロッカー
《ネタバレ》 戦争映画の傑作と個人的に思っているのですがなんかいまいち日本での評価が低い。 アメリカの言い訳映画とか戦争中毒の男の映画とか、みんな勘違いしてますよ。 この映画を批判する人はだいたい反米思想という自分の主観で見ているように感じます。テロリストが仕掛けた爆弾を解除することのどこが戦争賛美なのでしょうか? これは主人公の成長の物語なんですよ。最初は中毒のようにゲーム感覚で爆弾処理をしていく主人公。「自分は何でもできる」という子供がもつ万能感をいまだに持っている。しかし、中盤から子供の死体にブービートラップをしかけるテロリストの残虐さ、自分よりインテリなイラク人がいることに気付く。つまりイラクの現状をまったく理解していないことに気づくんですよ。そして、イラクの不条理な現実に苦悩するなかで爆弾処理に失敗し、仲間を誤射し、爆弾を仕掛けられたイラク人を救えない。すべてが狂っていく。 任務を終え、アメリカに帰り平凡な日常をすごしていく中で幼い息子に言う「大人になれば本当に好きなものは1つか2つ。オレは、1つだ。」そして戦場に帰っていく。 戦争中毒だから戦場に帰ったのではなく、主人公は自分のできることを悟ったんですよ。失敗はしたが、それでも自分には爆弾処理しかない。それが最良のことだと思ったから、もう一度イラクに戻っていったんですよ。最初の表情とラストの表情は明らかに違う。 [DVD(吹替)] 10点(2010-09-02 08:32:39)(良:2票) |
3. 精神
すごい衝撃を受けました。私はこの映画の舞台になった岡山県出身で、さらに「こらーる岡山」から半径1Kmのところにある高校に通学していましたが、まさかこんな近くに精神病院があるとは思ってもいませんでしたし、こんな出来事があったことに驚きました。 精神病患者が普通に生活していることをこの映画によって初めて実感しました。精神病患者に社会がカーテンを張っていると映画の中で説明していましたが、たしかにそうだと思います。違うと思っていても、この映画を見ると精神病患者に対してある種の偏見を抱いていたことが分かります。 精神病患者とはどのような人たちなのかというところも重要なポイントですが、一番わかったもらいたのは彼らは普通に社会で暮らしているということです。 [DVD(邦画)] 10点(2009-08-13 22:31:03) |
4. グラン・トリノ
初めて映画館で泣きました。いままでヒューマンドラマなどの感動作で泣いたことなどは一度もなかったのですが、なぜかこの映画だけはしらずしらずのうちに泣いていました。 今までのイースウッド映画なら「ダーティハリー」みたいに最後は法を犯してでも悪党を裁く、みたいな感じですがこの映画は違ってました。 ウォルトはあの悪党の今後の人生まで計算してあの行動をしたのでしょう。誰一人死なないように・・・ あと、この映画で面白いと思ったのはこの映画が現在のアメリカを象徴しているところです。ウォルトがむかしフォードで働いていたが、息子はトヨタで働いているなど・・・ 何回見ても面白い映画です。 [映画館(字幕)] 10点(2009-05-05 13:01:54)(良:1票) |
5. キック・アス
マジでサイコーに面白かった!! ヒットガール強すぎ! かわいすぎ! なぜ日本ではこういうのが作られないんだ、と思えるほど出来のいい映画でした。しかし、難点を言えばヒットガールが登場してからの主人公の空気化、あきらかに主人公が交代してる。お話しが主人公の成長物語からヒットガールの復讐劇になってた。そもそも彼女は主人公のダークサイド、いわばライバル的なものだからやっぱ最後は「殺戮を続けるヒットガール」と「悪を憎んで人を憎まずのキックアス」でタイマンをはってほしかったな。それにヒーロー物なんだからもっと格闘術で戦ってほしかったな。でも、それを差し引いても面白かったです。 [映画館(字幕)] 9点(2011-01-05 18:39:53)(良:1票) |
6. 紀子の食卓
長い尺があっという間にすぎるほど面白かった。「自殺サークル」「紀子の食卓」「愛のむきだし」は、個人的に園子温3部作と思っていますが、この作品から急に完成度が高くなりました。 家族主義的な閉塞を逃れるべく、郷里を離れ東京に辿り着いた紀子。そうして出会った ハンドルネーム「上野駅54」に言われるがまま、レンタル家族を引き受けるも、どこか 違和感を拭えない。赤の他人がその時間の限り、かけがえのない家族でいられる、家族や 人格の「入れ替え可能」の象徴としてのレンタル家族。 一方、娘が失踪してなお、理想の家族を信じて疑わぬ紀子の父は、娘が消えたその理由を 探るも、まるで分からない。分かるはずもない、彼にとって家族は「入れ替え不能」な 存在なのだから。 娘・紀子はいずれとも決せぬまま、その狭間で戸惑い、翻弄される。 「入れ替え可能」、ゆえに生きていても、生きていなくても一緒。 生きるという選択も「あり」だし、死ぬという選択も「あり」。 だから、例えば集団自殺をするわけだし、例えばマイク真木「バラが咲いた」に包まれて、 殺されることをも甘受する。 誰が死のうが、何が起きようが、何も変わらない。平坦な「終わりなき日常」がただそこに あるばかり。 クライマックス、血みどろの惨劇は夢か現か、過去の記憶の染み付いた借家で、家族揃って 鍋を突く団欒のとき。 そして夜明け前、妹・ユカはひとり東京の街へ消える。家族の「入れ替え不能性」が 夢物語でしかないことを思い知らされる瞬間だ。 [DVD(邦画)] 9点(2010-03-31 17:47:59) |
7. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
むっちゃおもしろかったです!! コメディあり、アクションあり、サスペンスありと、とてもてんこ盛りでこれぞエンターテイメント映画といわせる内容でした。 ショーンオブザデッドと同じで、イギリスという国を風刺していたのも面白かったです。最後のどんでん返しも素直にびっくりしました。デブな相棒がしたいと言っていたアホなことが最後のアクションシーンで全部実現するのも良かったです。死ぬ前に見たほうがいい映画です。 [DVD(吹替)] 9点(2009-05-21 18:37:42) |
8. 蟻の兵隊
これは良いドキュメンタリーでした。終戦後も軍命として中国に残り戦った事実を日本に訴えるため、死んでいった仲間たちの想いを背負い、中国に証拠を探しに行く姿を捉えた映画でしたが、とても考えさせる内容でした。 当時のことを思い出しながら中国をまわっていくのですが、そこで聞かされる日本兵の残虐行為は同じ日本人として情けない気持ちになりました。 そして事実を認めようとはしない日本には怒りがわいてきました。公害、薬害エイズ、C型肝炎のときも日本はなかなか事実を認めませんでした。なぜ、中国や韓国にはすぐ謝罪するのに、同じ日本国民には謝罪をしないのか? いまだに理解できません。 「死んでも死にきれない」これがこの映画のテーマだと思います。日本政府が一日でも早く事実を認めることを心より祈ります。 [DVD(邦画)] 9点(2009-02-05 14:28:48) |
9. 二百三高地
日本の戦争映画の中で一番スキです!! とくに二百三高地を占領して日の丸をたてるシーンやたてて叫ぶシーンが好きです。普通の日本の戦争映画なら周りが死体だらけなら「なんて戦争はむなしいんだ」で終わるんですが、この映画は周りが死体だらけだろうとやっと要塞を落としたことを喜んで叫ぶので新鮮で、その通りだと思いました。 [ビデオ(邦画)] 9点(2008-05-23 23:05:48) |
10. イン・ザ・プール
《ネタバレ》 これは面白い!! ゆるゆるな展開と魅力的な登場人物たち、さらにその人物たちの病気も面白い。でも一番すごかったのは松尾スズキさん演じる伊良部一郎でした。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-07-04 20:13:16) |
11. 人狼 JIN-ROH
《ネタバレ》 童話『赤ずきんちゃん』を絡めた、 戦後、もう一つの日本の話。 観る前は、ドンパチものだと思ってたけど、 全然違ってた。 昭和30年代を思わせるような空気と 闘争で引き裂かれた男女の恋愛ドラマ。 最初観終わった時は、 「重たい話だな~」と思ったが、 もう一度観てみるとだいぶ代わった。 どのシーンをとっても無駄がなく、最後のシーンとかも際立っている。 最後の最後で感情を持った彼は、狼になってしまったのか、それとも人になったのか。それだけが気になる。 一番、印象に残ったセリフは、ラストの『そしてオオカミは、赤頭巾を喰った』 現実はこうなんだよ~みたいなことを言いたかったのかな・・・ てか漫画版の「犬狼伝説」も面白いから良かったら読んでみてください [DVD(邦画)] 9点(2006-04-19 19:46:50) |
12. 戦国自衛隊
もう、ほんとに誰がなんと言おうとサイコーです!あの世にもって行きたい映画です。 たしかに特撮がショボいし、作戦もへったくれもありませんが、それを差し引いてもこの映画はスバラシイと思います。 [ビデオ(邦画)] 9点(2006-04-17 20:39:57) |
13. レバノン
まさに戦車版「U・ボート」ヴェネチア映画祭で金獅子賞を獲ったのもうなずけます。「プライベートライアン」みたいなかっこいい戦闘シーンはまったくない。すべて戦車内部からの視点なので客観的にどうなっているかがわかりづらい。しかし、そこがこの作品のすばらしいところ。まだあどけない兵士たち。人を殺すのが怖くて仲間を死なせてしまう。勇気を出して砲撃すると、車に乗ってたのはただの民間人。などの不快な、でも真実なシーンが目白押し。戦争の愚かなところが満載です。ラスト、戦車から初めて降りて若者が見たものとは? [DVD(吹替)] 8点(2011-05-02 23:22:30) |
14. ゾンビランド
新しいタイプのゾンビ映画ですね。今までのゾンビ映画は人間の愚かさなどを描いていましたが、この作品はそういった「暗い現実」を受け入れたうえで「人生ってすばらしいよね」「仲間って大事だよね」となったので、ちょっと感動しました。 アニメで言うとガンダムとプラネテスを組み合わせたような内容です。生き残るためのルールを決めて行動する主人公やその他の登場人物。なので他人は信用しないし、心を開こうとも相手の痛みを知ろうともしない。しかし、一緒に行動するようになってからは徐々に変わっていきます。なぜ彼が涙するのか? なぜ彼女たちが裏切るのか? その理由を理解した主人公は変わります。他者の痛みを理解することによって疑似共同体から「共同体」へと変わった彼らはとても清々しいです。 [DVD(吹替)] 8点(2011-03-26 18:32:59)(良:1票) |
15. ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
全世界で100億円の興行収入があった大ヒット作が日本で見れない。ということで署名して公開されたので見てみましたが、おもしろいですね。 スターが出ていないので華がない。だからこそアイディアと脚本で勝負するというのは映画ファンとしてうれしく思います。邦画も旬な芸能人に頼るだけでなく、こういうふうに内容で勝負できるようになれば産業として潤うんですけどね [映画館(字幕)] 8点(2010-10-09 23:54:02) |
16. バッドサンタ
むっちゃはじけてた!! サイコーでした。史上最悪なサンタによるクリスマスイヴ。こりゃディズニーのお偉方も怒るわな・・・ あの太った子供の純粋な優しさが主人公がむちゃやってるだけによく感じられた。とってつけたようなハッピーエンドも良かった。 クソッタレ人生に愛を [DVD(吹替)] 8点(2009-02-09 23:48:45) |
17. ニクソン
《ネタバレ》 オリバー・ストーンがニクソンに父親の姿を投影させて撮った映画。ストーンの親も証券マンかなんかで、お金にしか人生の価値を見出せなかった。 当時のアメリカの状況とかがわかったり、人間としてのニクソンがわかって面白かった。ニクソンもなんか途中から人間不信に陥ったり、かわいそうな人だったんだなと思った。 JFKも見よっかな・・・ [DVD(吹替)] 8点(2009-01-30 23:27:25) |
18. 拝啓天皇陛下様
今までろくな教育も受けておらず、その日の食べ物にも困っていたが、軍隊に入ることで初めてまともな生き方ができた前科もちの男のお話。 じつはこれ当時ではよくあった話しだったらしいですよ。お話としてもブラックジョークがあってよかったですが、とくにラスト。もっと軍隊生活について尺があればなお良かったですね。終戦からが長すぎたような・・・ まさか山下清が出演しているとは思いませんでした。 [ビデオ(邦画)] 8点(2009-01-30 23:07:49) |
19. インヴィンシブル/栄光へのタッチダウン
《ネタバレ》 まさに映画になるような実話である事がすごいところです。 ディズニー制作なので楽しめました。 ただ、プロに入るまでが主となっておりプロに入ってからの活躍は開幕2試合のみだったのが残念でした。 正直、えっ!これで終わっちゃうの?という感じを受けました。 特典映像をみていたら故障で引退するまで3シーズン活躍して、スペシャルチームのキャプテンになったということでした。 プロに入ってからの活躍ももう少しストーリーに盛り込んでいればもう少し盛り上がったのではないかと思いました。 それを差し引いても全体としては素晴らしい内容で勇気付けられます。 [DVD(吹替)] 8点(2008-02-06 22:46:55) |
20. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 素直に感動できる映画でした。コメディと聞いていたけど、ヒューマンドラマですねジャンル的には。主人公が母親にドイツ統一のことを必死で隠そうとするのがとてもすごかったです!「そこまでするか?」みたいな感じで見ていました。でもそれは、母親のためでもあり、自分のためでもあったというのが好印象でした。最後に母親にみせたビデオに編集したものは、主人公が理想とした東西ドイツの統一だったと思います。良い映画でした。 [DVD(吹替)] 8点(2008-01-22 21:31:55) |