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すねこすりさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  まぼろしの市街戦
市街地を走るクマ、一羽だけ撃たれる伝書鳩etc・・・、さりげない動物の使い方がイイ。40年前の映画なのに、すごく斬新。現代でもホント、どっちが狂気なんだか・・・。ラストは激しく共感。美術・音楽も素敵。何度見ても素晴らしい映画。
[DVD(字幕)] 9点(2007-07-27 10:30:53)
2.  夜空に星のあるように
圧倒的に好きな男がムショにいるんだけども、シャバの現実を生きるためには別の男たちとそれなりに女を実感していないとダメ、というのは、正直、共感できてしまう。45年前の作品なんだよなぁー、これ。今でも賛否の分かれそうな内容、当時は結構批判もあったんじゃ、と思います。正直、尼さんみたいに生きるって、一度しかない人生、無味乾燥過ぎますね。母親なんだから子育て必死でやりゃーいいじゃん、と真面目な方は思うでしょうが、別にセックスだけじゃなくても、異性(場合によっては同性)との交わりというのは、身も心も潤うのですよ。ジョイの場合、潤い以外にも、生活の手段としている節もあり、そこは受け止め方が分かれるかと思いますが。長いこと社会人やっていると、「色事の潤い」のない若しくはなくなって久しいと思われる人に幾度か遭遇するものです。こういう人々に特徴的なのは、やたらと攻撃的なところでしょうか。プライドもかなりお高く、そのくせ、自信はないのか、職場で仕事の内容やそれにまつわる諸事にダメ出しされると、人格を否定されたかのごとく反撃する、みたいな点が見えると、女性の場合、私は勝手に「あー、この人バージンだ、99%」と心の中で思っちゃいます。すごく余計なお世話で、失礼極まりないかも知れませんが、多分当たっていると思います。恋愛なりそれ未満の色事なりって、ある意味、他人との全人格的交わりなわけで、この経験のない人は、自分に自信を持てなくても仕方ないと思うのです。親以外に、赤の他人が丸ごと自分を受け入れてくれるという体験は、とても大事なもの。まー、細かいことを言えばそりゃ違うという部分もあるんですけどね。・・・ジョイが、決して自己価値を高く置いてはいなくても、半面、現実の流れに自然に乗ってその生き方自体を卑下していないのは、多分、自分をきちんと肯定できているからだと思うのです。流されているようで、したたかに世渡りできるしなやかさも持っている。頭でっかちで自己保身に汲々としている攻撃的な輩よりゼンゼン魅力的です。ローチ、さすがです。やっぱりあなたは素晴らしい!
[DVD(字幕)] 8点(2012-05-03 23:16:25)
3.  1000日のアン
G・ビジョルド見たさに、イイお値段の中古VHSを買っちまいましたとさ。DVDでご覧になったのは海外版だったのでしょうか? まあ、それはどっちでも良いんだけど、この買い物はアタリでございました。『ブーリン家の姉妹』より、アンが遥かに魅力的に描かれています。ヘンリー8世もしかり。処刑直前にアンとヘンリー8世が牢の中でやり合うシーンが圧巻。ビジョルドがキラキラして見えます。処刑台へ向う前に笑顔で「私の首は細いから(苦痛はないわ、きっと)」などというビジョルドのアンは凛々しく神々しい。バートンはヘンリー8世の肖像画に実にそっくり。いや、バートンのほうがかなり品があって知的ですが。しかし、男児か女児かの決定は男の側にあると科学が解明してくれている今見ると、ヘンリー8世の言動はトンチンカンもいいとこで、犠牲になった王妃達はただただお気の毒なんだけれども、現代でも男の子を産めないでプレッシャーを感じる女性は厳然と存在するわけですね。女性達はいつになったら、こういう理不尽なプレッシャーから完全解放されるんでしょうねえ。・・・ま、本作とはあんまり関係ないことですが。それにしても、ビジョルドはやっぱり可愛かった! 40年前の若い頃といっても、その後の作品とのギャップはほとんどといっていいくらい感じない。これは、DVD化是非していただきたいものです。そうしたら、今回の出費にも懲りずにDVD買いますとも。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-09-19 18:49:52)
4.  刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM> 《ネタバレ》 
うーむ、これが第一作ですか。若いし、髪もキッチリしてはいるけれども、既にコロンボのキャラは確立されていたのですね。ズル賢い妖精って・・・、笑える例えだなぁ。カミさんや親戚のハナシをし、ペンを探し、葉巻に火をつけて、相手をイラつかせる。大体、腎臓の形したテーブルって、、、どんな? これが一番笑ってしまいました。それにしても、妻を殺しちゃう人でなし男なんかに何で本気でハマるかね? コロンボ作品の女性の描き方には結構不満があったんだけれど、いきなりこんなアーパー女が共犯だったのなら、なるほどね、って感じです。警部の言ったとおり「たった一つのミス」でした。権威の精神科医ともあろうお方が、そんな先行きも見通せなくて良いんでしょうか。人はイメージでモノを見ると自分で使ったテをまんまとにっくきコロンボに逆に使われ、ムカついただろうなぁ、この犯人。それにさぁ、ジョーンが手袋忘れちゃったのだって、当たり前なんだよ。アンタが出かける直前に急に渡したんだから。・・・とは言っても、ジョーン以外の要素は完全犯罪と言ってよく、この犯人はかなり頑張ったわけです。しかし、それを上回る警部のしつこさ、しぶとさ。あっという間の100分でした。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2010-07-10 00:16:26)
5.  ケス
昔から、生まれ変わるなら「猛禽類」になりたいと思っている。バタバタ羽を動かさず上昇気流に乗って滑空するその様にホレる。世界的に見ても人間との関わりが浅くない鳥だが、決して人間に隷属しているのでなく、むしろ人間が敬意を持って扱うというその彼らの持つ「気高さ」に心酔する。そして奇しくもそんな私の思いをビリーは代弁してくれる。「飼い馴らすなんて無理さ。獰猛で超然とした鳥なんだ。僕さえ気にかけない。だから凄いんだ。~今だって姿を見させてもらってるんだ」と。この台詞を、15歳の少年が言うのだから驚嘆する。ケスと出会う前のビリーからは想像もつかない大人の台詞だ。『リトル・ダンサー』の脚本を書いたリー・ホールが本作を念頭に置いてホンを書いたというだけあって、設定はもちろん、専門書を古書店から拝借してしまうシーンなど、そのオマージュを端々に感じる。話は変わるが、つい先日の某新聞アンケートで、「人生、運と努力、どちらが大きく作用する?」という質問に対し、わずかに「運」が「努力」を上回っていたが、努力でどうしようもないものの筆頭として「出生」がダントツだったのが苦笑モノであった。本作の背景となるのはまさに出生により限界が決定付けられるという悲劇であるが、洋の東西を問わず、時代を問わず、人間にとってそれは変わらぬ重要なファクターなのかとしみじみ感じた。・・・といって、多くの現代日本人はその「運のなさ」を呪うでもなく、このビリーのように甘受しながら現実と闘って生きているに違いない。そういう自分もその一人に違いない。猛禽類に生まれ変わることも出来ないのだし。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-10-27 15:37:25)
6.  穴(1960) 《ネタバレ》 
作業過程をひたすら映しており、それがまた面白い。房の床をいきなり鉄パイプで叩き出したのには唖然・・・。砂時計には、やるなぁー、と感心。その手際のよさといい、的確な動きといい、感動モノ。・・・それもそのはず、調べてみれば、あのロラン役の俳優は実際の脱獄囚だったとか。ジョゼ・ジョバンニ自らが脚本も手がけ、本職がその技巧をカメラの前で披露したのだから、リアルでないわけない、ってことか。ラストは、あの「アルカトラズ」とは異なり苦いものなのだが、それがまた味わい深い。とにかく男臭い、でも裏切りに女が絡む、The“男の映画”。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-10-21 16:38:38)
7.  ロミオとジュリエット(1968)
高校のreaderの時間、サブテキストとして『Romeo & Juliet』が使用され、授業で一文ずつ訳が順番に当たるのだけど、16歳当時は、ラブシーンの訳なんかが当たったらどーしましょ!と、いちいちドキドキしたものだ。なにせ「激しい恋に落ちた」だの「一糸纏わぬ姿で抱き合った」だの、高校生にはかなり刺激的な文章のオンパレードだったのだ。今思えば、カワイイものであった。そのサブテキストに、ところどころ挿入されていたのが、この映画のシーンからのカット写真であった。それもモノクロで。ホワイティングの見事なお尻がバッチリ写った後姿と、ベッドにぐったり裸体を横たえるオリヴィア・ハッセーのカットがバーンとでっかく載っていて、予習するときも、授業中も、和訳どころじゃなくてそのお尻に見入ってしまったのは、決して私だけじゃなかったはずだ。その後、二十歳を過ぎてから実際に映画を見て、テキストで見たモノクロ写真が、色彩鮮やかな動画で目の前に蘇った時には感動したものだ。月日は過ぎ、オトコの尻を見ても動じなくなってしまったオバハンになるまでにも、何度かこの映画は見たわけだが、見る度に感動の度合いが薄れるのは否めないものの、ビジュアル的満足度は落ちることがない。主役二人の美しさは、それこそ感動ものだし、衣装、美術も素晴らしい。音楽も、台詞回しも、耳に心地よい。もう、これだけで映画として十分な気もする。なんせ、中身はシェークスピアの名作なんだから。ゼッフィレッリに初めて接したのがこの映画なのだが、これで私は彼のファンになったのかも知れない。いろんな意味で、とても思い出深い作品。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-19 15:50:31)
8.  何がジェーンに起ったか?
いろいろ細かいことが気になってしまいました。例えば・・・、ブランチはなぜ2階で寝起きしているの? トイレやシャワーはどうしているの? ジェーンは今までは大人しくブランチの身の回りの世話をしていたの? どうしてこの時期になってジェーンは爆発してしまったの? などなど。でも、そういう疑問を、途中からベティ・デイビスの怪演は吹っ飛ばしてくれちゃいます。怖いのなんの。一番怖かったのは、ブランチの腹部を容赦なく蹴りまくるところ。ブランチ死んじゃったんじゃないかと思ったほど・・・。最後のブランチの告白は、小さな衝撃。ラストシーンのジェーンは大きな衝撃。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-09-25 14:04:24)
9.  囚われの女
これは・・・、コメントに困る。ある種“問題作”かも。ハッキリ言って好きです。メチャメチャ怪しい雰囲気が終始漂い、悶々とする女性の心理がこれでもか、というほど描写されていて、見ていてシンドイ。でも引き込まれて見てしまう。クルーゾー監督、恐るべし。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-01 16:19:41)
10.  アポロンの地獄
なかなか面白かったです。思ったより大人しいというか、真っ当で拍子抜けした部分もありますが。ギリシャ神話を題材にしているとはいえ、背景は荒涼とした砂漠だったり、音楽は日本のお神楽だったり、西欧文明がナンボのもんじゃい!みたいなパゾリーニの気概が感じられて楽しいです。ただ、タブーを犯したことを知った後のオイディプスが喚き過ぎで非常にうるさく、ドン引き。あんな大声で喚く演出の意図は、一体何ぞや?と、ちょっと考えてしまったけれど、まあ、これは分かりません。オープニングとラストで現代のイタリアが舞台となるのも、なかなか面白い。父親にナチスの服着せるあたり、キョーレツな悪意を感じます。そして、あの魅惑的な母親。まぁ、パゾリーニにしてはかなりフツーの映画だと思いますが、見て損はないと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-23 22:23:11)
11.   《ネタバレ》 
最初、出てくる人が多くて、やや混乱気味。中盤からだんだん慣れてくると、話も一気に緊迫度を増す。予審判事が暗殺を疑い出してからが面白い。チョイチョイとしか出ないけれどイレーネ・パパスの存在感が凄い。時折はさまれるフラッシュバックが彼女の心情を物語る。勲章ジャラジャラの軍関係者が次々召喚され尋問を受け起訴を言い渡されるその帰りに、皆、同じ戸口から出ようとするシーンが滑稽で苦笑してしまう。そこからラストに至るナレーションが淡々としていて怖い。そうか、「Z」とはそういう意味があったのか! 言論統制ってやろうと思えば簡単なんだよな、きっと。こうしてくだらないレビューをネットに書けて、ありがたいことだ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-12 13:25:36)
12.  太陽がいっぱい
誰もが認める美しいアラン・ドロンだけれど、どこか品と知性に欠ける感じがする。でも、そのどこか「野卑た」感じが、この作品ではピッタリ来る。浅薄な企みにいずれ露見することも読めずに突っ走るトムが痛々しい。こんなに捻くれたのは育った環境だけじゃなくて、本人の持って生まれた性格も大きく作用しているんだろうな、とアラン・ドロンの風貌を見ていると思えてくるのだ。美しく生まれてしまったがために・・・。サインを何度も練習するシーンが印象的。そして何と言ってもラストシーン。マルジュのようなタイプは同じ女性として好きではないが、どこまでも卑屈なトムにはフィリップの持っているもの全てが眩しかったんだろうなぁ。何度見てもスリリングで嫌悪感を感じさせてくれる逸品。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-17 11:43:24)
13.  女は二度生まれる
「(売禁法のおかげで)我々チョンガーには困ったもんです」「あら、でもいつも自家発電じゃ味気ないでしょ」(セリフ詳細違うかも・・・)なーんていう会話があけすけに飛び交って面白いです。芸のない娼妓の流浪の人生。こんな、誰にも愛されない人生なんて冷静に考えればかなり悲惨なはずだけれど、小えんさんにはそういう悲壮感はほとんどないんです。それだけに、あのラストシーンが鮮烈。不気味ささえ感じさせるそのコントラストが印象的でした。
[DVD(邦画)] 7点(2009-08-27 15:08:58)(良:2票)
14.  好色一代男 《ネタバレ》 
世之助の純粋に「オナゴは可愛い化けモンや」と思う心が巻き起こすドタバタですが、単純に笑えます。あれほど必死に守ろうとしたお町も夕霧も死んでしまい、絶望する世之助ですが、他に守りたいオナゴが現れたらまた生きる力が湧いてくるのでしょうねえ。ここまで徹底していると、尊敬に値します。関西弁独特のテンポのよさと、雷蔵ならではの下品にならない笑いだけで、最後まで持っていってくれます。美術も素晴らしく、現在の時代劇より、作り物っぽさが感じられません。役者さんたちもみな芸達者揃いで、エンタメに徹した秀逸な作品だと思います。やっぱり雷蔵は華がありますね。
[DVD(邦画)] 7点(2009-02-25 14:24:19)
15.  女系家族 《ネタバレ》 
いや~、これは見応えありました。なんせ、皆が皆、欲を剥き出しです。隠そうとしません。しかも皆さん美女ばかり。美女ってのは、笑っても泣いても怒っても、それらが数倍に作用しますので、これは応えられません。数年前のテレビドラマより百倍迫力ありました。そう、文乃は、米倉涼子のようなゴツくて見るからにキツそうな女ではいけません。虐げられてはナヨナヨと弱さを見せ、それでいて色気ムンムンの潤々涙目の若尾さんでなくては。米倉さんの文乃ではどんでん返しにならないの。「あ、やっぱりこの女、やったね」としか思わないです。でも、若尾さんだと「ひゃー、こえぇー」となるのです。見た目と中身の意外性、これが人間の魅力でもあり、怖さでもあるのですから。そのツボを押さえた素晴らしい演出でございました。この監督は女の怖さを重々ご存知なのでしょうね。傑作です。
[DVD(邦画)] 7点(2009-02-23 14:30:22)(良:1票)
16.  妻は告白する 《ネタバレ》 
率直に、面白かった、と思います。サスペンス仕立てではありますが、大した謎解きはなく、まあ、裁判は案の定の結果となります。それはさておき、この単純なストーリーにもかかわらず、「見せて」くれます。これ、キャストと演出を間違えれば、つまんないエロメロドラマでした。そういう意味では、若尾文子のキャスティングと増村演出だったからこその名画と言えましょう。私が一番共感したのは、馬渕晴子演じるところの理恵の「あなたは、誰も愛していない。奥さんも、私も・・・」という、幸田に向けられたセリフです。まあ、これは非常に的を射たセリフではあるのですが、26歳程度の若いオトコには、あれが精一杯だったのも無理はないかとも思います。世に言う「悪女の深情け」なら醜女を踏みつけようが蹴っ飛ばそうが、どんな男でも罪悪感のかけらもなく容易に御せるのですが、彩子の様に美しいうえに情の深い女は、やはり「並みの男」には手に余るわけで。人生に一度くらいそんな女に狂いたい、というオトコの甘い願望も、実際に目の前にすれば(全身ずぶ濡れ和服姿の美女が上目遣いで職場に現れて御覧なさい。怖いでしょ~!?)木っ端微塵に砕け散る、という、極めてアタリマエの現実をしっかり監督は描いています。しかし、若尾さんは、本当に色気のある方です。女からみても色っぽいので、男性諸氏が悩殺されるのも十分理解できます。「THE若尾映画」ですね。彼女の魅力をたっぷり堪能させていただきました。
[DVD(邦画)] 7点(2009-02-16 11:10:35)(良:1票)
17.  盲獣
乱歩好きにとって、乱歩映画は、見るのがちょっとオソロシイのです。あの世界観を映像化することによって「ゲテモノ」に成り下がる可能性が容易に想像できるので。実際「ゲテモノ」系映画もありますし。そんな中で、本作は、原作を思いっきり換骨奪胎し、独自のワールドを作ったことで、映画として、なかなか上質なものに仕上がっていると思います。中でも、美術は素晴らしく、あのアトリエは、原作の描写にかなり忠実に再現されており、よくぞ作ったものだ、と感心します。「盲獣」というには、船越英一はキレイ過ぎる感じはありますが、緑魔子を配したのは大当たり。余談ですが、昨年の大河ドラマに彼女が怪しい老婆役で出ていたのを見たときは、感動しました。NHKもなかなか良いセンスしています。てなわけで、ラストへ向けて一気に倒錯世界が全開になるわけですが、まあ、とにかく、こんな作品が40年近く前に作られていたことに注目ですね。乱歩好きとしては、怖いもの見たさで『芋虫』を映画化して欲しいものです。ま、ムリでしょうが。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-28 15:49:12)(良:2票)
18.  女の中にいる他人 《ネタバレ》 
身勝手なオトコが、妻に鉄槌を食らわされる痛快サスペンス・・・、とでも言いましょうか。美しい妻が、家族のことも顧みずに自首しようとする幼稚な夫を毒殺する場面は、不謹慎ですが、カタルシスを覚えます。おまけに、この夫役の小林桂樹が、なんともはやイケてないのです。演技がマズイのではなく、彼自身がマズイのですね。顔といい、雰囲気といい、声といい、服のセンス(これは彼のせいじゃないケド。特にランニングでベッドシーンはどーよ?と言いたい)といい、雰囲気ぶち壊し。新珠三千代の美しさが尋常でない分、小林の鈍重ぶりが際立ってしまう。・・・それが狙いだったのかも?とも思うけれど。女性から見て「食指が動くタイプ」のオトコではないのです。まあ、とにかく終始イライラ・ムカムカさせられましたが、人間のエゴを、淡々と、しかし容赦なく描いている人間ドラマとして、秀逸な映画だと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-03 10:38:41)(良:1票)
19.  コレクター(1965)
その昔、離婚に応じようとしなかった戸籍上の元夫に「これがお前の姿だ!」とビデオを叩き付けた、そのビデオの中に録画されていたのが、この映画。そんなこんなでトラウマ映画となり、この先もう見る気になれないだろうな。子供の頃から何度となくTVで見ていたが、何度見ても不快になる、もの凄く嫌な映画・・・、なんだけど、映画としての出来は素晴らしいと思う。名画といわれて納得の一本。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-08 14:34:55)
20.  小間使の日記(1963)
解釈に迷います、セレスティーヌの人間性。シタタカ女の世渡り上手系、なのか、出たとこ勝負のおつむ弱い系、なのか。多分、前者だと思うんだけど、後者だと捉えてもおかしくないような。ジャンヌ・モローがピチピチじゃないところがミソですね。適度に世間ズレしたちょっと年増な感じが良いです。だからこそ、とらえどころのない、それでいてミステリアスな存在になっているのだと思います。ホントに必要なもの以外全て削ぎ落とされた作品なので、結構見る方もシンドイです。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-18 15:49:02)
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