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すねこすりさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  八日目の蝉
この話は、不倫相手の子を何度か堕胎した挙句、その男の家庭に男と妻が留守中侵入し放火して夫婦の幼子2人が焼死するという、実際にあった話からインスパイアされたと思われる(実際は知りません。原作未読)が、どちらも悲惨なお話という意味では甲乙つけ難い。本作について言えば、母親とは何か、ということが問われるのか。正直、私は希和子にも恵津子にも1ミリも共感できる部分がないので、非常にキビシイものがある。特に、希和子は、服役後の描写が全くないので、「あんた、一体、この落とし前どうつけるんだよ」という疑問が消えず、非常に消化不良な感じが残る。基本的に、妻子ある男の不倫話の場合、男の身勝手さに呆れるのが常なんだけど、本作に関して言えば、女2人(妻と愛人)の嫌らしさが男の愚かさをはるかに凌駕しているというのが特異である。この2人の女性は、子どもを愛しているのでも、男を愛しているのでもなく、自分だけが可愛いという恐ろしく幼稚な人間であり、そんな女性2人に挟まれた子どもが、真っ当な人間関係を築けない大人に成長しても無理からぬ話。写真館で自己憐憫の涙に酔いしれて記念撮影をする希和子には、心底吐き気を覚える。エリナさんには、ちゃんと避妊していてほしかったねぇ、オバサンとしては。ま、どーでも良いが・・・。しかし、NHKのドラマも時折見たけど、あちらの方が、まだ雰囲気がドロドロしてなくて良かったかな。この話のどこにそこまで映像化の欲求を掻き立てられるのかが理解できなかったんだけど・・・。原作を読んでみるとするか。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2014-02-11 23:34:25)(笑:1票) (良:1票)
2.  ウェイバック -脱出6500km-
サバイバル映画の場合、もちろん、サバイバルの描写がキモなのは当たり前なんですが、その映画の良し悪しを決定づけるのは、ラストシーンだと思うのですね。そういう意味では、本作はなかなか。とはいえ、まあ、正直、あれほど過酷なサバイバルシーンを嫌というほど見せられた割には、あんまり感動もなく・・・。サバイバルもの、大して好きじゃないのかも、と今さら気付いたような気がします。そんなことないと思うんだけどなぁ。エド・ハリスは、どこにいても存在感ありますねぇ・・・。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-03 23:49:56)
3.  鑑定士と顔のない依頼人
ううむ。これは、緻密かつ壮大な「騙し絵」みたいな映画、といいましょうか。常々、面白い映画はネタバレしていても面白いはずだ、と思っておりますが、本作に限っては、予備知識なしに見た方がゼッタイ面白いと思います。なので、いつもは平気でネタバレレビューを書いておりますが、今回は、ネタバレしないよう気を付けてみます。とにもかくにも、ジェフリー・ラッシュが素晴らしいのです。偏屈で高慢・不遜な爺を見事に演じています。そして全編を覆い尽くす、怪しく不穏な空気。これがどんなシーンであっても見ている者を不安にさせます。全てを知ってしまうと、確かにこの「騙し絵」は色褪せて見えるようにも思われますが、これは2度見、3度見で味わいが増すとの、もっぱらのウワサ。このウワサ、信じます? 私は信じてみようかと思っています、今のところ。
[映画館(字幕)] 8点(2014-01-25 01:12:30)
4.  モンスター上司 《ネタバレ》 
脇役陣が超豪華! まー、こういう映画にリアリティなど求めてもあまり意味はなく、カリカチュアされたそれぞれのキャラを「こんなやつ、いるかーっ?!」とか「いるいる、こういうやつ!!」とか思いながら見て、時々笑えればそれで良しでしょう。あらゆるハプニングで絶体絶命まで追いつめられるけど、ラストは爽快、というありがちなドタバタコメディですが、ま、どんな所にも??な人ってのは必ずおいでになりますので、そういう意味では、そのあしらい方とか、気の持ち方とか、ゼンゼン参考になどなりませんが、ちょっぴりカタルシスを味わえるかも。個人的にはジェイミー・フォックス演じるマザーファッカー、サイコー!!
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-20 23:08:03)
5.  ルートヴィヒ(2012)
ドイツによる、ドイツ映画としてのルートヴィヒです。これは、致し方のないことだと思うんですが、過去に“ヴィスコンティ版”という無視の出来ない作品がある以上、比較されるのは宿命で、本作は、それを意識し過ぎて、そこから離れようと頑張りすぎた感あり。全体にかなり薄味な作品となってしまいました。雰囲気も全体に明るいです。少なくとも、ヴィスコンティ版を覆い尽くしていた頽廃感はほとんどありません。ルートヴィヒを演じたザビン・タンブレアは確かに美しいのですが、アングルによってはオバサンみたいな顔になり、また、身長がものすごく高い上に顔が小さいため、単独のシーンは良いのですが、他の出演者との絡みになると浮いてしまうという・・・。王の衣装がもの凄く映えますけれども。また、シシー始め、ゾフィー、オットーと、役者に魅力が欠けています。途中、いきなり14年飛ぶので(その間にルートヴィヒの役者も変わってしまう)、そこが本作の一番の残念ポイントです。同じ尺に収めたかったのであれば、冒頭をカットし、戴冠式から始めてもゼンゼン良かったと思うのですが・・・。さらに、ワーグナーの描写もただの「わがままなオッサン」という感じでイマイチ。まあ、私はワーグナーが人としても作曲家としても、またその音楽も嫌いなんで、ヴィスコンティ版みたいに、とんでもない下品クソジジィ的な描写を期待してしまっていたのかも知れません。それにしても、ルートヴィヒは、生まれてくる時代を間違えたのだとつくづく思います。あの時代のヨーロッパで、平和と芸術を愛し、とか言っても、それは寝言にしか聞こえないのも無理ないですもんね、側近にしてみりゃ。私個人は、ルートヴィヒは決して“パラノイア”などではなく、国庫の破綻を真剣に憂慮した側近によって禁治産者とされたのだと信じているので、どうしても、ルートヴィヒには同情的になってしまいます。・・・しかし、ドイツの威信を掛けての制作、みたいな売りの本作でしたが、公開1か月足らずで終映の様です。劇場もガラガラ。あれこれ書いてきたけど、そんなに悪い作品ではないと思うのに、何となく寂しいですねぇ。DVD化もビミョーな感じかな。
[映画館(字幕)] 6点(2014-01-13 21:43:13)
6.  アンナ・カレーニナ(2012) 《ネタバレ》 
キーラ・ナイトレイは、確かに大変な美女だけれども、どうにもその笑い方に品がなく、また、致命的に色気がない女優さんである。まあ、ソフィー・マルソーのアンナもイマイチだったのだが、まだ彼女は男に惑い惑わされ、というのに説得力がある。・・・というわけで、キーラがアンナを演じるということと、過去に何度も映像化されていることを考えると、この演出は大正解であったと思う。非常に工夫された、それでいて無理がなく面白い方法だった。どこかコミカルな趣を感じさせてくれたのは有り難い。これでシリアス路線まっしぐらだったら、悲惨だったと思うので。ただ、あの社交ダンスの踊りは???であった。腕をうねうねさせて、あんなの初めて見たゾ。ああいうのが、当時のロシアで流行ってたのかしらん? それにしても、アンナという女性は、超が付く身勝手なお人。若い愛人に走るも、夫に戻り許しを請うたかと思えば、やっぱり愛人を愛していると言い、愛人の愛も信じられなくなり発狂、薬漬け、自死・・・、と、まあ当然のルートを辿るので、見ている方は同情も何もなく、ふむふむ、そらそーだろ、としか思えないというか。夫も愛人も、何だかなぁ、という印象で。しかし、「愛」って何なんですかねぇ。肉欲が盛んな頃は、単なる発情期であって、愛してる、ってのとはちと違う気が。発情期を過ぎた後、それでも、愛しい、会わずにいられない、その人のことを思わずにいられない、というのが愛情の芽生えでは。そういう意味じゃ、アンナは発情期を愛と勘違いしたまま、勝手に死んじゃった、ということもできるかな。随分意地悪な見方だけど。歳をとると、人を愛することって、そんな単純な話じゃないでしょ、とか思っちゃって、ダメだねぇ。勢いで突っ走る、そう、それも愛でしょ。そーでしょ。そう思いたい、若いころのように。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-01-03 03:13:19)(良:1票)
7.  ブランカニエベス 《ネタバレ》 
チラシのゴシックアート的な雰囲気に惹かれて、つい劇場へ。サイレント&モノクロってんで、途中寝てしまわないか心配したけれど杞憂でした。何しろ、映像の美しさと音楽の素晴らしさ、これだけで見に行った甲斐があったってもんです。確かに、「白雪姫」の翻案には違いありませんが、こちらの継母は、白雪姫のそれより人間臭い。それが可笑しい。ややブラックコメディ的要素も満載です。モノクロってのは、スペイン人の美女の様に彫の深く各パーツが大きい顔は、いっそう美しさを強調するものですね。実母も祖母も継母も、そしてカルメンも、美女また美女の登場で溜息モノです。惜しむらくは、美青年が一人も出てこなかったことでしょーか。・・・と書くとネタバレですかね。もう、最初から最後までカルメンは悲劇の連続、救いがありません。ラストも、思わず「え~、そんな・・・」と言ってしまったくらい。1920年代当時のスペインの混乱と貧しさが何となく背景に感じられる描写ではありますが、何よりも、現実は、泥沼の現状からキスひとつで救い出してくれる王子様なんていやしない、ってことを、残酷なまでに描写しております(グロという意味ではありません)。このラストに賛否はあるでしょうが、私はその救いのなさと残酷さにガックシ来たけど好きですね。アタマからずっとそういうテイストで展開してきたのです、納得のラストです。あまり奥行きのある作品とは言えませんが、ゴシックアートがお好きな方は、決して見て損はないと思われます。この監督の次回作がちょっと楽しみですな。いや~、美しかった!!
[映画館(字幕)] 7点(2013-12-16 22:38:47)(良:1票)
8.  ハンナ・アーレント
非常に静かな展開だけれど、最後の講義のシーンで一気に緊張感が頂点に。・・・うーん、これはなかなか厳しい作品です。彼女の書いた「イェルサレムのアイヒマン」を読んではいないけれど、これに激怒した人たちは結局どういう原稿だったら納得したのだろうか。恐ろしいのは、ユダヤ人の一部がナチに協力していたという裁判で明らかになった事実を書いたことが激しく批難されたという点。被害者のネガティブ要素を指摘すると過剰攻撃されるって、これ、どこかで見たことあるような・・・。アイヒマン=ナチの幹部=悪人、という構図に則った言論以外は批難される・・・、これも今でも普通にあちこちで見られる現象です。事実を冷静に指摘することが、猛烈な批難の嵐を呼び起こす・・・。最近も見ませんでしたっけ? 結局は、アイヒマンも、彼女のレポートを激しく批難した人々も同じ穴のムジナ(考えることを放棄している)。何にせよ、よからぬ出来事というのは、あらゆる立場であらゆる側面から事実を客観的にあぶりだすという作業をしないと、同じ轍を踏むことになるわけですが・・・。人間は基本的には愚かですから、そういう当たり前のことをすぐに忘れてしまいます。先日、小泉元首相が久々の記者会見で揮毫をしていました。「一行は百考に如かず」でしたっけね。考えるよりやってみろよ、ってことですが、考えないと大変なことになる、という本作を見ると、結局のところ、考えることと行動に移すことのバランスがいかに難しいかがよく分かります。考えないで言われるがまま行動するのはある意味楽ですし、でも、行動せず考えるだけの方が楽なことも多々あります。言い換えれば前者は「追従」であり、後者は「妄想」です。どちらも地に足がついていないってことで、本当の意味で「考える」人がすることではないわけです。これ、怪しげな宗教みたいなもんです。教祖の言うことを妄信し、冷静さを失って自分の世界に浸る・・・。アイヒマンも結局ヒトラー教の忠実なる信者にすぎなかった、と思えば、まさしくただの「小役人」という言葉がピッタリです。今の日本の世相も何となく考えることを放棄しているっぽい感がなくもないですが、この作品を、今の安倍信者たちにも見てもらいたいと思いました。しつこいようですが、厳しい作品でした、本当に。
[映画館(字幕)] 7点(2013-11-17 18:09:30)(良:2票)
9.  カルテット!人生のオペラハウス 《ネタバレ》 
これはダメでしょう。『カルテット』ってタイトルなのに、肝心のカルテットの映像がないんですよ!?!? どーゆーこと??? マギー・スミス演じるジーンがかつてのスーパー歌姫だった、と何度もセリフで説明されますが、さぁ、歌うぞ、ってところで歌うシーンは、なんと歌声だけ。たとえ口パクでも歌う姿を映さねば、まるで説得力なしでしょうが、ダスティン・ホフマンよ。レジーがジーンと離婚した理由も、たった一言のセリフでさらりと触れるだけで、おかげで彼らのハッピーエンドにまるで感動も感激もありません。ならば、音楽で聴かせるかと言えば、それもものすごく中途半端。こりゃ名付けて「詐欺映画」。ひど過ぎる。・・・それにしても、老人しか出てこない映画、ってのは見てるの結構キツイですねぇ。老い、病、死、孤立、、、、そんなの何もわざわざ映画で見せてくれなくても嫌ってほど現実で突きつけられてますってば。と言いたいところだが、だったら見るな! と言われそうですね。別に見たくて見たというよりは、2本立てのもう1本が見たかったから、仕方なく見ただけであって・・・(と一応言い訳をしておきます)。ダスティン・ホフマンは顔洗って出直すべし。
[映画館(字幕)] 3点(2013-11-05 22:59:47)
10.  天地明察
原作未読。個人的には断然、関孝和派なもので、こういう作品でも見れば、多少は渋川春海なる人に好感を持つきっかけでもできるかな、と思って見てみましたが・・・。長くてイマイチでしたね。貞享暦も結果的にはイロイロ問題の多かった暦の様だし、本作を見終わった今でも、やはりこの時、関孝和が改暦に携わっていたらどうなっていたのだろう、という歴史における「たられば」を考えずにはいられません。まあ、そういうことを脇へ置いたとしても、本作は、作りが安っぽくていただけないです。豪華俳優陣ですけど、演出が悪いんでしょうねえ、これは。「たかが碁打ち」というセリフが何度も出てきましたけど、そうはいっても、江戸時代、将軍の前で碁を打つ家柄ですから、それなりのはずだし、春海は当時の錚々たる面々に教育を受けているのですから、彼自身、非常に教養ある人のはず。そういう、知性・品性・格式・威厳・・・が、全く感じられないのは致命的です。なんといっても、個人的に許せないのは、猿之助の演技。関孝和は、彼の生い立ちを考えれば、もっと内省的で、あんな芝居がかった人柄じゃないことくらいド素人でも想像できます。あれじゃあ、世紀の天才が、聞いて呆れるってもんです・・・。ところで、岡田君は、来年の大河、大丈夫なんでしょうか?
[DVD(邦画)] 4点(2013-11-02 21:36:03)
11.  ポゼッション(2012)
正統派オカルト映画です。こういう「とり憑かれ」系は好きなもので・・・。もう、隅から隅まで真っ当な作りでございます。唯一、ちょっと異質な感じがしたのは、MRIでアレの姿がバッチリ写るところです。いやー、写しちゃいましたか!!と、快哉を叫びました。除霊シーンは、まあ、割とアッサリでやや物足りない気もしますが。お気の毒なのは、妻の新しい恋人ですね。あんなんになっちゃって。なのに、妻はそれを悲しむどころか、気にすることさえせず・・・。しかし、なんといっても特筆すべきは、エミリーを演じたお嬢さん。素晴らしかったです。久しぶりにオカルトらしいオカルトを見て、ちょっぴりゾワゾワさせてもらいました。
[DVD(字幕)] 6点(2013-10-29 23:06:38)
12.  ゼロ・ダーク・サーティ
世間のニュースを、割と単純に「へぇ~」と瞬間的には受け止める私だけれども、ビンラディン殺害の一報だけは「うっそー、ホントかよ??」と聞いた瞬間から疑ってしまった。疑った根拠は特になく、ただただ嘘くさい、と思っただけ。で、その後も、現在に至るまで証拠となる客観的資料も画像も、もちろん動画も、なーんにも公表されていない(よね?)。全てはアメリカの発表だけ。・・・という状況で、本作の日本でのキャッチコピーが「世界は、真実を目撃する」なーんてでっかく書いてあるじゃないのサ。映画でしょ? 作り物でしょ? 真実だ? そらねーだろ、といささか鼻白んで、どれどれちょっと確かめちゃおうという好奇心から見てみた次第。んー、まぁ、恐らく相当取材を重ねて作ったんだろう、ということは伝わってきたし、多分、バクチ同然の作戦だったというのも事実に近いんだろうと思う。が、真実だって豪語するに足りる説得力ある描写は皆無。だからリアリティがあるんじゃないか、とも言えるが、頭で考えられる範囲を出ていないあたりが余計に嘘くさいとも言える。とかなんとか、他にもいろいろ思う所はなくもないが、こういうアメリカ親分に、我が国の安全保障はべったり依存している現実を思うと、なんとも言えない暗澹たる気持ちになってくる。でもまあ、実際にニュースが流れてわずか1年でこういう映画を作っちゃうその馬力には感服しますね。日本で、例えば、観客動員を狙ったオウムの映画なんて、いまだに作られてないもんね。311にしても然り。映画にすりゃいい、ってもんではないから、別にアメリカが偉いというつもりはないけれども、そういう風土があるかないか、ってのは、結構侮れない要素だと思う。臭いもんに蓋しない、とゆーか、タブー視しない、とゆーか。・・・いずれにしても、一種の覗き趣味で本作を見たようなもんだから、特に得るものがなくても仕方ないね。
[DVD(字幕)] 5点(2013-10-05 22:08:57)(良:1票)
13.  黒いスーツを着た男 《ネタバレ》 
映画友と半年ぶりに会うに当たり、互いにそそられる映画が見当たらない中、強いて選んで見に行った作品。別にDVDでも良かったんだけど、まあ、予告編がちょこっとそそられたから、ってんで・・・(と、なぜかわざわざ劇場に見に行ったことを言い訳したくなる)。なんというか、見ている者に消化不良感を残す作品です。ひき逃げを目撃したジュリエットが、なぜアルを告発しなかったか。いい男だったから・・・?なんでしょうねえ、やっぱり。ええっ!?と、思ったが、自分が目撃者だとして、ひき逃げ犯が、例えば黒いスーツ姿もバッチリの玉木宏で、目の前に現れたとしたら・・・、ぅん、まあ、アリかもな、告発しないのも、と思っちゃったから、これは良いとして、その後の展開は、やっぱり色々???な訳です。大体、病院のベッドで酸素吸入器に半分顔が隠れた見ず知らずの名前も知らない被害者を、どうして「この男が自分の轢いた男だ」と分かるのか? そして、アルもジュリエットも葛藤してはいるが、アルはそもそも逆玉結婚にもの凄い執着が感じられないので葛藤が中途半端、ジュリエットもひき逃げ犯の運転する車に簡単に乗ってしまい、あっさり情を交わしてしまう、ってのがねぇ。いくら玉木でも、私はこれはナシだわ(まあ、あっちもゴメンだろうが)。おまけに、アルの婚約者もイマイチ魅力に欠けるし、ジュリエットもルックス的にゴツ過ぎる。アラン・ドロンの再来と言われているらしいラファエル・ペルソナだけど、どっちかっていうと、ジェラール・フィリップ似じゃないか? アラン・ドロンよりは品があるが、ジェラールほど男の色気はない、スターに必須のオーラもない、って感じで、あまりブレイクの予感もないなぁ。そう、登場人物がそろいもそろって魅力不足なんだよねえ。これは、俳優の責任というより、監督の技量不足だと思いますね。オープニングの思わせぶりなシーンもゼンゼン伏線になっていないし、あれは何なん? と言いたくなる。ま、美しい男を100分眺めていたい方にはおススメです、なんつって。
[映画館(字幕)] 5点(2013-10-03 23:02:13)(笑:1票)
14.  すーちゃん まいちゃん さわ子さん 《ネタバレ》 
原作者の益田ミリさんが某全国紙にコラムを書いているのだが、これが結構淡々としていて面白く、時にジーンとくるので、原作を読む前に見てみようかと。お気に入りの真木よう子さんも出ているし。・・・と思って見たのだが、これだとただの「女の生き方探しモノ」になっちゃってるなぁ、残念、って感じかな。心理を全部「心の声」で言わせちゃってるのも、残念。3人の30代(多分)独身女性の、恋を中心とした彷徨いっぷりを描いているんだけど、こーゆーのって、せいぜい30歳を1つか2つ過ぎたくらいまでじゃないですかねぇ、と思っちゃう私は意地悪婆ぁ? 30代って、その後の人生を考えると足場固めみたいな時期なんで、足場も定まらないのに色恋で彷徨っている時間はあんましないと思うのだよね。といっても、実質彷徨っているのはまいちゃんであって、そういう意味では彼女は「結婚→出産」コースを選んだのは正解でしょーな。すーちゃんとさわ子さんは、手に職(技術)のあるいわば専門職なんで、ハナシの中で結婚に至らなかったのは、まあ、必然か。劇場で見るほどでもないし、かといって、ドラマにしちゃっても淡々としすぎですぐチャンネル変えられるだろうし、作品価値としては難しいですねぇ。『かもめ食堂』になれなかったのは、恐らく、ヘンに色恋を絡めて女の生き方探しをテーマにしちゃったからだろうね、多分。あちらは、出てくる女性、みんな吹っ切れちゃって精神的に自立している人ばかりだったから、その潔さが見ている方も心地よかったんだろうなと。外国か日本かってのはあんまし関係ないかな。・・・あと、中田マネージャーとか、蕎麦屋の息子とか、男の描写がヒドイのがちょっとね。あんなのだったら、出さない方がいいと思うが。女だけのストーリーでも十分イケたと思う。どーでもいいけど、カフェのオーナーがバイトに爪を切れと言っていたが、店員がロングヘアーをまとめていない方が私的にはよっぽど気になった。ま、ホントにどーでもいいけど。・・・キレイで可愛い真木よう子さんに+2点。
[DVD(邦画)] 5点(2013-09-23 21:54:37)
15.  アンコール!! 《ネタバレ》 
まあ、良いオハナシなんだけど、既視感バリバリ、展開が読め過ぎちゃって白けました。偏屈爺ィが歌を通じて心を開く、って、あーた、新人シナリオコンクールでも「ありがち」なんてコメントされそうです。あらすじは知っていて見たわけですが、作品もまったくの「まんま」って、これ、あんまりじゃない? 音楽は、一応まあまあ。というわけで、作品自体へのコメントは、正直ほとんどする気になりません。・・・しかし、何なんですか、この邦題は。「!」マークを付ければ免罪されるとでも思うのでしょうか、この作品のどこに「アンコール」の要素が? 配給会社の方は、もっと作品を愛して邦題を付けていただきたいですねぇ。金取って公開しようってんだからさー。ホントに作品見て付けたの? と言いたいくらい、お粗末な邦題ですな、これは。それにしても、テレンス・スタンプです。すんごいフツーのおじいちゃんになってまして、拍子抜けしました。私の中では『コレクター』とか『私家版』とかのイメージが強いんで、こういうフツーな彼、ってのは違和感が・・・。作品中、若い父と息子の写真が出てきて、そこに若かりし陰影のあるオーラをまとった彼(とても人の親には見えない)が写っていまして、懐かしかったですね。まー、うっすーくて香りの全くないレギュラーコーヒーみたいな作品でした、ハイ。
[映画館(字幕)] 5点(2013-07-31 23:15:42)
16.  ジェーン・エア(2011) 《ネタバレ》 
えーっと、嵐が丘と話がごっちゃにいつもなるのですが、今回は、ごっちゃになるまでもなく、すごーくスルスルと話が進んで行きました。正直、ジェイミー目当てで見たようなもんなんで、スルスルでもズルズルでも何でも良かったんですが。ジェイミーは、なかなか上手いじゃありませんか! 可愛かった面影はありますが、イイ役者さんに脱皮できたのを見られて、オバハンは嬉しかったですよ、ハイ。『ジャンパー』を見た時は、マジで倒れそうになったことを思えば、素晴らしいです。パチパチ、、、というわけで、作品は二の次になっちゃいましたが。まー、ちょっと学はあるけど美しくはない女が、身分ある男に見初められて、あーだこーだあっても挙句は結ばれて、ちゃんちゃん♪ってのは、これ、思いっ切りシンデレラ・ストーリーじゃないですか。恥ずかしながら、原作未読なんで、シャーロット・ブロンテがどんな思いをこの話に込めたのか知りません。まあ、ラブストーリーでしょうが、かなり都合が良いオハナシなもんで、見ていてもなんというか、あんまり入り込めませんね。二人が惹かれ合う過程の描き方がちょっと雑なもんで、余計に。ロチェスター役のファスベンダーはなかなかイイ男じゃないですか。少なくとも、大分前に見たゼッフィレッリ版のウィリアム・ハートよりはかなり素敵なロチェスターでした。横暴さもなく、普通に優しいご主人様で。ホント、展開もスルスル~、鑑賞後感もスルスル~、、、。映画としては、いただけませんね、スルスルばっかじゃ。ゼッフィレッリ版を再見してみようかな。ついでに原作も読んでみるか、、、あんまり気乗りしないけど。
[DVD(字幕)] 5点(2013-07-29 22:54:54)
17.  ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 《ネタバレ》 
デンマークじゃ知らない人がいないらしい、この王室大不倫劇。いやー、大して期待していなかったけれど(そもそも製作があのトリアーだもんね)、いえいえどーして、なかなか素晴らしい作品でした。史実はどーだか知りませんが、ちょっと本をかじったところでは、ストルーエンセは相当えげつないこともやっていたらしいケド、本作では、その辺をうま~くボカして、ストルーエンセの人間的魅力を上手に描写していました。王妃と惹かれ合い、不倫地獄に嵌っていく過程がさらーっと、しかし、グッとくる描写で語られ(乗馬シーンはスゲェ官能的と思ってしまった私はヘンタイ?)、その後、ストルーエンセが失脚・処刑されるまでは過不足なく疾走して、ラストの凄惨な幕切れと相成り、見ている者を飽きさせません。上手いです、非常に。何より、キーマン3人が素晴らしい。神経衰弱の王、王に愛されないが運命を受け入れている王妃、この2人がすごく上手い。そしてストルーエンセのマッツ・ミケルセン。この人が出ている映画を見るのは多分初めてなんだけれども、決して美男じゃないと思うけど、なんなんでしょう、この色気は。これは、なんというか、抗えない魅力という感じ。この3人が、本作の質を百倍増しにしていると思います。もちろん、中近世ならではのコスプレ&美術も素敵。演出も正攻法で、時系列に話を展開しているのにちっとも冗長でなく、見事なさばき具合。変な邦題サブタイトルがついていますけど、これ、見て損はありません。ものすごく得した気分。もぉ~、これだから映画ってやめられないのよ、ホント。
[映画館(字幕)] 9点(2013-06-08 21:41:32)
18.  天使の分け前
ある新聞で記者が「ケン・ローチって辛気臭くて嫌いだったが、本作品は例外的に面白く好き」と書いていた。「え~っ!?」と思って、「辛気臭い」を広辞苑(第五版)で引いてみたら「思うにまかせずくさくさした気分である。じれったく、いらだたしい」とある。これは、第五版だからか? で、ネットで他辞書を調べると「気がめいるさま」というのがあった。多分、前後の文脈からして記者のいうのはこれだろうな、と思うし、私の中での「辛気臭い」の日常的な認識もコレだ。で、やっぱり「え~っ、、、」なんであるが、よく考えると、広辞苑のいう意味では、確かにローチ作品は「辛気臭い」のかも知れないな、とも思った。人が思うようにいかない現実に悩み、葛藤する様を描き続けているのだから、まぎれもなく辛気臭いのだろう。だけれど、だからといって、決して見ている者たちを滅入らせる作品ではなく、そこには必ず希望や救いがあるのだ。だから、記者の言う「辛気臭くて嫌いだった」というのは、やっぱり共感できないのである。・・・で、本作だけれども、ローチはやっぱりローチだった。ローチ作品を見ていると、逆境から抜け出すのは、本人の意思+「人の力」が欠かせないと言いたいのがよく分かる。人生や世の中には「どうにもならないこと」「不可抗力」は必ずある。それを跳ね返すのは、結局自分自身でしかないけれど、それをほんの少しだけ支えたり見守ったりする周囲の人の小さな力が欠かせないのである、ということを忘れてはいけないと改めて教えられる。「運命論なんか嫌いだ」と言い放つエリートより、「人生はままならん」と一見くたびれた風の、肩を落としながらも踏ん張れる人の方が、よほど魅力的。・・・しかし、これで、本当に「銀座テアトルシネマ」は閉館となってしまった。本当に哀しい。自分で思っていた以上に今、寂しさを感じています。ああ、ミニシアター、頑張れ!
[映画館(字幕)] 8点(2013-06-02 15:54:17)(良:1票)
19.  愛、アムール 《ネタバレ》 
正直、ショックです。ハネケの作品が、こんな、、、直球ストライクでくるなんて。すごく良い人目線になってしまって。さしもの彼も、歳とったってことでしょうか。いや、、、本当に、これはショックでした。テーマ的に、毒の入り込む余地がない、と言えばそれまでなんですが。・・・しかし、ジャン=ルイ・トランティニャン、『Z』で切れ者の予審判事を演じていたあの颯爽とした男っぷりは最早跡形もなく、ひたすらに愛する妻を支える好々爺となっておりました。時の流れを嫌でも感じさせられます。そしてまた、彼の夫ぶりがあまりに崇高で素晴らしく、もう、涙も出ません。なんてわがままな妻だろう、とも思わなくはないのですが、その妻の願いに一途に尽くすのです、夫は。そして、妻はきっと、夫の最後の選択をあの世で感謝こそすれ、恨みはしないでしょう。そう思わせるラストシーンです。「コート、着ないの?」の一言にKOされました。これがハネケの妄想でしかない、と、思う人も多いでしょうが、でも、究極のラブストーリーだと思えば、決して妄想ではないと思いますね。ハネケの境地に脱帽とともに、ここが終着点だなんて思ってほしくない、きっと次回作があるはずだと信じます。
[映画館(字幕)] 8点(2013-04-12 22:33:02)(良:1票)
20.  塀の中のジュリアス・シーザー
劇場入り口に貼ってあったセンスはいいけれどゴツそうなポスターのイメージとは裏腹に、かなり描写は淡々としており、あっさりした後口です。これはもちろんホメ言葉。ドキュメンタリーなんだかノンフィクションなんだか分からない、敢えてそういう作りにしたんだろう、そういうところが非常に面白かったですね。オーディションのシーンが出色です。一人一人、罪名と簡単なプロフィールが出るんだけど、8割がた私より若い!(でも迫力満点・・・!!)皆、世間の裏側を垣間見るどころか、そこにどっぷり浸かってきた人ばかりなんで、演技もなかなか。刺す、刺されるのシーンの練習では、刺し方、痛がり方が堂に入ってて、こりゃそんじょそこらの俳優さんたちより凄いかも、と思わせる。「ジュリアス・シーザー」を企画し持ちかけたのは監督側ということで、なるほどなー、目の付け所がなるほどなー、と感心してしまいます。私は、人を殺した人間というのは絶対的に受け入れられないものを感じるのですが、なので、彼らの中にも殺人罪で服役している人がいて、そういう人たちに対し、その感覚は変わりませんが、刑務所でこういう実習があって、人の気持ちを想像し、自分のこととして受け止める、人としての鍛錬をするというのは、非常に意味があり素晴らしいことだと思いました。あの圧倒的な演技と本作の前に、こんな薄っぺらな言葉では違う気がするんですが、平たく言えばそういうことかと・・・。日本の刑務所ではないんでしょうかね、こういうの。いずれにしても、本作含めてあと3作品で「銀座テアトルシネマ」が閉館だなんて、寂しい限りです。クロージングラスト2作品も全部行く予定ですが、こうして良い劇場がどんどんなくなっていくのは、なんか世の中間違っている気がするのは、私だけでしょうか、、、。
[映画館(字幕)] 8点(2013-02-17 18:46:06)
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