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1.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
正直、戦争映画はあまり好きではないけれど公開直後すぐにツイッターのTLであまりに評判が高いので観に行くことにした。 チケットを予約しようにも最寄りの劇場はほぼ満席、慌てて他の劇場で予約したがばんばん席が埋まっていって焦った。 それほどまでに評判の高い映画なんだな、と驚きつつでも戦争ものはなあ…とまだ重い腰をひきずるような気持ちで観に行ったという。  始まって数分で引き込まれていた。冒頭、少女のすずが荷物を壁にもたれかけて背負いなおす細やかな動作だけで「これは期待できる」と確信した。 気付いたらすずさんと和美ちゃんのあのシーンで思わず「あっ!」と声をあげてしまっていた。 それくらい周囲の環境を忘れるほどに物語にのめり込んでいたのだ。 観終えたあとは滂沱、滂沱。なんだこの映画は最高か、こんなん絶対名作どころか後世に残るだろ…滂沱。 映画館から出たあと視界に飛び込んできたビル群と煌びやかな夜景、豊かな現代のいまの私達の暮らしとのギャップに まるで自分がタイムスリップしたかのような感覚に捉われたのも驚き。  細かなところでん?これはなんだ?どういうことなんだ?なんでノートの端っこが破れてるの?すずさんの持っていたあの紅はなに? リンさんの描写がすずさんと何か関係めいてるわりに中途半端なのはなんで??と原作にも興味がわき 全巻揃えて読んだらこちらでもリアルに「あっ!?」と声をあげてしまっていた。 うっかり周作さんの秘密を知ってしもうた…w  ともかく、私はこの作品のラストの描写でいままで某『火垂るの墓』で背負わされていた戦争映画の孤児に対する 鬱々とした感情が昇華され心から救われる思いがした。 『この世界の片隅に』は人間を信じられる映画だと思う。
[映画館(邦画)] 10点(2017-07-18 22:58:31)(良:2票)
2.  スノーホワイト(2012) 《ネタバレ》 
これはあかん。こんなに既視感かんじる映画もそうそうないのでは。 攻殻機動隊なのか、もののけ姫なのか、指輪物語なのか、ノートルダムの鐘なのか、パシフィック・リムなのか ハッキリしてー!あ、パシリムのほうが後の公開なのですね。そこはスミマセン失礼しました。 白雪姫のモチーフはとってつけただけです。林檎はかじったとたんカビが生えたのでスノーホワイトの死因はカビによる食中毒ですね。  衣装や美術やCGや女王はすごーく綺麗でした。おわり。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2016-05-30 04:07:49)
3.  ルーム 《ネタバレ》 
これは作品を観る前に、先にあらすじを知るべきではなかった。主人公の境遇を知らずまっさらな状態で観たかった。 「部屋」から脱出するまでは起承転結でいう「承」で、その後の日常に戻っていく母と世界を知っていく少年の世界の広がりのほうが「転」になる。  児童文学の「昼の少年と夜の少女」や「ラプンツェル」のように生まれてからずっと狭く暗い場所に監禁され育つ『おとぎ話』では 解放されてからの世界は明るく輝き希望に満ちているが、実在の事件となると被害者の負った心の傷は想像を絶する。  母子のどちらの実父も現実を受け止めれず、一方は犯罪、一方は遁走という自分可愛さからの身勝手な『無責任さ』が腹だたしいが そのぶん実母と再婚相手の母子を見守り続ける根気強さと愛情に救われた。
[映画館(字幕)] 7点(2016-05-27 03:21:50)(良:1票)
4.  フランス組曲 《ネタバレ》 
作者はユダヤ人作家で娘に作品の入ったトランクを託しアウシュビッツで死去。 60年後に開かれ世間に発表され、ベストセラーになり映画化。 もし自分が物書きだとして、明日どうなるかわからない戦況下におかれ身の振り方もどうなるかわからない立場に おかれた状況ではたしてどこまで「物書き」としての本分を全うできるであろうか…と 前情報として知っていたのはここまで。  ユダヤ人作者だからと勝手に想像してしまいがちな ありがちなアウシュビッツの悲惨さを語ったり状況に翻弄されながらけなげに生きる一般女性を描くといった 『戦争体験を語る苦労人』のエッセイではありません。フランス人女性とドイツ人将校との恋愛物語がベースです。 原作未読なのでこれがすべてではなく、おそらく本編から切り取った部分での改変が大きいとは思うのですが 的を絞り込んだ上で当時の状況や環境を客観的に冷静に中立的に捉えています。 主人公の目を通して語られる町に滞留しているドイツ兵達の奔放な描写やそこに色目をつけて誘惑する女性も出てきたりと 観ながら頭の片隅で開高健の「青い月曜日」「破れる耳」を思い出していました。  役者が皆豪華で演技力も高く、観ていてだれる事なく緊張感を保ちながら楽しめました。 個人的に出演しているサム・ライリーの奥様であるアレクサンドラ・マリア・ララが出演していたのが印象的です。 「ヒトラー~最期の12日間」ではドイツ人でヒトラーの秘書役を演じており 「フランス組曲」ではユダヤ人でドイツ兵に拘束される一般人役を演じているところは非常に対極的で唸らされました。 ここは原作にない模様なのでオリジナル箇所のようですが…
[映画館(字幕)] 7点(2016-05-14 05:18:59)
5.  ズートピア 《ネタバレ》 
私達は世界の成り立ちをジュディから語られ、上京するジュディの視線から一緒にズートピアに足を踏み入れ世界の構成を知ります。 そこでジュラシックワールドの時のように、まるでズートピアに観光しにいったようなわくわく感を味わえる楽しみ。 大型動物からネズミのような小動物まで、表向きは尊厳と自由が守られているけれど実際は差別や偏見や欺瞞に満ち溢れている 人間社会の縮図と変わらない世界、それがズートピア。  ストーリーに則った根底にあるテーマは結構重いのですが、主人公であるジュディの朗らかで前向きな性格に救われています。 心に深い傷を負ったまま世間を斜に構えて生きてきたニックが主人公でストーリーが進行していたら失敗していたでしょうね。  個人的にジュディがクロウハウザーと初対面時に思わず「かわいい」と言われる事を 「同種なら許せるけど異種から言われるのはちょっと…」とやんわり嗜めるシーンが好みです。 ズートピアでは人間社会よりずっと外面的なイメージで判断したりされたりすることを嫌うようですね。 さらっと流すシーンですがズートピアならではの世界観を表しており、ものすごく大事なことだと感じました。 こういう演出を自然に無駄なく滑り込ませるとこすごいと思います。  「どの層をターゲットにしているかって?もちろんディズニー精神を欠かすことなく大人も子供も楽しめる映画ですがそれが何か?」 とまさしくディズニーの真骨頂を見せ付けられる映画です。ズートピア最高!
[映画館(字幕)] 9点(2016-05-09 01:17:38)(良:1票)
6.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 
原作未読。あれあれ、これ邦画でしかもゾンビ映画のわりに面白いじゃん!というのが素直な感想。 (邦画にしては、という枕詞がついてしまうあたり非常~~に嘆かわしいとは思いますが、正直者でスミマセン)  ゾンビ映画ってもうホラーというよりパンデミック&パニックもののカテゴリーですよね。 ゆえにこの作品でもストーリーや展開はありきたりで奇抜さや目新しさは全然ないのですが そのぶん主人公のキャラクターに焦点を絞って際立たせたところと撮影技術に工夫を凝らした点が面白さに繋がったかな、と思います。 日本で銃なんてものすごいニッチな武器を所有していながら、ここぞ、ここぞというところでそれでも猟銃を使わない(使えない)英雄。 何故使わぬ!と映画のご都合展開に慣れてるこちらがイラつくくらいヘタレ。ですがゾンビ映画お約束の対ゾンビではなく 自治区での派閥対立の群像劇でのパニックものにシフトしつつ「世界がひっくり返っても自分は何にも変われない」と 嘆き苦しむ主人公の台詞、正直身につまされました。 主人公の心情をしっかり描いてるぶん、ラストにかかる対ゾンビ戦のカタルシスが非常に心地よかったです。 個人的にですが、人間のままでいるなら英雄と一緒に行動したいし、ゾンビになるならアベサンのような伴侶にトドメを刺されたいです。
[映画館(邦画)] 8点(2016-05-07 00:38:51)
7.  リトルプリンス 星の王子さまと私 《ネタバレ》 
星の王子さまって聖書のつぎに発行部数が多い本でしたっけ。 読んだことがなくともタイトルは世界中の人が知っているのではないだろうか。 それほどの名作中の名作と呼ばれる児童書を映画化しようというのは非常にリスクが大きいし 作り手側も緊張したのではないかと思われる。自分が映画監督で作れと言われたら絶対大火傷すること必須なのでイヤだ(笑)  私は原作を読んで滂沱したクチなのでこの作品については公正なレビューは出来ない。 好きか嫌いかで語らせてもらうが一言「好き」だ。  星の王子さまの世界観を損なうどころかよい意味でイメージを膨らませてくれていた。 この作品は原作を知らずともどういう物語なのか老人と少女の交流の中で丁寧に紐解いてくれる。 シングルマザーの母親と娘である主人公の「少女」の間に特別な確執はなく どこにでもいる『子供に非凡な将来を求める』平凡…よりやや過度な親子像。 密接な親子関係の中で母親の意見が世界の全てだった少女は老人との出会いで星の王子さまの存在を知る。 星の王子さまと出会い別れそしてその後どうなったか? 私自身、大人になってから原作を読んだので大人にありがちな「都合のいい」「自分の心が痛まない」 甘い優しい理想の結末を考えてオチをつけて飲み込んでいた。 いわゆる「そして(多分)王子さまは星に戻り薔薇といつまでも幸せに暮らしましたとさ」である。 しかし子供である少女には老人の説明に納得がいかない。 もし私が子供の頃に原作を読んでいたら少女と同じように 納得がいかず憤慨し「こんな哀しい物語、読まなければよかった」と後悔したかもしれない。 少女が探しにいったその後の星の王子さまは、大人が押し付ける欺瞞の優しい世界ではなく 現実に将来の自分に起こりえるかもしれない夢も希望もない暗い世界だった。 ここのオリジナル箇所は正直 原作をこよなく愛する人には受け入れられないかもしれない。 しかしそこから大事なものを思い出し少女もキツネや王子さまのいう「目には見えないもの」の意味を悟る。 私は少女が乗り越えていく『大事なものを知る』過程としては必要な箇所だったように思う。  直接的な表現は使わないものの『死別』のメタファーがついて回るのは原作も本作も変わらない。 それでも人はそうした別れを経験しても「目に見えない大事なもの」を心にしっかりつかんで生きていく。 最初から最後まで柔らかい哀しみと愛しさとあたたかさに包まれた宝物のような映画だった。
[映画館(字幕)] 8点(2015-12-09 15:30:48)(良:1票)
8.  バケモノの子 《ネタバレ》 
出来の悪い少年漫画を見せられた感じ。 細田氏の別作品レビューでも述べているのですが私はこの監督さんの構成が苦手です。 テンポよさを重視するせいかぶつ切りが多く本来見せねばならないシーンをわざと切って 次のシーンと繋げる、といった変則的な見せ方をするのが好きではないのです。 漫画でいうところのコマ割が多い作品といえるかもしれませんがその割り方が苦手。 観客が観たいと思うシーンをおそらく意図的に見せない演出にしているのかもしれませんが これが過去作品はどういうわけかテンポよく上手に繋げられているのでセンスのある監督さんなんだな、と 感心していました。ですが今回は完全に滑りまくりで裏目に出ていました。 特に終盤に一番肝心な『刀を振るシーン』で「ずばっ」という『効果&効果音』だけで 次のコマ、いやシーンでやられた猪長男がぐらりと倒れるって これ素人の描いた典型的なダメな少年漫画じゃん…と苦笑いするばかり。 キャラクターはもう動物のキャラクターみたまんまのイメージをそのまま押し付けているので 類型的すぎる上に掘り下げが浅いのでどのキャラも想定内の会話しかしない。 肝心の九太と熊徹の関係も親子にも師匠にもなりきれておらず宙ぶらりん。 毎回序盤で全力疾走するけど中盤~終盤にかけてバテてしまい最後がいつも空気が抜けた 風船のような終わり方しちゃうのが細田作品の定番なのでしょうか。 前作のおおかみこども~からどうも私的に失速気味な細田作品なのですが 今回の作品で、もうわざわざ劇場で観なくてもいいかなという気持ちにまで下がりました。
[映画館(邦画)] 4点(2015-09-03 01:06:12)
9.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
素直に普通に面白かった!です。過去シリーズのいいとこどりのような面白さでした。 さすがにトム・クルーズ老けたなあ、おじさんになったなあ…と思いながら観ていたのに 作品にのめり込まされて最後は「や…やだ、やっぱりトム・クルーズかっこいい…////」になる映画でした。 個人的にヒロインが女性ではなくヒゲ面のおっさんだったのがポイント高かったです。 それにしてもイーサン・ハントは劇中1作目から何年経っているのかわかりませんが未だにヒラなんですね。 もういい加減昇格して何らかの重要なポストについてもいいと思うのですが未だに仲間を重んじる 熱く青い男のままで…いやだからこそのイーサン・ハントなんでしょうけど。 もうトム・クルーズに対抗できる芸能人は郷ひろみくらいだと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2015-09-03 00:43:17)
10.  イントゥ・ザ・ウッズ 《ネタバレ》 
前半面白いかも?と期待に膨らんだ風船が後半ぺしゃんこにつぶれて後に何も残らなくてボーゼンとなる、久々に毒にも実にもならない映画を観てしまいました。親と子の依存と確執が随所に出ているけどそこを重点的に描いているわけではないし、パン屋の旦那が主人公(なの?)にするにしても描ききりが足りない、ディズニー配給だけど原典であるグリムベースで進行していくファンタジーの世界は暗く陰湿で鬱蒼としています。類型的な物語を独自に解釈したり改変したりして予想外の展開を見せてくれるのは好きなのですがこの作品は悪い方向に転げ落ちていくので話が進むに連れて顔が渋くなってしまいました。それより何より、どうも私は映画の途中でシンデレラの顔がどういうわけか女子レスリングの金メダリスト吉田沙保里選手に見えてしまうという不思議な呪いにかかってしまったらしいです。いつ王子にタックルをかますのかハラハラしてしまいましたが、あのラストだと沙保里はいずれはパン屋の後妻になりそうです…
[映画館(字幕)] 4点(2015-03-27 00:31:09)
11.  天才スピヴェット 《ネタバレ》 
ジュネ監督作品ということで期待値を異様にあげて鑑賞。残念ながら私が観たときは2D上映しかしていませんでした。画面構成が3D仕様丸分かりだったので3Dで観るともっと楽しい映画だったのだろうなあと思います。 少年が1人で旅を続けるストーリーは目新しくもないのですが、過去背景と自分の心を折り重ねていく流れにどんどんスピヴェット少年の哀しみがこちらに沁みこんできました。自分とは真逆の快活な双子の弟の事故死。家族が唐突に亡くなる経験をしているので理解できます、こういう時人は表面上だけでも元の生活に戻そうと躍起になります。無理やり当たり前の日常に自分をはめ込もうとするが内面では無意識にもがき苦しみます。飄々とした日常生活の中で軋みを生じている事をスピヴェットは自分の過失であるかと錯覚し居場所を失い求めるための旅にでます。こんなに哀しい子供の一人旅ってないよ…。最後に両親が変わらないままに自然にスピヴェットを迎えいれた事に爽快感を感じました。ちょっと埃をかぶったオモチャ箱を開けたようないい映画です。
[映画館(字幕)] 8点(2015-03-13 16:10:13)(良:1票)
12.  マレフィセント 《ネタバレ》 
面白かった。予告から察するにアニメの実写化なのだからアナザーストーリーで進むのだろうと思っていたので、かなり早い段階から別経路に流れていきアナザーではなくパラレルワールドの物語なのですよと言い切ってしまう。正直驚いたのがディズニー作品のお約束をここでも通用させた事だ。元は「眠れる森の美女」なのだから主人公であるマレフィセントは悲劇的なオチになると考えていたのだが『主人公は絶対にハッピーエンド』の法則が発動する。ステファン王が高い塔に吊り上げられたところで『悪役は落下して死ぬ』法則もきっちり発動させ無理やりにでも丸くおさめて幸せに終幕。もともと原作クラッシャーなディズニーが自社の過去作品までぶっ壊すとは思わなかった。で、ストーリー的にどうかというと基本主人公(というかアンジー)age作品なので色々破綻しているところも多いのだが視覚的な演出や美術の凝り様でがっちりデコレートしており最後まで楽しめる内容となっている。既に古典作品として芸術と称された作品を、自社の強みとばかりに大衆娯楽作品にぐぐぐっと下げて尚且つそれを本気でがっつり作ってくれたところを評価したい。あとカラスをイケメンにしたところも。
[映画館(吹替)] 10点(2014-08-28 03:08:55)
13.  思い出のマーニー
とても丁寧で真面目に児童文学をアニメ化にした作品。 ただ、また映画館で観たいかと問われれば次は地上波放送でいいやというのが素直な感想。 映画とは関係ないが以前テレビで某キャンディメーカーの企画者が「飴は一粒で満足してはいけない。もうひとつ食べたいと思える味に仕上げなければいけない」と唱えていてなるほどと思った事がある。マーニーの弱点というか短所はまさにここではないかと思うのだ。一冊の児童書を読み終えた程度の爽やかな鑑賞感は残る。ただもう一度あのシーンが見たい、あのシーンは何だったんだろう、あのキャラにまた会いたいというジリジリとした焦燥感のような欲求が全く出てこなかった。別に過去のジブリ作品にあったような冒険活劇にしろといっているのではない、この作品を誰のために何のために心を動かそうとしているのか軸をもっとハッキリさせて欲しいのだ。それとどこかゆとりというか『遊び』の部分も出してもらいたい。 マーニーはしっとりした餡で練られた一個で満足してしまう上品な京和菓子のような作品で、私がジブリブランドに求めているのはカラフルで子供が喜ぶようなやや中毒性のある「もっと食べたいと思わせる」キャンディなのだと思う。
[映画館(邦画)] 5点(2014-08-28 02:41:56)(良:1票)
14.  ホビット/竜に奪われた王国 《ネタバレ》 
レゴラスの弓矢の命中度280%くらいありますね。たぶんポイッと後ろにほうり投げても敵の眉間につきささります。
[映画館(字幕)] 7点(2014-05-18 01:12:54)(笑:1票)
15.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 
毎度ディズニー作品について思ってることだけど、一定の縛りがあるなかで新たな手法を模索していく姿勢はとても好感をもっている。 今回プリンセスシリーズ初のダブルヒロインという事でどういう展開になっていくか楽しみにしていたのだが、前半の軽やかかつのびやかなノリに比べて後半が迷走してしまった感が否めない。 レリゴーのあの曲、鬱積していたエルサが周囲などどうなってもよい、自分は自分のまま、ありのままに一人で生きていく事を決意し「少しも寒くないわ」と不敵な笑みを浮かべ氷の城に閉じこもっていくシーンまではとてもとてもよかった。ダブルヒロイン且つ初のヒロインがヴィランズに陥る瞬間を描くとはディズニー今回そこまでいっちゃうか!?と心踊ったのはここまで。アナと再開したエルサは特別大きな変化は見られず焦燥と動揺ばかりが見られパニックムービー的な展開に陥っていく。あれれ、なんだろうこの迷走感。レリゴーを歌っていたエルサが完全に別人…というか元に戻ってない?これもしかして途中で話変えちゃったんじゃない?なんだろうこのキャラクターに芯がない感じ…製作側がエルサを愛しすぎたが故に役作りに対して非情になりきれてない感じがする。これ嫌な予感するなーあの胡散臭かったハンス王子が陰の悪役みたいな昭和の少女漫画みたいな展開にもってかれたらどうしよー…とか思っていたらば案の定の苦笑いな展開(笑) うん、歌はいいです歌は。話はもうちょっと練れなかったのかなあ…というのが正直な感想。 縛りがあるのは最初からわかってる、私がつい期待しすぎてしまった。なのでアナ雪は悪くない… あ、でもマスコットキャラのオラフは最近のディズニー作品の中では断トツによかったです。吹替えの勝利な感じもしますがあんなオッサン顔なのにとぼけて愛らしくとても可愛いと思いました。あとアナ役の神田沙也加さん。スミマセンエンドロールでお名前拝見した時になっても同姓同名の別人だと思っていました、後で本人と知り驚きましたわ。声優お上手でとてもビックリしました。
[映画館(吹替)] 6点(2014-05-18 01:01:23)(良:1票)
16.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
高畑監督作品のよいところは、原作へのリスペクトがしっかりしている…というか再現性が高い点にある。そして悪いところはオリジナル要素の部分になると途端にストーリーから剥離した「自分のいいたいとこだけを強引にねじこむ」という無理やりさにつきる。その為、原作要素ののびやかな雰囲気から一転していきなり説教くさくなったりメッセージ性が前面に押し出てきて鼻白んでしまったりする。要は映画の中でチラチラと監督が頻繁に顔を出してくるので作品そのものに没頭させてくれないのだ。また私はメッセージ性をキャラクターに直接言わせる演出方法が根本的にあわないので、そうした作品は基本的に好感がもてない。そういう点で、私は高畑勲監督作品は火垂るの墓といいぽんぽこといい思ひ出ぽろぽろといいあまりいい印象をもっていない。それでもこの映画を映画館まで観にいったのは題材が古典であり「かぐや姫」だからである。他メディアで映像作品化されたかぐや姫は過去にもいくつかあるが、それのどれもが原本から逸脱したオリジナル部分に恋愛要素を盛り込み相手を5人の求婚者か帝のいずれかの狭い登場人物相関の中からチョイスしていくといった貧しい脚本のものばかりで不満だったから。さらに私はなるべく原作が古典や歴史ものの場合そのまま当時の文化風習を再現してくれるものを好む。その為地雷である監督さんではあるが、オリジナル部分に目をつぶればそこそこ古典の『かぐや姫』を楽しませてもらえるのではないだろうかというやや打算的な目論見で鑑賞した次第。 鑑賞した結果はというと、意外や生き生きとした魅力的なかぐや姫で中盤までは楽しく観れた。しかし正直中だるみした感は否めないしラストの〆方も多分こうなるだろうなという想定内そのまま。ただ『かぐや姫』という骨組だけでよく主人公の性格にここまで肉付け出来たな、と感心した部分も多い。それでも相変わらず原作とオリジナル要素のかみ合わせがスムーズにいってないので主人公の行動理念がちぐはぐになっている部分がどうしても出てきてしまった。仕方ないとはいえやはり残念である。ああ、これがディズニーであるなら翁(育ての父)とかぐや姫(娘)の父娘の物語として『オリジナルかぐや姫』と割り切りラストもとんでもハッピーエンドにしてしまうところだが、ガチ日本人の日本人による作品ですなあ。本当に勤勉ですよこの作品は、実に日本人。
[映画館(邦画)] 6点(2014-01-04 02:00:39)(良:2票)
17.  そして父になる 《ネタバレ》 
帰省して母親と地元の映画館で鑑賞。 観始めたらなんと舞台地が身内が出産経験した土地、隣には母親。 泣く為の舞台演出はばっちりでしたw 母親でなく父親を主人公にしたのがよかったと思う。 「もし自分の子供が取り違えだったら交換する?」と聞かれたら 「絶対返さない、返すわけがない」と多くの母親は脊髄反射で答えるのではなかろうか。(子供のいない私でもそう答えるし、母親もそう答えた。) いわゆる「女って生き物は感情で語る」が如実に現れるケース。 ここで「いま子供可愛いだけでは済まされない現実問題がこれからどんどん出てくるんですよ? いま対処しないでいつやるの?今でしょ(これももう古いか)」 と冷静かつ合理的思考に基づき言えるのが男という生き物なのかもしれない。 それが苦渋の決断のうえで発した言葉ではなく、いままで子供を直視してこなかった 関係の希薄な父親が言うだけにより冷血無慈悲に映る。うまい。 こういうジェンダーの違いをはっきりさせ尚且つ社会的に成功していても家庭内では肝心なところが欠落している主人公が成長していくさまを淡々とたくみに見せるという作品はベタだが私は好きなのである。  実はこの監督作品を観るのは初めてで、それも「誰も知らない」は下地の事件を先に知っていたのでその陰惨な実情が感動作品にすりかえられる事に反発していたのがある。ノンフィクションが下地になっているのは「そして父になる」も同様で、実際の当事者達はもっとどろどろと愛憎入り乱れて苦しみぬいたと思う。そういう点ではエンターテイメントに落とし込んで綺麗にまとめすぎた感は否めないけどこれはこれでドラマ劇としてアリなのかなと感じた。  余談だが、この映画はシニア世代の多そうなときは鑑賞は避けたほうがよいかと思われる。完全に孫か、かつての我が子を見る眼で鑑賞するものだから子役がスクリーンではしゃぐたびに「かわいい~!かわいい!」と感嘆しクライマックスではあちらもこちらもおばさま達の嗚咽まみれになった。あの世代にはクリティカルヒットなので静かに落涙なんてとてもできない。かくいう私の母も同様で、周囲の皆様お騒がせしました…申し訳ない。子供を撮らせる事に関しては随一の監督というのもうなずけた。
[映画館(邦画)] 8点(2013-10-15 00:35:34)
18.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 
気付いたら私の周りは皆パシリム病にかかっていた。 でも自分には怪獣、ロボット映画属性はそこまでないので大丈夫かどうか聞いてみると 「研究者&博士属性があるならオススメ」という返答があったので俄然観にいく気になった。 で、観終えた後は頭の中がじんじん痺れて眩暈がするほどトリップ。 重厚感、ロボット、火花、ロケットパンチ、とどめのチェーンソードで完全にやられた。 なにより制作側のKAIJUに対する愛がよかった。 リスペクトやオマージュがふんだんに盛り込まれており 大人になってから子供の頃のような興奮をまた味わえるとは思いもしなかった。 日本人のDNAが歓喜で興奮どころか沸騰するような映画だった。 私は浅はかにも怪獣やロボットものはもう頭打ちなのではないだろうか 所詮は過去の遺物か子供のための通過儀礼的なコンテンツなのだろうと思い込んでいた。 でもこの映画を観てどんなジャンルであろうと表現には限界はなく幾多の可能性があるのだと思い知らされた。 OTAKUという人種は時々こうした平凡な観念を吹っ飛ばしてくれるから凄いと思う。
[映画館(吹替)] 9点(2013-09-02 16:31:37)(良:3票)
19.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
これは完全にジブリ作品ではなく駿作品。 ジブリお馴染みの愛くるしいキャラクターは全くでないので 親子連れはこれを観ても退屈でしかないと思われる。 大人向きと言われるのもよくわかる。 ジブリお家芸的な食事シーンの代わりに喫煙シーンのなんと美味しそうなことか。 普段煙草を吸わない私がそう感じるのだから某団体が頓珍漢な抗議をしたのも理解できる。  さて私の思う宮崎駿氏はがっちがちの男性脳人物なので思ったとおり 今回も気持ちいいまでの破壊衝動をカタチにしてくれている。 関東大震災、うねる衝動とエネルギーは私達には単純に恐怖の対象であるが 創造者にはおそらくそれに加えて畏怖と興奮もどこか感じるのではなかろうか。 美しい機体が空を滑空すると同時に粉々に砕け散る様も 相反して脳裏に浮かぶという再生と破壊のループ。 ヒロイン像に関しても毎度想定内の男が理想とする『儚げな女性はコレ』像そのまんまの安牌。 そして物語の随所随所でぽろぽろと誰もかれも簡単に泣く、泣く、泣くので 涙が安いなあ…と最初は思っていたのですが物語の演出として 観客を泣かせるために感動的なエピソードを挟みこんでいるというより 涙も日常のひとつでしかないといいたいのかなと感じた。 大切な人が死地へ向かう最中も移動中にも設計図をひく、 涙を落とし紙を滲ませてでも線をひく、ただひたすらひたむきに無心に先へと進む。 この衝動を情熱とか焦燥とか狂気とか何が一番あてはまるか考えたのだけど 「無心」が一番しっくりくるのかな…と思ったり。 駿氏のやんちゃな部分を切り取ったようなカプローニのデカダンさが 要所要所で重くなりそうな雰囲気を蹴散らしてくれるのが心地いい。  私にはこの作品は駿氏の自己投影と理想像の極限の映像化に思えたから 作った本人が泣いたというのも納得できる映画だと思った。
[映画館(邦画)] 6点(2013-08-25 00:41:06)(良:3票)
20.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 
見たい見たいと思いつつCMでネタバレされてしまい見る気を失った作品。 でもいまになってようやく観れて、それも自分にとってはいいタイミングだった。 公開時の自分は私生活で色々苦難があり多分精神的に辛すぎて受け止められなかったと思う。  人生でたくさんある小さな分岐点を描いている作品。 クゥ同様、地味なキャラに丁寧な心理描写。 これなら実写でいいじゃないかと思われるかもしれないけど、多分私これが実写なら観なかった。 自分は結構メディア作品に対して斜に構えて見る嫌なタイプなのだが、原恵一作品はそうした なんちゃって批評家気分の気持ちを1枚1枚脱がして素直で純粋な気持ちにさせてしまう。 なので途中うっかり何度もホロリとさせられてしまい、観終えてシラフに戻ったあとで 「ああ自分安いなあこんな中学生日記みたいな映画で泣けるなんて年とったなあ」と 赤面してしまった。でもそんな自分、嫌いじゃない(ドヤァ)  話の中盤からマコトの正体はわかったがプラプラの正体にまで気が回らなかった。 故に観終えてからはずっとプラプラのその後の事ばかり考えてしまった。 マコトは救われたけどプラプラが救われる日はくるのだろうか… 肉まんの件が理解できないそこがプラプラの欠落している部分なんだろうな…とか うちにはステイどころかチャンスもなかったからマコトは本当にレアケースなんだなとか 私の父親もいまプラプラのような『仕事』をどこかでしているのだろうか とか。 大きな罪を犯して死んだ人間が常世にも現世にも留まれないままちゅうぶらりんでいる状態は 当事者の「家族」の視点でみると非常に辛いものでして。 いつかプラプラも救われる日がきますように、と切に願ってしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2013-04-25 19:00:29)
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