1. L.A.コンフィデンシャル
90年代のハードボイルド映画の傑作。主人公の刑事達が、それぞれ正義感を持っているのだが、誰もが屈折している。その屈折した正義感が、終盤で真実を追求することで一致していく姿は感動的です。ストーリーだけを追うと、普通の刑事物になってしまいそうな所ですが、1950年代の雰囲気と、刑事達の個性をしっかりと描き出していることで、そこを乗り越えている。それまで、後半を力技で行ってしまう印象があったカーティス・ハンソンが、この映画ではしっかりと抑えており、複雑な原作を要領よくまとめた脚色も見事。そして、皮肉なラストも良い出来です。 [映画館(字幕)] 10点(2007-07-31 21:20:03) |
2. ダイ・ハード
皆さんが言っていることですが、ブルース・ウィリスをあの手この手で追い詰めていく脚本が素晴らしいです。テロリスト達ももちろんですが、その他の脇役もキャラが立っていて状況を動かしていくので、無駄なキャラクターがいないという感じです。ウィリスにしてもジョン・マクティアナンにしても、間違いなくこれがベストでしょう。 [映画館(字幕)] 9点(2007-08-20 13:11:12) |
3. エンゼル・ハート
子供の当時に観て、映画にハマっていくきっかけになった作品。正直、最初見たときは話の展開が良く分かりませんでしたが、陰影の濃い暗い映像と、説明過多にならない演出にそれまで観てきた映画に無い魅力を感じて、非常に新鮮でした。これ以降、アラン・パーカーはお気に入りの監督の一人です。後で見直すとそこまでの作品ではない気もしましたが、最初の印象でこの評価です。 [映画館(字幕)] 9点(2007-07-29 19:15:50) |
4. ターミネーター
「現在を変えることによって、未来は変えられるのか?」というテーマを裏に秘めながら、徹底的にターミネーターから逃げまくるというシンプルな構成に徹したのが効を奏している。今見るとSFXはチープな部分もありますが、無機質で強靭なシュワルツェネッガーの肉体がそれをカバーしており、まさにハマリ役。ジェームズ・キャメロンにとっても原点といえる作品で、個人的には彼のベストだと思う。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-08-07 22:07:01) |
5. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 冒頭の上陸シーンのリアルな迫力には圧倒された。そこで死んでいく兵士達には、「死の美学」も「死の恐怖」もなく、ただ「死んでいく」のであり、ある意味この映画で最も強烈なメッセージとなっている。本筋のストーリーに入ってからは、ライアンを連れ戻すという任務を行いながら、兵士達は「なぜ自分達は戦うのか?」という問いを与えられるのだが、リアルな戦場シーンとのギャップで、その問いもやや弱まってしまった様に感じる。むしろ、最後に一人生き残ったライアンが、自分の為に死んでいった兵士達を思いながらどんな人生を送ったのかという事を描けば良かったのかもしれない。 [映画館(字幕)] 7点(2007-08-07 23:10:34) |
6. 真実の行方
《ネタバレ》 法廷サスペンスが好きなのでかなり期待して観たのですが、少し残念。ラストのドンデン返しの評価は難しいのですが、ノートンの無実から二重人格へと進んでいく過程が法廷の中ではなく、リチャード・ギアとの関係性の中で明らかになる構成になっているため、リチャード・ギアに感情移入ができていないと結末もイマイチ響かない。途中の本筋と関係の無い、検事と司教の関係を告発する場面も余計に思える。結局、エドワード・ノートンを見る映画かな。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-31 21:01:19) |
7. M:i:III
《ネタバレ》 まず、私生活とスパイの仕事の狭間で苦しむスパイというのがつまらない。家庭と秘密の任務とどちらを選ぶのか?と言う話は見飽きているので、そこを描くのならもうひとひねり欲しいところ。大体、最後の妻を助けに行く個人的なミッションに仲間が簡単に協力するのはどうなのか。それなら、一人で助けにいけよと思ってしまう。孤独でプロフェッショナルなスパイの映画を観たいものです。 [DVD(字幕)] 4点(2007-08-07 21:34:51) |