1. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
三作通常版、三作エクステンデッドエディションを観ましたが、これだけ時間かけて10点つけないとなんだか自分を納得させられません。というのは冗談半分ですが、最高峰のファンタジー(ハリーポッターシリーズとは段違いでしょう)ですので妥当ですね。エクステンデッドはどこが通常版でカットされたのかが分かり、興味深いです。さらにドラマ要素が高まります。 [DVD(字幕)] 10点(2013-02-19 23:10:37) |
2. 愛のむきだし
《ネタバレ》 何なんだこの映画は! 漫画のようなこの荒唐無稽さは(本来の意味での)確信犯。しかしそれを現実に引き寄せる強烈な身体性。紙芝居のような質感のストーリーに燦然と屹立するのは身体だ。勃起は言うまでもなく、絡み合うシーンや押さえつけるシーン、殴るシーン殴られるシーンなど、そのどれをとっても、身体などというには物足りない、強烈なカラダそのものとでもいうべき力が、ファンタジーを現実に引き寄せている。前半は小ネタを挟みながら基本的な人間関係を形作り、後半に完膚無きにまで破壊し尽くす。その果てに残ったものは、愛だ。何もかも剥ぎ取られた人間は、愛そのものとなる。生半可な破壊ではこれは表現できない。下手な打算や論理や感情に隠されることなく、愛を丸裸にすることこそが園監督の狙いだったに違いない。愛を思い出すものは勃起という身体性であり、脳味噌の中で考えられたことなんかではない。愛は愛自体であり、考え出すような愛は愛ではない。無意識に反応する身体によって、自らからほとばしる愛に気付くのだ。自分がむきだしの愛そのものだということに気付くのだ。そんな愛を肯定しきった果てに感動のラストがある。大傑作。 [DVD(邦画)] 10点(2010-10-23 02:02:08) |
3. 歩いても 歩いても
大傑作。あえて時代性を感じさせないような設定に、丁寧に作り込まれた脚本。そこには登場人物の自由さと、昨日もここで暮らしていて、明日も同じように過ごすのだなぁと思わせる本物さ。キャスティングの妙なのでしょうか、普段あまり評価していなかったような俳優さんもとてもピッタリに見えます。鳥肌が立つシーンもあり、ほんわかするシーンもあり、邦画の最高峰です。現代の東京物語。 [DVD(字幕)] 10点(2010-07-14 01:22:16) |
4. アマデウス ディレクターズカット
素晴らしい。音楽と、それに関わるモーツァルトという人。サリエリという視点を通していることがこの映画の一番のポイントで、才能のあるサリエリをもってしてもモーツァルトの足下にも及ばないという凄まじい苦悩、嫉妬、劣等感によってモーツァルトの神懸かり的な才能が際立って表現されています。 反面、彼の人間的な未熟さや浪費癖も対比される形で自然と強調され、彼の人間性を浮き彫りにしています。唸るのは、病気になったモーツァルトがサリエリに口述して楽譜を書かせるシーンです。コンスタンツェが馬車で帰るシーンと交互に映されますが、モーツァルトが「ブン、ブン」と声を発するのと同時に音楽が鳴り始め、どんどん音を重ね、オーケストラになるという過程がリアルタイムにわかり、音楽にシーンが引っ張られるような動きが出ています。本当に巧い。 音楽映画の中でベスト。 [DVD(字幕)] 10点(2008-11-16 10:18:44) |
5. きっと、うまくいく
かなり面白い。笑いあり涙あり音楽あり歌ありダンスあり、謎あり、どんでん返しあり、とインド映画の特徴をきっちり踏襲しながらそのそれぞれにおいて最高といってよいレベル。キャラクターも素晴らしく、言葉遣いに難がある部分もあったが、会話も気が利いており、インド映画ではなくあらゆる映画の中で近年出色の出来。 [映画館(字幕)] 9点(2013-06-28 21:22:52) |
6. ミスティック・リバー
傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2011-07-17 17:18:12) |
7. 嫌われ松子の一生
傑作。これがゼロ年代の鬼才。このストーリーでここまでのポップさとフラッシュバックのようにシーンを繰り返すなどの手法の斬新さ、そして映画らしさを失わない映像感覚、天才だと思う。一人の女性の一代記というある意味単純なストーリーだが、絶妙に時間軸をクロスさせ、最後まであきさせない。脚本のうまさが光る。時間軸だけではなく、伏線がしっかり張ってあるところも見所。中谷美紀の熱演は勿論最高だった。ただ最後の太った松子だが、中谷美紀の顔は太っていないのでどうしても違和感が残った。エンターテイメントに徹しているかと思えばラストのグライダー滑空のようなカメラワーク(どうやって撮ったのだろう)で川や土手を映し、家、階段まで持っていくあの美しさ、芸術性も見逃してはいけない。 [DVD(邦画)] 9点(2011-05-10 01:18:06) |
8. キャビン・フィーバー(2002)
とてつもなく好き。 [DVD(字幕)] 9点(2011-05-04 16:22:58)(笑:1票) |
9. ハッシュ!
久々に時間を忘れさせる映画だった。特に兄夫婦が乗り込んできてからはすごい。前半の導入からこの映画はテクニカルで、それぞれの生活をテンポ良く描きながらその出会いまでをさらりとつなげる。話はとてもシリアスだが、それを感じさせないコミカルな演出と、画の巧みさ。この家族の形を肯定する必要も否定する意味もないと思うが、親の十分な愛情を受けずに育った三人がそれぞれ家族という形を模索していく姿にこの映画の見所があるのだろう。 [DVD(邦画)] 9点(2010-10-29 23:21:48) |
10. ミスター・ロンリー
完成度という意味ではガンモやジュリアンを凌駕してますね。一番好きです。映像と、伝わってくる痛み。でも最後にみえる希望は、ジュリアンのラストシーンのような優しさも感じられて素晴らしいと思います。とりあえず感動しました。それぞれのシーンのアイディアも素晴らしいし。最初に「ミスターロンリー」をバックにバイクで走るシーンでもうシビれました。冒頭が分岐点になるのかも。 [DVD(字幕)] 9点(2010-09-12 11:09:49) |
11. ばかのハコ船
《ネタバレ》 「おれにもそれ飲ませてよ。そのー白いやつ。なんだっけ」と言いながら牛乳を飲み、ゴフッとなる場面は笑ってしまった。そして空気抜けは圧巻。あそこまで浮気がバレた場面を巧みに表現している映画はそうそうあるまい。ラストはやりすぎな観もあるけど、傑作。 [DVD(邦画)] 9点(2010-08-19 03:13:22) |
12. グラン・トリノ
一言でいうと巧い。うまい。万人受けする映画でした。そういう意味では置きにいってる感じがする。でもこれは批判のための批判(笑) 全面的に褒めたくないっていう自分のあまのじゃくな所です。 ただ、もともとイーストウッドはどこか人を信じられないような厭世観というか、無常観というか、皮肉で暗い感じがあって、「ミスティックリバー」や「ミリオンダラーベイビー」はそこが好きだったのに、これは意外とどストレートにきましたね。実際ちょっとうるっときちゃったしなぁ。自然に感動させられるのはすごい。 何より全編にちりばめられたユーモアとかっこよさ、「わかってんなぁ」と唸らされます。イタリア人の床屋とのやりとりとか、おばあちゃんとのやりとりとかね。あの辺も観客というものを知っているし、下手なコメディ映画より数段上。 タオとの交流もほんと今思えば「あるある」という感じで、特にラストの閉じこめるシーンなんて「うわっ」っていうくらい既視感がすごいんだけど、しかしそれを自然にやってのけるのがイーストウッドの手腕なんでしょうね。ラストもきれいだし。 でもイーストウッドが銃を持ってにらんだりするのはずるいよなぁ(笑) ダーティハリーらへんのイメージをそのまま持って来ちゃってて。これがかっこいいし迫力あるんだもん。 矛盾した表現かもしれないけど、これは普通の傑作です。また私見ではあるけれど、隣の家族が中国系移民である必然性は全くありませんね。ただこれが普通のアメリカ人だったらこの作品はここまで評価されなかったでしょう。その辺も「うまい」と唸ってしまう一つの要因ではあります。 この完成度、正にイーストウッド監督の集大成といっても過言ではない傑作だと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2009-06-03 14:12:44) |
13. アメリ
雰囲気のみでこんなにステキな作品が撮れるのはすごい。 [DVD(字幕)] 9点(2008-12-03 19:34:56) |
14. JUNO/ジュノ
傑作。ジュノの魅力と脚本のうまさ。音楽にやられました。エレン・ペイジが輝いています。脇役達も非常に良かったです。起承転結もできているしテンポも良い、長くない。大好きな作品です。 [映画館(字幕)] 9点(2008-06-22 23:02:33) |
15. まぶだち
邦画において、青春映画の最高傑作。生々しいほどの感情。少年期の疾風怒濤の時期を少し乾いたタッチで淡々と描いています。押しつけがましくないし、すっきりしてるし、ほんといい映画。 [DVD(字幕)] 9点(2008-04-23 00:23:45) |
16. シティ・オブ・ゴッド
スラム街の空気感、躍動感が圧倒的。凄い映像センス。 [DVD(字幕)] 9点(2008-04-04 13:29:18) |
17. 運命じゃない人
何にしても短いのがいい。時間軸のずらし方もタランティーノより数段上手い。引き込まれます。映画はやっぱり脚本。文句をつけるとしたらラストで、あそこでもっと唸らされたら、10点以外付けようがなかった。むしろそれを期待してたんだけど、案外あっさりでした。 [DVD(字幕)] 9点(2008-03-27 22:56:20) |
18. 善き人のためのソナタ
傑作。体制側の人間を中心としたドラマという発想の斬新さ、盗聴によって変わっていく人間の表現のうまさ、自由や愛の素晴らしさ、細かい演出、ラストといいすごい。邦題は明らかに訳者の解釈が入りすぎていて不味いと思いますが、「他人の人生」というのも芸が無いので仕方がないのかな。ソナタを聴いたことで変わったという解釈には同意しかねます。 [DVD(字幕)] 9点(2008-03-10 01:26:20) |
19. キサラギ
ここ最近で一番面白かったです。12人の~を彷彿とさせる状況。こういうシチュエーションが大好きなんですが、伏線はまぁ甘いですがそんなことが気にならないくらい良く出来ています。 5人の熱演によるところが大きいと思いますが、脚本も良いですね。次々と明るみに出る事実と、5人の推理。そして衝撃の…。まぁ段々先が読めてしまうので、誰も先が読めないような展開があったら文句なしで10点なのですが。 それからラストにもマイナス1点ですが、随所で笑いがあって、全く退屈せずに楽しめる映画というのは近年貴重ですので、是非観て欲しいです。 [映画館(字幕)] 9点(2007-08-12 20:29:30) |
20. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 大好きな映画です。これはものすごい。リンチの世界観に引き込まれます。というよりリンチの脳内に連れていかれる感じ。 前半の「どうなるんだどうなるんだ」という期待感が後半、困惑に変わり、くるくるくるくる回されたあげく夢から覚まされる感じ。 支離滅裂な映画にみえますが、一回は普通に観て、二回目からは注意深く観るとリンチの緻密な計算が見えます。謎解きを楽しむ感じです。 直感で観ても面白いと思います。ラストの「お静かに」というシーンが非常に印象的。 [DVD(字幕)] 9点(2007-08-10 19:41:14) |